有価証券報告書-第160期(2023/04/01-2024/03/31)
②戦略
当行では、気候変動関連のリスク及び機会を短期(~5年)、中期(5年~10年)、長期(10年~20年)の時間軸にて1.5℃と4.0℃の2つのシナリオを用いて定性的、定量的に分析しています。気候変動リスクについては、脱炭素社会への移行における規制強化に伴う「移行リスク」と、気候変動による自然災害がもたらす水害等の発生を対象とした「物理的リスク」が、当行及び当行の投融資先のお客さまへもたらす影響を認識しています。
◆リスク及び機会
◆リスク及び機会への当行の対応
◆気候変動に関するシナリオ分析
・移行リスク
移行リスクは、当行の融資ポートフォリオにおいて気候変動リスクの影響度が高い「電力」、「ガス」、「石油」セクターを対象にIEAが公表する1.5℃シナリオのもとで、炭素税の導入による個社の財務への影響に起因した当行の与信コストについて分析しました。
・物理的リスク
物理的リスクは、当行の担保物件、与信先企業に与える水害被害を対象とし、担保毀損影響及び与信先企業の業務停止・停滞に伴う売上減少の影響に起因した当行の与信コストについて分析しました。
◆炭素関連資産の状況
当行では、TCFD提言を踏まえた気候変動に及ぼす影響の高いセクターへの貸出金について、気候変動リスクを定量的に把握するため炭素関連資産をモニタリングしております。2022年度より2021年10月のTCFD提言の改定を踏まえ、炭素関連資産とする対象セクターを「エネルギー(水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除く)」、「運輸」、「素材・建築物」、「農業・食糧・林産物」の4セクターに拡大しました。2023年度の貸出金に占める割合は16.9%(2023年度末)となっています。なお、従来の炭素関連資産の定義に基づく炭素関連セクター向け貸出金の、当行の貸出金に占める割合は1.6%です。当行貸出金残高に占める4つのセクターの割合は以下の通りです。
当行では、気候変動関連のリスク及び機会を短期(~5年)、中期(5年~10年)、長期(10年~20年)の時間軸にて1.5℃と4.0℃の2つのシナリオを用いて定性的、定量的に分析しています。気候変動リスクについては、脱炭素社会への移行における規制強化に伴う「移行リスク」と、気候変動による自然災害がもたらす水害等の発生を対象とした「物理的リスク」が、当行及び当行の投融資先のお客さまへもたらす影響を認識しています。
◆リスク及び機会
| リスク/機会 | 要因 | 事業への影響 | 時間軸 | 財務影響 | |
| 移行リスク | 市場リスク | 市場の変化 | 脱炭素化に向けた産業の変化に伴う保有株式、債券の価値低下 | 中期~長期 | 中 |
| レピュテーショナルリスク | 顧客からの評価 | 気候変動関連に対する取組みや情報開示の対応不足に対するステークホルダーからの批判 | 短期~長期 | 大 | |
| 信用リスク | 炭素税の導入、規制の強化 | 脱炭素に関する規制や税制、取引先からの要請強化による融資先の費用負担増加及び業績悪化 | 中期~長期 | 大 | |
| 物理的リスク | 有形資産リスク | 自然災害の激甚化・頻発化 | 風水災等の被災に伴う自行資産の毀損・修繕費用発生 | 短期~長期 | 大 |
| 有形資産リスク | 自然災害の激甚化・頻発化 | 風水災等の被災に伴う自行の事業の中断 | 短期~長期 | 大 | |
| 信用リスク | 自然災害の激甚化・頻発化 | 風水災等の発生に伴う自行不動産担保の価値毀損 | 短期~長期 | 大 | |
| 信用リスク | 自然災害の激甚化・頻発化 | 風水災等に伴う融資先の直接的な損害やサプライチェーンの間接的な損害による事業の中断および復旧費用負担増加による業績悪化 | 短期~長期 | 大 | |
| 信用リスク | 平均気温の上昇 | 海面上昇による融資先の直接的な損害やサプライチェーンの間接的な損害による事業の中断および復旧費用負担増加による業績悪化 | 長期 | 小 | |
| 機会 | 資源効率 | 省エネ需要の増加 | 省エネルギー化等による自行の事業コストの低減 | 短期~長期 | 小 |
| 製品及びサービス | 再エネ需要の増加 | 再生可能エネルギー関連融資を含むサステナブルファイナンスの取組みによる収益増加 | 短期~長期 | 大 | |
| 脱炭素支援の市場拡大 | 脱炭素支援に関するコンサルティング実施による収益増加 | 短期~長期 | 中 | ||
| インフラ強化の需要増加 | 災害対策や事業継続目的のためのインフラ投資に基づく資金需要拡大による収益増加 | 短期~長期 | 大 | ||
| レジリエンス | 社会的評価の向上 | 気候変動対応強化と積極的な開示による企業価値・社会的価値の向上 | 中期~長期 | 大 | |
◆リスク及び機会への当行の対応
| 取組み | 取組内容 |
| CO2排出量の算定・情報開示 | 当行グループのCO2排出量の削減に取組むとともに気候変動への当行の取組みを開示しています。 ・CO2排出量を算定、削減目標の開示 ・CO2排出量の削減策の実施 ・気候変動に関する情報収集 |
| 脱炭素経営支援 | お客さまの脱炭素経営を支援しています。 ・CO2排出量の可視化 ・省エネ診断、省エネ・再エネ設備の導入 ・Jクレジットの仲介 ・脱炭素経営に関連したセミナーの実施 など |
| サステナブルファイナンス | お客さまのサステナブル経営を資金面から支援しています。 ・グリーンローン ・ソーシャルローン ・サステナビリティ・リンク・ローン |
◆気候変動に関するシナリオ分析
・移行リスク
移行リスクは、当行の融資ポートフォリオにおいて気候変動リスクの影響度が高い「電力」、「ガス」、「石油」セクターを対象にIEAが公表する1.5℃シナリオのもとで、炭素税の導入による個社の財務への影響に起因した当行の与信コストについて分析しました。
・物理的リスク
物理的リスクは、当行の担保物件、与信先企業に与える水害被害を対象とし、担保毀損影響及び与信先企業の業務停止・停滞に伴う売上減少の影響に起因した当行の与信コストについて分析しました。
| 移行リスク | 物理的リスク | |
| シナリオ | 1.5℃シナリオ:IEA“NZE Scenario” ※IEA:International Energy Agency(国際エネルギー機関) | 4.0℃シナリオ:IPCC“RCP8.5” ※IPCC:Intergovermental Panel on Climate Change(気候変動に関する政府間パネル) |
| セクター | 電力、ガス、石油セクター | 鳥取県内の当行融資先(法人) |
| 分析手法 | IEAの”NZE Scenario”における炭素税データを基に投融資先の業績・財務状況について推計し、債務者区分の変化による与信コストの増加額を分析 | 洪水発生時の浸水規模に応じて担保毀損額および業務の停止・停滞に伴う売上減少額について推計し、与信コストの増加額を分析 |
| 分析期間 | 2050年まで | 2050年まで |
| 分析結果 | 13億円程度 | 9億円程度 |
◆炭素関連資産の状況
当行では、TCFD提言を踏まえた気候変動に及ぼす影響の高いセクターへの貸出金について、気候変動リスクを定量的に把握するため炭素関連資産をモニタリングしております。2022年度より2021年10月のTCFD提言の改定を踏まえ、炭素関連資産とする対象セクターを「エネルギー(水道事業、再生可能エネルギー発電事業を除く)」、「運輸」、「素材・建築物」、「農業・食糧・林産物」の4セクターに拡大しました。2023年度の貸出金に占める割合は16.9%(2023年度末)となっています。なお、従来の炭素関連資産の定義に基づく炭素関連セクター向け貸出金の、当行の貸出金に占める割合は1.6%です。当行貸出金残高に占める4つのセクターの割合は以下の通りです。
| 炭素関連 セクター | エネルギー | 運輸 | 素材・建築物 | 農業、食品、林産物 | 合計 |
| 割合 | 1.6% | 1.6% | 11.3% | 2.4% | 16.9% |