有価証券報告書-第12期(平成30年3月1日-平成31年2月28日)

【提出】
2019/05/27 12:30
【資料】
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【項目】
55項目
記載された事項で、将来に関するものは、有価証券報告書提出日現在(2019年5月27日)、入手可能な情報に基づく当社の経営判断や予測によるものです。
(1) 経営方針
当社グループは持株会社体制の下、大丸、松坂屋、パルコの店舗ネットワークや顧客基盤などの経営資源を最適かつ有効活用するとともに、時代の変化に的確に対応し、顧客満足の最大化と効率経営の徹底を通じ、百貨店事業、パルコ事業をはじめ既存事業各社の競争力と収益力の向上をはかってまいります。
加えて、より成長性のある分野に資源配分を行っていくなど、競争力と収益力に優れた事業群でバランス良く構成されるポートフォリオへの見直しを進め、“くらしの「あたらしい幸せ」を発明する。”という新たなグループビジョンの実現に挑戦してまいります。
(2) 経営目標
新グループビジョン実現に向けた取り組みを通じ、「2017-2021年度 中期経営計画」の最終年度である2021年度には、営業利益560億円、営業利益率10%、ROE8%の達成を目指しています。
(3) 対処すべき課題
取り巻く環境がこれまでにないスピードで変化し続ける中、当社グループは非連続な成長へと大きく経営の舵を切り、グループビジョン“くらしの「あたらしい幸せ」を発明する。”の実現に向け、「2017-2021年度 中期経営計画」を推進しており、計画スタートから2年が経過いたしました。
この2年間を振り返りますと、GINZA SIX(ギンザ シックス)や上野フロンティアタワーなど従来にない新たな複合商業施設を開業させるなど、事業ポートフォリオ変革に向けた取り組みを着実に推進してまいりましたものの、百貨店事業、不動産事業を除く他の事業では当初計画との乖離が生じており、将来のグループ全体の成長実現に向け、さらに実行力を高めて取り組む必要があると認識しています。
迎えた2019年度は、世界経済では先行き不透明感が増し、国内では消費増税が予定されるなど当社グループを取り巻く環境は一層厳しさを増すことが予想されます。さらに、デジタル技術の進展や消費に対する価値観の変化を背景に、業種や業態内の競合激化にとどまらず、既存のマーケットや産業自体が衰退する中、従来は存在しなかった新たな商品やサービス、産業に置き換わるなど、想定を上回るスピードで変化しています。
中期経営計画の3年目となる今年度は、今中期経営計画で掲げる業績目標の達成を確かなものとするため、非連続な成長の実現、事業ポートフォリオの変革に向けた成長戦略の具現化に、一段とスピードをあげて取り組んでいく必要があると認識しています。加えて、持続可能な社会の実現と事業の持続的な成長を目指すESGへの取り組みは経営の中核課題であり、あらゆる企業活動においてESG視点での取り組みが求められるものと認識しています。
こうした認識のもと、グループの持続的な成長と中長期的な企業価値向上の実現に向け、今秋開業予定の大丸心斎橋店新本館、新生渋谷パルコなどの大型再開発を成功させるとともに、クレジット金融事業など重点3事業や新規事業領域の拡大、お客様のライフタイム・バリューの最大化を目指す「ライフタイム・サービスハブ構想」の具現化に加え、百貨店事業における新顧客戦略の全社展開や外商ビジネスモデルの改革、パルコ事業における店舗事業改革によるパルコブランドの再構築などの成長戦略を着実に推進してまいります。
また、これらの成長戦略を支える経営基盤の強化に向け、戦略を推進する人財強化、資本の効率的活用による経営体質の強化、グループ業務システムの革新による生産性向上などに取り組んでまいります。株主の皆さまにおかれましては、なにとぞ一層のご支援ご鞭撻を賜りますようお願い申しあげます。
(4) グループ成長戦略
①マルチサービスリテイラー戦略
高効率かつ成長性が高い事業と位置づける重点3事業の強化をはかるとともに、グループビジョン実現に向け新規事業領域の拡大にスピードをあげて取り組んでまいります。
1)重点3事業における事業領域及び収益の拡大
・クレジット金融事業においては、中長期の成長実現に向け、顧客とのさらなる関係強化に向けたカード商品の開発や今後予想されるキャッシュレスをはじめとする決済手段の多様化への対応など、新たな決済サービスの提供に取り組んでまいります。あわせて、優良な顧客基盤・店舗資産など当社グループの強みを活用し、顧客のライフステージに応じた新たな金融サービスの提供に取り組んでまいります。
・人材派遣事業においては、成長が期待される人材紹介事業の強化や、労働市場のグローバル化への対応強化など事業領域の拡大をはかってまいります。
・建装事業においては、デザイン事業の強化など事業領域の拡大をはかるとともに、大丸心斎橋店新本館を含むグループ内外の内装工事の受注拡大をはかるほか、体制強化による収益管理の徹底に継続して取り組んでまいります。
2)グループビジョン実現に向けた新規事業領域の拡大
・「暮らし方の多様化」「楽しみ方の多様化」に対応した新たなサービスの具現化、事業ポートフォリオ変革に向けた新規事業領域の拡大に取り組むとともに、シェアリングなど消費者の価値観変化に対応する事業の開発、他社とのアライアンスを進めてまいります。
②アーバンドミナント戦略
百貨店・パルコの基幹店舗及び不動産事業部を中心に、グループリソースを最大限活用し「店舗を核に地域とともに成長するビジネスモデル」の構築を進めてまいります。
1)基幹店舗を中心とした街づくり推進
・街の魅力度向上、エリア間競争力の強化に向け、重点エリアを中心とした店舗の周辺開発に取り組んでまいります。あわせて地域・行政との連携強化によるイベントの実施など街の賑わい創出に取り組んでまいります。
2)新たな商業施設モデルの具現化
・大丸心斎橋店新本館において、新たな百貨店ビジネスモデルの具現化による収益拡大に取り組んでまいります。
・新生渋谷パルコにおいて、パルコとしてのストアブランド進化の具現化に取り組むとともに、錦糸町パルコ、サンエー浦添西海岸 PARCO CITY、川崎ゼロゲート(仮称)など新業態開発を着実に推進してまいります。
③IoT時代におけるICT戦略
お客様との生涯にわたる関係を強固なものとし、お客様のライフタイム・バリューの最大化を目指すための仕組みである「ライフタイム・サービスハブ構想」の具現化を進めてまいります。あわせてグループ各社の戦略を支えるICT基盤の構築に取り組んでまいります。
1)お客様のライフタイム・バリューの最大化に向けた顧客データベースの構築
・グループ各社の顧客データを統合し一元的に管理するデータベースの構築を進めるとともに、統合データベースを活用した新たな商品やサービスの提供、事業開発の具現化に取り組んでまいります。
2)グループ各社の戦略を支えるICT基盤の構築
・グループ各社におけるデジタル技術を活用した事業戦略の立案・実行支援とともに、各社の状況に応じた情報セキュリティの対応強化など、成長戦略の推進とグループITの健全性を両立させるICT基盤の構築に取り組んでまいります。
④百貨店事業、パルコ事業の革新
<百貨店事業>大丸心斎橋店新本館における新たな百貨店ビジネスモデルの具現化、新顧客戦略の全社展開、外商ビジネスモデルの変革を通じ、競争力・収益力の強化に取り組んでまいります。
1)新たな百貨店ビジネスモデルの具現化
・2019年秋開業予定の大丸心斎橋店新本館において、成長性と収益性を兼ね備えた新たな店舗運営モデルの具現化に取り組んでまいります。
2)新顧客戦略の展開による顧客基盤の拡大とCRM強化
・モバイルアプリの導入により顧客基盤の拡大をはかるとともに、顧客データを活用し顧客のライフステージに即したパーソナルな商品・サービスの提供に取り組んでまいります。
3)外商ビジネスモデルの改革による顧客基盤拡大
・デジタル技術を活用した新たな商品・サービスに関する情報発信や、お客様のニーズ・購買特性に応じた最適な営業活動の推進により顧客基盤の拡大に取り組んでまいります。
<パルコ事業>店舗事業、不動産事業の再構築をはかるとともに周辺事業、新規事業など新たな事業領域への進出による収益源の創出に取り組んでまいります。
1)店舗事業改革の実行によるパルコブランドの再構築
・パルコ創業50周年、パルコ各店における周年イベントの強化をはかるとともに、店舗事業の強化に向け主要店舗の改装を推進してまいります。
2)2019年度新規開業案件の成功
・新生渋谷パルコ、錦糸町パルコ、サンエー浦添西海岸 PARCO CITY、川崎ゼロゲート(仮称)など異なる4つの業態の新規開業案件の成功に向け着実に取り組んでまいります。
3)店舗事業に貢献する各事業の再強化・基盤整備
・新生渋谷パルコ開業に合わせたエンターテインメント事業の再強化や、総合空間事業におけるパルコ新規開発案件の管理業務受託をはかってまいります。
⑤ESG戦略
新たに策定したサステナビリティ方針のもと、「持続可能な社会」及び「企業の持続的成長」の実現に資する5つのマテリアリティ(重要課題)の目標達成に向けた取り組みを推進してまいります。あわせて、コーポレートガバナンス機能の継続的な強化を通じグループの持続的成長及び中長期的な企業価値向上を目指してまいります。
1)マテリアリティ(重要課題)において設定した目標達成に向けた取り組みの推進
・5つのマテリアリティの目標達成に向けた取り組みを着実に実行するとともに、ESG活動の社内外への理解促進に向けた説明会の開催や社外への発信強化に取り組んでまいります。
※当社が特定した5つのマテリアリティ:①「低炭素社会への貢献」 ②「サプライチェーン全体のマネジメント」③「地域社会との共生」 ④「ダイバーシティの推進」 ⑤「ワークライフバランスの実現」
・ESG視点による大丸心斎橋店新本館、新生渋谷パルコの店づくりを推進してまいります。
・災害等における事業継続計画(BCP)の見直しに取り組むとともに、地域社会への貢献・支援策の立案に取り組んでまいります。
2)グループガバナンス機能のさらなる強化
・当社グループのコーポレートガバナンスの中心として、経営の透明性・健全性・遵法性を継続して確保するとともに、グループ各社における戦略実行に向けた迅速な意思決定及び内部統制の精度向上によりコーポレートガバナンスの強化に取り組んでまいります。
経営基盤の強化
<グループ人財政策>・持続的な成長実現に向け人財開発企業を目指し、多様な人材の採用や専門人材の育成、創造と挑戦を引き出す人事制度への転換、ワークライフバランスの実現、働き方の多様化への対応など、人財マネジメントの再構築に取り組んでまいります。
<グループ財務政策>・株主資本コストを継続して上回る資本効率の高い経営体質の構築に向け、戦略投資の実施や株主還元の充実、自己資本拡充のバランスを踏まえた資本政策を推進してまいります。また、2019年1月から国際会計基準に適用された新リース会計基準に確実に対応してまいります。
<グループ業務システム変革>・成長戦略を支える基盤構築に向け、百貨店事業などグループ各社におけるRPA化(ロボティック・プロセス・オートメーション)の適用拡大により業務の自動化を推進するとともに、卸売事業などグループ各社における後方業務のシェアードサービス拡大により生産性向上をはかってまいります。
<コンプライアンス・マネジメントの整備・強化>・教育や研修を通じたコンプライアンスに対する意識向上、コンプライアンス遵守に関するチェック体制の整備・強化に加え、不正事案の再発防止策の策定・徹底などグループ・コンプライアンス経営のさらなる強化に取り組んでまいります。
(5) 株式会社の支配に関する基本方針
①基本方針の内容
当社は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者は、当社グループの財務及び事業の内容や当社グループの企業価値の源泉を十分に理解し、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を継続的かつ持続的に確保し、これを向上していくことを可能とする者であることが必要であるものと考えております。
当社は、当社が上場会社であることから、当社の株主のあり方については、一般的には金融商品取引所における自由な市場取引を通じて決まるものであり、特定の株主または特定の株主グループによって当社株式の一定規模以上の取得行為(以下「大量取得行為」といいます。)が行われる場合であっても、当該大量取得行為が当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資するものであれば、一概にこれを否定するものではなく、これに応じるか否かについては、最終的には株主の皆さまのご判断に委ねられるべきものと考えております。
しかしながら、大量取得行為の中には、その目的等からして当社グループの企業価値に対する明白な侵害をもたらすもの、株主の皆さまに当社株式の売却を事実上強要するおそれがあるもの、当社取締役会や株主の皆さまが大量取得者の提案内容等について検討し、または当社取締役会が代替案を提案するための十分な時間や情報を提供しないものなど、当社グループの企業価値を毀損する重大なおそれをもたらすものも想定されます。
このような当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益に資さない大量取得行為を行う者(以下「大量取得者」といいます。)は、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者としては不適切であり、当社は、このような大量取得行為に対しては、大量取得者による情報提供並びに当社取締役会による検討及び評価といったプロセスを確保するとともに、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の毀損を防止するため、当社取締役会及び株主の皆さまが大量取得者の提案内容を検討するための十分な時間を確保することこそが、株主の皆さまから当社経営の負託を受けた当社取締役会の責務であると考えております。
②基本方針の実現に資する取り組み
当社グループは、大丸・松坂屋の創業以来、その企業理念、伝統精神である「先義後利(義を先にして利を後にする者は栄える)」、「諸悪莫作 衆善奉行(諸悪をなすなかれ、多くの善行を行え)」、「人の利するところにおいて、われも利する」に基づき、永年にわたって呉服商、百貨店業を営んでまいりました。
当社は、当社グループの企業価値の源泉は、これらの理念、精神に基づくことにより築き上げられてきた、お客様及び社会との信頼関係にあるものと考えております。
そこで、当社は、これらの理念、精神に共通する「お客様第一主義」、「社会への貢献」を体現するため、当社グループの基本理念として「時代の変化に即応した高質な商品・サービスを提供し、お客様の期待を超えるご満足の実現を目指す」、「公正で信頼される企業として、広く社会への貢献を通じてグループの発展を目指す」ことを掲げ、この基本理念に基づき、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保及び向上に資するため、当社グループのビジョンとして“くらしの「あたらしい幸せ」を発明する。”を掲げ、さまざまな施策に取り組んでおります。
③基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取り組み
当社は、現在のところ、大量取得者が出現した場合の具体的な取り組み、いわゆる買収防衛策について特にこれを定めてはおりません。
しかしながら、大量取得者が出現した場合には、当社グループの企業価値の毀損を防止するため、大量取得者の属性、大量取得行為の目的、大量取得者が提案する財務及び事業の方針、株主の皆さま及び当社グループのお客様・お取引先様・従業員・当社グループを取り巻く地域社会その他のステークホルダーに対する対応方針など、大量取得者に関するこれらの情報を把握した上で、当該大量取得行為が当社グループの企業価値に及ぼす影響を慎重に検討する必要があるものと考えます。
したがって、このような場合には、当社は、当社社内取締役から独立した立場にある社外取締役及び有識者をメンバーとする独立委員会を設置し、その勧告意見を踏まえた上で、当該大量取得者が前記の基本方針に照らして不適切な者であると判断されるときは、必要かつ相当な対応を講じることにより、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を確保する所存であります。
④具体的な取り組みに対する当社取締役会の判断及びその理由
当社グループで策定するさまざまな施策は、当社グループの基本理念に基づいて策定されており、当社グループの企業価値の源泉であるお客様及び社会との信頼関係のさらなる構築を目指すものであります。したがって、これらの施策は、基本方針の内容に沿うものであり、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものであると考えております。
また、基本方針に照らして不適切な者であると判断される大量取得者に対して必要かつ相当な対応を講じることについては、当社社内取締役からの独立性が確保されている独立委員会の勧告意見を踏まえて判断することにより、その判断の公正性・中立性・合理性が担保されており、当社グループの企業価値・株主共同の利益を損なうものではないとともに、当社の会社役員の地位の維持をその目的とするものではないと考えております。

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