有価証券報告書-第34期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/25 16:00
【資料】
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【項目】
159項目

有報資料

(1) 経営の基本方針
当社グループは、「SHⅠP」(Sincere(誠実な心)、Humanity(「情」の心)、Innovation(革新者の気概)、PartnerSHIP(パートナーシップ精神))の経営理念のもと“生命を守る人の環境づくり”をグループミッションとして、医療・保健・福祉・介護・サービスを事業ドメインと定め、医療機関のインフラを一括してエンジニアリングする「トータルパックプロデュース」による病院づくりを中心に、医療消耗品の販売、老人ホーム等の介護施設・調剤薬局の運営等、グループ全体でヘルスケア事業領域におけるあらゆるニーズを一括してソリューションいたします。また、過去に培った経験や知識を活かすことで自然環境等を含めた「人々がより良く生きる環境づくり」の領域へ事業ドメインを拡大してまいります。
(2) 経営環境
賃上げ率が2年連続で5%を超える水準を記録し、賃金上昇が定着しつつある一方、少子高齢化・生産年齢人口の減少による人手不足は構造的な経営課題となっております。加えて、日本銀行による段階的な利上げへの移行や為替変動も、企業経営に影響を及ぼしております。
当社グループの属する医療業界においては、いわゆる「2025年問題」を背景とした高齢化の進展により医療に対する需要が拡大する一方、深刻な人材不足に加え、人件費の上昇や水道光熱費をはじめとする運営コストの増加の影響を受け、医療機関の経営環境は一層厳しさを増しております。効率的で質の高い医療提供体制の構築に向け、AIやICTの活用によるDX推進及び医療従事者の働き方改革への対応等が重要な課題となっております。
また、海外においても、米国の関税強化、ロシア・ウクライナ情勢の長期化、中東情勢の緊張を背景とし、エネルギー価格、原材料価格、物流コストの上昇等の物価の高騰、電装部品調達難による受注の縮小等の懸念が継続しております。
(3) 目標とする経営指標
当社グループは創業以来、一貫して事業拡大を行っており、連結売上高1兆円の企業集団を目指して取り組んでまいります。今後とも海外への展開を含めた成長路線をベースとして、資産の効率的活用、有利子負債と資産のバランス・財務基盤の強化を図り、今後さらにキャッシュ・フロー重視の経営に取り組んでまいります。
また、当社グループは、2026年3月期~2030年3月期の5年間を計画期間とする中期経営計画「SHIP VISION 2030」を策定しております。「グループ経営資源の最適化によるポートフォリオ経営」を基本方針とし、売上高年平均成長率(CAGR)は5年間で5%、営業利益率は2030年3月期に4%、ROEは2030年3月期に12%をそれぞれ目指してまいります。
(4) 中長期的な会社の経営戦略
① トータルパックプロデュース事業
当社グループといたしましては、医療機関全体を総合的にコーディネートするヘルスケアエンジニアリング機能を一層進化させるとともに、医療機関の新設・移転・増改築・リニューアル需要に対し、コンサルテーションから設備・機器導入、運営支援までを一貫して提供する独自のビジネスモデルを更に強化してまいります。加えて、医療情報系ソリューション等の成長領域への対応を進めるとともに、グループ内の経営資源を最適に活用しながら、他セグメントとの連携によるシナジー創出を推進してまいります。
② メディカルサプライ事業
当社グループといたしましては、医療機関との日常的な接点を基盤とする営業力・提案力を更に高め、SPD事業の拡大や一括契約案件の獲得を推進してまいります。また、医療現場におけるデジタル化・効率化ニーズに対応し、医療DXや物流高度化の取組みを通じて付加価値の向上を図るとともに、グループ全体の競争力強化につながるシナジー効果を発揮して成長領域の拡大を進めてまいります。
③ ライフケア事業
当社グループといたしましては、介護サービス事業において、運営品質の維持・向上と効率的な施設運営の両立を図るとともに、物価上昇や人材確保等の事業環境変化に適切に対応し、安定的な事業基盤の構築を進めてまいります。加えて、食事提供サービス事業においては、安全・安心で質の高い食事提供体制の維持・強化を図りつつ、運営効率の改善と収益性向上に取り組んでまいります。また、他セグメントとの連携を強化し、介護・食事提供サービス領域における契約獲得の拡大を図ってまいります。
④ 調剤薬局事業
当社グループといたしましては、再編統合を含む経営効率化を進めるとともに、店舗運営の生産性向上、新規出店及び門前型を含む店舗開発の強化に取り組んでまいります。また、事業環境の変化に適切に対応しつつ、地域医療に資するサービス提供体制の充実を図り、安定的な成長を目指してまいります。
(5) 優先的に対処すべき課題
① トータルパックプロデュース事業
中期経営計画「SHIP VISION 2030」の基本方針である「グループ経営資源の最適化によるポートフォリオ経営」のもと、当社グループの基幹事業として、病院の新築・移転・増改築、再開発及び機器更新需要に的確に対応できる体制の強化が重要な課題であります。そのため、医療機関全体を俯瞰したコンサルティング力・プロデュース力の強化に加え、DX化の進展を踏まえたIT・デジタル対応力の向上、人材の確保・育成、長期大型案件に対応する適正なチーム配置を進めてまいります。また、新規事業創出やWell-Being領域を含むソリューションの拡張、グループ内外の連携強化を通じて、収益力の向上と持続的成長を図ってまいります。
② メディカルサプライ事業
病院経営を取り巻く環境が一段と厳しさを増す中、償還価格改定や価格競争に対応しつつ、安定的な収益を確保することが重要な課題であります。このため、SPD機能の拡充、物流・在庫管理の高度化、販売価格と仕入価格の継続的な適正化に加え、IT・RFID等を活用した医療材料管理の高度化、データ活用による医療現場の効率化支援を進めてまいります。あわせて、再編統合を通じた事業基盤の強化と、メディカルサプライ事業で得られる情報を起点としたグループ内の循環モデルの強化に取り組んでまいります。
③ ライフケア事業
介護サービス及び関連サービスにおきましては、安全・安心を最優先としつつ、サービス品質の向上と収益性の改善を両立させることが重要な課題であります。そのため、各施設の入居率向上、差別化されたサービス提供、現場重視の運営徹底に加え、介護記録システムや見守りシステム等の導入・活用を進め、業務効率化とサービス品質向上を図ってまいります。また、物価上昇や労務費上昇への対応を含む経費適正化を進めるとともに、新規投資・新規開設については採算性と地域ニーズを見極めながら効率的に実施してまいります。
④ 調剤薬局事業
調剤薬局事業におきましては、薬剤師の継続的かつ計画的な確保・育成、並びに調剤報酬・薬価改定への機動的な対応が重要な課題であります。あわせて、既存店舗の運営効率化、店舗網の最適化、新規出店・M&A・統合の推進、医薬品調達力の強化を通じて収益基盤の拡充を図ってまいります。また、在宅・訪問対応や患者利便性向上に資する取り組みを進め、地域に根差した薬局機能の強化に努めてまいります。

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