有価証券報告書-第28期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は平成元年10月の創業時に下記の「設立の志」を掲げました。
「私たちは、商品開発および環境開発を通じ、生活・文化・社会を高度化することで、社会に貢献することを目的とする」。これは単にビジネスとしてだけではなく、事業を通して、日本の生活文化における規範となる正しい価値観を確立・訴求し続けるという強い意思を表すものであります。
この創業当初からの志である「日本の生活文化の規範となる価値観の創造」に加え、当社グループが「世界に通用する企業ブランド」となることを目指し、平成24年10月に新たな経営理念として「私たちは、世界に通用する新しい日本の生活文化の規範となる価値観を創造し続けます」を掲げました。
同時に、当社の根幹を成す考え方である「店はお客様のためにある」について、現場から経営まであらゆる企業活動における判断の拠り所として今まで以上に徹底すべく、遵守すべき「ルール」から「社是」へ位置づけを改めました。
これらの経営理念および社是の下、当社では社会との約束として5つの価値創造を掲げております。5つの価値とは「お客様価値」「従業員価値」「取引先様価値」「社会価値」「株主様価値」であります。当社ではこれらのうち、お客様価値の創造を最も重視し、他の4つの価値を等しく高めることがお客様価値の向上につながり、お客様価値の創造が達成されて初めて、他の4つの価値が意味を成す、と考えております。
当社ではこれら5つの価値の創造に全力を尽くすと同時に、社会の公器として日本の生活文化の向上に貢献していくことにより、企業価値を向上させていくことを経営の基本方針としております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
当社では上記の経営理念および5つの価値創造の実現に向け、平成29年5月に平成32年3月期(2020年3月期)を最終年度とする中期ビジョン「UAグループ中期VISION」を公表いたしました。
「UAグループ中期VISION」では、永年培ってきた当社の強みである「お客様との信頼関係」を活かし、「強い経営基盤の確立」、「実店舗の強みを活かしたEC拡大」、「マーケット変化への対応」、「お客様との接点の拡大」の4つの戦略課題を推進いたします。
「強い経営基盤の確立」については、①組織風土・人事改革、②不採算事業・店舗・取組の精査・見極めと実行、③あるべきコスト構造の再定義とその実現、を推進することで、中期VISION期間内にて強い経営基盤を確立することを目指します。
組織風土・人事改革:組織風土改革として経営理念の再浸透を目指します。平成13年に初めて策定し、現在までにその時々の経営環境や課題に応じて3回の改定を行ってまいりました理念ブックについて、当中期期間中に新たな改定を実施することで、経営理念の再浸透に努めます。人事改革については、ES(エデュケーター・スチューデント)制度の再徹底を行うことで、お客様との信頼関係をより高め、結果として生産性の向上を図ります。
不採算事業・店舗・取組の精査・見極めと実行:不採算店舗の見極めおよび必要に応じた退店については、前期より実施しております。加えて、不採算事業の見極めについても、中期の初年度(平成30年3月期中)に目処をつけてまいります。
あるべきコスト構造の再定義とその実現:プロジェクトチームを結成し、社内業務をたな卸しすることで、効率の低い業務や不要なコストを抜本的に見直し、販管費率改善に繋げてまいります。
「実店舗の強みを活かしたEC(ネット通販)拡大」については、実店舗にて築き上げてきた安心・信頼を背景とした現時点までのECの成長拡大に加え、各種施策を推進することで、さらなるECの成長を目指します。直近では、平成28年8月に実施した新ハウスカードプログラムへの改定により、お客様の利便性を高め、平成29年4月には、ECサイトとブランドサイトの統合リニューアルを行うことで、サービスの向上を図りました。中期期間はこれらの効果による売上の底上げが期待できるほか、今後については、①商品計画精度向上を図りつつECへの在庫の積み増しを行うことによる販売機会ロスの低減、②SNSを中心とした潜在顧客に広くアプローチする宣伝販促の実施による新規顧客の獲得、③ECも踏まえた販売員の評価制度の見直し、④EC専用商材の拡充、等を実施することで、ECにおける売上の拡大を目指します。また、長期的にはECにおける実店舗と遜色のない接客販売手法の確立や、フィッティングルーム店舗の検討を行う等、新たな顧客体験の創出に向けた取り組みに着手してまいります。
「マーケット変化への対応」については、当社の属する衣料品マーケットの今後の環境変化に柔軟に対応しつつ、当社の優位性の高いカテゴリーを拡充することで、成長拡大を目指します。
当社のメインマーケットであるトレンドマーケットについては、お客様の意識や環境の変化から、今後徐々に縮小していくことが見込まれております。このマーケットに属するユナイテッドアローズ事業については、量より質を追求することで、ロイヤルティの向上を図るとともに、事業内における採算性の低い取り組みを精査することで、収益性の向上を目指します。
トレンドマーケットより一段リーズナブルなミッドトレンドマーケットについては、逆にお客様のニーズが拡大していくことが見込まれております。このマーケットに属するグリーンレーベル リラクシング事業については新規出店の継続、ECの拡大に加え、優位性の高いビジネスウエア、ウイメンズカテゴリーでの単独出店と拡大を目指してまいります。
そして、ミッドトレンドマーケットよりさらにリーズナブルなニュートレンドマーケットについても、ミッドトレンドマーケット同様、今後お客様のニーズが拡大していくことが見込まれております。このマーケットに属する連結子会社コーエンの運営するコーエン事業については、収益構造改革を推進することで早期の収益性向上を図るとともに、当社グループの優位性の高いカテゴリーでの新規事業の創出を検討してまいります。
「お客様との接点の拡大」については、ドメインの拡大、顧客と関わる時間の拡大、海外展開の拡張、の3つを推進いたします。
ドメインの拡大:今まで洋服に使われていたお客様のお金は近年、より分散し、様々なモノ・コトに使われています。築き上げてきた「お客様との信頼関係」をベースに、衣料品以外のお客様の生活に関わる幅広い領域において商品開発を進めます。
顧客と関わる時間の拡大:商品を販売した後も、その商品を通じてお客様と関わる時間を拡大していくことで、お客様価値の継続的な向上を目指します。この実現に向け、リペア、リユース事業の検討を行ってまいります。
海外展開の拡張:現在進めている台湾事業については、実店舗・EC双方の推進によるノウハウの蓄積を継続いたします。併せて、越境ECによる海外展開の可能性を検証し、これらに伴う次代のグローバル戦略の検討を進めてまいります。
また、これら4つの戦略は以下のスケジュールで取り組んでまいります。まず中期期間の3年間で、「強い経営基盤の確立」を目指します。「実店舗の強みを活かしたEC拡大」および「マーケット変化への対応」については、中長期に亘り、継続して取り組んでまいります。これらの施策を進めながら、長期的・持続的な成長拡大に向け、「お客様との接点の拡大」に着手いたします。
以上の推進により、中期期間(平成30年3月期~平成32年3月期)中の連結経常利益平均成長率8%を目指すとともに、ROE16%以上、配当性向35%以上、DOE5.5%以上の維持を目指すことで、成長と還元の両立を図ってまいります。
また、長期的なKPIとしては、以下を目指します。連結EC売上構成比: 25~30%(現在約16%)、在庫回転:長期的に過去最高水準を目指す(連結における過去最高値:年間6.9回転/平成25年3月期 )、定価販売比率:長期的に5%ポイント以上の向上を目指してまいります。
(3) 会社の対処すべき課題および次期の見通し
当社は平成30年3月期の単年度経営方針として「収益性の早期改善」を掲げており、この達成に向け「売上総利益率の改善」、「在庫効率の改善」、「販管費率の改善」、「ネット通販売上の拡大による収益性の改善」の4つの重点取組課題を定めました。
■29期経営方針「4つの重点取組課題」
1.売上総利益率の改善
当社の商品戦略の柱である基本商品政策の社内浸透を進め、価格と価値のバランスを十分に見極めた価格設定を行なうことで、定価販売比率を高めます。加えて気温変動の影響を受けづらいビジネス需要や式典需要などへの対応を強化して売上の安定化を図り、売上総利益率の改善につなげます。
2.在庫効率の改善
商品の品番数を削減することで、商品一点一点の完成度を高めます。併せてシーズン当初の在庫投入量を抑制しつつ、売上動向を見ながらシーズン途中での売れ筋商品の追加生産を実施することで、在庫効率の改善につなげます。
3.販管費率の改善
プロジェクトチームを結成して社内業務のたな卸しを実施します。効率の悪い業務や不要なコストを抜本的に見直し、販管費率の改善につなげます。
4.ネット通販売上の拡大による収益性の改善
前期に実施したハウスカード サービスの改定に続き、今年4月には各ブランドサイトとユナイテッドアローズ オンラインストアの統合リニューアルを実施しました。オンライン裾上げサービスなど各種サービスの拡充に着手しており、実店舗とオンラインストアのどちらでも安心してお買い求めいただける環境を整えます。同時にネット通販店舗への在庫供給を増やして販売機会ロスを極小化し、実店舗とオンラインストアの双方の売上につながる販促活動を行います。実店舗よりも利益率の高いネット通販売上を拡大することで、収益性の改善につなげます。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は平成元年10月の創業時に下記の「設立の志」を掲げました。
「私たちは、商品開発および環境開発を通じ、生活・文化・社会を高度化することで、社会に貢献することを目的とする」。これは単にビジネスとしてだけではなく、事業を通して、日本の生活文化における規範となる正しい価値観を確立・訴求し続けるという強い意思を表すものであります。
この創業当初からの志である「日本の生活文化の規範となる価値観の創造」に加え、当社グループが「世界に通用する企業ブランド」となることを目指し、平成24年10月に新たな経営理念として「私たちは、世界に通用する新しい日本の生活文化の規範となる価値観を創造し続けます」を掲げました。
同時に、当社の根幹を成す考え方である「店はお客様のためにある」について、現場から経営まであらゆる企業活動における判断の拠り所として今まで以上に徹底すべく、遵守すべき「ルール」から「社是」へ位置づけを改めました。
これらの経営理念および社是の下、当社では社会との約束として5つの価値創造を掲げております。5つの価値とは「お客様価値」「従業員価値」「取引先様価値」「社会価値」「株主様価値」であります。当社ではこれらのうち、お客様価値の創造を最も重視し、他の4つの価値を等しく高めることがお客様価値の向上につながり、お客様価値の創造が達成されて初めて、他の4つの価値が意味を成す、と考えております。
当社ではこれら5つの価値の創造に全力を尽くすと同時に、社会の公器として日本の生活文化の向上に貢献していくことにより、企業価値を向上させていくことを経営の基本方針としております。
(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営指標
当社では上記の経営理念および5つの価値創造の実現に向け、平成29年5月に平成32年3月期(2020年3月期)を最終年度とする中期ビジョン「UAグループ中期VISION」を公表いたしました。
「UAグループ中期VISION」では、永年培ってきた当社の強みである「お客様との信頼関係」を活かし、「強い経営基盤の確立」、「実店舗の強みを活かしたEC拡大」、「マーケット変化への対応」、「お客様との接点の拡大」の4つの戦略課題を推進いたします。
「強い経営基盤の確立」については、①組織風土・人事改革、②不採算事業・店舗・取組の精査・見極めと実行、③あるべきコスト構造の再定義とその実現、を推進することで、中期VISION期間内にて強い経営基盤を確立することを目指します。
組織風土・人事改革:組織風土改革として経営理念の再浸透を目指します。平成13年に初めて策定し、現在までにその時々の経営環境や課題に応じて3回の改定を行ってまいりました理念ブックについて、当中期期間中に新たな改定を実施することで、経営理念の再浸透に努めます。人事改革については、ES(エデュケーター・スチューデント)制度の再徹底を行うことで、お客様との信頼関係をより高め、結果として生産性の向上を図ります。
不採算事業・店舗・取組の精査・見極めと実行:不採算店舗の見極めおよび必要に応じた退店については、前期より実施しております。加えて、不採算事業の見極めについても、中期の初年度(平成30年3月期中)に目処をつけてまいります。
あるべきコスト構造の再定義とその実現:プロジェクトチームを結成し、社内業務をたな卸しすることで、効率の低い業務や不要なコストを抜本的に見直し、販管費率改善に繋げてまいります。
「実店舗の強みを活かしたEC(ネット通販)拡大」については、実店舗にて築き上げてきた安心・信頼を背景とした現時点までのECの成長拡大に加え、各種施策を推進することで、さらなるECの成長を目指します。直近では、平成28年8月に実施した新ハウスカードプログラムへの改定により、お客様の利便性を高め、平成29年4月には、ECサイトとブランドサイトの統合リニューアルを行うことで、サービスの向上を図りました。中期期間はこれらの効果による売上の底上げが期待できるほか、今後については、①商品計画精度向上を図りつつECへの在庫の積み増しを行うことによる販売機会ロスの低減、②SNSを中心とした潜在顧客に広くアプローチする宣伝販促の実施による新規顧客の獲得、③ECも踏まえた販売員の評価制度の見直し、④EC専用商材の拡充、等を実施することで、ECにおける売上の拡大を目指します。また、長期的にはECにおける実店舗と遜色のない接客販売手法の確立や、フィッティングルーム店舗の検討を行う等、新たな顧客体験の創出に向けた取り組みに着手してまいります。
「マーケット変化への対応」については、当社の属する衣料品マーケットの今後の環境変化に柔軟に対応しつつ、当社の優位性の高いカテゴリーを拡充することで、成長拡大を目指します。
当社のメインマーケットであるトレンドマーケットについては、お客様の意識や環境の変化から、今後徐々に縮小していくことが見込まれております。このマーケットに属するユナイテッドアローズ事業については、量より質を追求することで、ロイヤルティの向上を図るとともに、事業内における採算性の低い取り組みを精査することで、収益性の向上を目指します。
トレンドマーケットより一段リーズナブルなミッドトレンドマーケットについては、逆にお客様のニーズが拡大していくことが見込まれております。このマーケットに属するグリーンレーベル リラクシング事業については新規出店の継続、ECの拡大に加え、優位性の高いビジネスウエア、ウイメンズカテゴリーでの単独出店と拡大を目指してまいります。
そして、ミッドトレンドマーケットよりさらにリーズナブルなニュートレンドマーケットについても、ミッドトレンドマーケット同様、今後お客様のニーズが拡大していくことが見込まれております。このマーケットに属する連結子会社コーエンの運営するコーエン事業については、収益構造改革を推進することで早期の収益性向上を図るとともに、当社グループの優位性の高いカテゴリーでの新規事業の創出を検討してまいります。
「お客様との接点の拡大」については、ドメインの拡大、顧客と関わる時間の拡大、海外展開の拡張、の3つを推進いたします。
ドメインの拡大:今まで洋服に使われていたお客様のお金は近年、より分散し、様々なモノ・コトに使われています。築き上げてきた「お客様との信頼関係」をベースに、衣料品以外のお客様の生活に関わる幅広い領域において商品開発を進めます。
顧客と関わる時間の拡大:商品を販売した後も、その商品を通じてお客様と関わる時間を拡大していくことで、お客様価値の継続的な向上を目指します。この実現に向け、リペア、リユース事業の検討を行ってまいります。
海外展開の拡張:現在進めている台湾事業については、実店舗・EC双方の推進によるノウハウの蓄積を継続いたします。併せて、越境ECによる海外展開の可能性を検証し、これらに伴う次代のグローバル戦略の検討を進めてまいります。
また、これら4つの戦略は以下のスケジュールで取り組んでまいります。まず中期期間の3年間で、「強い経営基盤の確立」を目指します。「実店舗の強みを活かしたEC拡大」および「マーケット変化への対応」については、中長期に亘り、継続して取り組んでまいります。これらの施策を進めながら、長期的・持続的な成長拡大に向け、「お客様との接点の拡大」に着手いたします。
以上の推進により、中期期間(平成30年3月期~平成32年3月期)中の連結経常利益平均成長率8%を目指すとともに、ROE16%以上、配当性向35%以上、DOE5.5%以上の維持を目指すことで、成長と還元の両立を図ってまいります。
また、長期的なKPIとしては、以下を目指します。連結EC売上構成比: 25~30%(現在約16%)、在庫回転:長期的に過去最高水準を目指す(連結における過去最高値:年間6.9回転/平成25年3月期 )、定価販売比率:長期的に5%ポイント以上の向上を目指してまいります。
(3) 会社の対処すべき課題および次期の見通し
当社は平成30年3月期の単年度経営方針として「収益性の早期改善」を掲げており、この達成に向け「売上総利益率の改善」、「在庫効率の改善」、「販管費率の改善」、「ネット通販売上の拡大による収益性の改善」の4つの重点取組課題を定めました。
■29期経営方針「4つの重点取組課題」
1.売上総利益率の改善
当社の商品戦略の柱である基本商品政策の社内浸透を進め、価格と価値のバランスを十分に見極めた価格設定を行なうことで、定価販売比率を高めます。加えて気温変動の影響を受けづらいビジネス需要や式典需要などへの対応を強化して売上の安定化を図り、売上総利益率の改善につなげます。
2.在庫効率の改善
商品の品番数を削減することで、商品一点一点の完成度を高めます。併せてシーズン当初の在庫投入量を抑制しつつ、売上動向を見ながらシーズン途中での売れ筋商品の追加生産を実施することで、在庫効率の改善につなげます。
3.販管費率の改善
プロジェクトチームを結成して社内業務のたな卸しを実施します。効率の悪い業務や不要なコストを抜本的に見直し、販管費率の改善につなげます。
4.ネット通販売上の拡大による収益性の改善
前期に実施したハウスカード サービスの改定に続き、今年4月には各ブランドサイトとユナイテッドアローズ オンラインストアの統合リニューアルを実施しました。オンライン裾上げサービスなど各種サービスの拡充に着手しており、実店舗とオンラインストアのどちらでも安心してお買い求めいただける環境を整えます。同時にネット通販店舗への在庫供給を増やして販売機会ロスを極小化し、実店舗とオンラインストアの双方の売上につながる販促活動を行います。実店舗よりも利益率の高いネット通販売上を拡大することで、収益性の改善につなげます。