有価証券報告書-第49期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/18 14:08
【資料】
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【項目】
176項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社グループは、「誠実な企業活動を通じて、社会より支持を得る」を経営理念として、お客様の健全な消費活動や事業活動のサポートを通じて経済社会に貢献することを使命とし、IT企業への変革を推進し、「環境変化に応じた組織・制度の変革とデジタル技術を活用した金融グループとしての成長」を目指しています。
2021年4月に理念体系を再構築し、「VISION(実現したい社会の姿)/MISSION(VISIONを達成するために担うべき使命・役割)/VALUE(発揮すべき価値・持つべき価値観)」を設計しております。

(2) 目標とする経営指標
当社グループは、企業価値の向上を目指し、安全性の指標となる自己資本比率の適正化を図りつつ、収益性及び効率性の観点から、総資産経常利益率(ROA)及び自己資本利益率(ROE)を重要な指標としております。
なお、当社グループは過去に税務上の赤字を計上していたことで税額並びに法人税等調整額が安定していないため、より実態がわかるよう、実効税率を30%とした「親会社株主に帰属する当期純利益」をベースに自己資本利益率(ROE)を算出した実質自己資本利益率(実質ROE)を経営指標として示しております。
(3) 資本効率
当社グループは、資本効率の向上を図る上で実質自己資本利益率(実質ROE)を重要な指標とし、中期経営計画において10.0%超を掲げております。積極的な成長投資による営業収益の拡大とコスト構造改革による費用の低下によって利益水準の向上を図り、資本効率の向上を目指してまいります。
(4) 経営環境
(無担保ローン市場)
個人向けの無担保ローン市場は堅調な資金需要を背景に拡大基調が続いており、2025年12月時点で前年比5.0%増の10.4兆円となっております。このうち、金融機関は前年比3.6%増の5.7兆円、消費者金融とクレジットカード会社の合計は前年比6.7%増の4.7兆円となっております。
当社グループにおける個人向けの無担保ローン残高は、前期末比7.7%増の7,177億円、アイフル単体では前期末比8.4%増の6,481億円となりました。
(事業者ローン市場)
中小事業者向けの事業者ローン市場におきましては、人件費の高騰による人手不足や原材料・資材、エネルギーなどのコストアップを要因として足元では企業倒産件数が増加しておりますが、コロナ後の経済活動の再開以降は、資金需要の増加に伴い貸金業者の事業者向け貸付残高は拡大基調が続いております。
当社グループの事業者ローン残高は、前期末比10.5%増の1,129億円となりました。このうち、AGビジネスサポートが前期末比9.4%増の933億円、アイフル単体では前期末比16.0%増の172億円となっております。
(クレジットカード市場)
クレジットカード市場は、個人消費の回復に加え、キャッシュレス決済の拡大や法人カードの普及などにより、2025年の決済額が前年比15.1%増の134兆円となっており、今後も市場の拡大が見込まれます。
当社グループでクレジットカード事業を中心に営むライフカードの取扱高は、前期比5.2%増の8,123億円となりました。
(5) 中長期的な会社の経営戦略
今後の見通しにつきましては、経済の緩やかな回復基調に併せ、新規成約件数は堅調に推移し、営業貸付金残高の拡大が続くと見込んでおりますが、一方で世界情勢の変動等によるわが国の個人消費や金融市場へ与える影響には注視が必要な状況が続くとみております。
また、異業種からの新規参入やAIによるDX化の加速等、当社グループを取り巻く環境は変化しており、その変化に迅速に対応することが求められております。
このような環境のもと、当社グループにおきましては、10年間の長期ビジョンとして「IT企業への変革 ~100年続く企業を目指す~」を掲げ、2025年3月期を初年度とする3年間の中期経営計画を策定いたしました(2024年5月公表)。
① 長期VISION

② 中期経営計画(2025年3月期~2027年3月期)
長期ビジョンの実現のため、当社グループは2024年5月10日に、2027年3月期を最終連結会計期間とする中期経営計画を公表しております。中期経営計画テーマの概要は以下のとおりであります。
[中期経営計画テーマ及び基本方針]
「Try Harder ~新たな成長ステージに向けて~」を中期経営計画のテーマとして、ローン事業や信用保証事業、クレジット事業といった主力事業の残高成長やコスト構造改革によるグループ全体の利益水準の向上に努めてまいります。また、新たな成長ステージに向けて、顧客基盤を拡大し新しいビジネスモデルを獲得するため、主力事業の利益を成長率の高い事業やM&Aに投資し、企業価値の向上を実現してまいります。

2025年3月期を初年度とする中期経営計画(2024年5月公表)で掲げた目標対比は次のとおりであります。
連結目標2025年3月期
(実績)
2026年3月期
(実績)
2025年3月期
(計画)
2026年3月期
(計画)
2027年3月期
(計画)
営業収益(億円)1,8902,1461,8001,9802,180
営業利益(億円)253341238299414
経常利益(億円)268355240300420
ROA(%)2.02.31.82.02.5
実質ROE(%)8.210.58.09.111.4

当社は、2026年4月1日付で単独株式移転により新たに設立されたムニノバホールディングス株式会社の完全子会社となりました。本株式移転は、グループ全体の経営戦略の柔軟性向上及び中長期的な企業価値の最大化を目的としたものであり、今後は持株会社体制のもと、グループ経営の強化と事業ポートフォリオの最適化を進め、当社はムニノバグループの中核事業会社として、引き続き金融サービスの高度化と顧客基盤の拡大に注力してまいります。
2026年3月期につきましては、引き続きローン事業や信用保証事業、クレジット事業といった主力事業の営業アセットの拡大に努めた結果、営業債権残高は前期末比14.9%増の15,395億円となり、営業収益や各種利益及び指標も計画通りとなる等、順調に推移しております。
また、中期経営計画の基本方針であるM&Aの推進やコスト構造改革も順調に推移し、グループ全体の利益水準も向上しております。
当社の完全親会社であるムニノバホールディングス株式会社の2027年3月期業績予想につきましては、2026年5月15日公表の「2027年3月期連結業績予想及び配当予想等に関するお知らせ」をご覧ください。
③ 資本政策及び株主還元
ア.自己資本比率に対する考え方
当社グループは、現状を残高成長ステージととらえており、期待損失に関しては通常事業、非期待損失に関しては自己資本でカバーすることと整理し、自己資本比率は15%以上を維持することを目指しております。
イ.資本政策に関する基本方針
成長投資を優先としつつ、株主還元の向上を基本方針とします。成長投資には計画期間中に最大600億円の成長投資を行い、M&Aの推進による新規事業等での利益の創出及び資本効率(ROE)の向上を目指しております。また、株主還元については成長投資を基本としつつ、株主還元を向上させ、計画最終年には総還元性向で30%程度を目標としております。
(6) 優先的に対処すべき課題
「(1) 会社の経営の基本方針」及び「(5) 中長期的な会社の経営戦略」に記載の経営方針、並びに経営戦略を実行する上で、当社グループが優先的に対処すべき課題は以下のとおりであります。
(事業ポートフォリオの組み替え)
当社グループは、経営の安全性を重視し、ローン事業、クレジット事業、信用保証事業などを中心に金融事業の多角化と事業ポートフォリオの分散を進めております。現状のローン事業の成長を維持しつつ、クレジット事業、信用保証事業をさらに拡大させるとともに、積極的なM&Aによる新規事業領域の創出により事業ポートフォリオの組み替えを図り、安全性を高めております。
(コスト構造改革)
当社グループは、中期経営計画の基本方針に基づき、センター部門の生産性の向上、社内エンジニアによる内製化促進、無人店舗の閉鎖等によりコスト構造改革を推進し、営業収益費用率の改善と事業環境の変化に対する素早い適合を図っております。
(AI活用と人材強化)
近年、AI技術は金融ビジネスのあらゆる領域において活用余地が拡大しており、業務効率化のみならず、付加価値創出や競争優位の確立に直結する要素となっており、AIの特性や限界を理解した上で、業務やビジネスモデルに適切に組み込むことができる人材の重要性が高まっております。当社グループにおいても、データ活用の高度化や業務プロセスの再設計を通じて、競争力の向上につなげていく必要があります。その実現に向け、AI活用基盤の構築と全社員のAIネイティブ化を図り、変化の激しい事業環境に柔軟かつ持続的に対応できる体制の確立を目指してまいります。
(財務基盤の安定化)
当社グループは、成長投資を積極的に進める一方で金融事業を営む企業として、自己資本比率の適正水準を維持し外部環境の変化に耐え得る財務体質を確保することが不可欠であります。近年の金融市場や経済環境は、金利動向、世界情勢の変動など不確実性を内包しており、財務の健全性及び資金調達余力の確保が一層重要になっております。
このような環境下において、当社グループでは、収益力の向上を通じた内部資本の積み上げを基本としつつ、適切な資本構成の維持、借入及び社債等を含む資金調達手段の多様化を図ることで、安定的な財務基盤の構築に取り組んでおります。
(利息返還請求)
2006年の最高裁判決を契機とした利息返還請求件数は、すでに最高裁判所の判決から19年経過し、返還請求の権利を持つ多くの方が消滅時効を迎えていることなどから大幅に減少しております。今後も利息返還請求は減少が続く見込みでありますが、外部環境の変化等、一定の留意は必要な状態であります。

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