有価証券報告書-第110期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している事業等のリスクは、以下のとおりであります。当行グループは、これらのリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生した場合の適切な対応に努めてまいります。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
■ 最近の経営環境と事業等のリスク
沖縄県全体の経済は団体旅行客等の減少が見られますが、入域観光客数の増加を背景に順調に推移しております。加えて、大型テーマパークが開業したことや、世界遺産に指定されている首里城正殿の復元も順調に進んでいることから、引き続き地域経済の堅調な発展が期待されます。
一方、沖縄県は島嶼地域である特性から物流コスト上昇の影響を受けやすく、中東情勢の緊迫化等に伴うエネルギー価格の上昇は、地域経済に影響を与える可能性があります。
また、このような国内外の状況に加えて、台風の激甚化のような大規模な自然災害の発生や脱炭素社会への移行に向けた対応が求められていること、人口減少やAIを始めとしたデジタル化など社会構造の変化が急速に進んでいることから、経営環境の先行きを予測することが複雑な状況が続いております。
これらの社会情勢の変化が地域の経済活動に影響を及ぼすことで、当行取引先の財務内容が悪化し、当行グループの不良債権や与信関連費用が増加するおそれがあるほか、市場環境の悪化に伴う有価証券関連の損失などによって、当行グループの業務運営、業績、財務状況にも影響が及ぶ可能性があります。
当行グループは、地域金融機関として引き続き円滑な金融仲介機能を発揮し、取引先の資金繰り支援、経営改善や事業再生、ならびに雇用の維持に取り組むことなどを通じて与信関係費用の抑制を図るとともに、取締役会の定めた「リスク管理基本方針」に基づいたリスク管理体制の下、様々なリスクに対して対応策を講じるなど、事業等のリスク発生の回避および発生した場合の適切な対応に努めております。
■ リスク管理基本方針
当行は、「リスク管理態勢の一層の充実および強化」を経営上の重要課題のひとつに位置づけ、銀行経営で生じる各種リスクを統合的に管理する組織体制を整備、強化するとともに、経営戦略、経営体力に応じた適切なリスクテイクおよび想定外の損失を最小限にするための適切なリスク管理を行うことにより、経営の健全性および適切性の確保と安定した収益の確保とのバランスを重視した経営を目指していくことをリスク管理基本方針としております。
■ リスクのモニタリングとコントロール
当行が認識している主要なリスクのうち、(1)信用リスクおよび(2)市場関連リスクについては、統計的手法であるVaRを用いて、ある確率のもと一定期間(例えば1年間)に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を計測することでリスクを把握しております。これらのリスクが顕在化した場合、当行の業務運営や業績に影響を及ぼす可能性があるため、当行では業務の継続性を確保する観点から、各リスクに対して資本を割当てる資本配賦を実施しており、リスク量が自己資本の範囲内に収まるように業務運営を行っております。また、各投資対象の評価損益などの顕在化したリスクに対しても限度額やモニタリング・ラインを設定のうえ、定期的にモニタリングしております。また、モニタリング結果および分析結果については、適時に経営陣へ報告し、必要な対応策を講じております。
■ RAF(リスク・アペタイト・フレームワーク)
当行は、取るべきリスクの種類と総量(リスク・アペタイト)を明確化し、フォワードルッキングな視点で経営管理やリスク管理を行う枠組みであるRAF(リスク・アペタイト・フレームワーク)の運用に取り組んでおります。RAFの取組みを通してリスク・ガバナンスの強化、経営計画 ・収益・リスクの一体管理の強化を図っております。
(1)信用リスク
① 地域経済の動向による影響
当行グループは沖縄県を主たる営業地盤としていることから、沖縄県における人口・世帯数の動向や産業構造の特徴、経済状況等の変化により、取引先の財務状況が悪化し、当行グループの不良債権額や与信関連費用が増加する等の信用リスクが顕在化した場合は、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
沖縄県は全国的にも人口減少の影響が少なく、好調な沖縄県経済を背景に個人住宅や分譲マンション、アパート等の住宅需要が高くなっております。さらに、入域観光客数の増加を背景にホテル・宿泊施設の建設需要も旺盛であることから、当行貸出ポートフォリオは、住宅ローンおよび貸家業・不動産業向け融資が貸出金全体の約6割を占めており、不動産市況や入域観光客数の動向の影響を受けやすいリスク特性となっております。これらのリスク特性をふまえ、当行では住宅ローンおよび貸家業・不動産業向け融資の定期的なモニタリングと分析をふまえ、必要に応じて融資スタンスを見直しするなど、リスクの低減に努めております。
② 特定の大口先、特定の業種に対する与信集中
特定の大口先や特定の業種へ与信が集中し、当該取引先の信用状況が悪化した場合は、与信関連費用が増加し、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
沖縄県を産業構造別でみると、第2次産業の割合が低く、第3次産業が全体の8割以上を占めております。国内有数の観光地であることから、宿泊・飲食・物販等の観光関連サービス業が主要な産業であるものの、不動産業や建設業など幅広い業種が観光に関連していることが沖縄県の産業構造の特徴と言えます。
当行の貸出ポートフォリオについても上記の特徴を反映する形で構成されており、住宅ローン等の個人消費性ローンを除いた事業性融資では、約9割が第3次産業向け融資となっております。これら事業性融資のうち、貸家業・不動産業向け融資が約5割と大きなウェイトを占めておりますが、宿泊・飲食・物販等の観光関連産業等も含め、融資先は小口に分散されております。製造業など重厚長大な産業向け融資の割合が低いため、特定の大口先、特定の業種に対する与信集中リスクは低く抑えられております。
当行では、特定の大口先および特定の業種に対する与信集中状況について、取締役会の定めた「融資運用方針」に基づき、定期的にその集中状況を取締役会へ報告し、必要に応じて融資運用方針を見直すなど、適切に管理しております。
③ 担保価値の下落および不動産市場の流動性低下
人口減少、少子高齢化の進行、経済状況の変化等の要因で市場価格が下落した場合および担保資産の市場流動性が低下することによって担保処分の執行が困難になる場合は、担保評価額が下落することで与信関連費用が増加し、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当行の貸出ポートフォリオは、住宅ローンおよび貸家業・不動産業融資が約6割を占めていることから、不動産担保による保全率は高くなっております。また、近年の沖縄県における地価動向は、観光需要の回復等に伴う県内景気の拡大を背景に全国比較で高い上昇率で推移しており、地価の上昇傾向が継続しております。
当行では、担保に関するリスクへの対応として、担保物件の処分および取得時の売買情報を月次で本部にて収集するなど市場動向を継続して注視しているほか、審査目線の一つとして不動産物件の担保価値と借入金の比率であるLTV(Loan to Value)および不動産の収益と元利金返済の比率であるDSCR(Debt Service Coverage Ratio)を重視するなど、安全性の高い良質な貸出ポートフォリオの構築に努めております。
④ 信用リスク低減に向けた各支援策の実施と将来への備え
当行では、円安による物価上昇や中東情勢を起因とした原油価格の高騰に対して、「原油価格高騰対策・緊急資金繰り支援融資」を展開し、取引先支援を通じ信用リスク顕在化の低減に取り組んでおります。また、中小企業支援の観点から必要な支援につきましてはこれまでも継続して実施しており、今後も引き続き取り組んでまいります。
また、信用リスク低減に向けた将来の備えとして当行では2021年3月期より一般貸倒引当金の算出方法を過去の貸倒実績に基づく予想損失額の見積もり方法から、将来の予測を貸倒引当金に反映させる手法(フォワード・ルッキングな引当)を導入し、予見される信用リスクをより適時・適切に引当金へ反映させております。
(2)市場関連リスク
市場関連リスクとは、金利、有価証券等の価格、為替等の様々な市場の変動により、保有する資産の価値が変動し損失を被るリスクであります。
当行グループは経営体力を踏まえたリスクテイクによる安定的な収益の確保を目的に有価証券投資を行っており、日本国債や地方債などの円貨債券、米国債などの外貨建債券、株式、投資信託等を保有しております。これらの市場性資産は市況により価値が変動するため、大幅な相場変動が起きる場合には、保有資産の価値が変動し、当行グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、リスク管理部門において、市場リスク量(VaR)に対する資本の配賦による市場リスク量の限度を設定し、リスクを経営体力の範囲にコントロールしているほか、リスク管理部門と市場部門において有価証券損益を日次で把握し、市場が急変した場合には経営陣や企画部門と速やかに対応を協議するなど、損失を抑制する体制を構築しています。
当行グループの有価証券ポートフォリオは、国内外の国債や地方債、格付の高い社債への投資が中心となっており、債券の保有比率は、有価証券残高の8割超となっています。2026年3月末時点の保有する円貨債券は約6,248億円あり、その内訳は日本国債が約8割、地方債が約2割となっています。元本の平均回収期間を示すデュレーションは約3.0年となっております。外貨建債券はドル建ておよびユーロ建ての海外国債を中心に約217億円保有あり、デュレーションは約5.4年となっております。
株式・投資信託等の価格変動リスクのある資産は有価証券全体の約9%程度を占めており、金額で約674億円となっています。このうち時価のある政策保有株式は10銘柄で約26億円となっております。
① 金利変動リスク
当行グループは、日本国債、地方債、米国債など金利リスクのある債券を保有しているため、国内外の金融政策の変更等により市場金利が大幅に上昇した場合に評価損が発生するほか、調達コストが運用収益を上回る場合は逆ザヤが発生し、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループでは、市場部門が運用方針にて取引限度額を定め、リスク管理部門がリスクの定量的分析等によるモニタリングを行うなど、過度なリスクテイクを抑制する体制としております。
② 為替変動リスク
当行グループは、外貨調達において主に為替スワップ取引および債券レポ取引等を利用しているほか、顧客取引等で生じる外貨持高について限度額を定め、バランスを調整するなど、為替相場の変動リスクを最小化しております。
③ 価格変動リスク
当行グループは、価格変動リスクのある株式や投資信託を保有しております。保有する投資信託には、国内外の株式に加え国内外の不動産や債券に投資するものが含まれているため、大幅な株式相場等の下落や金利の上昇などが生じた場合には評価損が発生し、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループでは、保有する価格変動リスクのある商品については、運用方針にて取引限度額を定めるほか、評価損に対するモニタリング・ラインの設定、保有可否を判断する下落アラーム・ポイントを設けるなど、評価損の拡大抑制に努めています。
なお、価格変動リスクのある株式等には、保有目的が純投資以外の目的である時価のある政策保有株式も含まれておりますが、これらの政策保有株式は、4「コーポレート・ガバナンスの状況等」(5)「株式の保有状況」に記載のとおり定期的に保有の合理性等の検証および保有の適否を判断しており、リスクの軽減を図る体制をとっております。
④ デリバティブ取引のリスク
当行グループにおけるデリバティブ取引は主に外貨建債券運用に係る外貨調達手段としての為替スワップ取引および顧客向け為替予約に係るカバー取引があります。有価証券運用において保有する投資信託にはデリバティブを内包する銘柄もありますが、取引内容が複雑な商品への投資は行っておりません。
⑤ 資金調達に係る流動性リスク
当行グループは、資金調達・運用構造に即した適切かつ安定的な資金繰りに加え、安全性と収益性のバランスを考慮した効率的な資金調達・運用を基本方針としております。また、不測の事態に備えて、資金繰り状況の逼迫度に応じた危機管理対策をあらかじめ策定し、速やかに対処できる体制を整備しております。
しかしながら、当行グループの業績・財務状況や格付が悪化した場合、あるいは市場環境が大きく変化した場合には、必要な資金の確保が困難となり、通常より著しく高い金利による資金調達を余儀なくされる、または調達自体が困難となることで、当行グループの業務運営、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、一部の業種または企業においては、国内外の金利動向に加え、物価や為替水準の変動等により、預金等が大幅に減少する懸念も考えられます。当行グループでは、預金等の動向を継続的にモニタリングするとともに、当該リスクが顕在化した場合の対応策を定めていることから、資金繰りに与える影響は限定的であると考えております。
さらに、流動性リスク・リミットについては、インターネットバンキングやモバイルアプリ等の普及を踏まえ、実質現預金に対するリスク・リミットの設定や、インターネットバンキング等の契約先預金額を基礎とした必要資金の目線を設けるなど、流動性リスク管理の高度化を継続的に検討しております。これらを通じ、適切なリスク管理態勢の見直しを適宜実施しております。
(3)自己資本比率に係るリスク
当行グループは、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められた国内基準である自己資本比率4%以上を維持する必要があり、当行グループの現在の自己資本比率は、この最低水準を大幅に上回っております。
今後も安定した経営を継続するには、一定の自己資本比率の維持は必要と考えており、当行グループでは、リスク・ウエイト判定の高度化等のリスク・アセットコントロールを中心に諸施策を継続的に実施しております。
本項に示した事業等に係る各種リスクが顕在化することにより、自己資本比率は低下する可能性がありますが、上述したとおり現在の自己資本比率は自己資本比率規制上の最低水準を大幅に上回っており、国内基準行に求められる最低水準を下回る可能性は低いと考えております。
(4)オペレーショナル・リスク
① 事務リスク
当行グループは、業務の多様化や取引量の増加に適切に対処し、想定される事務リスクを回避するために、機械化投資の拡充および営業店事務の本部集中化を引き続き図ることにより、業務の効率化と事務リスクの圧縮に努めております。また、事務水準の向上や事務事故の未然防止の観点から営業店臨店や研修等による事務指導を強化し、内部監査を厳格に実施しております。しかしながら、役職員による不正確な事務や不正、過失、あるいは外部者による窃盗や詐欺などにより、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② システムリスク
(ア)当行グループは、システムリスク管理方針やバックアップ体制等を整備し、預金・為替・融資などの業務を行う勘定系システムをはじめとしたコンピューターシステムの安全稼働に万全を期しております。しかしながら、万が一重大なシステム障害や不正使用等が発生した場合には、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(イ)当行グループは、システムの安定稼働およびセキュリティ強化を経営の重要課題と位置付けております。セキュリティについては、サイバーセキュリティ作業部会(CSIRT)による外部機関との連携や訓練、システムの脆弱性対策を講じておりますが、サイバー攻撃や不正アクセス等によりシステムの停止、情報漏洩、データの改ざん・破壊等が発生した場合には、決済機能や各種サービスの停止、社会的信用の失墜などを通じ、当行グループの業務運営、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、AI等の先端技術導入における技術的・組織的な安全策を講じておりますが、出力結果の不適切性、業務処理の誤り等が発生した場合には、当行グループの業務運営、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)当行グループは、非対面取引の安全性確保のため、インターネットバンキングおよびりゅうぎんアプリにおけるセキュリティ対策の強化に取り組んでおります。ワンタイムパスワードやリスクベース認証の導入、各種媒体を通じたフィッシング詐欺への注意喚起の実施に加え、他金融機関、警察、外部協力団体等との連携やセミナー等を行っております。しかしながら、これらの対策を講じているにもかかわらず、不正送金等が発生した場合には、当行グループの信用が失墜し、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(エ)当行グループはカード業務(イシュイング・アクワイアリング)を通じて、沖縄県内のキャッシュレス化に取り組んでおります。また、当該業務における安全性確保のため、セキュリティサービスの導入、国際ブランドや同業他社との連携による取引モニタリング精度の高度化により、カード番号等の漏洩防止や不正取引防止に努めています。
一方、クレジットマスター等の外部からの攻撃により、カード番号等の漏洩や不正取引が発生した場合は、当行グループの信用失墜となり、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ コンプライアンスリスク
当行グループは、銀行業務を遂行する上でさまざまな法令等を遵守することが求められるだけでなく、関係するさまざまなステークホルダー(利用者・役職員・社会・市場・株主等)からの信頼・信用を保持し、その期待に応えることも求められています。過去の不祥事件の経験を踏まえ、企業風土の変革を含む再発防止策の導入とその後の実効性確保を、最重要の経営課題の一つとして定期的にフォローアップし、改善に取り組んでおります。
しかしながら、これらの取り組みが不十分であるために、コンプライアンス違反や不祥事件等が発生した場合には、当行グループの信用が失墜し、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策上の不備に係るリスク
当行グループは、事業活動を行う上で、国内外の法令諸規制の適用およびそれに基づく国内外の金融当局の監督を受けております。近年、金融犯罪が多様化かつ高度化し、本邦金融当局や海外の規制当局から要請されるマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策の基準は急速に高まっております。当行グループでは、国内外のマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与防止態勢の高度化に向けて、本邦金融当局から要請されているAML/CFTガイドライン対応として「法人口座開設時の審査厳格化」、「お客様の取引状況の定期的確認」等の各種施策の実施に取り組んでいます。一方、AML/CFTに関する先進的かつ実用的な取り組みのあるTSUBASAアライアンスに参加し、情報およびスキルの収集に努めています。
マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与防止態勢の高度化が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分、当行グループの信用失墜等により、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 風評リスク
当行グループの業務は、預金者等のお客様や市場関係者からの信用に大きく依存しております。営業統括部門において、SNS等の情報発信のモニタリングを実施し、風評の早期把握および拡散防止に努めておりますが、当行グループや金融業界等に対する風説・風評が、マスコミ報道・市場関係者への情報伝播・インターネット上の掲示板への書き込み等により発生・拡散した場合には、お客様や市場関係者が当行グループについて事実と異なる理解・認識をされ、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 人的リスク
当行グループでは、適切な労務管理とコンプライアンスの徹底に努めておりますが、報酬、手当、解雇等の人事運営上の不公平・不公正や各種ハラスメント等の差別的行為に起因し損失を被る場合、ならびに臨時従業員、派遣社員等を含む役職員の不法行為により当行グループが使用者責任を問われた場合は、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスク
① 自然災害に関するリスク
当行グループでは「危機管理計画(コンティンジェンシープラン)」をはじめ各種の対応マニュアルを整備し、災害対応訓練等を通じてその実効性向上を図っております。しかしながら、近年大型化している台風の直撃や大規模な地震等の自然災害の発生により、業務の全部または一部の継続が困難となり、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループ自身の被災による損害のほか、取引先が自然災害により業績が悪化した場合、信用リスクの上昇などを通じて、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、通常想定されるレベルの台風では当行グループの建物は構造上重要な被害を受けるものではなく、被害は限定的なものと想定しております。
② 気候変動に係るリスク
当行グループは、気候変動が環境・社会、人々の生活・企業活動にとっての脅威であり、金融市場の安定にも影響を及ぼしうる最も重要な課題の一つであると認識しています。当行グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)が策定した気候変動関連財務情報開示に関する提言に賛同するとともに、TCFDに沿ったリスクの把握・評価や情報開示の拡充に取り組んでおります。それと同時に、気候変動対策や脱炭素社会への移行をサポートする取り組みも進めております。気候変動リスクとしては、低炭素経済移行に伴う政策・法律・市場・評判・技術の変化等に起因する移行リスク、気候変動による資産に対する直接的な損傷やサプライチェーンの寸断による財務損失等の物理的リスクが挙げられます。
当行グループの気候変動に関するリスクへの取り組みや情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合などには、当行グループの業務運営や業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示」参照)
③ 感染症による業務継続リスク
新型コロナウイルスのような感染症が世界的に流行し、当行グループ役職員に多数の感染者が発生した場合、業務の全部または一部の継続が困難となり、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当行では衛生対策の徹底による感染防止策を講じるとともに業務継続体制の整備を図ることでリスクの軽減に努めております。
④ 当行グループのビジネス戦略が奏功しないリスク
当行は、収益力増強のために様々なビジネス戦略を実施しておりますが、規制緩和による多業種との競合やその他の外部要因が発生した場合には、これらの戦略が功を奏しない、当初想定していた結果をもたらさない、又は変更を余儀なくされ、当行グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当行は新規ビジネスについて、事業の将来性や銀行全体の資産に対する新規投資額の割合等を十分に検討したうえで投資を決定しており、仮にビジネス戦略が奏功しないリスクが顕在化した場合でもその影響は限定的なものであると考えております。
⑤ 固定資産減損リスク
当行グループは、保有する有形固定資産および無形固定資産について、現行の会計基準に従い減損会計を適用しておりますが、当該資産に係る収益性の低下や時価の下落等により、投資額の回収が見込めなくなった場合は減損損失を認識する可能性があります。減損損失を認識した場合、当行グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 繰延税金資産に係るリスク
現時点におけるわが国の会計基準に基づき、一定の条件の下で、将来実現すると見込まれる税金負担額の軽減効果を、繰延税金資産として貸借対照表に計上することが認められております。当行グループは、現時点において想定される金融経済環境等のさまざまな予測・仮定を前提に将来の課税所得を合理的に見積り計上しておりますが、実際の課税所得が想定と異なること等により、繰延税金資産が減額された場合には、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 退職給付債務等の変動に係るリスク
当行グループの退職給付費用や債務は、年金資産の期待運用利回りや将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、実際の結果が予測値と異なる場合や前提条件に変更があった場合には追加損失が発生する可能性があります。
なお、当行は2021年10月より在職中の職員の「確定給付企業年金(DB)」のすべてを「確定拠出年金(DC)」へ移行しております。これにより、当行における退職給付債務等は、在職中の職員の退職金にかかるもの約75億円(資産と負債の合計額)と、DC移行前に退職した職員の年金(閉鎖DB)の約54億円(資産と負債の合計額)となっております。
このうち閉鎖DBについては、低リスクでの運用方針としていることおよび年金資産が退職給付債務を大幅に上回っていることから利回りの変動等から発生するリスクや積立不足による追加拠出等が発生するリスクは大幅に軽減されております。
⑧ 規制変更のリスク
当行グループは、現時点の規制(法律、規則、政策、会計制度、実務慣行等)に従って業務を遂行しております。将来、これらの規制の新設、変更、廃止ならびにそれらによって発生する事態が、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 格付低下のリスク
格付機関が当行の格付を引き下げた場合、当行の市場部門において、取引条件が不利となる、または一定の取引の実施が困難となる可能性があります。このような事態が生じた場合には、資金調達費用の増加や資金調達そのものが困難となるなど、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)による当行の長期発行体格付はいずれも「A+」であり、格付の方向性も「安定的」と評価されています。このことから格付低下によるリスク顕在化の懸念は低いものと考えております。
⑩ 顧客情報に係るリスク
当行グループは、個人情報・機密情報等のデータを有しており、その管理につきましては、マニュアルで管理方法を明確に定めるとともに、本人確認システムを導入する等、不正利用・流出を防止する体制を強化しております。しかしながら、これらの対策にも関わらず、重要な情報が外部に漏洩および滅失、毀損した場合には当行グループの信用が失墜し、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 重要な訴訟によるリスク
当行グループは、法令諸規則の遵守の徹底に努め、法令違反の未然防止体制を強化しております。しかしながら、今後、様々な業務遂行にあたり、法令違反およびこれに対する訴訟が提起された場合には、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ サード・パーティリスク
当行グループは、グループ内外の業務や、情報システムの運用・保守に関わる業務を、グループ内外の事業者へ委託しております。業務委託以外にも、業務提携の関係や、プラットフォームの利用などを通じて、当行グループの事業に外部の事業者が関わることがあります。これらの事業者に対しては、業務との関連性の度合いやリスクに応じて、契約前に、また契約中も、内部管理態勢、再委託先等の管理態勢、情報管理態勢等の確認やモニタリングを実施しています。
しかしながら、いわゆる「サード・パーティ」となるこれらの事業者において、重要なシステム障害、重要な法令違反や契約不履行、情報の外部漏洩等のインシデントが生じた場合には、当行グループの信用失墜や、業務運営の混乱などが生じ、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 地政学的リスク
当行グループが拠点とする沖縄県周辺において、軍事的な紛争などの当行グループのコントロールが及ばない地政学リスクが生じた場合には、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、これらのリスクを踏まえ、有事の際の従業員の避難や事業継続についての対応策などを業務手順に明記できるように取り組んでいます。
なお、以下の記載における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
■ 最近の経営環境と事業等のリスク
沖縄県全体の経済は団体旅行客等の減少が見られますが、入域観光客数の増加を背景に順調に推移しております。加えて、大型テーマパークが開業したことや、世界遺産に指定されている首里城正殿の復元も順調に進んでいることから、引き続き地域経済の堅調な発展が期待されます。
一方、沖縄県は島嶼地域である特性から物流コスト上昇の影響を受けやすく、中東情勢の緊迫化等に伴うエネルギー価格の上昇は、地域経済に影響を与える可能性があります。
また、このような国内外の状況に加えて、台風の激甚化のような大規模な自然災害の発生や脱炭素社会への移行に向けた対応が求められていること、人口減少やAIを始めとしたデジタル化など社会構造の変化が急速に進んでいることから、経営環境の先行きを予測することが複雑な状況が続いております。
これらの社会情勢の変化が地域の経済活動に影響を及ぼすことで、当行取引先の財務内容が悪化し、当行グループの不良債権や与信関連費用が増加するおそれがあるほか、市場環境の悪化に伴う有価証券関連の損失などによって、当行グループの業務運営、業績、財務状況にも影響が及ぶ可能性があります。
当行グループは、地域金融機関として引き続き円滑な金融仲介機能を発揮し、取引先の資金繰り支援、経営改善や事業再生、ならびに雇用の維持に取り組むことなどを通じて与信関係費用の抑制を図るとともに、取締役会の定めた「リスク管理基本方針」に基づいたリスク管理体制の下、様々なリスクに対して対応策を講じるなど、事業等のリスク発生の回避および発生した場合の適切な対応に努めております。
■ リスク管理基本方針
当行は、「リスク管理態勢の一層の充実および強化」を経営上の重要課題のひとつに位置づけ、銀行経営で生じる各種リスクを統合的に管理する組織体制を整備、強化するとともに、経営戦略、経営体力に応じた適切なリスクテイクおよび想定外の損失を最小限にするための適切なリスク管理を行うことにより、経営の健全性および適切性の確保と安定した収益の確保とのバランスを重視した経営を目指していくことをリスク管理基本方針としております。
■ リスクのモニタリングとコントロール
当行が認識している主要なリスクのうち、(1)信用リスクおよび(2)市場関連リスクについては、統計的手法であるVaRを用いて、ある確率のもと一定期間(例えば1年間)に被る可能性のある最大損失額(リスク量)を計測することでリスクを把握しております。これらのリスクが顕在化した場合、当行の業務運営や業績に影響を及ぼす可能性があるため、当行では業務の継続性を確保する観点から、各リスクに対して資本を割当てる資本配賦を実施しており、リスク量が自己資本の範囲内に収まるように業務運営を行っております。また、各投資対象の評価損益などの顕在化したリスクに対しても限度額やモニタリング・ラインを設定のうえ、定期的にモニタリングしております。また、モニタリング結果および分析結果については、適時に経営陣へ報告し、必要な対応策を講じております。
■ RAF(リスク・アペタイト・フレームワーク)
当行は、取るべきリスクの種類と総量(リスク・アペタイト)を明確化し、フォワードルッキングな視点で経営管理やリスク管理を行う枠組みであるRAF(リスク・アペタイト・フレームワーク)の運用に取り組んでおります。RAFの取組みを通してリスク・ガバナンスの強化、経営計画 ・収益・リスクの一体管理の強化を図っております。
(1)信用リスク
① 地域経済の動向による影響
当行グループは沖縄県を主たる営業地盤としていることから、沖縄県における人口・世帯数の動向や産業構造の特徴、経済状況等の変化により、取引先の財務状況が悪化し、当行グループの不良債権額や与信関連費用が増加する等の信用リスクが顕在化した場合は、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
沖縄県は全国的にも人口減少の影響が少なく、好調な沖縄県経済を背景に個人住宅や分譲マンション、アパート等の住宅需要が高くなっております。さらに、入域観光客数の増加を背景にホテル・宿泊施設の建設需要も旺盛であることから、当行貸出ポートフォリオは、住宅ローンおよび貸家業・不動産業向け融資が貸出金全体の約6割を占めており、不動産市況や入域観光客数の動向の影響を受けやすいリスク特性となっております。これらのリスク特性をふまえ、当行では住宅ローンおよび貸家業・不動産業向け融資の定期的なモニタリングと分析をふまえ、必要に応じて融資スタンスを見直しするなど、リスクの低減に努めております。
② 特定の大口先、特定の業種に対する与信集中
特定の大口先や特定の業種へ与信が集中し、当該取引先の信用状況が悪化した場合は、与信関連費用が増加し、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
沖縄県を産業構造別でみると、第2次産業の割合が低く、第3次産業が全体の8割以上を占めております。国内有数の観光地であることから、宿泊・飲食・物販等の観光関連サービス業が主要な産業であるものの、不動産業や建設業など幅広い業種が観光に関連していることが沖縄県の産業構造の特徴と言えます。
当行の貸出ポートフォリオについても上記の特徴を反映する形で構成されており、住宅ローン等の個人消費性ローンを除いた事業性融資では、約9割が第3次産業向け融資となっております。これら事業性融資のうち、貸家業・不動産業向け融資が約5割と大きなウェイトを占めておりますが、宿泊・飲食・物販等の観光関連産業等も含め、融資先は小口に分散されております。製造業など重厚長大な産業向け融資の割合が低いため、特定の大口先、特定の業種に対する与信集中リスクは低く抑えられております。
当行では、特定の大口先および特定の業種に対する与信集中状況について、取締役会の定めた「融資運用方針」に基づき、定期的にその集中状況を取締役会へ報告し、必要に応じて融資運用方針を見直すなど、適切に管理しております。
③ 担保価値の下落および不動産市場の流動性低下
人口減少、少子高齢化の進行、経済状況の変化等の要因で市場価格が下落した場合および担保資産の市場流動性が低下することによって担保処分の執行が困難になる場合は、担保評価額が下落することで与信関連費用が増加し、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当行の貸出ポートフォリオは、住宅ローンおよび貸家業・不動産業融資が約6割を占めていることから、不動産担保による保全率は高くなっております。また、近年の沖縄県における地価動向は、観光需要の回復等に伴う県内景気の拡大を背景に全国比較で高い上昇率で推移しており、地価の上昇傾向が継続しております。
当行では、担保に関するリスクへの対応として、担保物件の処分および取得時の売買情報を月次で本部にて収集するなど市場動向を継続して注視しているほか、審査目線の一つとして不動産物件の担保価値と借入金の比率であるLTV(Loan to Value)および不動産の収益と元利金返済の比率であるDSCR(Debt Service Coverage Ratio)を重視するなど、安全性の高い良質な貸出ポートフォリオの構築に努めております。
④ 信用リスク低減に向けた各支援策の実施と将来への備え
当行では、円安による物価上昇や中東情勢を起因とした原油価格の高騰に対して、「原油価格高騰対策・緊急資金繰り支援融資」を展開し、取引先支援を通じ信用リスク顕在化の低減に取り組んでおります。また、中小企業支援の観点から必要な支援につきましてはこれまでも継続して実施しており、今後も引き続き取り組んでまいります。
また、信用リスク低減に向けた将来の備えとして当行では2021年3月期より一般貸倒引当金の算出方法を過去の貸倒実績に基づく予想損失額の見積もり方法から、将来の予測を貸倒引当金に反映させる手法(フォワード・ルッキングな引当)を導入し、予見される信用リスクをより適時・適切に引当金へ反映させております。
(2)市場関連リスク
市場関連リスクとは、金利、有価証券等の価格、為替等の様々な市場の変動により、保有する資産の価値が変動し損失を被るリスクであります。
当行グループは経営体力を踏まえたリスクテイクによる安定的な収益の確保を目的に有価証券投資を行っており、日本国債や地方債などの円貨債券、米国債などの外貨建債券、株式、投資信託等を保有しております。これらの市場性資産は市況により価値が変動するため、大幅な相場変動が起きる場合には、保有資産の価値が変動し、当行グループの業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
対応策として、リスク管理部門において、市場リスク量(VaR)に対する資本の配賦による市場リスク量の限度を設定し、リスクを経営体力の範囲にコントロールしているほか、リスク管理部門と市場部門において有価証券損益を日次で把握し、市場が急変した場合には経営陣や企画部門と速やかに対応を協議するなど、損失を抑制する体制を構築しています。
当行グループの有価証券ポートフォリオは、国内外の国債や地方債、格付の高い社債への投資が中心となっており、債券の保有比率は、有価証券残高の8割超となっています。2026年3月末時点の保有する円貨債券は約6,248億円あり、その内訳は日本国債が約8割、地方債が約2割となっています。元本の平均回収期間を示すデュレーションは約3.0年となっております。外貨建債券はドル建ておよびユーロ建ての海外国債を中心に約217億円保有あり、デュレーションは約5.4年となっております。
株式・投資信託等の価格変動リスクのある資産は有価証券全体の約9%程度を占めており、金額で約674億円となっています。このうち時価のある政策保有株式は10銘柄で約26億円となっております。
① 金利変動リスク
当行グループは、日本国債、地方債、米国債など金利リスクのある債券を保有しているため、国内外の金融政策の変更等により市場金利が大幅に上昇した場合に評価損が発生するほか、調達コストが運用収益を上回る場合は逆ザヤが発生し、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループでは、市場部門が運用方針にて取引限度額を定め、リスク管理部門がリスクの定量的分析等によるモニタリングを行うなど、過度なリスクテイクを抑制する体制としております。
② 為替変動リスク
当行グループは、外貨調達において主に為替スワップ取引および債券レポ取引等を利用しているほか、顧客取引等で生じる外貨持高について限度額を定め、バランスを調整するなど、為替相場の変動リスクを最小化しております。
③ 価格変動リスク
当行グループは、価格変動リスクのある株式や投資信託を保有しております。保有する投資信託には、国内外の株式に加え国内外の不動産や債券に投資するものが含まれているため、大幅な株式相場等の下落や金利の上昇などが生じた場合には評価損が発生し、当行グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループでは、保有する価格変動リスクのある商品については、運用方針にて取引限度額を定めるほか、評価損に対するモニタリング・ラインの設定、保有可否を判断する下落アラーム・ポイントを設けるなど、評価損の拡大抑制に努めています。
なお、価格変動リスクのある株式等には、保有目的が純投資以外の目的である時価のある政策保有株式も含まれておりますが、これらの政策保有株式は、4「コーポレート・ガバナンスの状況等」(5)「株式の保有状況」に記載のとおり定期的に保有の合理性等の検証および保有の適否を判断しており、リスクの軽減を図る体制をとっております。
④ デリバティブ取引のリスク
当行グループにおけるデリバティブ取引は主に外貨建債券運用に係る外貨調達手段としての為替スワップ取引および顧客向け為替予約に係るカバー取引があります。有価証券運用において保有する投資信託にはデリバティブを内包する銘柄もありますが、取引内容が複雑な商品への投資は行っておりません。
⑤ 資金調達に係る流動性リスク
当行グループは、資金調達・運用構造に即した適切かつ安定的な資金繰りに加え、安全性と収益性のバランスを考慮した効率的な資金調達・運用を基本方針としております。また、不測の事態に備えて、資金繰り状況の逼迫度に応じた危機管理対策をあらかじめ策定し、速やかに対処できる体制を整備しております。
しかしながら、当行グループの業績・財務状況や格付が悪化した場合、あるいは市場環境が大きく変化した場合には、必要な資金の確保が困難となり、通常より著しく高い金利による資金調達を余儀なくされる、または調達自体が困難となることで、当行グループの業務運営、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
また、一部の業種または企業においては、国内外の金利動向に加え、物価や為替水準の変動等により、預金等が大幅に減少する懸念も考えられます。当行グループでは、預金等の動向を継続的にモニタリングするとともに、当該リスクが顕在化した場合の対応策を定めていることから、資金繰りに与える影響は限定的であると考えております。
さらに、流動性リスク・リミットについては、インターネットバンキングやモバイルアプリ等の普及を踏まえ、実質現預金に対するリスク・リミットの設定や、インターネットバンキング等の契約先預金額を基礎とした必要資金の目線を設けるなど、流動性リスク管理の高度化を継続的に検討しております。これらを通じ、適切なリスク管理態勢の見直しを適宜実施しております。
(3)自己資本比率に係るリスク
当行グループは、「銀行法第14条の2の規定に基づき、銀行がその保有する資産等に照らし自己資本の充実の状況が適当であるかどうかを判断するための基準」(2006年金融庁告示第19号)に定められた国内基準である自己資本比率4%以上を維持する必要があり、当行グループの現在の自己資本比率は、この最低水準を大幅に上回っております。
今後も安定した経営を継続するには、一定の自己資本比率の維持は必要と考えており、当行グループでは、リスク・ウエイト判定の高度化等のリスク・アセットコントロールを中心に諸施策を継続的に実施しております。
本項に示した事業等に係る各種リスクが顕在化することにより、自己資本比率は低下する可能性がありますが、上述したとおり現在の自己資本比率は自己資本比率規制上の最低水準を大幅に上回っており、国内基準行に求められる最低水準を下回る可能性は低いと考えております。
(4)オペレーショナル・リスク
① 事務リスク
当行グループは、業務の多様化や取引量の増加に適切に対処し、想定される事務リスクを回避するために、機械化投資の拡充および営業店事務の本部集中化を引き続き図ることにより、業務の効率化と事務リスクの圧縮に努めております。また、事務水準の向上や事務事故の未然防止の観点から営業店臨店や研修等による事務指導を強化し、内部監査を厳格に実施しております。しかしながら、役職員による不正確な事務や不正、過失、あるいは外部者による窃盗や詐欺などにより、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
② システムリスク
(ア)当行グループは、システムリスク管理方針やバックアップ体制等を整備し、預金・為替・融資などの業務を行う勘定系システムをはじめとしたコンピューターシステムの安全稼働に万全を期しております。しかしながら、万が一重大なシステム障害や不正使用等が発生した場合には、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(イ)当行グループは、システムの安定稼働およびセキュリティ強化を経営の重要課題と位置付けております。セキュリティについては、サイバーセキュリティ作業部会(CSIRT)による外部機関との連携や訓練、システムの脆弱性対策を講じておりますが、サイバー攻撃や不正アクセス等によりシステムの停止、情報漏洩、データの改ざん・破壊等が発生した場合には、決済機能や各種サービスの停止、社会的信用の失墜などを通じ、当行グループの業務運営、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。また、AI等の先端技術導入における技術的・組織的な安全策を講じておりますが、出力結果の不適切性、業務処理の誤り等が発生した場合には、当行グループの業務運営、業績および財務状況に悪影響を及ぼす可能性があります。
(ウ)当行グループは、非対面取引の安全性確保のため、インターネットバンキングおよびりゅうぎんアプリにおけるセキュリティ対策の強化に取り組んでおります。ワンタイムパスワードやリスクベース認証の導入、各種媒体を通じたフィッシング詐欺への注意喚起の実施に加え、他金融機関、警察、外部協力団体等との連携やセミナー等を行っております。しかしながら、これらの対策を講じているにもかかわらず、不正送金等が発生した場合には、当行グループの信用が失墜し、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(エ)当行グループはカード業務(イシュイング・アクワイアリング)を通じて、沖縄県内のキャッシュレス化に取り組んでおります。また、当該業務における安全性確保のため、セキュリティサービスの導入、国際ブランドや同業他社との連携による取引モニタリング精度の高度化により、カード番号等の漏洩防止や不正取引防止に努めています。
一方、クレジットマスター等の外部からの攻撃により、カード番号等の漏洩や不正取引が発生した場合は、当行グループの信用失墜となり、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③ コンプライアンスリスク
当行グループは、銀行業務を遂行する上でさまざまな法令等を遵守することが求められるだけでなく、関係するさまざまなステークホルダー(利用者・役職員・社会・市場・株主等)からの信頼・信用を保持し、その期待に応えることも求められています。過去の不祥事件の経験を踏まえ、企業風土の変革を含む再発防止策の導入とその後の実効性確保を、最重要の経営課題の一つとして定期的にフォローアップし、改善に取り組んでおります。
しかしながら、これらの取り組みが不十分であるために、コンプライアンス違反や不祥事件等が発生した場合には、当行グループの信用が失墜し、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④ マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策上の不備に係るリスク
当行グループは、事業活動を行う上で、国内外の法令諸規制の適用およびそれに基づく国内外の金融当局の監督を受けております。近年、金融犯罪が多様化かつ高度化し、本邦金融当局や海外の規制当局から要請されるマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与対策の基準は急速に高まっております。当行グループでは、国内外のマネー・ローンダリングおよびテロ資金供与防止態勢の高度化に向けて、本邦金融当局から要請されているAML/CFTガイドライン対応として「法人口座開設時の審査厳格化」、「お客様の取引状況の定期的確認」等の各種施策の実施に取り組んでいます。一方、AML/CFTに関する先進的かつ実用的な取り組みのあるTSUBASAアライアンスに参加し、情報およびスキルの収集に努めています。
マネー・ローンダリングおよびテロ資金供与防止態勢の高度化が有効に機能せず、仮に法令諸規制の違反等が発生した場合には、業務停止、制裁金等の行政処分、当行グループの信用失墜等により、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 風評リスク
当行グループの業務は、預金者等のお客様や市場関係者からの信用に大きく依存しております。営業統括部門において、SNS等の情報発信のモニタリングを実施し、風評の早期把握および拡散防止に努めておりますが、当行グループや金融業界等に対する風説・風評が、マスコミ報道・市場関係者への情報伝播・インターネット上の掲示板への書き込み等により発生・拡散した場合には、お客様や市場関係者が当行グループについて事実と異なる理解・認識をされ、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 人的リスク
当行グループでは、適切な労務管理とコンプライアンスの徹底に努めておりますが、報酬、手当、解雇等の人事運営上の不公平・不公正や各種ハラスメント等の差別的行為に起因し損失を被る場合、ならびに臨時従業員、派遣社員等を含む役職員の不法行為により当行グループが使用者責任を問われた場合は、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
(5)その他のリスク
① 自然災害に関するリスク
当行グループでは「危機管理計画(コンティンジェンシープラン)」をはじめ各種の対応マニュアルを整備し、災害対応訓練等を通じてその実効性向上を図っております。しかしながら、近年大型化している台風の直撃や大規模な地震等の自然災害の発生により、業務の全部または一部の継続が困難となり、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。また、当行グループ自身の被災による損害のほか、取引先が自然災害により業績が悪化した場合、信用リスクの上昇などを通じて、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、通常想定されるレベルの台風では当行グループの建物は構造上重要な被害を受けるものではなく、被害は限定的なものと想定しております。
② 気候変動に係るリスク
当行グループは、気候変動が環境・社会、人々の生活・企業活動にとっての脅威であり、金融市場の安定にも影響を及ぼしうる最も重要な課題の一つであると認識しています。当行グループは、TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)が策定した気候変動関連財務情報開示に関する提言に賛同するとともに、TCFDに沿ったリスクの把握・評価や情報開示の拡充に取り組んでおります。それと同時に、気候変動対策や脱炭素社会への移行をサポートする取り組みも進めております。気候変動リスクとしては、低炭素経済移行に伴う政策・法律・市場・評判・技術の変化等に起因する移行リスク、気候変動による資産に対する直接的な損傷やサプライチェーンの寸断による財務損失等の物理的リスクが挙げられます。
当行グループの気候変動に関するリスクへの取り組みや情報開示が不十分であった場合又はそのように見做された場合などには、当行グループの業務運営や業績、財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(詳細については、「2 サステナビリティに関する考え方及び取組(1)TCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)提言に基づく情報開示」参照)
③ 感染症による業務継続リスク
新型コロナウイルスのような感染症が世界的に流行し、当行グループ役職員に多数の感染者が発生した場合、業務の全部または一部の継続が困難となり、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当行では衛生対策の徹底による感染防止策を講じるとともに業務継続体制の整備を図ることでリスクの軽減に努めております。
④ 当行グループのビジネス戦略が奏功しないリスク
当行は、収益力増強のために様々なビジネス戦略を実施しておりますが、規制緩和による多業種との競合やその他の外部要因が発生した場合には、これらの戦略が功を奏しない、当初想定していた結果をもたらさない、又は変更を余儀なくされ、当行グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当行は新規ビジネスについて、事業の将来性や銀行全体の資産に対する新規投資額の割合等を十分に検討したうえで投資を決定しており、仮にビジネス戦略が奏功しないリスクが顕在化した場合でもその影響は限定的なものであると考えております。
⑤ 固定資産減損リスク
当行グループは、保有する有形固定資産および無形固定資産について、現行の会計基準に従い減損会計を適用しておりますが、当該資産に係る収益性の低下や時価の下落等により、投資額の回収が見込めなくなった場合は減損損失を認識する可能性があります。減損損失を認識した場合、当行グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 繰延税金資産に係るリスク
現時点におけるわが国の会計基準に基づき、一定の条件の下で、将来実現すると見込まれる税金負担額の軽減効果を、繰延税金資産として貸借対照表に計上することが認められております。当行グループは、現時点において想定される金融経済環境等のさまざまな予測・仮定を前提に将来の課税所得を合理的に見積り計上しておりますが、実際の課税所得が想定と異なること等により、繰延税金資産が減額された場合には、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 退職給付債務等の変動に係るリスク
当行グループの退職給付費用や債務は、年金資産の期待運用利回りや将来の退職給付債務算出に用いる年金数理上の前提条件に基づいて算出しておりますが、実際の結果が予測値と異なる場合や前提条件に変更があった場合には追加損失が発生する可能性があります。
なお、当行は2021年10月より在職中の職員の「確定給付企業年金(DB)」のすべてを「確定拠出年金(DC)」へ移行しております。これにより、当行における退職給付債務等は、在職中の職員の退職金にかかるもの約75億円(資産と負債の合計額)と、DC移行前に退職した職員の年金(閉鎖DB)の約54億円(資産と負債の合計額)となっております。
このうち閉鎖DBについては、低リスクでの運用方針としていることおよび年金資産が退職給付債務を大幅に上回っていることから利回りの変動等から発生するリスクや積立不足による追加拠出等が発生するリスクは大幅に軽減されております。
⑧ 規制変更のリスク
当行グループは、現時点の規制(法律、規則、政策、会計制度、実務慣行等)に従って業務を遂行しております。将来、これらの規制の新設、変更、廃止ならびにそれらによって発生する事態が、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑨ 格付低下のリスク
格付機関が当行の格付を引き下げた場合、当行の市場部門において、取引条件が不利となる、または一定の取引の実施が困難となる可能性があります。このような事態が生じた場合には、資金調達費用の増加や資金調達そのものが困難となるなど、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
なお、株式会社格付投資情報センター(R&I)および株式会社日本格付研究所(JCR)による当行の長期発行体格付はいずれも「A+」であり、格付の方向性も「安定的」と評価されています。このことから格付低下によるリスク顕在化の懸念は低いものと考えております。
⑩ 顧客情報に係るリスク
当行グループは、個人情報・機密情報等のデータを有しており、その管理につきましては、マニュアルで管理方法を明確に定めるとともに、本人確認システムを導入する等、不正利用・流出を防止する体制を強化しております。しかしながら、これらの対策にも関わらず、重要な情報が外部に漏洩および滅失、毀損した場合には当行グループの信用が失墜し、当行グループの業務運営や、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑪ 重要な訴訟によるリスク
当行グループは、法令諸規則の遵守の徹底に努め、法令違反の未然防止体制を強化しております。しかしながら、今後、様々な業務遂行にあたり、法令違反およびこれに対する訴訟が提起された場合には、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑫ サード・パーティリスク
当行グループは、グループ内外の業務や、情報システムの運用・保守に関わる業務を、グループ内外の事業者へ委託しております。業務委託以外にも、業務提携の関係や、プラットフォームの利用などを通じて、当行グループの事業に外部の事業者が関わることがあります。これらの事業者に対しては、業務との関連性の度合いやリスクに応じて、契約前に、また契約中も、内部管理態勢、再委託先等の管理態勢、情報管理態勢等の確認やモニタリングを実施しています。
しかしながら、いわゆる「サード・パーティ」となるこれらの事業者において、重要なシステム障害、重要な法令違反や契約不履行、情報の外部漏洩等のインシデントが生じた場合には、当行グループの信用失墜や、業務運営の混乱などが生じ、業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
⑬ 地政学的リスク
当行グループが拠点とする沖縄県周辺において、軍事的な紛争などの当行グループのコントロールが及ばない地政学リスクが生じた場合には、当行グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
当行グループは、これらのリスクを踏まえ、有事の際の従業員の避難や事業継続についての対応策などを業務手順に明記できるように取り組んでいます。