有価証券報告書-第41期(平成29年5月16日-平成30年5月15日)

【提出】
2018/08/03 16:02
【資料】
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【項目】
73項目

事業等のリスク

以下において、当社の事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項およびその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。当社は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、リスク発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社の有価証券に関する投資判断は、本項および本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。
なお、以下の記載のうち将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)当社の事業に影響を与える外的要因について
① 外食業界の動向及び競合他社との競争について
当社の属する外食産業は、消費者の支出抑制意識継続により個人消費が低迷傾向にあるなかで、業界各社の競争がより激しさを増しております。寿司業界においても、大手チェーン店の相次ぐ出店や異業種からの参入等による競争が激化しております。
このような状況の中で当社は、経営理念に掲げる「私達の『真心』を提供し、お客様の『感謝と喜び』を頂くことを私達の使命と致します。」を徹底し、今後も競合他社との差別化に向けた諸施策を講じながら収益力の向上に努めてまいる所存であります。しかしながら、今後、外食市場の縮小、他の外食事業者や中食事業者を含めた競合他社との競争が更に激化した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 食材について
当社は寿司事業のみの単一事業を営んでいるため、水産物や米等、原材料となる食材に関して市場価格変動に伴う当社仕入価格の変動や市場流通量の大幅な減少にともなう定番品目の欠品等が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。特に「まぐろ」については、全世界的に漁獲高が減少傾向にあり、市場価格が継続的に上昇する事態も想定されるものと考えております。当社では「まぐろ」の仕入に関して、固定価格での長期契約の締結や仕入経路の多様化等によって、仕入価格上昇や欠品が発生するリスクの低減を図る方針でありますが、こうした施策が必ずしも当社の期待どおりの効果を生む保証はありません。
また、近年、地球温暖化の影響と思われるアニサキスやその他の食中毒の発生が増加傾向にあり、当社は品質管理について、今迄以上に徹底管理しておりますが、当社が取り扱う食材のうち、特にこれら水産物の安全性に係る問題が発生した場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ その他の外的要因について
当社は寿司事業のみの単一事業を営んでいるため、寿司に関する消費者の嗜好の変化が当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
また天候の変動は、当社店舗への来店客数動向、ひいては当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)出店について
① 出店戦略について
当社は、平成30年5月15日現在、千葉県内に36店舗、東京都内に35店舗、埼玉県内に15店舗、神奈川県内に5店舗の計91店舗(「すし銚子丸」及び「江戸前すし百萬石」業態、すべて直営)を有しております。今後におきましても、これら1都3県の地域のロードサイドを中心に、ドミナント方式による出店を推進する方針であります。
また、今後新たに都心への出店についても積極的に検討していく方針であります。
当社は、出店にあたって、出店候補地の周辺人口、近隣道路環境、敷地状況、競合店状況、および契約条件等の諸条件を総合的に検討した上で、出店用地の選定を行っております。当社では、予め当社の希望する条件で絞り込んだ出店候補地に対して、物件所有者との交渉を行っており、当該交渉期間は長期化する場合があります。
また、当社の出店条件に合致した物件がなく計画通りの出店ができない場合や、出店後において立地環境等に多大な変化が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 敷金・保証金等について
当社は、出店に際して、敷金・保証金等を差し入れた上で土地、建物を賃借しており、賃借物件の地主・家主の経済的破綻等により敷金・保証金等の回収が不能となった場合や、当社の都合による賃貸借契約の中途解約により契約上の返済条件の規定から敷金・保証金等を放棄せざるを得なくなった場合等には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)事業体制について
① 人財確保および育成について
当社は店舗数増加等による業容と組織の拡大において、これを担う人財の量的・質的な確保および育成が重要な課題であると考えております。会社財産としての「人財」の定着・活性化と当社の理念を実現する戦力化を推進するために、求人・採用のレベルアップ、当社独自の研修・教育システムの充実および成果主義型人事評価制度の構築を推進しております。また、店舗での優秀なパート・アルバイトの安定的な採用及び教育も重要と考えております。しかしながら、当社が想定している以上の退職者があった場合や、新規出店を担う人財確保および育成ができない場合には当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 鮮魚の配送について
当社では、水産物卸売市場の休業日を除き、早朝に水産物卸売市場で仕入れた鮮魚を、当日中に店舗で加工して提供するために仕入および物流体制を構築しております。このような体制を具備していることが他社の回転寿司店舗との差別化要因の一つであると考えており、今後こうした体制を維持継続できなくなった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。また、これらの体制を維持するためには、水産物卸売市場から開店前に仕入品を店舗に配送できることが前提となるため、出店用地の選定に制約が生じる場合があります。
(4)法的規制等について
① 法的規制について
当社の事業に関連する法的規制としては、「食品衛生法」「消防法」および「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(いわゆる食品リサイクル法)等があります。このうち食品衛生法においては、飲食店を経営するにあたり厚生労働省令が定めるところの都道府県知事の許可を受けなければならない旨が規定されています。
今後、これらの法的規制が強化された場合、それに対応するための新たな費用の発生等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② 衛生管理について
当社では、衛生管理を最も重要な経営管理項目として位置づけており、環境整備部に衛生管理担当者を配置し、各店舗の衛生評価・教育ならびに外部の専門業者との連携による食材・調理器具の検体採取や従業員の検便検査等を定期的に実施しております。さらに、その実施結果に基づく各店舗に対する衛生管理指導を行うなど衛生管理体制を整備しております。
当社は、今後とも一層の衛生面の管理を強化していく方針でありますが、外食産業の中でも生鮮食材を取り扱う業態として食中毒事件等が発生した場合には、企業としての存続そのものに重大な影響を及ぼす可能性があります。
また同業他社における食中毒事件等が発生した場合には、消費者による寿司業界全体に対する不安感を与えてしまうことから、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)について
平成13年5月に施行された「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律」(食品リサイクル法)により、年間100トン以上の食品廃棄物を排出する外食事業者(食品関連事業者)は、食品廃棄物の発生量の抑制、減量および再生利用を通じて平成25年度以降も引続き排出する食品廃棄物の再利用等の実施率を40%以上にすることが義務づけられております。
当社におきましては、排出量の把握とその抑制策、再生利用策、および減量策等の具体的な対応策を実施しておりますが、今後同法に関して追加的な対応が必要となった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 短時間労働者の雇用について
当社では従業員に占める短時間労働者の比率が高いため、今後、労働法令の改正等、あるいは厚生年金保険等、パート・アルバイト社員の処遇に関連した法改正が行われた場合には、人件費負担が増加する可能性があるため、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)個人情報の管理について
当社は、顧客からのアンケート情報等を収集し、顧客満足度の把握およびサービス向上に努めております。個人情報の管理に関しては万全を期しておりますが、何らかの理由で個人情報が漏洩した場合には、損害賠償請求の発生や社会的信用の低下等により、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。