有価証券報告書-第14期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

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2019/06/27 15:52
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事業等のリスク


当行及び当行グループの事業その他に関するリスクについて、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項は、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当行は、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存です。
本項においては、将来に関する事項が含まれておりますが、当該事項は、別段の記載のない限り、本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
1.保有株式に係るリスク
当行は政策投資目的で保有するものを含め市場性のある株式を大量に保有しております。世界的なリスク資産圧縮の加速、金融政策及び財政政策の動向、その他の全般的な経済動向や保有先の業績悪化等により株価が下落した場合には、保有株式に減損又は評価損が発生若しくは拡大し、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を与えるとともに、自己資本比率等の低下を招くおそれがあります。
2.貸出業務に関するリスク
(1) 不良債権及び与信関係費用の状況
当行の不良債権及び与信関係費用は、今後、国内外の景気の悪化、資源価格の変動、不動産価格及び株価の下落、当行の貸出先の経営状況及び世界の経済環境の変動等によっては、増加するおそれがあり、その結果、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼし、自己資本の減少につながる可能性があります。
(2) 貸倒引当金の状況
当行は、貸出先の状況、差入れられた担保の価値及び経済全体に関する前提及び見積りに基づいて、貸倒引当金を計上しております。実際の貸倒れが貸倒引当金計上時点における前提及び見積りと乖離し、貸倒引当金を大幅に上回り、貸倒引当金が不十分となることもありえます。また、経済状態全般の悪化により、設定した前提及び見積りを変更せざるを得なくなり、担保価値の下落、又はその他の予期せざる理由により、当行は貸倒引当金の積み増しを行う可能性があります。
(3) 業績不振企業の状況
当行の貸出先の中には業績不振の先が見られます。これらの企業の中には、法的手続又は「事業再生ADR(裁判外紛争解決手続)」などに沿って行われる債権放棄を含めた任意整理により、再建を行っている企業もあります。
このことは、当行の不良債権問題に悪影響を与えてきました。景気の悪化や業界内の競争激化、他の債権者からの支援の打ち切りや縮小等により、再建が奏功しない場合には、これらの企業の倒産が新たに発生するおそれがあります。これらの企業の経営不振その他の問題が続いたり拡大する場合や当行による債権放棄を余儀なくされた場合には、当行の与信関係費用が増大し、当行の不良債権問題が悪化するおそれがあります。
(4) 貸出先への対応
当行は、回収の効率・実効性その他の観点から、貸出先に債務不履行等が生じた場合においても、当行が債権者として有する法的な権利のすべてを必ずしも実行しない場合がありえます。
また、当行は、それが合理的と判断される場合には、貸出先に対して債権放棄又は追加貸出や追加出資を行って支援をすることもありえます。かかる貸出先に対する支援を行った場合は、当行の貸出残高が大きく増加し、与信関係費用が増加する可能性や追加出資に係る株価下落リスクが発生する可能性もあります。
(5) 権利行使の困難性
当行は、不動産市場における流動性の欠如又は価格の下落、有価証券の価格の下落等の事情により、担保権を設定した不動産若しくは有価証券を換金し、又は貸出先の保有するこれらの資産に対して強制執行することが事実上できない可能性があります。
(6) 特定業種等への貸出その他の与信の集中
当行は、貸出その他の与信に際しては、特定の業種、特定の与信先への偏りを排除すべくポートフォリオ分散に努めておりますが、エネルギーや不動産業種向けの与信は、相対的に割合が高い状況にあります。個々の与信先の状況や、業界特有の動向については継続的にモニタリング・管理を実施しておりますが、国内外の景気動向や不動産・資源価格の動向等によっては、想定を上回る信用力の悪化が生じる可能性があります。その結果、当行の与信関係費用が増加し、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7) 不良債権問題等に影響しうる他の要因
① 将来、金利が上昇する局面では、日本国債等保有債券の価格下落、貸出スプレッドの変化、金利負担に耐えられなくなる貸出先の出現による不良債権の増加等により、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
② 将来、為替が大幅に変動する局面では、これに伴うコスト上昇、売上の減少、為替系デリバティブ(通貨オプション等)の評価損発生に伴う財務負担等による与信先の業績悪化、及びこのようなデリバティブ取引の決済負担に耐えられなくなる与信先の出現による不良債権の増加等により、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
③ 原油や鉄鋼等の原材料価格の高騰などによる仕入れや輸送などのコスト上昇を販売価格に十分に転嫁できない貸出先等を中心に不良債権が増加した場合、逆に、資源価格の下落を受けた関連産業の業績悪化により不良債権が増加した場合、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 国内外の金融機関(銀行、ノンバンク、証券会社及び保険会社等を含みます。)の中には、資産内容の劣化及びその他の財務上の問題が引き続き存在している可能性があり、今後悪化する可能性やこれらの問題が新たに発生する可能性もあります。こうした金融機関の財政的困難が継続、悪化又は発生すると、それらの金融機関の流動性及び支払能力に問題が生じるおそれもあり、以下の理由により当行に悪影響を及ぼす可能性があります。
・当行は、一部の金融機関へ信用を供与しております。
・当行は、一部の金融機関の株式を保有しております。
・経営破綻に陥った金融機関に対する支援に当行が参加を要請されるおそれがあります。
・問題の生じた金融機関が貸出先に対して財政支援を打ち切る又は減少させるかもしれません。その結果、当該貸出先の破綻や、当該貸出先に対して貸出をしている当行の不良債権の増加を招くかもしれません。
・政府が経営を支配する金融機関の資本増強や、収益拡大等のために、規制上、税務上、資金調達上又はその他の特典を当該金融機関に供与するような事態が生じた場合、当行は競争上の不利益を被るかもしれません。
・預金保険の基金が不十分であることが判明した場合、当行の支払うべき預金保険の保険料が引き上げられるおそれがあります。
・金融機関の破綻又は政府による金融機関の経営権取得により、金融機関に対する預金者の信任が全般的に低下する、又は金融機関を取巻く全般的環境に悪影響を及ぼすおそれがあります。
・銀行業に対する否定的・懐疑的なマスコミ報道(内容の真偽、当否を問いません。)により当行の評判、信任等が低下するおそれがあります。
3.市場業務に伴うリスク
当行は、デリバティブを含む様々な金融商品を取り扱う広範な市場業務を行っており、大量の金融商品を保有しています。従いまして、当行の財政状態及び経営成績は、かかる活動及び保有に伴うリスクにさらされております。かかるリスクとしては、特に、内外金利、為替レート、有価証券等の市場変動等が挙げられます。例えば、内外金利が上昇した場合、当行の保有する債券ポートフォリオの価値に悪影響を及ぼす可能性があります。このような上昇が生じるケースとしては、例えばデフレ脱却の進行による本邦における長短金利操作付き量的・質的金融緩和の解除又は修正観測、本邦財政及び日本国債への信認低下等から日本国債金利が上昇する場合、米国の金融政策の変更等により、米国債金利が上昇する場合などが想定しえます。これらを含む、何らかの理由により内外金利が上昇した場合、当行の保有する大量の国債等に売却損や評価損が生じる可能性があります。また、円高となった場合は、当行の外貨建て投資の財務諸表上の価値が減少し、売却損や評価損が発生する可能性があります。当行では、このような内外金利、為替レート、有価証券等の様々な市場の変動により損失が発生するリスクを市場リスクとして、市場全体の変動による損失を被るリスクである「一般市場リスク」と、特定の債券・株式等の金融商品の価格が市場全体の変動と異なって変動することにより損失を被るリスクである「個別リスク」に区分して管理しております。これらのリスク計測には、過去の市場変動に基づきポートフォリオの市場価値が今後一定期間でどの程度減少し得るかを統計的に推計する手法を採用しており、この手法により計測した一般市場リスク量と個別リスク量の合算値を市場リスク量としております。ただし、このように計算された市場リスク量は、その性質上、実際のリスクを常に正確に反映できるわけではなく、またこのように示されたリスク量を上回る損失が実現する可能性もあります。
また、本邦における長短金利操作付き量的・質的金融緩和が長期化する、又はマイナス金利幅が更に拡大した場合、市場金利の一段の低下を引き起こし、当行が保有する国債等の金融商品の再投資利回りが低下する可能性があります。更に、先行きの景気見通しに懸念が生じる等の理由により、米国の長短金利差が縮小する場合、資金利益が減少する可能性があります。
なお、市場業務に関連して保有する金融商品の時価に関する見積方法その他の会計上の取扱いは、当行の判断又は会計基準の変更等により、今後変更される可能性もあり、そのような場合には、結果的に損益に影響を与える可能性があります。
4.為替リスク
当行の業務は為替レートの変動の影響を受けます。為替レートの変動により、当行の重要な子会社であるMUFG Americas Holdings Corporation(その銀行子会社であるMUFG Union Bank, N.A.を含め、以下、「MUFG Americas Holdings」といいます。)をはじめとする海外の当行グループ会社の資産及び負債の円貨換算額も変動することになります。更に、当行の資産及び負債の一部は外貨建てであり、資産と負債の額が通貨毎に同額で為替レートによる変動の影響が相殺されない場合、又は適切にヘッジされていない場合、当行の自己資本比率、財政状態及び経営成績は、為替レートの変動により、悪影響を受ける可能性があります。
5.当行の格付低下等に伴う資金流動性等の悪化リスク
格付機関が当行の格付けを引き下げた場合、当行の市場業務及びその他の業務は悪影響を受けるおそれがあります。当行の格付けが引き下げられた場合、当行の市場業務では、取引において不利な条件を承諾せざるを得なくなる、又は一定の取引を行うことができなくなるおそれがあり、加えて当行の資本・資金調達にも悪影響を及ぼすことがあります。かかる事態が生じた場合には、当行の市場業務及び他の業務の収益性に悪影響を与え、当行の財政状態及び経営成績にも悪影響を与えます。
6.当行のビジネス戦略が奏功しないリスク
当行は、収益力増強のためにグローバルベースで様々なビジネス戦略を実施しております。しかしながら、以下に述べるものをはじめとする様々な要因が生じた場合には、これら戦略が功を奏しない、当初想定していた結果をもたらさない、又は変更を余儀なくされ、当行の財政状態及び経営成績に悪影響が生じる可能性があります。
・優良取引先への貸出ボリュームの増大が想定通りに進まないこと。
・既存の貸出についての利鞘拡大が想定通りに進まないこと。
・本邦における長短金利操作付き量的・質的金融緩和の長期化、又はマイナス金利幅の更なる拡大により、貸出利鞘の縮小が進行すること。
・当行が目指している手数料収入の増大が想定通りに進まないこと。
・海外事業の拡大等が想定通りに進まないこと。
・デジタライゼーション戦略の遅れ等により次世代の金融サービス提供が想定通りに進まないこと。
・効率化を図る戦略が想定通りに進まないこと。
・現在実施中又は今後実施するグループ内の事業の統合・再編等の遅延により、顧客やビジネスチャンスの逸失若しくは想定を上回る費用が生じること、又は効率化戦略若しくはシステム統合において想定していた結果をもたらさないこと。
・当行の出資先が、財務上・業務上の困難に直面したり、戦略を変更したり、又は当行を魅力的な提携先ではないと判断した結果、かかる出資先が当行との提携を望まず、提携を縮小又は解消すること。また、当行の財政状態の悪化等により、出資先との提携を縮小又は解消せざるをえないこと。
7.業務範囲の拡大に伴うリスク
当行は、法令その他の条件の許す範囲内で、子会社及び関連会社も含めた業務範囲をグローバルベースで大幅に拡大しております。当行がこのように業務範囲を拡大していけばいくほど、新しくかつ複雑なリスクにさらされます。当行は、拡大した業務範囲に関するリスクについては全く経験を有していない、又は限定的な経験しか有していないことがあります。変動の大きい業務であれば、大きな利益を期待できる反面、大きな損失を被るリスクも伴います。当該業務に対して、適切な内部統制システム及びリスク管理システムを構築するとともに、リスクに見合った自己資本を有していなければ、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。更に業務範囲の拡大が予想通りに進展しない場合、又は熾烈な競争により当該業務の収益性が悪化した場合、当行の業務範囲拡大への取組みが奏功しないおそれがあります。
8.新興市場国に対するエクスポージャーに係るリスク
当行は支店や子会社のネットワークを通じてアジア、中南米、中東欧、中東等、新興市場地域でも活動を行っており、これらの国々に関係する様々な信用リスク及び市場リスクにさらされております。具体的には、これらの国の通貨が下落した場合、当該国における当行の貸出先の信用に悪影響が及ぶおそれがあります。当行の新興市場国の貸出先への貸付の多くは米ドル、ユーロ又はその他の外国通貨建てです。かかる貸出先は、現地通貨の為替変動に対してヘッジをしていないことが多いため、現地通貨が下落すれば、当行を含めた貸出人に債務を弁済することが困難となるおそれがあります。更に、これらの国は、国内金利を引き上げて、自国通貨の価値を支えようとする場合もあります。そうなった場合、貸出先は国内の債務を弁済するために更に多くの経営資源を投入せざるを得なくなり、当行を含めた外国の貸出人に対して債務を弁済する能力に悪影響が及ぶおそれがあります。更に、かかる事態又はこれに関連して信用収縮が生じれば、経済に悪影響を与え、当該国の貸出先及び銀行の信用が更に悪化し、当行に損失を生じさせるおそれがあります。
また、各地域、国に固有又は共通の要因により、不安定な政治・社会情勢、テロや紛争等、様々なリスクがあり、それらが顕在化した場合には、当行においてそれに応じた損失その他の悪影響が発生するおそれがあります。
9.MUFG Americas Holdingsに関するリスク
当行の海外の重要な子会社であるMUFG Americas Holdingsの事業又は経営の悪化により、当行の財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。MUFG Americas Holdingsの財政状態及び経営成績に悪影響を与える要因には、カリフォルニア州を中心とした米国の不動産・住宅業界等の市況の悪化、米国における銀行間の熾烈な競争、米国経済の不確実性、テロ攻撃の可能性、石油等の資源価格の変動とそれに伴う与信関係費用の発生、金利の急激な変動、米国金融制度上の制約、訴訟に伴う損失、貸出先の格付け低下及び株価の低下、及びその結果生じる可能性のある企業の倒産、並びにMUFG Americas Holdings及びその子会社の内部統制及び法令等遵守態勢の不備に起因する費用の発生等が含まれます。
10.アユタヤ銀行やバンクダナモンに関するリスク
当行の海外の重要な子会社であるBank of Ayudhya Public Company Limited(以下、「アユタヤ銀行」といいます。)やPT Bank Danamon Indonesia, Tbk.(以下、「バンクダナモン」といいます。)の事業又は経営の悪化により、当行の財政状態及び経営成績は影響を受ける可能性があります。アユタヤ銀行やバンクダナモンの財政状態及び経営成績に悪影響を与える要因には、タイやインドネシアを中心とした東南アジアの景気の悪化や銀行間の熾烈な競争、不安定な政治や社会情勢、洪水等を含む自然災害、テロや紛争等、金融制度や法律による制約、金利・為替・株価・商品市場の急激な変動、同地域に投資や進出をする企業の業績やそれらの企業が所在する国の景気・金融制度・法律・金融市場の状況、訴訟に伴う損失、貸出先の格付け低下及び株価の低下、及びその結果生じる可能性のある企業の倒産、個人向け貸出の焦げ付き等、並びにアユタヤ銀行やバンクダナモン及びそれらの子会社の内部統制及び法令等遵守態勢の不備に起因する費用の発生等が含まれます。
11.消費者金融業務に係るリスク
当行は、消費者金融業に従事する関連会社等を有すると同時に消費者金融業者に対する貸出金を保有しております。消費者金融業に関しては、いわゆるみなし弁済を厳格に解するものを含め、過払利息の返還請求をより容易にする一連の判例が出され、これらに伴い過払利息の返還を求める訴訟が引き続き発生しております。更に、2007年12月より改正「貸金業法」が段階的に施行され、2010年6月にはみなし弁済制度の廃止や総量規制の導入等の改正が施行されました。同時に、「出資の受入れ、預り金及び金利等の取締りに関する法律」の改正の施行により、金銭消費貸借契約の上限金利が29.2%から20%に引き下げられました。このような中、業界大手を含む消費者金融業者に多数の破綻事例が生じたことから、消費者金融業を取り巻く環境は依然として注視していかなければならない状況であり、これらを含む要因により、消費者金融業に従事する当行の関連会社等が悪影響を受けた場合、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、消費者金融業を営む当行の貸出先が悪影響を受けた場合、当行の消費者金融業者に対する貸出金の価値が毀損する可能性があります。
12.世界経済の悪化・金融危機の再発により損失を計上するリスク
世界経済は、米国においては量的緩和解除後も内需主導で景気は底堅く推移しているものの、各国・各地域における保護主義的な通商政策への転換が国際的な自由貿易体制をゆるがすという懸念、英国のEU離脱交渉のゆくえに関する懸念、中国における経済政策転換に伴う成長鈍化とそれに伴う新興国・資源国の景気低迷、更に世界各地域における政治的混乱等の要因もあり、先行き不透明感が払拭された状況には至っておりません。再び状況が悪化すると、当行の一部の投資ポートフォリオや貸出に悪影響が出るおそれがあります。例えば、当行が保有する有価証券の市場価格が下落することにより損失が拡大する等の可能性があります。また、クレジット市場の環境変化が、当行の貸出先に財務上の問題や債務不履行を生じさせる要因となり、当行の不良債権及び与信関係費用が増加する可能性があります。更に、有価証券の価格下落や資本市場での信用収縮の動き等により、国内外の金融機関の信用力が低下、資本不足や資金繰り悪化から破綻に追い込まれるケースが増加する可能性もあります。かかる問題により、これらの金融機関との間の取引により当行が損失を被り、当行の財政状態及び経営成績が悪影響を受ける可能性もあります。加えて、世界的な金融危機の再発が世界の債券・株式市場や外国為替相場の大幅な変動を招くことなどにより、市場の混乱が世界経済に長期的な影響を及ぼす場合には、当行への悪影響が深刻化する可能性があります。
加えて、当行の貸借対照表上の資産の多くは、時価で計上する金融商品からなっています。一般的に、当行は市場価格を参照してこれらの金融商品の時価を定めています。時価で計上される金融商品の価値が下落した場合、対応する減損等が損益計算書上認識される可能性があります。世界金融危機・同時不況が再発すること等により、金融商品の市場価格が大きく下落し、又は適切な価格を参照できない状況が発生する可能性があり、市場における大きな変動又は市場における機能不全は、当行が保有する金融商品の時価に悪影響を及ぼす可能性があります。
更に、金融商品の時価に関する会計上の取扱いについて、今後、制度・基準等が見直された場合には、当行が保有する金融商品の時価に悪影響を及ぼす可能性があります。
13.外的要因(紛争・テロ・自然災害等)に関するリスク
紛争(深刻な政情不安を含みます。)、テロや誘拐、地震・風水害・感染症の流行等の自然災害等の外的要因により、社会インフラに重大な障害が発生、又は当行の店舗、ATM、システムセンターその他の施設が直接被災、又は業務の遂行に必要な人的資源の損失、又はその他正常な業務遂行を困難とする状況が発生することで、当行の業務の全部又は一部が停止するおそれがあります。また、これらの事象に対応するため、追加の費用等が発生するおそれがあります。更に、かかる要因に起因して、景気の悪化、当行の貸出先の経営状況の悪化、株価の下落等の事由が生じ、これにより、当行の不良債権及び与信関係費用が増加する、又は、保有する金融商品において減損若しくは評価損が生じるおそれがあります。
上記の場合、当行の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
当行は、自然災害の中でも特に地震による災害リスクにさらされております。例えば、当行の重要な機能並びに我が国の企業、金融市場等が集中する首都圏において首都直下地震が発生した場合、有形資産や人的資産の直接損失のほか、市場混乱、景気悪化、復興費用発生見込みによる国債格下げ又はこれらの懸念などが生じる可能性があります。
当行では、このような災害リスクに対し必要な業務継続計画を整備し、常にレベルアップを図っておりますが、必ずしもあらゆる事態に対応できるとは限りません。例えば、2011年3月に発生した東日本大震災のような大規模災害に伴う津波、液状化現象、火災、計画停電や節電対応等により、当行の店舗、ATM、システムセンターその他の施設の運営が悪影響を受けるおそれがあります。
14.システムに関するリスク
当行の事業において、情報通信システムは非常に重要な要素の一つであり、インターネット又はATMを通じた顧客サービスはもとより、当行の業務・勘定等の根幹をなしております。紛争(深刻な政情不安を含みます。)、テロ、地震・風水害・感染症の流行等の自然災害等の外的要因に加えて、人為的ミス、機器の故障、停電、通信事業者等の第三者の役務提供の瑕疵、新技術、新たなシステムや手段への不十分な対応等により、情報通信システムの不具合や不備が生じ、取引処理の誤りや遅延等の障害、情報の流出等が生じる可能性があります。また、銀行に対する規制強化の高まりからくる、金融取引を管理するシステムの高度化への要請を十分に満たせない可能性や、市場や規制の要請に応えるために必要なシステム構築や更新がその作業自体の複雑性等から計画通りに完了しない可能性があります。これらの場合、その程度によっては、業務の停止及びそれに伴う損害賠償の負担その他の損失が発生し、また、行政処分の対象となる可能性、並びにこれらの事象に対応するため追加の費用等が発生する可能性があるほか、当行の信頼が損なわれ又は評判が低下し、当行の事業、 財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
15.サイバー攻撃等に関するリスク
当行の情報通信システム(業務委託先等の第三者のシステムを含みます。)は、当行の業務・勘定等の根幹をなしており、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウィルス感染等により、情報の流出、情報通信システム機能の停止や誤作動等が生じる可能性があります。この場合、その程度によっては、業務の停止及びそれに伴う損害賠償の負担その他の損失が発生する可能性、当行の信頼が損なわれ又は評判が低下する可能性、行政処分の対象となる可能性、並びにこれらの事象に対応するため追加の費用等が発生する可能性があります。また、サイバー攻撃、不正アクセス、コンピュータウィルス感染等のリスクに対処するための対策や、厳格化する関連規制への対応は、多額のコストを要する可能性があるほか、当行の事業上の制約となる可能性があります。これらの可能性が実現した場合、当行の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
16.競争に伴うリスク
金融業界では、地域金融機関をはじめとした統合・再編の進展や、欧米金融機関の競争力回復等に伴い、競争が激化してきております。また、AIやブロックチェーンといった新たな技術の進展等に伴い、電子決済領域など、他業種から金融業界への参入が加速しており、今後も競争環境は益々厳しさを増す可能性があります。当行が、こうした競争的な事業環境において競争優位を得られない場合、当行の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
17.不公正・不適切な取引その他の行為が存在したとの指摘や、これらに伴う処分等を受けるリスク
当行は、現行の規制及び規制に伴うコンプライアンス・リスク(当行が事業を営んでいる本邦及び海外市場における法令、規則、政策、自主規制等の変更による影響を含みます。)のもとで事業を行っており、また、国内外の規制当局による昨今の規制運用実態の下で、継続的に内外規制当局による検査、調査等の対象となっております。当行はコンプライアンス・リスク管理態勢及びプログラムの強化に継続して取り組んでおりますが、かかる取組みが全ての法令及び規則に抵触することを完全に防止する効果を持たない可能性があります。
当行が、マネー・ローンダリング、金融犯罪その他の不公正・不適切な取引に関するものを含む、適用ある法令及び規則を遵守できない場合、罰金、課徴金、懲戒、評価の低下、業務改善命令、業務停止命令、更に極端な場合には業務についての許認可の取消しを受けることが考えられます。また、これらにより当行のレピュテーション・リスクが顕在化し、顧客やマーケット等の信頼を失う可能性もあり、当行の事業及び経営成績が悪影響を受けるおそれがあります。将来、当行が戦略的な活動を実施する場面で当局の許認可を取得する際にも、悪影響を及ぼすおそれがあります。
なお、当行は、2006年~2007年の期間に米国の経済制裁規制に対する違反と見られ得る行為があったものとして、2012年12月に米国財務省外国資産管理局(Office of Foreign Assets Control。以下、「OFAC」といいます。)との間で和解金を支払うことで合意し、また、2002年~2007年に取り扱ったイラン関連の米ドル建決済取引における適切性を欠いた事務処理があった等として、2013年6月に米国ニューヨーク州金融サービス局(New York State Department of Financial Services。以下、「NYDFS」といいます。)との間で、和解金の支払と、当行の経済制裁対応に関する現状の内部管理態勢について当行が第三者機関に検証を委託すること等につき合意しました。更に、当行が2007年~2008年に自主的に社内調査を実施した、米国の定める経済制裁国向けの決済取引に関する報告書の調査・作成過程において、委託先であるPricewaterhouseCoopers LLPに対して行った指示及びNYDFSに対する説明に関し、当行は、2014年11月にNYDFSとの間で、①合意した金額の支払、②当時の関係者に対する対応、③米国のマネー・ローンダリング防止対策機能等(OFAC規制対応を含みます。)のニューヨークへの移転並びに、④第三者機関に委託中の米国の経済制裁対応に関する当行の内部管理態勢検証についてNYDFSが必要と認めた場合に期間延長を行うことを合意しました。当行は、2017年11月9日付(米国時間)で、米国通貨監督庁(Office of the Comptroller of the Currency。以下、「OCC」といいます。)との間で、OCCが当行の米国の経済制裁対応に関する内部管理態勢の監視を行っていくこと等で合意しました。本合意は、2017年11月7日付(米国時間)で当行のニューヨーク支店を含む当行及び三菱UFJ信託銀行株式会社(以下、「三菱UFJ信託銀行」といいます。)の米国内支店・代理店の銀行免許の監督機関がNYDFSを含む州当局からOCCに変更されたことに伴うもので、NYDFSとの間で2013年6月及び2014年11月に行った上記の合意を実質的に継承するものです。なお、当行はニューヨーク支店の銀行免許の監督機関変更、並びに当該監督機関変更前に法令違反があったとする主張に関し、NYDFSと訴訟を行っておりましたが、2019年6月24日付(米国時間)で和解金を支払うことで和解しました。2019年2月には、当行が、OCCとの間で、当行のニューヨーク支店、ロスアンゼルス支店及びシカゴ支店において、米国の銀行秘密法に基づくマネーローンダリング防止に関する内部管理態勢等が不十分であるとのOCCからの指摘に関し、改善措置等を講じることで合意しました。なお、当行は、上述の事象に関連する事項について、必要な対応を行っております。今後、新たな展開又は類似の事象が生じた場合には、関係当局より更なる制裁金支払の処分等を受け、又は関係当局との間で新たな和解金の支払合意を行うなどの可能性があります。
また、当行は、当行を含むパネル行が各種銀行間指標金利の算出機関に呈示した内容等を調査している各国の政府当局から、情報提供命令等を受けております。また為替業務に関しても、当局から同様の情報提供要請を受けており、一部の当局との間では制裁金の支払いに合意しています。当行は、これらの調査に対して協力を行い、独自の調査等を実施しております。上記に関連して、当行は、指標金利であれば他のパネル行、為替業務であればその他金融機関とともに、米国におけるクラスアクションを含む、複数の民事訴訟の被告となっております。今後、新たな展開又は類似の事象により、当行に重大な財務上その他の悪影響が生じる可能性があります。
18.規制変更のリスク
当行は、現時点の規制(日本及び当行が事業を営むその他の地域における法律、規則、会計基準、政策、実務慣行及び解釈、並びに国際的な金融規制等を含みます。以下、本項において同じ。)に従って、また、規制の変更等によるリスクを伴って、業務を遂行しております。現在進められている金利指標改革や、米国における外国銀行組織に対する健全性規制見直しを含む、将来における規制の変更等及びそれによって発生する事態が、当行の事業、財政状況及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。しかし、具体的にどのような影響が発生しうるかについては、将来において決定される規制の内容によるため、現時点でその種類・内容・程度等を予測することは困難であるとともに、当行がコントロールしうるものではありません。
19.テロ支援国家との取引に係るリスク
当行は、イラン・イスラム共和国(以下、「イラン」といいます。)等、米国国務省が「テロ支援国家」と指定している国における法主体又はこれらの国と関連する法主体との間の取引を実施しております。また、当行はイランに駐在員事務所を設置しております。
米国法は、米国人が当該国家と取引を行うことを、一般的に禁止又は制限しております。更に、米国政府及び年金基金をはじめとする米国の機関投資家が、イラン等のテロ支援国家と事業を実施する者との間で取引や投資を行うことを規制する動きがあるものと認識しております。このような動きによって、当行が米国政府及び年金基金をはじめとする機関投資家、あるいは規制の対象となる者を、当行の顧客又は投資家として獲得、維持できない結果となる可能性があります。加えて、社会的・政治的な状況に照らして、上記国家との関係が存在することによって、当行の評判が低下することも考えられます。上記状況は、当行の財政状態及び経営成績に対して悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、米国政府による対イラン制裁措置により、米国人の関与するイランとの取引の禁止などが実施されています。更に、2018年5月の米国によるイランに関する包括的共同行動計画(Joint Comprehensive Plan of Action)からの離脱後に発令された大統領令により、広範なイラン関連取引や活動について、関与した非米国人に対して二次制裁を適用し得るものとされています。当行では、二次制裁を含む米国による措置が適用されるリスクの増加を受けて、今後とも当該リスクのモニタリングと対応策を実施してまいります。
更に、米国証券取引所に登録している企業(米国外企業を含みます。)には、特定のイラン関連の取引の開示が引き続き義務づけられています。本邦においても、イランの拡散上機微な核活動・核兵器運搬手段開発に関与する者に対する資産凍結等の措置が実施されています。当行では、これらの規制を遵守するための態勢の改善に努めています。しかしながら、かかる態勢が適用される規制に十分対応できていないと政府当局に判断された場合には、何らかの規制上の措置の対象となる可能性があります。なお、これに関連する処分等については、「17.不公正・不適切な取引その他の行為が存在したとの指摘や、これらに伴う処分等を受けるリスク」をご参照下さい。
20.自己資本比率等に関するリスク
(1) 自己資本比率等の規制及び悪化要因
当行には、2013年3月期より「バーゼルⅢ:より強靭な銀行及び銀行システムのための世界的な規制の枠組み」(以下、「バーゼルⅢ」といいます。)に基づく自己資本比率及びレバレッジ比率に関する規制が適用されております。当行は、海外営業拠点を有しておりますので、平成18年金融庁告示第19号に定められる国際統一基準による連結自己資本比率及び単体自己資本比率並びに平成31年金融庁告示第11号に定められる連結レバレッジ比率及び単体レバレッジ比率が適用されます。
2017年12月に、バーゼル銀行監督委員会は、バーゼルⅢの見直しに係る最終合意文書を公表しており、各種リスク計測手法等の見直し及びグローバルなシステム上重要な金融機関(以下、「G-SIBs」といいます。)に対するレバレッジ比率の要求水準への上乗せがされることとなっています。当該リスク計測手法等の見直し後の規制は2022年から段階的に、レバレッジ比率の要求水準への上乗せは2022年からそれぞれ適用される予定です。
当行の自己資本比率及びレバレッジ比率が各種資本バッファーを含め要求される水準を下回った場合、金融庁から社外流出額の制限、業務の全部又は一部の停止等を含む様々な命令を受ける可能性があります。
また、当行の一部銀行子会社には、米国を含む諸外国において、現地における自己資本比率等の規制が適用されており、要求される水準を下回った場合には、現地当局から様々な命令を受けることになります。
当行の自己資本比率及びレバレッジ比率に影響を与える要因には以下のものが含まれます。
・債務者及び株式・債券の発行体の信用力の悪化に際して生じうるポートフォリオの変動
・調達している資本調達手段の償還・満期等に際して、これらを同等の条件で借り換え又は発行することの困難性
・有価証券ポートフォリオの価値の低下
・為替レートの不利益な変動
・自己資本比率等の規制の不利益な改正
・繰延税金資産計上額の減額
・その他の不利益な事象の発生
(2) グローバルなシステム上重要な金融機関(G-SIBs)に対する規制
金融安定理事会(以下、「FSB」といいます。)は、株式会社三菱UFJフィナンシャル・グループ(以下、「三菱UFJフィナンシャル・グループ」といいます。)をG-SIBsとしています。G-SIBsに対しては、より高い資本水準が求められています。G-SIBsに該当する金融機関のリスト及び追加的に求められる資本水準は毎年更新されることから、今後、三菱UFJフィナンシャル・グループに対して更に高い資本水準を求められるおそれがあります。
(3) 資本調達
上記の告示には、2013年3月以前に調達した資本調達手段(適格旧資本調達手段)の資本算入に関する経過措置が設けられており、当該経過措置の範囲内で自己資本に算入することができます。これらの資本調達手段については、自己資本への算入可能期限到来に際し、借り換え等が必要となる可能性がありますが、上記の告示では普通株式等による場合を除き、新たに調達する資本調達手段について自己資本への算入が認められる要件として、その調達を行った金融機関が実質的な破綻状態にあると認められる場合等に、元本削減又は普通株式への転換が行われる旨の特約が定められていること等が必要とされており、市場環境等の状況によっては、同等の条件で借り換え又は発行することができないおそれがあります。かかる場合、当行の自己資本の額は減少し、自己資本比率及びレバレッジ比率が低下することとなります。
(4) 破綻時における総損失吸収力(TLAC)規制の導入
FSBは、2015年11月に「グローバルなシステム上重要な銀行の破綻時の損失吸収及び資本再構築に係る原則」(以下、2017年7月公表の「グローバルなシステム上重要な銀行の内部総損失吸収力に係る指導原則」と総称し、「TLAC合意文書」といいます。)を公表しました。これはG-SIBsを対象に破綻処理の際の「総損失吸収力(以下、「TLAC」といいます。)」の確保を求める新たな規制の枠組みです。TLAC合意文書を踏まえ、本邦では2019年3月期より当行を含むG-SIBsに対して一定比率以上の損失吸収力等を有すると認められる資本・負債(以下、「外部TLAC」といいます。)を確保することが求められ、また、確保した外部TLACはグループ内の主要な子会社に一定額以上を配賦すること(以下、「内部TLAC」といいます。)になっています。また、規制で要求される水準は2022年3月期から引き上げられる予定です。三菱UFJフィナンシャル・グループ内では、当行、三菱UFJ信託銀行、三菱UFJモルガン・スタンレー証券株式会社及びMUFG Americas Holdingsが主要な子会社として指定されています。当行は、平成31年金融庁告示第9号に定められる外部TLAC比率又は本邦における主要な子会社に係る内部TLAC額として要求される水準を下回った場合、金融庁から社外流出額の制限を含め、様々な命令を受ける可能性があります。外部TLAC比率及び内部TLAC額は、自己資本比率等の規制に係る上記(1)~(3)に記載する様々な要因により影響を受けます。当行は、要求されるTLACの確保のため、適格な調達手段の発行を進めておりますが、TLACとして適格な調達手段の発行及び借り換えができない場合には、外部TLAC比率及び内部TLAC額として要求される水準を満たせない可能性があります。
また、三菱UFJフィナンシャル・グループ内の米国の一部銀行子会社であるMUFG Americas Holdingsは、現地におけるTLAC規制が適用されており、要求される水準を下回った場合には、現地当局から様々な命令を受けることになります。
21.退職給付債務に係るリスク
当行の年金資産の時価及び運用利回りが下落・低下した場合、予定給付債務を計算する前提となる保険数理上の前提・仮定に変更があった場合、又は退職給付に係る会計基準が改正された場合には、損失が発生する可能性があります。また、年金制度の変更により未認識の過去勤務費用が発生する可能性があります。金利環境の変動その他の要因も年金の未積立債務及び年間積立額にマイナスの影響を与える可能性があります。これらの結果、当行の財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
22.情報紛失・漏洩に係るリスク
当行は、銀行法や金融商品取引法その他の国内外の法規制に基づき、顧客情報を適切に取り扱うことが求められております。また、個人情報の保護に関する法律(個人情報保護法)、行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律(番号法)及び海外における個人情報保護に係る法規制に基づき、個人情報・個人番号・特定個人情報等の保護に係る義務等の遵守を求められております。
不適切な管理、外部からのサイバー攻撃その他の不正なアクセス、若しくはコンピュータウィルスへの感染等により、顧客情報や当行の機密情報が紛失・漏洩した場合、罰則や行政処分の対象となるほか、顧客の経済的・精神的損害に対する損害賠償等、直接的な損失が発生する可能性があります。加えて、かかる事件が報道され、当行のレピュテーション・リスクが顕在化し、顧客やマーケット等の信頼を失うなど事業環境が悪化することにより、当行の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼすおそれがあります。
23.風評に関するリスク
当行の評判は、顧客、投資家、監督官庁、及び社会との関係を維持する上で極めて重要です。当行の評判は、法令遵守違反、役職員の不正行為・不祥事、潜在的な利益相反に対する不適切な処理、訴訟、システム障害、当行の名称を騙った第三者による不正行為・犯罪、コントロールすることが困難又は不可能な顧客や相手方の行動、並びに顧客との取引における不適切な取引慣行及び優越的地位の濫用等の様々な原因により損なわれる可能性があります。これらを避けることができず、又は適切に対処することができなかった場合には、当行は、現在又は将来の顧客及び投資家を失うこととなり、当行の事業、財政状態及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
24.人材確保に係るリスク
当行は、事業のグローバル化・複雑化に伴い、有能な人材の確保・育成の必要性が高まっていますが、必要な人材を確保・育成できない場合には、当行の業務運営や業績等に悪影響を及ぼす可能性があります。