有価証券報告書-第19期(2025/03/01-2026/02/28)

【提出】
2026/05/26 15:30
【資料】
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【項目】
206項目

有報資料

記載された事項で、将来に関するものは、有価証券報告書提出日現在(2026年5月26日)、入手可能な情報に基づく当社の経営判断や予測によるものです。
(1) 経営方針
当社グループは持株会社体制の下、大丸、松坂屋、パルコの店舗ネットワークや顧客基盤などの経営資源を最適かつ有効活用するとともに、時代の変化に的確に対応し、顧客満足の最大化と効率経営の徹底を通じ、リテール事業(百貨店・SC事業)をはじめ既存事業各社の競争力と収益力の向上を図ります。
加えて、より成長性のある分野に資源配分を行っていくなど、リテール事業を中核に競争力と収益力に優れた事業群でバランス良く構成されるポートフォリオへの見直しを進め、“くらしの「あたらしい幸せ」を発明する。”というグループビジョンの実現に挑戦します。
(2) 経営目標
2024年4月15日に、当社グループは「2024~2026年度 中期経営計画」を公表しました。
その後、2024年度業績が当初掲げた本中期経営計画の最終年度の利益目標を達成したことから、経営数値目標を上方修正しました。しかしながら、百貨店免税売上高が想定を下回る情勢にあることから、2026年度業績予想値は中期経営計画の目標には届かない見通しです。
1.経営数値目標
財務目標として連結事業利益は520億円、連結ROE6.9%以上(当初目標8.0%以上)、非財務目標として温室効果ガス排出量70%削減、女性管理職比率31.0%を目指します。
<主要な経営数値目標>
2024年度
実績
2025年度
実績
2026年度
業績予想
(ご参考)
2026年度
中計目標
連結事業利益(IFRS)534億円505億円520億円560億円
連結ROE10.5%6.9%6.9%8.0%以上
連結ROIC6.2%5.9%5.7%6.0%以上
温室効果ガス排出量※1▲65.4%▲69.5%▲70.0%▲70.0%
女性管理職比率26.2%27.7%31.0%31.0%

※1 Scope1・2(2017年度比)、2025年度実績は概算値
2.財務政策
中長期的な資本収益性の向上を図るため、収益性を伴う成長の実現、自己資本額の適正化及び株主還元の強化に取り組みます。
本中期経営計画では、3年間で2,500億円以上の営業キャッシュ・フロー等(使用権資産に係る減価償却費を含む)を創出し、うち1,950億円を設備投資及び成長戦略投資に充当します。
投資は2030年を見据え、中核のリテール事業に加え、グループシナジーの具現化に向けたデベロッパー事業への先行投資、また成長戦略投資に重点配分します。株主還元については、連結配当性向40%以上の配当と柔軟かつ機動的な自己株式の取得により、自己資本の適正化に取り組んでまいります。
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
2030年のグループ将来像である“価値共創リテーラー”の実現に向けた「変革期」と位置付ける中期経営計画(2024~2026年度)の最終年度を迎えました。
中期経営計画の進捗として、不確実性の高い事業環境のもと、重点戦略などが奏功し、主力の百貨店・SC事業の成長などにより、連結事業利益は2023年度(前中計最終年度)の443億円から、2025年度に505億円へと伸長しました。あわせて、2030年を見据えた変革への取り組みとして、主に、名古屋をはじめとする重点エリア開発、グループ顧客基盤強化に向けた自社カード発行の集約、自社コンテンツの保有・開発などを着実に推進しました。
一方、最終年度となる2026年度の業績予想は、日中関係悪化などの影響により、免税売上高が当初想定を下回る情勢にあることから、連結事業利益520億円、連結ROE6%台と、中期経営計画で掲げた目標には届かない見通しです。
2026年度は、為替動向や物価上昇等による国内消費やインバウンド需要の変化などへの対応強化を図り、年度業績の確保に努めるとともに、本質的な課題である外部環境変化に依らない強靭な経営体質への転換を図る道筋を、改めて明確にする必要があると認識しています。
中期経営計画の総仕上げとして掲げた重点戦略・施策を完遂するとともに、サステナビリティ経営を基軸に、持続的成長を確かなものとする次期中期経営計画の策定を、グループ一体となり進めてまいります。
1)中期経営計画の完遂
<リテール事業の深化>1.富裕層マーケットへの対応強化
・堅調な富裕層マーケットへの対応強化として、百貨店顧客基盤の拡大に向け、基幹店を起点に、各地域における外商活動の広域化、また若年富裕層の外商顧客化などに取り組みます。
2.海外顧客層の拡大
・百貨店事業において、主にアジアからの訪日観光客を対象に、顧客会員化の更なる拡大や再来店の促進など、海外顧客とのコミュニケーション、提案力の強化を図ります。
・SC事業では、インバウンド取扱高を伸長させるべく、ポップカルチャーなど体験価値の提供を更に強化します。
3.高質・高揚消費層向けコンテンツ拡充
・好調な渋谷PARCOなどでの成果を踏まえ、開業6年目を迎えた心斎橋PARCOのほか、池袋PARCO・名古屋PARCOなど基幹店を中心に大型リニューアルを推進します。特に、顧客支持の高いジャパンモードファッションやキャラクターゾーン、アニメなどIPコンテンツ、飲食などの拡充を図ります。
・百貨店事業では、売場構成や品揃えの充実を継続します。特に、大丸梅田店では、国内外からの広域な集客を目指すため、フロア構成を抜本的に見直す大規模改装を推進します。
<グループシナジーの進化>1.エリアの価値最大化
A)名古屋栄エリア
・2026年6月、「ザ・ランドマーク名古屋栄」内に、百貨店とパルコの融合による新たな商業施設「HAERA(ハエラ)」を開業します。同施設の開業を契機に、近隣の松坂屋名古屋店、名古屋PARCOとあわせ、栄エリアでの圧倒的なプレゼンスを確立します。さらに、来年春には松坂屋名古屋店南館の一部を、パルコが運営する新たな館にリニューアルし、エリアシナジーのさらなる発揮を目指します。
・上記とともに、栄エリアにおける周辺施設との連携強化を図り、街の賑い創出を目指します。
B)大阪心斎橋エリア
・大丸心斎橋店南館再開発計画を策定するほか、「心斎橋ビル」の再開発プロジェクトに参画します。
・2026年4月に開業した、当社が一部出資する複合施設「クオーツ心斎橋」も含め、地域の皆様との連携を深め、エリア価値最大化への取り組みを強化推進します。
C)福岡天神、神戸エリア
・人口増加が続き、アジアの玄関口とも称される福岡市において、街の中心地である「天神二丁目南ブロック駅前東西街区プロジェクト」の再開発計画を地域・他社共同で進めています。マーケット拡大が予想される同エリアでのリーダーポジションを確立すべく、事業計画の具体化を進めます。
・神戸エリアでは、「神戸旧居留地25番館」への出資を契機に、大丸神戸店をはじめ街の回遊性の向上や地域連携によるイベントの充実など、エリアのさらなる魅力向上に取り組みます。
2.グループ顧客基盤の拡大
・2025年度に、グループ内カード発行業務の集約を当初計画通り推進しました。これを契機に、カード会員やアプリ会員の更なる獲得を通じて、グループ顧客基盤の拡大を図ります。
・また、グループ内におけるポイント交換や一元化、各エリアでの買い回り促進施策など、事業や店舗を超えた顧客連携・サービスの充実に取り組みます。
3.自社コンテンツの保有・開発、事業開発
・自社店舗内での展開に留まらない、独自商品やサービス、事業の保有・開発に向け、昨年度に推進した保有コンテンツの規模拡大を図るとともに、中長期を見据えたM&Aや他社提携、当社の事業承継・CVCファンドなどによる成長戦略投資を強化します。
4.建築内装・施設事業の強化
・2026年3月に株式会社J.フロント建装および株式会社パルコスペースシステムズが経営統合し、株式会社J.フロントプライムスペースが始動しました。
・両社の強みをさらに融合し、上質な空間価値の創造、施設管理の高度化、業界内ポジションの地位向上による専門人財の確保・育成など事業・組織基盤の拡大を図ります。
<グループ経営基盤の強化>戦略の実効性をより一層高めるため、人財・ITデジタル・財務の3分野において、J.フロント リテイリングの執行役が、大丸松坂屋百貨店、パルコの執行役員を兼務する役員体制とします。これらにより、グループ全体最適の観点からの施策、機能の共通化やリソースの活用、効率化を進め、各社間の連携を一層加速します。
1.人財戦略
・価値共創リテーラーへの変革実現に向け、人と組織の持続的成長を図る新たなグループ人財戦略を、グループ一体となり強化推進します。
・女性活躍施策やグループ内人財交流など多様な人財の活躍機会の拡大などに加え、創造と挑戦を促す組織文化の醸成に向けたマネジメント力の向上、評価・報酬など人事制度改革に取り組みます。
2.ITデジタル戦略
・デジタルの活用等を通じた生産性向上をより一層高めるため、百貨店事業をはじめとしたグループ全体でのBPR(ビジネスプロセス・リエンジニアリング)に取り組みます。
・サイバーセキュリティーの重要性が高まるなか、情報資産の脆弱性管理などリスク低減活動に継続して取り組むとともに、有事対応力を強化します。
・IT投資に係る承認プロセスの高度化など、グループITガバナンスを強化します。
3.財務戦略
・中長期視点で資本収益性の向上を図るため、成長性と収益性に基づく投資管理のもと、既存事業の収益力強化、グループの事業基盤拡大につながる成長投資を強化します。
・財務健全性の確保を前提に、自己資本の適正化を目的に、今年度に上限100億円の自己株式取得を実施します。
4.コーポレートガバナンス
・中長期の成長実現、持続的な企業価値向上を図るため、経営の意思決定や執行の迅速化、取締役会の監督機能の高度化など、更なる実効性向上に取り組みます。
2)持続的成長を図る「次期中期経営計画(2027年度以降)」の策定
・当社を取り巻く環境は、中期経営計画が始動した2024年度と比して、地政学リスクの高まりや所得・消費の変化、インフレや金利上昇の進展など想定以上に変化しています。
・これらの変化や見通しを、持続的な成長実現、強靭な経営体質への転換に向けた好機と捉え、機会とリスクの両面から成長シナリオを検証し、グループ将来像の実現、2027年度以降の成長を確かなものとする道筋を改めて明確にする必要があると考えます。
・中核事業であるリテールビジネスの収益力強化をはじめ、デベロッパー事業やコンテンツビジネスの拡張、これらを実現する経営資源の最適配分や他社連携など、将来像への解像度を高める次期中期経営計画の策定に取り組みます。

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