訂正有価証券報告書-第39期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/27 15:46
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116項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度(平成28年4月1日~平成29年3月31日)におけるわが国経済は、政府による経済・金融政策のもと、企業収益や雇用環境の改善により、緩やかな回復基調で推移したものの、中国をはじめとするアジア新興国経済の伸び悩みのほか、米国新政権の政策に対する懸念や英国のEU離脱問題など、世界経済は不確実性が高まる状況となりました。
当社グループが属する「食」の分野では、外食・中食をはじめとする他業種他業態との競争激化、労働需給のひっ迫に伴う人件費関連費用の上昇や、円安や天候不順による原材料価格の上昇、物流関連費用の上昇といった状況が継続したほか、消費者の節約志向が見られるなど、先行きは依然として不透明な状況が続いております。
このような環境の中、持ち帰り弁当事業では、食に対する安心、安全への「こだわり」をビジネスの中心に据え、多様化する消費者のニーズに対応するための顧客満足度向上に注力し、店舗従業員の接客マナー向上研修や商品開発、メニューのリニューアルを進めてまいりました。また、店舗委託事業においては積極的な新規出店・優良物件の仕入を進め、店舗管理事業においても安定収益を確保してまいりました。
このような中、当連結会計年度の業績は、売上高480億28百万円(前期比1.5%減)、営業利益8億84百万円(前期比2.3%減)、経常利益12億91百万円(前期比7.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益9億71百万円(前期比30.5%減)となりました。
事業の種類別セグメントの業績は次のとおりであります。
①持ち帰り弁当事業
持ち帰り弁当事業においては、地域の皆様の豊かな食生活に貢献する「わたしの街の台所」として、手作りによる家庭の温もり、まごころ、安心感をお届けする信頼の食を追求しております。消費者の節約志向が続く中、お値打ち感のあるメニューを継続して販売したほか、「サーロインステーキ弁当」のような高付加価値メニュー、季節感の感じられる「竹の子弁当」や「松茸弁当」、暑い時期にさっぱりと召し上がっていただく「おろし」シリーズ、「から揚げ」をはじめとするほっかほっか亭の人気商品を組み合わせた「コンビ弁当」などを販売し、お客様の多様なニーズに対応してまいりました。
また、「ほっかほっか亭」1号店誕生から40周年を記念したキャンペーンを実施するとともに、新たな成長ステージに向けて他業種とのコラボレーション出店の取り組みを強化し、お客様にとってより利便性の高い利用シーンの提案を進めてまいりました。
この結果、持ち帰り弁当事業の売上高は、197億99百万円(前期比8.3%減)、営業利益は13億24百万円(前期比10.5%減)となりました。
②店舗委託事業
店舗委託事業においては、景気動向や人手不足に起因するコスト上昇の懸念がある中、積極的な優良物件の仕入により収益基盤の強化を図るとともに、引き続き未稼働店舗の解消、不採算店舗の解約・閉鎖等により稼働率の向上を図り、利益率の向上に努めてまいりました。また、自社で運営するWEBサイト「店通(てんつう)」などの媒体を通したプロモーション活動を強化し、飲食業界における当社ブランドの浸透と、当社の提供するサービスへの信頼感の向上を図ってまいりました。
この結果、店舗委託事業の売上高は231億86百万円(前期比1.8%増)、営業利益は4億94百万円(前期比42.2%増)となりました。
③店舗管理事業
店舗管理事業においては、低金利や政府による経済政策を背景に不動産取引は概ね右肩上がりの傾向で推移しているものの、一部では建築費高騰の傾向も見られるなど先行き不透明な状況になる中で、安定的な収益機会を確保すべく、ビルオーナーに対する当社サービスの浸透を進めることによってビル管理受託業務の契約数の増加を図るとともに、関連する収益機会の深耕を進め、利益の拡大を図ってまいりました。
この結果、店舗管理事業の売上高は、7億27百万円(前期比13.2%増)、営業利益は4億9百万円(前期比16.6%増)となりました。
④店舗直営事業
店舗直営事業においては、旬の食材を用いた「お得な寿司盛り込み」のワンプレートディナーや、「旨いまぐろメニュー」など看板メニューの商品力強化を図るとともに、Tポイントカードの利用告知、順番待ちシステムであるE-PARK会員向け情報発信、食べログなどのWEBサイトでの情報発信など、集客およびリピーター比率向上に向けた施策を講じてまいりました。また、シフト管理や在庫管理の徹底によるFL率(人件費率と原価率の合計)の低減、不採算店舗閉店、照明設備改良による店舗の視認性改善など、収益確保施策に取り組んでまいりました。しかしながら、全店ベースでの来店客数を伸ばすには至りませんでした。
この結果、店舗直営事業の売上高は、12億12百万円(前期比7.9%減)、営業損失46百万円(前連結会計年度は営業損失36百万円)となりました。
⑤その他の事業
フレッシュベーカリー事業においては、ブランド名および商号を「妖精の国」を意味する「アルヘイム」に刷新するとともに、新商品の提案に注力し、商品のブラッシュアップも進めております。また、お客様に支持いただける商品の提供・サービス品質の向上には従業員教育が不可欠であるため、研修機能の強化を進めてまいりました。
物流関連事業においては、既存の物流基盤の再構築によって物流精度の更なる向上を図るとともに、グループ外企業への積極的な営業活動の展開により、全国を網羅する既存の物流インフラをベースに新規の物流業務獲得を進めております。あわせて、自社開発商品のグループ外企業への販路開拓、取引先企業との共同開発商品の取引拡大にも注力することによって収益機会を着実に捉えて利益を実現してまいりました。
この結果、その他の事業の売上高は、31億2百万円(前期比29.0%増)、営業損失29百万円(前連結会計年度は営業利益76百万円)となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ8億80百万円増加し、66億59百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は、前年同期に比べ7億99百万円増加し27億44百万円となりました。この内訳は、主に税金等調整前当期純利益の計上、減価償却費の計上などによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は、3億70百万円(前連結会計年度に使用した資金は17億50百万円)となりました。この内訳は、主に有形固定資産の取得による支出、有形固定資産の売却による収入、投資有価証券の売却による収入などによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は、14億93百万円(前連結会計年度に使用した資金は18億89百万円)となりました。この内訳は、主に長期借入金の返済による支出、長期借入れによる収入、配当金の支払などによるものであります。