四半期報告書-第67期第3四半期(平成29年10月1日-平成29年12月31日)

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2018/02/09 9:22
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財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1)業績の状況
当第3四半期連結累計期間におけるわが国経済は、輸出の持ち直しや設備投資の増加傾向、雇用・所得環境の改善による個人消費の伸びなどを背景に緩やかな回復基調が続いております。
先行きについては、雇用・所得環境改善の傾向が続くなかで、各種経済対策の効果などにより、緩やかに回復していくことが期待されているものの、地政学的リスクや英国のEU離脱問題、米国の経済政策運営など、海外情勢について留意する必要があります。
当社グループの市場環境は引き続き競争激化の状況にありますが、新たな成長を見据え独自の付加価値強化による収益性の向上及びアジアを中心とした成長市場への進出によりグローバルビジネスの拡大を図っております。
具体的には、システムセグメントでは、主要商品である商品監視システムや入退室管理システムの付加価値強化、RFIDシステム、リテールソリューション、クラウド型無線LAN等の新たな市場開拓、またタイ及びASEAN諸国において展開する高度防火システム事業の拡大を図っております。
他方、デバイスセグメントでは、電子事業においては主に通信インフラ分野での拡販や各種半導体を使用した独自の基板設計などの付加価値強化、また産機事業では従来のATM向け機構部品に加え、北米、ASEAN諸国、中国への住宅設備向け機構部品の販売、国内外における自動車内装部品市場の開拓などに注力しております。
このような状況の中、当第3四半期連結累計期間の経営成績は、デバイスセグメントが前年同期並みの水準にとどまった一方で、システムセグメントが伸張したことなどから、売上高は前年同期比8.4%増の146億7百万円となりました。
損益につきましては、販売費及び一般管理費が1億53百万円減少したことなどにより、営業利益は前年同期比67.6%増の3億70百万円となりました。経常利益は前年同期比9.5%増の4億23百万円となりました。親会社株主に帰属する四半期純利益は、前年同期比149.0%増の2億29百万円となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(システムセグメント)
システムセグメントの売上高は、前年同期比13.8%増の90億18百万円、営業利益は、前年同期比397.3%増の3億38百万円となりました。
セキュリティ商品類では、商品監視システムの更新需要を捉え販売増加につなげたことや大手携帯キャリア向けディスプレイセキュリティシステム及び外資系企業向け入退室管理システムの販売が好調に推移したこと、タイにおける防火システムの販売が前年同期に比べ伸張したことなどから、売上高は前年同期比16.2%増の57億77百万円となりました。
その他ソリューション商品類は、クラウド型無線LANやRFIDタグの販売が堅調に推移したことなどから、売上高は前年同期比10.4%増の11億90百万円となりました。
カストマ・サービス商品類は、セキュリティ商品類及びその他ソリューション商品類の販売増に伴い設置料収入や保守収入が増加したことなどから、売上高は前年同期比9.3%増の20億50百万円となりました。
(デバイスセグメント)
デバイスセグメントの売上高は、前年同期比0.6%増の55億88百万円、営業利益は前年同期比82.2%減の28百万円となりました。
電子商品類では、遊技市場向けの販売が苦戦した一方で、スマートフォンや半導体製造装置向け電子部品の販売が堅調に推移したことなどにより、売上高は前年同期比19.3%増の26億19百万円となりました。
産機商品類では、オフィス家具や住宅設備向けの販売が底堅く推移した一方で、ATMや遊技市場向けの販売が苦戦したことなどから、売上高は前年同期比11.6%減の29億68百万円となりました。
(2)財政状態に関する説明
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末と比べ7百万円増加し、185億68百万円となりました。これは有価証券が譲渡性預金の解約により5億円、受取手形及び売掛金が87百万円、のれんが84百万円減少した一方で、投資有価証券が4億63百万円、商品及び製品が2億89百万円増加したことなどによるものです。
他方、負債は、前連結会計年度末と比べ3億11百万円減少し、44億15百万円となりました。これは支払手形及び買掛金が1億83百万円、未払法人税等が1億56百万円減少したことなどによるものです。
純資産は前連結会計年度末と比べ3億18百万円増加し、141億52百万円となりました。これはその他有価証券評価差額金が1億63百万円、為替換算調整勘定が1億43百万円増加したことなどによるものです。自己資本比率は前連結会計年度末から1.7ポイント上昇し、76.2%となりました。
(3)経営方針・経営戦略等
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(4)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第3四半期連結累計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
なお、当社は財務及び事業の方針の決定を支配する者のあり方に関する基本方針を定めており、その内容等(会社法施行規則第118条第3号に掲げる事項)は次のとおりであります。
①基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の向上に努めていくものでなければならないと考えています。
当社グループは、独立系技術商社として、創業以来「創造」を事業活動の原点に据え、常に海外の先端技術・商品を広く探求・開拓し、日本の市場に紹介してまいりました。また、創業から65年を通して、「テクノロジーをとおしてお客様のご満足を高め、技能と人間性を磨いて世界に通用する信頼を築き、力を合わせて豊かな未来を拓き社会に貢献する」という企業理念の実現に努めてまいりました。
このような企業理念に基づき、国内各業界の多くの有力企業をお客様とし、海外の有力先端メーカーとの信頼関係、そして海外の先端技術・商品を扱う人材・技術サポート・情報・先端技術探求ネットワーク網などの当社独自の事業ノウハウと快活な先取り精神の社風を築き、持続的な成長により企業価値を高めてまいりました。
当社取締役会は、経営支配権の異動を目的とした株式の大規模買付行為または提案であっても、企業価値ひいては株主共同の利益の向上に資するものであれば、これを一概に否定するものではなく、これを受け入れるかどうかは、原則として、当社株主の皆様の判断に委ねられるべきものであると考えています。そのために当社は、大規模買付者及び当社取締役会の双方から当社株主の皆様への必要かつ十分な情報・意見・提案などの提供と、それらを検討するための必要かつ十分な時間が確保される必要があることに加え、株主の皆様をはじめとするステークホルダーのために、当社取締役会による代替案が十分に検討できる機会・時間を確保し、かつ必要に応じて大規模買付者と交渉を行うこと等の当社取締役会の対応を可能とするため、一定の合理的・客観的な仕組みが必要と考えています。
②基本方針の実現に資する特別な取組み
当社グループは、独立系技術商社の強みを活かし、事業系列や資本系列に捉われることなく、自らの企業理念に従い、市場ニーズを捉え、迅速かつ闊達に世界の先端商材・技術を発掘し、市場に紹介・提供することこそが、当社の有する優位的経営手法であり、収益と成長の維持拡大に欠かせないこと、ひいては企業価値及び株主共同の利益の源泉と考えています。
現在、当社グループでは、新たな成長戦略の下、「安全・安心・快適」「ビジネスセキュリティ」を事業コンセプトに、「独自の付加価値の創出」と「グローバルビジネスの拡大」を推し進めております。こうした取組みにより、強固な収益基盤の構築と事業規模の拡大を図り、企業価値ひいては株主共同の利益向上に邁進してまいります。
また、当社グループは、企業市民として果たすべき「CSR(企業の社会的責任)」を強く認識し、責任ある誠実で透明な経営活動の継続的な実施を通して、あらゆるステークホルダーから信頼される経営を進め、企業価値の向上に努めてまいります。
③当社株式の大規模な買付行為に関する対応策(買収防衛策)の仕組み
当社は、平成19年11月6日開催の当社取締役会において、特定株主グループ(注1)の議決権割合(注2)を20%以上とすることを目的とする当社株式等の買付行為、又は結果として特定株主グループの議決権割合が20%以上となる当社株式等の買付行為(いずれも、あらかじめ当社取締役会が同意したものを除きます。本対応策において、このような買付行為を「大規模買付行為」、大規模買付行為を行う者を「大規模買付者」といいます。)に対する対応策(以下、「本プラン」といいます。)の導入を決議し、その後の当社第57回、第59回、第61回、第63回及び第65回定時株主総会において、その継続を株主の皆様にご承認いただいております。その概要は以下のとおりです。
(a)大規模買付ルールの設定
大規模買付者が、大規模買付行為を行うに際しては、大規模買付者の概要や大規模買付行為の目的及び内容等に関する情報、大規模買付ルールに従うことを誓約する旨の「意向表明書」等を当社取締役会宛に提出していただきます。
(b)当社取締役会の評価・検討
当社取締役会は、大規模買付者からの大規模買付情報の提供が完了した後、一定の期間(以下、「取締役会評価期間」といいます。)を設け、当該情報の評価、検討、交渉、意見形成、代替案立案にあたります。
従って、大規模買付行為は、取締役会評価期間の経過後にのみ開始されるものとします。取締役会評価期間中、当社取締役会は、取締役会から独立した組織として設置された独立委員会に諮問し、かつ外部専門家等の助言を受けながら、提供された大規模買付情報を十分に評価・検討し、独立委員会の勧告を最大限尊重した上で、取締役会としての意見をとりまとめ開示いたします。また、必要に応じ、大規模買付者との間で大規模買付行為に関する条件改善について交渉し、当社取締役会として株主の皆様へ代替案を提示することもあります。
(c)大規模買付行為がなされた場合の対応
当社取締役会が、大規模買付行為の内容を評価・検討し、大規模買付者との協議・交渉の結果、大規模買付行為が以下のような要件に該当し、一定の措置をとることが相当であると判断した場合には、取締役会評価期間の開始又は終了の如何を問わず、新株予約権無償割当て等、会社法その他法令及び当社定款が取締役会の権限として認める対抗措置をとることがあります。
(イ)大規模買付者が大規模買付ルールを遵守しない場合
(ロ)大規模買付者が企業価値ひいては株主共同の利益に対する明白な侵害をもたらすような買収行為を行う場合
(ハ)強圧的二段階買収など株主に株式の売却を事実上強要するおそれがある買収行為を行う場合
(ニ)大規模買付者による支配権取得により、ステークホルダーの利益が損なわれ、それによって長期的に企業価値ひいては株主共同の利益が毀損される場合
(ホ)買付けの条件が当社の本源的価値に鑑み不十分又は不適当な買付けである場合
④本プランの客観的合理性
本プランが、当社の株主共同の利益を損なうものではなく、当社の役員の地位の維持を目的とするものではないこと及びその理由として、以下のことが言えます。
(a)買収防衛策に関する指針の要件を完全に充足していること
本プランは、経済産業省及び法務省が平成17年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を完全に充足しています。また、本プランは、経済産業省の企業価値研究会が平成20年6月30日に発表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」を勘案した内容となっております。
(b)株主共同の利益の確保・向上を目的としていること
本プランは、当社株式に対する買付等がなされた際に、当該買付等に応じるべきか否かを株主の皆様が判断し、あるいは当社取締役会が代替案を提示するために必要な情報や時間を確保したり、株主の皆様のために買付者等と交渉を行うこと等を可能とすることにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保し、向上させることを目的とするものです。
(c)株主意思を重視するものであること
本プランは、当社株主総会の決議により継続されたものです。また、本プランの有効期限(平成30年6月開催予定の当社定時株主総会終結の時まで)の満了前であっても、当社株主総会において本プランを廃止する旨の決議が行われた場合は、本プランはその時点で廃止されることになり、その意味で、本プランの消長には、株主の皆様のご意向が反映されることとなっております。
(d)独立した委員会の判断の重視と情報開示
当社は、本プランの採用にあたり、当社取締役会の恣意的判断を排除し、株主の皆様のために大規模買付ルールの発動等の運用に際しての実質的な判断を客観的に行う機関として、独立委員会を設置しております。
独立委員会は、当社の業務執行を行う経営陣から独立している、社外取締役、社外監査役、経営経験豊富な企業経営者、弁護士、公認会計士等のいずれかに該当する委員3名以上により構成されます。
当社株式に対して買付等がなされた場合には、独立委員会が、独立委員会規則に従い、大規模買付行為が当社の企業価値ひいては株主共同の利益を毀損するか否か等の実質的な判断を行い、当社取締役会はその判断を最大限尊重して会社法上の機関としての決議を行うこととします。
このように、独立委員会によって、当社取締役会が恣意的に大規模買付ルールの発動等の運用を行うことのないよう、厳しく監視するとともに、同委員会の判断の概要については株主の皆様に情報開示をすることとされており、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に適うように大規模買付ルールの透明な運営が行われる仕組みが確保されています。
(e)合理的な客観的発動要件の設定
大規模買付ルールは、予め定められた合理的かつ詳細な客観的要件が充足されなければ発動されないように設定されており、当社取締役会による恣意的な発動を防止するための仕組みを確保しているものと言えます。
(f)第三者専門家の意見の取得
大規模買付者が出現すると、独立委員会は、独立した第三者(財務アドバイザー・公認会計士・弁護士・コンサルタントその他の専門家を含みます。)の助言を得ることができることとされています。これにより、独立委員会による判断の公正さ・客観性がより強く担保される仕組みとなっています。
(g)デッドハンド型買収防衛策やスローハンド型買収防衛策ではないこと
本プランは、当社の株主総会で選任された取締役で構成される取締役会により廃止することができるものとされており、当社の株式等を大量に買付けた者が、当社株主総会で取締役を指名し、かかる取締役で構成される取締役会により、本プランを廃止することが可能です。
従って、本プランは、デッドハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の過半数を交替させてもなお、発動を阻止できない買収防衛策)ではありません。
また、当社は取締役の期差任期制を採用していないため、本プランはスローハンド型買収防衛策(取締役会の構成員の交替を一度に行うことができないため、その発動を阻止するのに時間を要する買収防衛策)でもありません。
注1.特定株主グループとは、①当社の株式等(金融商品取引法第27条の23第1項に規定する株券等をいいます。)の保有者(同法第27条の23第1項に規定する保有者をいい、同条第3項に基づき保有者に含まれる者を含みます。)及びその共同保有者(同法第27条の23第5項に規定する共同保有者をいい、同条第6項に基づき共同保有者とみなされる者を含みます。)、又は②当社の株式等(同法第27条の2第1項に規定する株券等をいいます。)の買付け等(同法第27条の2第1項に規定する買付け等をいい、取引所金融商品市場において行われるものを含みます。)を行う者及びその特別関係者(同法第27条の2第7項に規定する特別関係者をいいます。)を意味します。
2.議決権割合とは、①特定株主グループが、注1の①の記載に該当する場合は、当社の株式等の保有者の株式等保有割合(金融商品取引法第27条の23第4項に規定する株券等保有割合をいいます。この場合においては、当該保有者の共同保有者の保有株式等の数(同項に規定する保有株券等の数をいいます。)も計算上考慮されるものとします。)、又は②特定株主グループが、注1の②の記載に該当する場合は、当社の株式等の買付け等を行う者及びその特別関係者の株式等所有割合(同法第27条の2第8項に規定する株券等所有割合をいいます。)の合計をいいます。議決権割合の算出に当たっては、総議決権(同法第27条の2第8項に規定するものをいいます。)及び発行済株式の総数(同法第27条の23第4項に規定するものをいいます。)は、有価証券報告書、四半期報告書及び自己株券買付状況報告書のうち直近に提出されたものを参照することができるものとします。
(5)研究開発活動
当第3四半期連結累計期間における研究開発費は、47百万円(売上高比0.3%)であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(6)経営成績に重要な影響を与える要因についての分析
当社グループの事業運営は、特定の分野や顧客、サプライヤーに依存しているのが実情です。従って、そうした特定の分野や顧客の市況・業況や、サプライヤーとのパートナーシップ如何によっては、当社の業績に大きな影響が及ぶ可能性があります。
(7)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの当第3四半期連結累計期間における資金状況は、当第3四半期連結会計期間末の現金及び預金が、前連結会計年度末と比べ11百万円減少し61億52百万円となりました。これは譲渡性預金の解約により有価証券が5億円減少した一方で、商品及び製品が2億89百万円増加したことや株式の取得2億27百万円があったことなどが主な要因であります。商品及び製品の増加や配当金の支払いなどによる運転資金の需要増については手許流動資金(現預金)で賄っております。
商社活動の中では、一時的にまとまった運転資金が必要となる場合がありますが、現在の資金残高は、当面の事業活動を考慮しても、流動性が確保できております。