訂正有価証券報告書-第36期(平成29年3月1日-平成30年2月28日)

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2022/11/14 9:26
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度のわが国経済は、企業の設備投資等の持ち直しや、雇用環境の改善等、緩やかな回復基調が続きました。一方、個人消費につきましては底堅く推移しているものの、可処分所得は伸び悩んでおり、盛り上がりに欠ける状況となりました。
当社が事業を展開している外食業界では、競合他社との競争に加え、人材確保難や食材価格の上昇も相まって引き続き厳しい環境となりました。
こうした状況の中、当連結会計年度における業績は、売上高が494億72百万円(前年同期間比10.2%増)、営業利益は47億12百万円(同1.9%減)、経常利益は48億64百万円(同1.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は31億89百万円(同0.6%増)となりました。
(当社は、前期(平成29年2月期)より決算日を5月31日から2月末日に変更いたしました。そのため、前年同期間比としているものは、当連結会計年度における実績と、平成28年3月1日から平成29年2月28日までの12ヶ月間の実績(参考値)との比較を記載したものであります。)
売上面につきましては、国内店舗の売上が増加したことに加え、中国と台湾でカレーハウスCoCo壱番屋を運営するハウス食品グループの事業会社(計2社)を子会社化したこと等により、前年同期間から45億79百万円の増収となりました。
国内店舗の売上の状況としましては、全店ベースの売上高は、前年同期間比2.9%増、既存店ベースの売上高は、同1.8%増となりました。既存店売上高の内訳といたしまして、客数は、同0.7%減となりましたが、客単価は平成28年12月から価格改定をエリアごとに順次行なってきた効果から、同2.6%増となりました(後掲表1)。
出退店の状況につきましては、国内では、新規出店が17店舗、退店が14店舗あり、純増が3店舗となりました(後掲表2)。海外では、14店舗の新規出店に対し、不振店舗の撤退を進めたこと等から退店が21店舗となり、7店舗の純減となりました(後掲表3)。
当連結会計年度における分野別の取り組み状況は、以下のとおりであります。
なお、当社グループは、飲食事業の単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。
(国内CoCo壱番屋)
国内のCoCo壱番屋につきましては、引き続き「既存店の売上強化」を最重要課題として、更なるQSCの向上や店舗の魅力向上に向けた施策に取り組みました。
メニュー面では、「手仕込ささみカツカレー」(3ヶ月で219万食販売)や「手仕込豚ヒレ勝つカレー」(3ヶ月で174万食販売)等の手仕込シリーズが好評だった他、カレーらーめんを販売する店舗を増やしたり、地域の特色を生かした期間限定メニューを導入したりする等、新しい提案を行ってまいりました。
また、東京・秋葉原に当社初のハラール対応店舗をオープンいたしました。これまでご来店いただけなかったムスリムのお客様にもご利用いただくための試験的な取り組みですが、今後の需要拡大を見越して対応してまいります。
販促活動といたしましては、幅広い層に人気の高いアニメとコラボレーションした他、年始に食事券・レトルトカレー等を詰め合わせた福袋を販売したり、創業記念日に合わせて販売した「グランド・マザー・カレー」を食べてスプーンが当たるキャンペーンを行ったりする等、顧客層の拡大と来店機会の増加を狙った施策を実施いたしました。
出退店の状況につきましては、新規出店が17店舗、退店が8店舗あり、純増が9店舗となりました(後掲表2)。
(海外事業)
海外のCoCo壱番屋につきましては、前述の通り、平成29年3月に中国と台湾でカレーハウスCoCo壱番屋を運営するハウス食品グループの事業会社(計2社)を子会社化いたしました。それぞれにおいて、店舗運営力の改善や経費コントロール等に注力した一方、店舗数は、不採算店舗の整理を進めたこと等から減少いたしました。
出退店の状況につきましては、海外では、14店舗の新規出店に対し、退店が中国・台湾での14店舗を含む21店舗となり、7店舗の純減となりました。国別の状況は、後掲表3に記載のとおりであります。
(国内他業態)
パスタ・デ・ココ、麺屋ここいち、にっくい亭につきましては、QSCの向上や新メニューの導入等によって、来客数・売上の増加に努めました。パスタ・デ・ココにつきましては、テレビ番組の影響による売上増に加え、店舗でのコストコントロールを強化したこと等によって収益性の改善につながりました。
出退店の状況につきましては、新規出店はなく、退店がパスタ・デ・ココで2店舗、麺屋ここいちで4店舗あり、純減が6店舗となりました(後掲表2)。
(外販他)
外販につきましては、カレー味の冷蔵・冷凍食品やスナック菓子、カップラーメン等を当社が監修し、食品メーカーや小売業者と共同で開発いたしました。当連結会計年度には、カレー味の「柿の種」や「カレー麻婆」等の新商品48種類が販売され、合計66種類の商品が販売されました。
表1「国内店舗売上高等推移表」 (前年同期間比増減率、%)
第1四半期
(H29/3-5)
第2四半期
(H29/6-8)
第3四半期
(H29/9-11)
第4四半期
(H29/12-H30/2)
当連結会計年度累計
(H29/3-H30/2)
全店売上高2.82.42.53.92.9
既存店売上高1.31.11.43.41.8
客数△1.0△1.2△2.21.4△0.7
客単価2.32.33.72.02.6

(注)店舗売上高は、直営店とFC店の売上高を合計したものです。
表2「国内業態別出店状況」 (単位:店)
①新規出店数②退店数純増店舗数平成30年2月末
店舗数
内直営内直営①-②内直営内直営
CoCo壱番屋177829△91,258156
パスタ・デ・ココ--22△2△23326
麺屋ここいち--42△4△155
にっくい亭----0033
合 計1771463△121,299190

(注)直営店からFC店への譲渡をCoCo壱番屋で18店舗、FC店から直営店への譲受をCoCo壱番屋で4店舗、麺屋ここいちで1店舗実施しております。
表3「海外国別出店状況」 (単位:店)
展開
エリア
①新規
出店数
②退店数純増
店舗数
①-②
平成30年2月末
店舗数
中国411△741
台湾-3△324
米国(本土)---4
香港-1△17
タイ43128
韓国41328
米国(ハワイ)-1△14
シンガポール---6
インドネシア11-4
マレーシア---1
フィリピン1-17
合計1421△7154

(注)海外店舗は、当社とフランチャイズ契約を締結した現地法人等が、直営店ないしFC店で展開しております。なお、中国、米国(本土)、台湾及び香港の現地法人は、当社の連結子会社であります。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ19億49百万円増加し、183億9百万円となりました。前連結会計年度につきましては9ヶ月間(当社平成28年6月1日から平成29年2月28日、連結子会社平成28年4月1日から平成28年12月31日)の変則的な決算となっておりますので、前年同期比につきましては記載しておりません。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において営業活動による資金の増加は、50億92百万円となりました。これは、主に税金等調整前当期純利益46億11百万円の計上、減価償却費12億1百万円、減損損失5億50百万円の非現金支出費用があった一方で、法人税等の支払9億98百万円があったことなどによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において投資活動による資金の減少は、12億46百万円となりました。これは、主に店舗売却による収入4億14百万円や有価証券の償還による収入210億円などがあった一方で、子会社株式の取得による支出2億72百万円や、有形固定資産の取得による支出10億5百万円や有価証券の取得による支出209億95百万円などがあったことなどによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において財務活動による資金の減少は、19億23百万円となりました。これは、主に配当金の支払額17億8百万円があったことなどによるものであります。