臨時報告書

【提出】
2019/02/08 14:36
【資料】
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提出理由

当社は、平成31年2月8日開催の取締役会において、平成31年1月21日付で招集を決定した平成31年2月25日開催予定の当社臨時株主総会(以下「本臨時株主総会」といいます。)に、当社の普通株式(以下「当社株式」といいます。)440,000株を1株に併合すること(以下「本株式併合」といいます。)を目的とする議題を付議することを決議いたしましたので、金融商品取引法第24条の5第4項及び企業内容等の開示に関する内閣府令第19条第2項第4号の4の規定に基づき、本臨時報告書を提出するものであります。

株式の併合を目的とする株主総会の招集の決定

(1)本株式併合の目的
平成30年12月19日付当社プレスリリース「株式会社八越による当社株券等に対する公開買付けの結果並びに親会社、親会社以外の支配株主及び主要株主である筆頭株主の異動に関するお知らせ」においてお知らせいたしましたとおり、株式会社八越(以下「八越」といいます。)は、平成30年11月6日から平成30年12月18日までの30営業日を公開買付けの買付け等の期間(以下「公開買付期間」といいます。)とする当社株式及び当社新株予約権(注1)に対する公開買付け(以下「本公開買付け」といいます。)を実施しました。本公開買付けの結果、平成30年12月26日(本公開買付けの決済の開始日)をもって、八越は当社株式5,326,743株(議決権所有割合(注2)54.30%)を所有するに至っております。
(注1)「当社新株予約権」とは、①平成27年6月25日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「第6回新株予約権」といいます。)、②平成28年6月28日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「第7回新株予約権」といいます。)、③平成29年7月14日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「第8回新株予約権」といいます。)及び④平成30年6月14日開催の当社取締役会の決議に基づき発行された新株予約権(以下「第9回新株予約権」といいます。)の総称を意味します。
(注2)「議決権所有割合」は、当社が平成30年10月15日に提出した第25期第2四半期報告書(以下「当社四半期報告書」といいます。)に記載された平成30年8月31日現在の発行済株式総数(9,822,900株)から、同日現在の当社が所有する自己株式数(13,900株)を控除した株式数(9,809,000株)に係る議決権の数(98,090個)を分母として計算しております。また、小数点以下第三位を四捨五入して計算しております。以下、議決権所有割合の記載について同じです。
八越は、資産管理業務等を主たる目的として、平成26年2月3日に設立された株式会社であり、本書提出日現在、当社の代表取締役社長であり、かつ支配株主である柚原洋一氏がその発行済株式の全部を所有し、かつ、その代表取締役を務めているとのことです。
平成30年11月5日付当社プレスリリース「MBOの実施及び応募の推奨に関するお知らせ」(以下「意見表明プレスリリース」といいます。)においてお知らせいたしましたとおり、近年、当社の業績は経営改善努力等の効果もあり黒字を確保しているものの、売上高及び利益率共に減少傾向が続いており、店舗の改装、従業員教育等、実行する様々な施策が減収減益の流れを大きく変えるような抜本的な解決につながっていないという課題が生じております。八越としては、その要因として、特に飲酒人口の大幅な減少、お酒の位置づけの変化、企業文化の変化、規制の強化といったマクロ環境の変化に伴い、業界環境に強い逆風が吹いていることが挙げられると考えているとのことであり、人口減、若年層の飲酒人口減少、主要顧客である50~60代の成人男性の高齢化に伴う飲酒量の減少が今後継続的に、当社の主力事業である飲食店事業の市場環境をより厳しいものとすることが予想されるとのことです。
このような現状認識を踏まえ、八越は、今後当社が従来型の当社の主力業態である「八吉」、「のど黒屋」等を中心とした出店数拡大により短期的な利益を志向する戦略のみでは、潜在的なものを含め多くのお客様のニーズに応えることにはつながらず、結果的に当社の企業価値を向上させることは難しいと認識するに至ったとのことです。そして、当社の企業価値を向上させるためには、お酒を楽しむ際の一般的な価値観の変化(八越としては、お酒を楽しむこと自体を目的として飲食店を利用する人々が減少し、その一方で、人との交流を目的として飲食店を利用する人々が増加していると考えているとのことです。)、規制等の環境の変化に対応する形で当社の経営資源を改めて検証し直し、抜本的かつ本質的な構造改革を実施し、中長期的な成長を目指すことが必須であるとの考えに至ったとのことです。具体的に想定される取組みは、(i)「既存店舗及び新規出店方針の見直し」、(ii)「受動喫煙条例への積極的な対応」、(iii)「人材育成強化」及び(iv)「新規業態への取組み」であり、八越としては、当社の中長期的な企業価値向上の観点から、上記の取組みが必要不可欠であると考えているとのことですが、他方で、かかる取組みは直ちにその効果をもたらすとは限らず、また、当初計画したとおりに収益に寄与しない可能性もあるため、一時的には当社の収益を大きく悪化させる要因ともなり、また、中長期にわたり利益の変動性が高まるリスクを内包するとのことです。その結果、一時的な財務状況等の悪化により株価の下落が起こるリスクも懸念され、株主の皆様の期待に添えない可能性があるとのことです。
また、当社は、平成17年4月に株式会社名古屋証券取引所セントレックスへ株式を上場して以降、エクイティ・ファイナンスによる資本市場からの資金調達、ブランド力の向上、知名度の向上による優れた人材の確保、顧客や取引先の皆様に対する信用力の向上等、様々なメリットを享受してきたものと考えているとのことですが、当社の現在の財務状況や昨今の間接金融における低金利環境等に鑑みると、当面はエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれないことが想定され、またブランド力や信用力も事業活動を通じて獲得される部分がより大きくなり、株式の上場を維持する必要性は相対的に減少していると考えているとのことです。
このような状況を踏まえ、八越は、平成30年2月頃から当社株式(但し、当社が所有する自己株式及び柚原洋一氏が所有する当社株式のうち3,518,500株を除きます。以下「非応募株式」といいます。)及び当社新株予約権の全てを取得し、当社株式を非公開化することを目的とする取引(以下「本取引」といいます。)の実施についての検討を開始し、上記のような事業環境の変化による課題を抱えた当社が今後も株式の上場を維持することによるメリット・デメリット等を慎重に勘案した結果、平成30年8月中旬頃に、当社が短期的な収益の悪化を招来する可能性のある上記(i)乃至(iv)の各施策を実行するにあたっては、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により当社を非公開化することこそが、当社の株主の皆様に対して発生する可能性がある上記の悪影響を回避し、かつ抜本的かつ機動的な経営戦略を実践し中長期的な視点から当社の企業価値を向上させるために、最も有効な手段であるという結論に至ったとのことです。また、八越は、マネジメント・バイアウト(MBO)により所有と経営を一定の範囲で一致させることにより、意思決定の迅速化と施策の実行力強化を実現し、八越、取締役、従業員が一丸となって上記(i)乃至(iv)の各施策を迅速かつ果敢に取り組めるものとの結論に至ったとのことです。
意見表明プレスリリースにおいてお知らせいたしましたとおり、当社としましても、八越の提案を受けて、リーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所から受けた法的助言及び第三者算定機関である山田コンサルティング株式会社(以下「山田コンサル」といいます。)から取得した平成30年11月2日付株式価値算定書(以下「当社株式価値算定書」といいます。)の内容を踏まえつつ、下記「(3)③本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「(エ)当社における第三者委員会の設置」に記載の第三者委員会から提出された平成30年11月2日付答申書(以下「本答申書」といいます。)の内容を最大限に尊重しながら、本取引により当社の企業価値の向上を図ることができるか、本取引における公開買付価格その他の条件は妥当なものか等の観点から慎重に協議・検討を行いました。
近年、酒への嗜好の変化から、若年層を中心に急速に酒離れが進み、飲酒人口は大幅に減少しています。また、企業内でのセクシャルハラスメント、パワーハラスメント等への対策のひとつとして、二次会等の実施を控える傾向等も見られ、このような企業文化の変化は、ビジネス街を中心として店舗を展開している当社にとって、大きな打撃となりました。
当社では、「本物の食文化の提供」という企業理念のもと、漁港の買参権等を活用し、新鮮な素材を適正な価格で提供することで「値ごろ感」を打ち出し、顧客満足度の向上と利益率の改善に取り組んで参りましたが、近年は黒字こそ確保しているものの、売上高及び利益率共に減少傾向が続いております。当社といたしましては、かかる状況を脱却し、当社の企業価値を向上させるためには、一般的な価値観の変化、規制等の環境の変化に対応する形で当社の経営資源を改めて検証し直し、早期に抜本的かつ本質的な構造改革を実施し、中長期的な成長を目指すことが必須であると考えるに至りました。そして、八越は、かかる中長期的な成長を目指すための具体的な施策として、上記(i)乃至(iv)の取組みを挙げておりますが、当社といたしましても、それらの施策は、当社の中長期的な企業価値向上の観点から必要不可欠なものであると認識しております。
しかしながら、かかる取組みは人材の採用・育成費用や店舗開発費用等の先行投資を必要とするものであることに加え、短期間でその効果がもたらされるとは限らず、また、当初計画したとおりに収益に寄与しない可能性もあるため、一時的には当社の収益を大きく悪化させる要因ともなり、また、中長期にわたり利益の変動性が高まるリスクを内包します。その結果、一時的な財務状況等の悪化により株価の下落が起こるリスクも懸念され、株主の皆様の期待に添えない可能性があります。また、当社が上場を維持した状態では、当社株式の株価への悪影響を回避するために、これまでと同様、短期的な業績や利益確保を重視する戦略を取らざるを得ない状況に置かれ、中長期的な企業価値の向上を十分に追求できないおそれもあると考えております。
このような状況下で、当社としては、当社の株主の皆様に対して発生する可能性がある上記の悪影響を回避しつつ、抜本的かつ機動的な経営戦略を実践し中長期的な視点から当社の企業価値を向上させるためには、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により当社を非公開化するとともに、所有と経営を一定の範囲で一致させ、八越、取締役、従業員が一丸となって各施策に迅速かつ果敢に取り組むことこそが、最も有効な手段であると考えるに至りました。
なお、当社が株式の非公開化を行った場合には、資本市場からのエクイティ・ファイナンスによる資金調達を行うことができなくなり、また、上場会社として当社が享受してきたブランド力、信用力に影響を及ぼす可能性が考えられます。しかしながら、当社の現在の財務状況や昨今の間接金融における低金利環境等に鑑みると、当面はエクイティ・ファイナンスの活用による大規模な資金調達の必要性は見込まれず、今後も継続して株式の上場を維持することの意義を見出しにくい状況にあります。加えて、当社のブランド力や信用力も事業活動を通じて獲得される部分がより大きくなっており、株式の上場を維持する必要性は相対的に減少していると考えております。したがって、当社取締役会は、株式の非公開化のメリットは、そのデメリットを上回ると判断いたしました。
以上を踏まえ、当社取締役会は、本公開買付けを含む本取引により当社株式を非公開化することが、当社の企業価値の向上に資するものであると判断いたしました。
また、本公開買付けにおける当社株式1株当たりの買付け等の価格(以下「本公開買付価格」といいます。)が、(a)下記「(3)③本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「(イ)当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定の結果を上回るものであり、かつ、ディスカウンテッド・キャッシュ・フロー法(以下「DCF法」といいます。)による算定結果のレンジの範囲内であること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である平成30年11月2日の株式会社東京証券取引所(以下「東京証券取引所」といいます。)市場第一部における当社株式の終値369円に対して39.57%(小数点以下第三位を四捨五入。以下、プレミアム率の計算において同じです。)、平成30年11月2日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値371円(小数点以下四捨五入。以下、終値単純平均値の計算において同じです。)に対して38.81%、過去3ヶ月間の終値単純平均値378円に対して36.24%、過去6ヶ月間の終値単純平均値393円に対して31.04%のプレミアムが加算されており、相当なプレミアムが付されていると考えられること、(c)下記「(3)③本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社と八越の間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること等を踏まえ、当社取締役会は、本取引について、(ⅰ)本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、(ⅱ)本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、株主の皆様に対して、合理的な売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
なお、本公開買付価格は、当社の平成30年8月31日現在の簿価純資産から算出された1株当たり純資産額(568.35円)を下回っておりますが、資産売却等の困難性や清算に伴う相当な追加コストの発生等を考慮すると、簿価純資産額がそのまま換価されるわけではなく、相当程度毀損することが見込まれることに加え、純資産額は会社の清算価値を示すものであり、将来の収益性を反映するものではないため、継続企業である当社の企業価値の算定において重視することは合理的でないと考えております。当社は、本公開買付価格について、市場株価法に加え、当社の将来の事業活動の状況を算定に反映するためのDCF法による分析結果を勘案して検討した結果、妥当であるものと判断しております。
以上より、当社は平成30年11月5日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(当社の代表取締役社長である柚原洋一氏を除き、監査等委員である取締役3名を含む取締役6名)の全員一致で、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨、及び、新株予約権者の皆様に対しては本公開買付けに応募するか否かについて新株予約権者の皆様のご判断に委ねる旨を決議いたしました。
その後、上記のとおり、本公開買付けが成立いたしましたが、八越が当社株式の全て(ただし、当社が所有する自己株式及び非応募株式を除きます。)を取得できなかったことから、八越より、当社に対して、当社株式の併合を行うこと及び当社株式の併合の効力発生を条件として単元株式数の定めを廃止する旨の定款の一部変更を行うことを付議議案に含む本臨時株主総会を開催するよう要請がありました。これを受けて、当社は、平成31年2月8日開催の当社取締役会において、本取引の一環として行われた本公開買付けが成立したことを踏まえ、本臨時株主総会において株主の皆様のご承認をいただくことを条件として、当社の株主を八越及び柚原洋一氏のみとするために、当社株式440,000株を1株に併合することといたします。本株式併合により、八越及び柚原洋一氏以外の株主の皆様の保有する株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。なお、当社新株予約権につきましては、平成31年3月22日までに全て放棄され、消滅する予定です。
(2)本株式併合の割合
440,000株を1株に併合いたします。
(3)1株に満たない端数の処理をすることが見込まれる場合における当該処理の方法、当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
① 1株に満たない端数の処理方法
上記「(1)本株式併合の目的」に記載のとおり、本株式併合により、八越及び柚原洋一氏以外の株主の皆様の保有する株式の数は、1株に満たない端数となる予定です。
併合の結果生じる1株に満たない端数の処理の方法につきましては、その合計数(会社法(平成17年法律第86号。その後の改正を含みます。以下同じです。)第235条第1項の規定により、その合計数に1に満たない端数がある場合には、当該端数は切り捨てられます。)に相当する数の株式を、会社法第235条その他の関連法令の規定に従って売却し、その売却により得られた代金を端数が生じた株主の皆様に対して、その端数に応じて交付いたします。かかる売却手続に関し、当社は、会社法第235条第2項が準用する会社法第234条第2項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当該端数の合計数に相当する当社株式を八越に売却すること、又は会社法第235条第2項が準用する会社法第234条第2項及び同条第4項の規定に基づき、裁判所の許可を得た上で、当社が買い取ることを予定しております。
この場合の売却価格につきましては、必要となる裁判所の許可が予定どおり得られた場合には、本株式併合の効力発生日の前日である平成31年3月24日の最終の当社の株主名簿において株主の皆様が保有する当社株式の数(以下「基準株式数」といいます。)に本公開買付価格と同額である515円を乗じた金額に相当する金銭が交付されるような価格に設定することを予定しております。ただし、裁判所の許可が得られない場合や計算上の端数調整が必要な場合等においては、実際に交付される金額が上記金額と異なる場合もあります。
② 当該処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額及び当該額の算定根拠
上記「① 1株に満たない端数の処理方法」に記載のとおり、端数処理により株主の皆様に交付することが見込まれる金銭の額は、本公開買付価格を基準に算出され、各株主の皆様の基準株式数に本公開買付価格と同額である515円を乗じた金額となる予定です。
そして、本公開買付価格については、(a)下記「③本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」の「(イ)当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得」に記載されている山田コンサルによる当社株式の株式価値の算定結果のうち、市場株価法に基づく算定の結果を上回るものであり、かつ、DCF法による算定結果のレンジの範囲内であること、(b)本公開買付けの公表日の前営業日である平成30年11月2日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値369円に対して39.57%、平成30年11月2日までの過去1ヶ月間の終値単純平均値371円に対して38.81%、過去3ヶ月間の終値単純平均値378円に対して36.24%、過去6ヶ月間の終値単純平均値393円に対して31.04%のプレミアムが加算されており、相当なプレミアムが付されていると考えられること、(c)下記「③本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置」に記載の利益相反を解消するための措置が採られていること等、少数株主の利益への配慮がなされていると認められること、(d)上記利益相反を解消するための措置が採られた上で、当社と八越の間で独立当事者間の取引における協議・交渉と同等の協議・交渉が複数回行われた上で決定された価格であること等を踏まえ、当社取締役会は、本取引について、(ⅰ)本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、(ⅱ)本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、株主の皆様に対して、合理的な売却の機会を提供するものであると判断いたしました。
また、当社は、本公開買付けに賛同し、株主の皆様に対して応募することを推奨する旨の意見を表明した後、本株式併合に係る議題を本臨時株主総会に付議する旨を決議した平成31年2月8日付の当社の取締役会の開催時点に至るまでに、本公開買付価格に関する当社の判断の基礎となる諸条件に重大な変更が生じていないことを確認しております。
以上のことから、当社は、端数処理により株主に交付することが見込まれる金銭の額については、相当と判断しております。
③ 本取引の公正性を担保するための措置及び利益相反を回避するための措置
本株式併合がマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在し、八越が当社の親会社であることを踏まえ、本株式併合に係る当社の取締役会の意思決定の過程において、当社の取締役のうち、代表取締役社長である柚原洋一氏は、八越の代表取締役であることから、本株式併合に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、特別利害関係人として、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において八越との協議及び交渉にも一切参加しておりません。なお、当該取締役会においては、決議に参加した取締役(当社の代表取締役社長である柚原洋一氏を除き、監査等委員である取締役3名を含む取締役6名)の全員一致により、本株式併合に係る議題を本臨時株主総会に付議する旨を決議しております。
また、八越及び当社は、本公開買付けを含む本取引がマネジメント・バイアウト(MBO)の一環として行われるものであり、構造的な利益相反の問題が存在すること等を踏まえ、本公開買付価格及び当社新株予約権1個当たりの買付け等の価格の公正性の担保、本公開買付けの実施を決定するに至る意思決定の過程における恣意性の排除及び利益相反の回避の観点から、本公開買付けを含む本取引の公正性を担保するため、以下の措置を実施しました。
なお、以下の記載のうち、八越において実施した措置に関する記載については、八越から受けた説明に基づいております。
(ア)八越における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
(a)普通株式
八越は、本公開買付価格を決定するにあたり、本公開買付価格の公正性を担保するため、八越及び当社から独立した第三者算定機関としてファイナンシャル・アドバイザーである株式会社SBI証券(以下「SBI証券」といいます。)に対して当社株式の価値の算定を依頼したとのことです。なお、SBI証券は、柚原洋一氏、八越及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けを含む本取引に関して、重要な利害関係を有していないとのことです。
SBI証券は、市場株価法及びDCF法の各手法に基づき、当社株式の株式価値算定を行い、八越は、SBI証券から、平成30年11月2日付で当社の株式価値に関する株式価値算定書(以下「八越株式価値算定書」といいます。)を取得したとのことです。なお、八越はSBI証券から本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得していないとのことです。
上記各手法において算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりとのことです。
市場株価法:369円から393円
DCF法 :456円から544円
市場株価法では、最近における当社株式の市場取引の状況等を勘案の上、平成30年11月2日を基準日として、東京証券取引所市場第一部における当社株式の基準日(平成30年11月2日)終値369円、直近1ヶ月間(平成30年10月3日から平成30年11月2日まで)の終値の単純平均値371円(小数点以下四捨五入。以下、終値の単純平均値の計算において同じです。)、直近3ヶ月間(平成30年8月3日から平成30年11月2日まで)の終値の単純平均値378円及び直近6ヶ月間(平成30年5月3日から平成30年11月2日まで)の終値の単純平均値393円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を369円から393円と分析しているとのことです。
DCF法では、平成31年2月期から平成34年2月期の当社の事業計画に基づく収益予測や投資計画、市場環境等の外部要因も含め合理的と考える前提を考慮したうえで、当社が平成31年2月期第3四半期以降創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを、一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの価値の範囲を456円から544円までと分析しているとのことです。
八越は、SBI証券から取得した八越株式価値算定書に記載された算定内容及び結果を踏まえつつ、過去の本公開買付けと同種の発行者以外の者による株券等の公開買付けの事例におけるプレミアムの水準、当社取締役会による本公開買付けへの賛同の可否、当社株式の直近6ヶ月間の市場株価の動向、本公開買付けに対する応募の見通し、当社との間の協議・交渉の結果等を総合的に勘案した結果、平成30年11月5日に、本取引の一環として、本公開買付価格を515円として本公開買付けを行うことを決定したとのことです。なお、当社新株予約権1個当たりの買付け等の価格は、下記「(b)当社新株予約権」に記載のとおり、1個当たり1円と決定したとのことです。
本公開買付価格は、本公開買付けについての公表日の前営業日である平成30年11月2日の東京証券取引所市場第一部における当社株式の終値369円に対して39.57%、過去1ヶ月間の終値単純平均値371円に対して38.81%、同過去3ヶ月の終値単純平均値378円に対して36.24%、同過去6ヶ月の終値単純平均値393円に対して31.04%のプレミアムを加えた金額となります。
(b)当社新株予約権
(i)第6回新株予約権については、行使期間が到来しているものの、平成30年7月11日から平成31年7月10日までは、付与された個数の2分の1を上限として権利行使できることとされており、本書提出日現在において、当該上限に達していることから権利行使可能な新株予約権が存在せず、かつ、当社及び当社子会社の取締役又は従業員であることが権利行使条件として定められていること、(ii) 第7回新株予約権、第8回新株予約権、及び第9回新株予約権は、いずれも行使期間が到来しておらず、かつ、当社及び当社子会社の取締役又は従業員であることが権利行使条件として定められていることから、八越が本公開買付けによりこれらの新株予約権を取得しても行使できないと解されるため、それぞれ1個当たり1円とすることに決定したとのことです。
また、八越は、本公開買付けにおける当社新株予約権の買付け等の価格の決定に際し、第三者算定機関からの算定書等を取得していないとのことです。
(イ)当社における独立した第三者算定機関からの株式価値算定書の取得
当社取締役会は、八越から提示された本公開買付価格に対する意思決定の過程における公正性を担保するために、当社及び八越から独立した第三者算定機関として、山田コンサルに当社株式の株式価値の算定を依頼しました。なお、山田コンサルは、柚原洋一氏、八越及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して、重要な利害関係を有しておりません。
山田コンサルは、複数の算定手法の中から当社株式の株式価値の算定にあたり採用すべき算定手法を検討の上、当社が継続企業であるとの前提の下、当社株式の価値について多面的に評価することが適切であるとの考えに基づき、当社の市場株価の動向を勘案した市場株価法及び当社業績の内容や予想等を勘案したDCF法の各手法を用いて当社株式の1株当たりの株式価値の分析を行い、当社は、平成30年11月2日付で当社株式価値算定書を取得しました。なお、当社は、山田コンサルから本公開買付価格の公正性に関する意見(フェアネス・オピニオン)を取得しておりません。
上記各手法に基づいて算定された当社株式1株当たりの株式価値の範囲は以下のとおりです。
市場株価法:369円~393円
DCF法 :473円~534円
市場株価法は、多くの投資家が企業の将来性、収益力、財産価値等の多様な要素を勘案して市場で取引を行うことによって形成される客観性の高い市場株価を基礎として株式価値を算定する手法であり、上場会社の株式価値を表す適切な指標であると考えられることから、山田コンサルは市場株価法を採用することとし、市場株価法では、本公開買付けの公表日の前営業日である平成30年11月2日を基準日として、東京証券取引所市場第一部における当社株式の基準日終値369円、基準日までの直近1ヶ月間の終値単純平均値371円、基準日までの直近3ヶ月間の終値単純平均値378円及び基準日までの直近6ヶ月間の終値単純平均値393円を基に、当社株式1株当たりの株式価値の範囲を369円から393円までと分析しています。
DCF法は、企業が将来の一定期間に獲得するであろうフリー・キャッシュ・フローを、リスクを考慮した適切な割引率によって現在価値に還元したものを事業価値とし、これに事業外資産や有利子負債等を考慮することにより企業価値及び株式価値を算定する手法であり、継続企業の評価においては最も理論的であるといわれていることから、山田コンサルはDCF法を採用することとし、DCF法では、当社が作成した平成31年2月期から平成34年2月期までの事業計画における収益や投資計画、一般に公開された情報等の諸要素等を前提として、平成31年2月期第3四半期以降に当社が創出すると見込まれるフリー・キャッシュ・フローを一定の割引率で現在価値に割り引いて当社の企業価値や株式価値を分析し、当社株式の1株当たりの株式価値の範囲を473円から534円までと分析しています。割引率は9.32%から11.39%を採用しており、継続価値の算定にあたっては永久成長率法を採用し、永久成長率を0%として算定しております。山田コンサルがDCF法の算定の前提とした当社の事業計画の具体的な数値は以下のとおりです。なお、DCF法による分析に用いた当社の業績見込みにおいては大幅な増減益を見込んでおりません。また、DCF法による算定の基礎となる事業計画は、本取引の実行を前提としたものではなく、したがって、本取引実行後の各種施策の効果等を考慮しておりません。
(単位:百万円)
平成31年
2月期
(6ヶ月)
平成32年
2月期
平成33年
2月期
平成34年
2月期
売上高4,2438,0728,0748,312
営業利益又は
営業損失(△)
225377351386
EBITDA304522498529
フリー・キャッシュ・フロー323221277290

なお、当社新株予約権1個当たりの買付け等の価格に関しては、当社は第三者算定機関から算定書もその公正性に関する意見書(フェアネス・オピニオン)も取得しておりません。
(ウ)当社における独立した法律事務所からの助言
当社は、本公開買付けに係る当社取締役会の意思決定の過程における公正性及び適正性を確保するために、当社及び八越から独立したリーガル・アドバイザーとしてアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任し、同事務所から、本取引に関する諸手続を含む当社取締役会の意思決定の方法及び過程その他の留意点について、必要な法的助言を受けております。なお、アンダーソン・毛利・友常法律事務所は、柚原洋一氏、八越及び当社の関連当事者には該当せず、本公開買付けに関して記載すべき重要な利害関係を有しておりません。
(エ)当社における第三者委員会の設置
当社は、本公開買付けにおける意思決定の恣意性を排除し、当社の意思決定の過程の公正性、透明性及び客観性を確保することを目的として、平成30年9月20日、八越及び当社から独立した委員によって構成される第三者委員会(第三者委員会の委員としては、当社の独立役員であり監査等委員である大森康生氏、寺澤正孝氏及び髙﨑満氏、並びに外部の有識者である高橋明人氏(弁護士 高橋・片山法律事務所)及び長谷川臣介氏(長谷川公認会計士事務所代表、公認会計士)を選定しております。なお、当社は、当初、当社の独立役員であり監査等委員である大森康生氏、寺澤正孝氏、及び髙﨑満氏の3氏を第三者委員会の委員として選定いたしましたが、本取引の専門性に鑑み、平成30年10月9日付で、本取引と類似の取引につき豊富な知識・経験を有する高橋明人氏及び長谷川臣介氏を追加選定しております。)を設置しました。
そして、当社は第三者委員会に対し、(a)本取引の目的の正当性、合理性、(b)本取引の手続・交渉過程の公正性、及び(c)少数株主保護の利益に配慮した上での本取引の条件(公開買付価格を含む)の公正性・妥当性について諮問し(以下(a)乃至(c)の事項を「本諮問事項」といいます。)、これらの点についての答申書を当社取締役会に提出することを平成30年9月20日に委嘱しました。
第三者委員会は、平成30年10月12日より同年10月31日まで合計4回開催され、本諮問事項について、慎重に検討及び協議を行いました。具体的には、当社から、事業環境、事業計画、経営課題、本取引の提案を受けた経緯、本取引の目的、本取引により生じるシナジー効果等に関する説明を受け、質疑応答を行いました。また、八越からは、本取引を提案するに至った経緯及び理由、本取引の目的、本取引によって見込まれるシナジー、本取引後の当社の経営方針、本取引の諸条件等について説明を受け、質疑応答を行いました。さらに、山田コンサルから当社株式の株式価値の算定方法及び結果に関する説明を受けるほか、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から本取引において利益相反を軽減又は防止するために採られている措置及び本取引に関する説明を受け、それぞれ、質疑応答を行うとともに、当社からは本取引の諸条件の交渉経緯及び決定過程等に関する説明を受け、質疑応答を行いました。これらの内容を踏まえ、第三者委員会は、山田コンサル及びアンダーソン・毛利・友常法律事務所と議論を重ね、本諮問事項について協議・検討を行いました。
第三者委員会は、このように本諮問事項について慎重に協議及び検討した結果、平成30年11月2日付で、当社取締役会に対し、委員全員の一致で、大要以下の内容の本答申書を提出しました。
(a) (ⅰ)本取引の目的及び必要性・背景事情としては、(1)近年、酒への嗜好の変化から、若年層を中心に急速に酒離れが進み、飲酒人口は大幅に減少しており、また、企業内でのセクシャルハラスメント、パワーハラスメント等への対策のひとつとして、二次会等の実施を控える傾向等も見られ、このような企業文化の変化は、ビジネス街を中心として店舗を展開している当社にとって、大きな打撃となっていること、(2)当社では、「本物の食文化の提供」という企業理念のもと、漁港の買参権等を活用し、新鮮な素材を適正な価格で提供することで「値ごろ感」を打ち出し、顧客満足度の向上と利益率の改善に取り組んできた一方で、近年は黒字こそ確保しているものの、売上高及び利益率共に減少傾向が続いているとのこと、(3)当社としては、かかる状況を脱却し、当社の企業価値を向上させるためには、一般的な価値観の変化、規制等の環境の変化に対応する形で当社の経営資源を改めて検証し直し、早期に抜本的かつ本質的な構造改革を実施し、中長期的な成長を目指すことが必須であると考えるに至ったこと、(4)その具体的な施策としては、(i)既存店舗及び新規出店方針の見直し、(ii)受動喫煙条例への積極的な対応、(iii)人材育成強化及び(iv)新規業態への取組みが挙げられること、(5)しかしながら、かかる取組みは人材の採用・育成費用や店舗開発費用等の先行投資を必要とするものであることに加え、短期間でその効果がもたらされるとは限らず、また、当初計画したとおりに収益に寄与しない可能性もあるため、一時的には当社の収益を大きく悪化させる要因ともなり、また、中長期にわたり利益の変動性が高まるリスクを内包すること、(6)その結果、一時的な財務状況等の悪化により当社株式の株価の下落が起こるリスクも懸念され、当社株主の期待に添えない可能性があること、(7)また、当社が上場を維持した状態では、当社株式の株価への悪影響を回避するために、これまでと同様、短期的な業績や利益確保を重視する戦略を取らざるを得ない状況に置かれ、中長期的な企業価値の向上を十分に追求できないおそれもあると考えていること、(8)このような状況下で、当社としては、当社の株主に対して発生する可能性がある上記の悪影響を回避しつつ、抜本的かつ機動的な経営戦略を実践し中長期的な視点から当社の企業価値を向上させるためには、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により当社を非公開化するとともに、所有と経営を一定の範囲で一致させ、柚原洋一氏、取締役、従業員が一丸となって各施策に迅速かつ果敢に取り組むことこそが、最も有効な手段であると考えるに至ったこと等の説明を受けており、また、(ⅱ)本公開買付けを経て行われる本取引のメリットとしては、上記のとおり、マネジメント・バイアウト(MBO)の手法により当社を非公開化するとともに、所有と経営を一定の範囲で一致させ、柚原洋一氏、取締役、従業員が一丸となって各施策に迅速かつ果敢に取り組むことが可能となり得るとのことであり、その具体的な内容として、(1)「既存店舗及び新規出店方針の見直し」: 飲食店事業については経営資源の集中のため、既存店舗の個別店舗収益の再検証を行い、不採算、あるいは利益額の少ない店舗や周辺環境の変化に伴い今後収益悪化が見込まれると判定される各店舗については、短期的な売上目標に拘泥せず、店舗そのものを撤退することも選択肢として排除しないことを想定し、その一方で、新規出店は、立地等を勘案し、高い収益性が見込まれる立地と判断される物件がある場合に限り、出店を行うことを想定すること、(2)「受動喫煙条例への積極的な対応」: 近年の東京都における受動喫煙防止条例の施行を受け、中長期的には顧客満足度の向上につながるとの観点から、当社においても積極的に、店舗の全館禁煙化や喫煙専用室又は指定たばこ専用喫煙室の設置を実施する予定とのこと、(3)「人材育成強化」: 現在の厳しい居酒屋業界の事業環境を鑑みる中で、低価格を競争力の源泉とする居酒屋と一線を画し、当社の強みであるよい食材を生かした中・高価格帯飲食店での更なる事業拡大を目指すためにも、更なるお客様へのサービス強化が必須であり、ホスピタリティ、サービス品質の強化を目指し、正社員中心での店舗運営への切り替えを図り、お客様への接客水準の向上を図るとのこと、また、正社員に対してきめ細やかなサービス強化に向けた研修等をより積極的に実施するほか、インセンティブ制度の充実等を通じて一人ひとりの接客技術やモチベーションの向上を図ることも検討しているとのこと、(4)「新規業態への取組み」: 上記の正社員数の増加、当社社員の接客力向上等の取組みにより、一定水準の接客サービスを安定的に提供できる体制が整った後には、その基盤を活用し、中長期的な企業価値向上を目指す施策として、より高価格帯での新規業態開発に取り組むことが必須と考えられ、当該取組みにおいては、核となる料理人の確保、コンセプトの検討、実際の店舗開発の初期費用も現在以上の水準となることが予想されるとのこと、等の説明を受けており、これらの説明からは、本取引の目的は当社の企業価値向上を目指したものと言うことができると考えられる。その理由として、八越との間で当社の属する市場環境や将来における動向予想等も踏まえて本取引の必要性及びメリットの検討を行っていること、また当社等から説明を受けた当社の今後の事業見通し及び成長見通し並びに本取引後に実施を検討している各施策等については、当社の事業内容及び経営状況を前提とした上で、八越の経営方針をも踏まえたものと言え、いずれも不合理なものとは認められないことから、第三者委員会としては本取引は当社の企業価値向上に資するであろうと考えるものであり、本取引の目的は正当性、合理性を有するものと思料する。
(b) 当社は本取引への対応を検討するに当たり、本公開買付けの条件とりわけ本公開買付価格の公正性を確保すべく、当社株式の株式価値の算定を、当社及び八越のいずれからも独立した第三者算定機関である山田コンサルへ依頼した上で、所定の株式価値算定書を取得している。また本取引に関する法的助言を得るべく、当社及び八越のいずれからも独立したリーガル・アドバイザーであるアンダーソン・毛利・友常法律事務所を選任している。当該体制・状況のもと、いわゆるMBOとしての完全子会社化取引・非公開化手続として、相対的に構造的な利益相反性が強いとも考えられる本取引の特徴に鑑みて、当社においては、本取引についてより慎重に条件の妥当性・公正性を担保する必要がある旨を認識して、当社から八越に対して協議過程の早い段階から少数株主の利益に十分配慮した取引条件を要請し、その妥当性・公正性、条件の現実性といった事情について全般的な検証を重ねた上で、八越との協議を経て本公開買付価格に関して、今般取締役会決議が予定されている価格についての最終的な調整が進められた。その後、最終的に当社及び八越間で本公開買付価格を含む本取引の条件について合意するに至り、当社において、当該合意された価格をもって、取締役会で決議を予定している本公開買付価格とするとのことである。これらの点を含め、本取引の対応及び検討に向けた過程の中で、早期かつ詳細な開示・説明による当社株主の適切な判断機会の確保、意思決定過程における恣意性の排除、また本公開買付けの条件、とりわけ本公開買付価格の公正性の担保、また本公開買付けの成立後に当社の株主を八越及び柚原洋一氏のみとするための手続(以下「本スクイーズアウト手続」といいます。)の条件の公正性の担保に向けた客観的状況の確保等の諸点について、具体的な対応が行われているものと考えられ、公正な手続を通じた当社株主の利益への十分な配慮がなされていると考えられる。
(c) 当社は、本取引の条件、とりわけ本公開買付価格の公正性を確保すべく、その検討・判断を行うに当たり、当社株式の株式価値の算定のための独立の第三者算定機関を選任し、当該第三者算定機関から株式価値算定書を取得した上で、当該株式価値算定書を参考としている。その上で、(i)当該第三者算定機関作成の株式価値算定書の結論に至る計算過程について、その算定手法は現在の実務に照らして一般的、合理的な手法であると言え、またその内容についても現在の実務に照らして妥当なものであると考えられることから、特段不合理な点あるいは著しい問題などは認められないと考えられること、(ii)また当該株式価値算定書を基礎として当社においても本取引の必要性及びメリット、当社の今後の事業への影響といった事情等を全般的に考慮した上で本公開買付価格の検討を行ってきたこと、(iii)経験豊富な第三者算定機関を起用し、本公開買付価格を含む本取引全般の条件交渉を実施したこと、(iv)当社取締役会において最終的に決議を予定している本公開買付価格についても、相応のプレミアムが付された価格と言えること、(v)上記(i)から(iv)までの第三者委員会での議論及び検討の結論を含め、特段不合理な点あるいは著しい問題などは認識していないことから、これら当社における対応は、本公開買付けを含む本取引の条件とりわけ本公開買付価格の公正性・妥当性を確保し、またこれらに関する当社の判断・意思決定について、その過程から恣意性を排除するための方法として合理性・相当性があるものと思料する。
また、本スクイーズアウト手続の条件に関しても、今後特段の事情が無い限り、本公開買付価格と同一の価格を基準として算定、決定するとの説明を受けており、本スクイーズアウト手続は、本公開買付けの後、本公開買付けに続く手続きとして行われることが予定されているもの(いわゆる二段階買収としての手続)であるところ、時間的に近接した両手続における取引条件が同一のものとなるようにすることについては、合理性が認められるものと考えられ、その上で、上記のとおり本公開買付けの条件、とりわけ本公開買付価格の公正性確保、またこれらに関する当社の判断・意思決定の過程から恣意性を排除するための方法についてはいずれも合理性・相当性が認められると考えられる。それゆえ、本スクイーズアウト手続の条件に関してもその公正性・妥当性が確保されているものと思料する。
なお、当社株式の株価は、本取引実施前の水準において、いわゆるPBR(株価純資産倍率)0.7倍を割るなど、解散価値という視点においては、同業他社に示されるPBR2-3倍(平均値推定)といった水準に比較して非常に低い水準を示しており、また、本取引にて示される相応の株価プレミアムを付された本公開買付価格であっても、引き続きPBR1倍を下回る水準の評価となっているが、この点につき、継続企業を前提とする価値評価を行うことは、MBO事案であっても変わることなく、むしろ、選択された企業価値評価手法の妥当性や合理性が適切に確保されていれば、一般株主に対する価値配分の考え方として特段不合理なものとならないと考えられる。
(d) 上記(a)乃至(c)までにおいて検討した諸事項以外の点に関して、第三者委員会において、本公開買付けを含む本取引が当社の少数株主にとって不利益なものであると考える事情は現時点において特段見あたらない。
(オ)当社における利害関係を有しない取締役全員の承認
当社は、山田コンサルより取得した当社株式価値算定書、アンダーソン・毛利・友常法律事務所から得た法的助言を踏まえつつ、第三者委員会(当該第三者委員会の構成及び具体的な活動内容等については、上記「(エ) 当社における第三者委員会の設置」をご参照ください。)から提出を受けた本答申書の内容を最大限に尊重しながら、本公開買付けを含む本取引の諸条件について慎重に検討しました。
その結果、上記「(1)本株式併合の目的」に記載のとおり、当社取締役会は、本取引について、(ⅰ)本公開買付けを含む本取引により当社の企業価値が向上すると見込まれるとともに、(ⅱ)本公開買付価格及び本公開買付けに係るその他の諸条件は当社の株主の皆様にとって妥当であり、本公開買付けは、株主の皆様に対して、合理的な売却の機会を提供するものであると判断し、平成30年11月5日開催の取締役会において、審議及び決議に参加した当社の取締役(当社の代表取締役社長である柚原洋一氏を除き、監査等委員である取締役3名を含む取締役6名)の全員一致で、本公開買付けへの賛同の意見を表明するとともに、当社の株主の皆様に対して本公開買付けへの応募を推奨する旨の決議をいたしました。
また、当社新株予約権について、当社新株予約権はいずれも取締役又は従業員に対するストック・オプションとして発行されたものであり、当社新株予約権の権利行使に係る条件として、新株予約権者が当社及び当社子会社の取締役又は従業員であることが定められていること等から、公開買付者が本公開買付けにより当社新株予約権を取得したとしても、これらを行使できないことに鑑みれば、1個当たりの買付価格を1円とすることは公開買付者の立場からは不合理ではないと考えられるものの、当社は第三者算定機関に対して当社新株予約権の価値算定を依頼しておらず、当社新株予約権の買付け等の価格の妥当性についての検証を行っておらず、当社としてその保有者に応募を推奨する根拠は見当たらないことから、当社新株予約権に係る新株予約権者の皆様に対しては、本公開買付けに応募するか否かについては、そのご判断に委ねる旨の決議をいたしました。
なお、当社の取締役のうち、代表取締役社長である柚原洋一氏は八越の代表取締役であることから、本取引に関して当社と構造的な利益相反状態にあるため、特別利害関係人として、当該取締役会における審議及び決議には一切参加しておらず、また、当社の立場において八越との協議及び交渉にも一切参加しておりません。
(カ)本公開買付けの公正性を担保する客観的状況の確保
八越は、公開買付期間として法令に定められた最短期間が20営業日であるところ、本公開買付けの公開買付期間を30営業日としているとのことです。このように公開買付期間を比較的長期間に設定することにより、当社の株主に対して本公開買付けに対する応募につき適正な判断機会を確保しつつ、八越以外にも対抗的な買付け等をする機会を確保し、これをもって本公開買付けの公正性を担保しているとのことです。
また、八越と当社は、当社が対抗的買収提案者と接触することを禁止するような取引保護条項を含む合意等、当該対抗的買収提案者が当社との間で接触等を行うことを制限するような内容の合意は一切行っておらず、上記公開買付期間の設定とあわせ、対抗的な買付け等の機会が確保されることにより、本公開買付けの公正性の担保に配慮しております。
(キ)マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)による買付予定数の下限の設定
本公開買付けにおいては、3,729,301株(所有割合(注)36.23%)を買付予定数の下限として設定しておりますため、八越は、本公開買付けにおける応募株券等の数の合計が買付予定数の下限以上の場合は、応募株券等の全部の買付け等を行いますが、当該応募株券等の数の合計が買付予定数の下限に満たない場合には応募株券等の全部の買付け等を行わないとのことです。なお、買付予定数の下限である3,729,301株(所有割合36.23%)は、以下に定義する当社潜在株式勘案後株式総数より、①(i)柚原洋一氏が所有している当社株式数(4,185,300株(所有割合40.66%))及び(ii)八越の形式的基準による特別関係者にあたる常松美那枝氏が所有している当社株式数(16,000株(所有割合0.16%))を控除した株式数(6,093,000株(所有割合59.19%)株)の過半数に相当する株式数(3,046,501株(所有割合29.59%。これは、八越と利害関係を有さない当社の株主の皆様が所有する当社株式の数の過半数、すなわち、いわゆる「マジョリティ・オブ・マイノリティ(majority of minority)」に相当する数にあたるとのことです。))に、②(i)応募対象株式(666,800株(所有割合:6.48%))及び(ii)八越の形式的基準による特別関係者にあたる常松美那枝氏が所有している当社株式(16,000株(所有割合0.16%))を加算した株式数(3,729,301株(所有割合36.23%))となるとのことです。これにより、当社の少数株主の皆様の意思を重視して、八越の利害関係者以外の株主の皆様の過半数の賛同が得られない場合には、本公開買付けを含む本取引を行わないこととしているとのことです。
(注)「所有割合」とは、①当社が平成30年10月15日に提出した当社四半期報告書に記載された平成30年8月31日現在の発行済株式総数(9,822,900株)に、② (i)当社が平成30年5月30日付で提出した第24期有価証券報告書に記載された平成30年4月30日現在の全ての新株予約権(4,570個(目的となる株式の数457,000株))から、(ii)平成30年5月1日以降平成30年11月2日までに行使され又は消滅した新株予約権(1,505個(第5回新株予約権1,182個(目的となる株式の数118,200株)、第6回新株予約権275個(目的となる株式の数27,500株)、第7回新株予約権24個(目的となる株式の数2,400株)、及び第8回新株予約権24個(目的となる株式の数2,400株)))を除いた数の新株予約権(3,065個(第6回新株予約権275個(目的となる株式の数27,500株)、第7回新株予約権1,284個(目的となる株式の数128,400株)、及び第8回新株予約権1,506個(目的となる株式の数150,600株)))に、(iii)平成30年6月14日開催の取締役会で発行が決議された第9回新株予約権(1,800個)から、同日以降平成30年11月2日までに行使され又は消滅した第9回新株予約権(12個)を控除した数の第9回新株予約権(1,788個(目的となる株式の数178,800株))を加算した数の新株予約権(4,853個)の目的となる株式(485,300株)の数を加算した数(10,308,200株)から、③当社四半期報告書に記載された平成30年8月31日現在の当社の所有する自己株式数(13,900株)を控除した数(10,294,300株)(「当社潜在株式勘案後株式総数」といいます。)に対する割合をいい、小数点以下第三位を四捨五入しております。以下、所有割合の記載について同じとします。
(2)本株式併合がその効力を生ずる日
平成31年3月22日
以 上