有価証券報告書-第53期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/29 10:25
【資料】
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【項目】
143項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(経営方針・経営戦略等)
当社グループは、「お客の役に立て」を経営の基本理念として、株主の皆様、得意先や仕入先、社員とその家族、地域社会等全ての皆様が当社グループを支えて下さる「お客」であることを認識し、時代の変化に対応しながら常にお客様に信頼され、支持されるために努力を惜しまず行動する会社を目指しております。
また、エレクトロニクス専門商社として電子部品・電子機器の販売を通じて広く社会のハイテク化に貢献し、将来の技術発展の一翼を担う存在となることを目標としております。
(目標とする経営指標)
当社グループは、収益の基盤強化こそが、企業としての持続的成長、発展の基礎であるという認識のもと、目標とする経営指標といたしまして売上高経常利益率の向上を掲げ取り組んでおります。
(経営環境)
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、主力市場である半導体製造装置関連業界においては、新型コロナウイルス感染拡大の影響により、医療機器向けの需要増や、在宅勤務等に必要なパソコン需要の高まりから半導体の設備投資増加を見込んだ顧客の生産計画により、足元の受注はやや増加しているものの先行きについては不透明な状況にあります。一方で次世代移動通信規格(5G)の実用化等を背景として、AI、IOT関連市場向けや自動運転等の技術開発が加速する自動車向け等半導体を中心とするハイテク産業が今後も市場を牽引し、部品の需要は長期的には拡大していくものと予想されます。
(優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題等)
このような環境の下、当社グループの継続的な発展及び経営基盤の安定を図っていくため、対処すべき課題として以下のことに取り組んで参ります。
①営業体制の強化と新商材・新市場開拓
当社グループの主要顧客においては、近年製品の開発・製造期間の短縮や調達方法の多様化等、モノづくりや購買方法に変化が見られ、その要望を的確に把握し、付加価値の高い提案を行うことが課題であると認識しております。
このため当社は、地域密着型営業でお客様の声を間近で聞くことにより安定した顧客基盤を築くことに加え、より効率的かつ柔軟な営業展開に努めて参りました。この一環として2019年9月に九州地区の営業強化を目的として福岡営業所を開設し、新規顧客開拓、既存顧客の深堀りに取り組んでおりますが、今後は拠点統合による強化も検討し、一層の営業効率向上を図るとともに、新卒採用を軸とした中長期的な人材確保・育成に取り組んで参ります。
また、当社グループの今後の業績拡大には、新たに核となる商材や市場の開拓が必須であると認識しております。このため新商材や新規顧客の開拓を計画的に推進していくとともに、各営業拠点では、これら新商材のPRとあわせ既存の主要取扱商品についても更なる受注拡大につなげる活動に取り組んで参ります。
加えて、ハーネス加工やユニット組み立て、ソフト開発、装置メーカーの紹介等お客様の要望にお応えするための様々な提案活動により部品単体の取引形態からの脱却を図り、新たなビジネスモデルへの転換を進めて参ります。
②企業の信頼性向上への取組み
企業も社会の一員であるという基本を忘れず、法令遵守はもとより、環境への対応、地域社会との融和などに取り組み、社会貢献度の高い、透明性のある経営を徹底いたします。とりわけ、当社が調達する製品の品質・含有化学物質等の管理体制や災害へのリスク管理対応など、より高次元での管理体制に顧客からの期待が高まっており、これらに対応できる体制の構築・運用が急務であると認識しております。
また、喫緊の課題として新型コロナウイルス感染拡大への対応があります。当社は、従業員のマスク着用等の感染拡大防止策を講じるほか、時差出勤や一部で在宅勤務を導入しつつ従業員の安全・健康の維持に努め、あわせてデジタル化の推進により、お客様へのサービス提供に影響のない体制構築を図ってまいります。