有価証券報告書-第123期(2025/04/01-2026/03/31)
②戦略
ア.シナリオ分析
当行グループは、気候変動が当行の財務にもたらすリスクと機会について、以下のシナリオに基づき分析しております。
(ア)リスクと機会に対する認識
当行グループでは気候変動に関する主なリスクと機会を以下のように認識しています。これらの認識を踏まえ、当行グループのCO2排出量の削減やお客さまの脱炭素支援等、脱炭素社会の実現に向けて取組んでまいります。
(イ)定量的シナリオ分析
a 移行リスク
2050年にカーボンニュートラルを目指す社会において、炭素税(排出した温室効果ガスに対して課される税)が導入された場合に、お客さまの財務悪化を通じて当行の与信関係費用がどの程度増加するかを分析したものです。この結果、与信関係費用の増加額は最大15億円程度と推計しております。
なお、当行の融資ポートフォリオは、移行リスクの影響を大きく受ける状況ではないと考えておりますが、推計にあたっては、そのなかでも比較的影響を受けやすいと考えられるセクター(業種分類:鉄鋼・エネルギー・不動産)を選定して分析対象としております。この選定したセクター内でサンプル企業を抽出し、将来財務諸表の変化を一定条件のもとで予想する方法により算出しております。
b 物理的リスク
物理的リスクについては、4℃シナリオにおける気候変動に起因する自然災害のなかでも、国内における発生頻度が高く、当行の営業エリア内でも被害が出やすいと考えられる「洪水」の影響について定量的に分析したものです。
分析にあたっては、ハザードマップ等のデータを活用し、100年に1度レベルの雨量によって洪水が発生した場合に、担保不動産が毀損し、またお客さまの事業が停滞することにより、当行の与信関係費用がどの程度増加する可能性があるのかを分析したものです。この結果、与信関係費用の増加額は8億円程度と推計しております。
イ.当行の炭素関連資産の状況
2021年10月のTCFD提言改訂において「炭素関連資産」とされた4つのセクターについて、当行の与信額及び与信割合は下記のとおりです。なお、各セクターに含まれる業種は、①「エネルギー」=石油・ガス、石炭、電力、②「運輸」=空港貨物輸送、空港旅客輸送、海運、鉄道輸送、トラックサービス、自動車・部品、③「素材・建築物」=金属・鉱業、化学品、建材、資本財(建物等)、不動産管理・開発、④「農業・食料・林産物」=飲料、農業、包装食品・肉、紙・林産物、と定義しております。
※2026年3月末の貸出金、支払承諾、私募債等の合計。ただし、再生可能エネルギー発電事業、水道事業は除いています。
※TCFD提言における対象業種に、当行融資先を分類して集計しています。
ア.シナリオ分析
当行グループは、気候変動が当行の財務にもたらすリスクと機会について、以下のシナリオに基づき分析しております。
| シナリオ | シナリオの概要 |
| 1.5℃シナリオ | 規制を強化して多くの国の温室効果ガス排出量を削減した結果、21世紀末における地球の平均気温の上昇が、20世紀末と比べて1.5℃未満に抑えられるシナリオ。IEA(国際エネルギー機関)Net Zero 2050シナリオなどを参考に検討。 |
| 4℃シナリオ | 従来通り化石燃料等への依存を継続した結果、21世紀末における地球の平均気温が、20世紀末と比べておよそ4℃上昇するシナリオ。IPCC(気候変動に関する政府間パネル)RCP8.5シナリオなどを参考に検討。 |
(ア)リスクと機会に対する認識
当行グループでは気候変動に関する主なリスクと機会を以下のように認識しています。これらの認識を踏まえ、当行グループのCO2排出量の削減やお客さまの脱炭素支援等、脱炭素社会の実現に向けて取組んでまいります。
| リスク | 時間軸 | |||
| 1.5℃ シナリオ | 移行リスク | 信用 リスク | 気候変動にかかる規制強化、税制変更、エネルギー価格上昇等により、お客さまの事業に影響が生じることで与信関係費用が増加するリスク | 中期~ 長期 |
| お客さまの脱炭素対応の遅れやビジネスモデルの陳腐化により、事業に影響が生じることで与信関係費用が増加するリスク | ||||
| 風評 リスク | 当行グループが環境軽視の経営を行い、企業価値を毀損することによって損失が生じるリスク | 短期~ 長期 | ||
| 4℃ シナリオ | 物理的リスク | 信用 リスク | 台風や洪水等の自然災害で、不動産担保が毀損することにより与信関係費用が増加するリスク | 短期~ 長期 |
| 台風や洪水等の自然災害で、お客さまが被災して事業が停滞することにより与信関係費用が増加するリスク | ||||
| オペレーショナルリスク | 当行グループが保有する資産(営業店・事務センター等)や社員が被災することにより、事業継続に影響が出て損失が生じるリスク | 短期~ 長期 | ||
| 機会 | 時間軸 | |
| 1.5℃ シナリオ | 省資源・省エネ化による当行グループのコスト低下 | 短期~ 長期 |
| 温室効果ガス排出量削減やエネルギー効率の向上に向けた設備投資ニーズに対応する融資やリース等の提供 | ||
| 環境重視の経営による、当行グループの企業価値の向上 | ||
| 4℃ シナリオ | 自然災害への備えに対応する設備投資ニーズに対応する融資やリース等の提供 | 中期~ 長期 |
(イ)定量的シナリオ分析
a 移行リスク
2050年にカーボンニュートラルを目指す社会において、炭素税(排出した温室効果ガスに対して課される税)が導入された場合に、お客さまの財務悪化を通じて当行の与信関係費用がどの程度増加するかを分析したものです。この結果、与信関係費用の増加額は最大15億円程度と推計しております。
なお、当行の融資ポートフォリオは、移行リスクの影響を大きく受ける状況ではないと考えておりますが、推計にあたっては、そのなかでも比較的影響を受けやすいと考えられるセクター(業種分類:鉄鋼・エネルギー・不動産)を選定して分析対象としております。この選定したセクター内でサンプル企業を抽出し、将来財務諸表の変化を一定条件のもとで予想する方法により算出しております。
| シナリオ | IEA(国際エネルギー機関)のNZE(Net Zero Emission by 2050) シナリオ(1.5℃シナリオ) |
| 分析内容 | 移行シナリオに基づき、対象セクターについて将来の業績変化を予想し、与信関係費用への影響を推計(脱炭素社会への移行に伴い、炭素税が導入された場合における投融資先の財務悪化) |
| 分析対象 | 「鉄鋼」「エネルギー」「不動産」 |
| 分析期間 | 2050年まで |
| 分析結果 | 与信関係費用の増加額:最大15億円程度 |
b 物理的リスク
物理的リスクについては、4℃シナリオにおける気候変動に起因する自然災害のなかでも、国内における発生頻度が高く、当行の営業エリア内でも被害が出やすいと考えられる「洪水」の影響について定量的に分析したものです。
分析にあたっては、ハザードマップ等のデータを活用し、100年に1度レベルの雨量によって洪水が発生した場合に、担保不動産が毀損し、またお客さまの事業が停滞することにより、当行の与信関係費用がどの程度増加する可能性があるのかを分析したものです。この結果、与信関係費用の増加額は8億円程度と推計しております。
| シナリオ | IPCC(気候変動に関する政府間パネル)のRCP8.5シナリオ(4℃シナリオ) |
| 分析内容 | ・ハザードマップを利用し、担保不動産(建物(※))の毀損額と、お客さまの事業中止や停滞による売上減少額を推計。 (※)住宅ローンの担保物件は、水害が火災保険の補償範囲であることを前提に分析対象外とした。 ・上記結果による保全額の低下と、お客さまの財務悪化による与信関係費用への影響を算出 |
| 分析対象 | 栃木県及び埼玉県に本店を置くお客さま |
| 分析期間 | 2050年まで |
| 分析結果 | 与信関係費用の増加額:8億円程度 |
イ.当行の炭素関連資産の状況
2021年10月のTCFD提言改訂において「炭素関連資産」とされた4つのセクターについて、当行の与信額及び与信割合は下記のとおりです。なお、各セクターに含まれる業種は、①「エネルギー」=石油・ガス、石炭、電力、②「運輸」=空港貨物輸送、空港旅客輸送、海運、鉄道輸送、トラックサービス、自動車・部品、③「素材・建築物」=金属・鉱業、化学品、建材、資本財(建物等)、不動産管理・開発、④「農業・食料・林産物」=飲料、農業、包装食品・肉、紙・林産物、と定義しております。
| エネルギー | 運輸 | 素材・建築物 | 農業・食料・林産物 | 合計 | |
| 与信額(百万円) | 31,838 | 116,848 | 388,664 | 75,520 | 612,870 |
| 与信割合 | 1.29% | 4.74% | 15.78% | 3.07% | 24.89% |
※2026年3月末の貸出金、支払承諾、私募債等の合計。ただし、再生可能エネルギー発電事業、水道事業は除いています。
※TCFD提言における対象業種に、当行融資先を分類して集計しています。