有価証券報告書-第98期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は好調に推移しました。米国は金融緩和、技術革新による景気拡大が継続し、欧州も米国経済に牽引され景気の本格回復がみられました。アジアでは中国経済の成長減速がみられたものの、「成長の質」を追求するものであり、消費の拡大から景況感は好調に推移しました。日本の国内経済も好調でした。世界景気の拡大を支えにアベノミクスによる政策効果が波及し、日本企業の構造改革による収益力向上も企業の業績拡大に寄与しました。
国内株式市場は概ね上昇トレンドを形成しました。4月は北朝鮮の弾道ミサイルの発射やシリアへの空爆等による地政学リスクの高まり等を背景に18,224円68銭の安値をつけましたが、その後は世界同時好況、米長期金利の上昇を背景に円安・米ドル高が進行したことなどから上昇を継続しました。10月下旬には衆院総選挙がサプライズ実施され与党自民党が勝利すると与党政権安定化を評価する外国人投資家の買い越しにより、日経平均株価は16営業日連続で上昇するなど記録的な上昇相場となり、平成30年1月には26年ぶりの高値となる24,129円34銭をつけました。その後は為替相場の円高転換や、トランプ大統領の対中発言による米中貿易戦争懸念、安倍政権に対する政治不信から株価は調整局面を迎え、当連結会計年度末の終値は21,454円30銭となりました。
外国株式市場は、米国とベトナム市場が史上最高値を更新しました。米国は「適温相場」との異名をとる長期的な上昇となり、景気、金利、企業業績、投資家心理が過熱することなくバランスし、歴史的な上昇相場となりました。ベトナムは国内経済の好調、規制緩和の推進、IPOの推進などを背景に株高が鮮明になりました。成長期待から外国人投資家の資金流入も継続し、ベトナムの主要指数であるベトナムVN指数は11年ぶりの史上最高値水準となりました。
このような状況のもと、当社グループは「超リテール証券」を目指し、徹底した差別化戦略としてM&Aによるアジア株取引の強化、地域金融機関との連携、地域の大学との連携等に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における主な施策は次のとおりです。
(イ)M&Aを活用したアジア株取引の強化
ベトナムの現地証券会社であるJAPAN SECURITIES INCORPORATEDの株式を追加取得するため、平成30年1月に株式譲渡契約を締結しました。これにより、当社の持ち株比率は95.0%となります。今後は、ベトナム株取引の利便性の向上や日本から人員を派遣し、ベトナム株に関する情報提供を強化するとともに、ソリューションサービスの一環として、ベトナムに進出する企業の事業展開を支援してまいります。
(ロ)地域金融機関との連携
平成29年12月に第一勧業信用組合と包括的業務提携契約を締結しました。これにより、両社の営業地域、更には両社の有するネットワーク先におけるビジネスマッチングやビジネス支援に取組むほか、お客様に対する商品やサービスの高度化に向けた連携事業、人事交流を積極的に行い、より一層地域に密着したサービスを展開してまいります。
(ハ)地域の大学との連携
平成30年3月に信州大学全学教育機構と信州大学が開講する授業科目「証券・投資から育む「生きる力・考える力」」の授業を連携・協力して実施することについて覚書を締結しました。授業を通じて信州大学における教養教育(証券という観点の切り口から金融リテラシーを普及させることの社会的意義)の充実を図るとともに、信州大学と当社が連携・協力して地域の発展と人材の育成に寄与することを目的としております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ96億1百万円増加し、1,063億63百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ62億42百万円増加し、491億21百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ33億59百万円増加し、572億41百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、営業収益180億46百万円(前年度比72.5%増)、営業利益18億55百万円、経常利益28億50百万円(同374.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益22億55百万円(同106.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ36億9百万円減少し、119億61百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は13億33百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上、信用取引資産の増加、顧客分別金信託の増加、トレーディング商品の減少、預り金の増加、信用取引負債の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は10億17百万円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入、定期預金の預入による支出、投資有価証券の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は12億15百万円となりました。これは主に配当金の支払いによるものです。
③トレーディング業務の概要
トレーディング商品:当連結会計年度末のトレーディング商品の残高は以下のとおりです。
トレーディングのリスク管理:
トレーディング業務は、市況の変化に影響を受けやすく、取引商品の多様化並びにマーケットリスクが複雑化しておりますので、リスク管理は極めて重要と認識しております。当社のリスク管理の基本は、財務状況に合せたリスクを適切にコントロールすることであります。このため当社では「自己計算による売買取引の実施権限に関する規程」を定め、ポジション枠、ロスカットルール、与信枠等の設定をしております。また、リスク管理は、商品部門、営業部門から独立した営業管理部が掌握し、トレーディングポジションの状況は経営者に毎日報告されており、損益と合せて報告書が月例取締役会に提出され分析・検討が行われております。
また、自己売買に関するポジション管理を目的とした、リスク管理委員会において、多様な取引手法やポジション枠の増加につきリスクをより正確に把握、監視する体制としております。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一セグメントであります。このため、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該事業の収益の状況等については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に含めて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の減損会計、税効果会計、貸倒引当金、賞与引当金、役員賞与引当金、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び法人税等であり、継続して評価を行っております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
(イ)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は1,063億63百万円と、前連結会計年度末に比べ96億1百万円の増加となりました。主な要因は、預託金22億円の増加、信用取引資産77億54百万円の増加、投資有価証券39億61百万円の増加、現金・預金40億13百万円の減少によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は491億21百万円と、前連結会計年度末に比べ62億42百万円の増加となりました。主な要因は、信用取引負債26億67百万円の増加、有価証券担保借入金11億99百万円の増加、預り金18億97百万円の増加によるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は572億41百万円と前連結会計年度末に比べ33億59百万円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金13億91百万円の増加、その他有価証券評価差額金19億72百万円の増加によるものです。
(ロ)経営成績
(営業収益)
当連結会計年度より、日本アジア証券株式会社について損益計算書を連結しております。その結果、営業収益は180億46百万円(前年度比72.5%増)となりました。営業収益のおもな内訳は次のとおりです。
1)受入手数料
当連結会計年度の受入手数料は、106億49百万円(前年度比60.8%増)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)委託手数料
委託手数料は日本アジア証券株式会社の連結等により、77億56百万円(同53.3%増)となりました。
ⅱ)引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、国内株式の引受額の増加により51百万円(同97.3%増)となりました。
ⅲ)募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、日本アジア証券株式会社の連結等により14億82百万円(同133.5%増)となりました。
ⅳ)その他の受入手数料
その他の受入手数料は、日本アジア証券株式会社の連結等により、13億57百万円(同51.0%増)となりました。
2)トレーディング損益
当連結会計年度のトレーディング損益は、66億90百万円(同104.4%増)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)株券
日本アジア証券株式会社の連結等により、49億54百万円(同131.3%増)となりました。
ⅱ)債券
日本アジア証券株式会社の連結等により、9億48百万円(同32.2%増)となりました。
ⅲ)その他
外国為替取引から生じる損益の増加等により、7億87百万円(同90.4%増)となりました。
3)金融収益
金融収益は信用取引収益の増加等により6億58百万円(同34.6%増)となりました。
なお、金融費用は信用取引費用の増加等により1億84百万円(同70.1%増)となりました。これにより、金融収支は4億73百万円(同24.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、日本アジア証券株式会社の連結等により、160億6百万円(同50.6%増)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は受取配当金5億4百万円、投資事業組合運用益2億93百万円等により10億円となりました。営業外費用は和解金3百万円等により4百万円となりました。これにより営業外損益は9億95百万円の利益となりました。
(特別損益)
特別利益は投資有価証券売却益12百万円、金融商品取引責任準備金戻入22百万円等により39百万円となりました。特別損失は合併関連費用2億5百万円、減損損失48百万円等により2億64百万円となりました。これにより特別損益は2億25百万円の損失となりました。
(ハ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
現在、当社グループの収益は主に、株式・投資信託等の約定に伴う受入手数料及び米国株式国内店頭取引、外国債券の販売、主にアジア株式取引の際に発生する外国為替取引等のトレーディング損益に依存しております。そのため、株式・債券相場が下落又は低迷すると、流通市場の市場参加者が減少し、売買高が縮小することから当社グループの受入手数料およびトレーディング損益が減少する可能性があります。また、自己勘定で市場リスクを内包するトレーディングを行っておりますので、株価・債券価格・金利・為替その他市場価格等の変動によりトレーディング損益に影響を及ぼす可能性があります。
証券会社は経済情勢及び市況環境の変動による影響を受けやすく、その中でも当社は営業収益に占める株式関連収益の割合が高いことから、株式市況の影響を大きく受けております。この状況に対応するため、預り資産の増加及び安定収益(ストック収益)の増加を当社の課題としており、持続的な高収益体制の構築のため、投資一任運用サービス「ブルーラップ」、「アイザワ ファンドラップ」、投資信託の販売及び残高の純増を強化しております。
特に、当連結会計年度においては「アイザワ ファンドラップ」を戦略的な中核商品とし、契約金額の積み上げを行ってまいりました。その結果、当連結会計年度末の契約金額残高は前年同期比311.6%増の104億54百万円となりました。平成30年7月1日に日本アジア証券株式会社と合併することで、同社のお客様にも「アイザワ ファンドラップ」のご案内が可能となります。引き続き契約金額の積み上げを行ってまいります。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付であります。信用取引買付代金は株式市況の変動の影響を受けますが、当社は主に日本証券金融株式会社の貸借取引により調達しております。また、不測の事態に備え、安定的かつ機動的な財務運営を行うため、株式会社みずほ銀行及び三井住友信託銀行株式会社と総額26億円のコミットメントラインを設定しております。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、当社グループが掲げる「超リテール証券」になるため、そして安定した収益基盤の確立のため、平成27年3月末に9,800億円であったグループ預り資産を平成37年3月末までに2兆円にする計画としております。
平成30年3月末のグループ預り資産は1兆3,971億円となり、進捗率は40.9%となりました。
日本アジア証券株式会社の子会社化により、グループ預り資産は大きく増加しましたが、引き続き地域金融機関との提携による資産導入、新規口座開設の強化等により、早期達成を目指します。
当連結会計年度(平成29年4月1日から平成30年3月31日まで)における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。
①財政状態および経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は好調に推移しました。米国は金融緩和、技術革新による景気拡大が継続し、欧州も米国経済に牽引され景気の本格回復がみられました。アジアでは中国経済の成長減速がみられたものの、「成長の質」を追求するものであり、消費の拡大から景況感は好調に推移しました。日本の国内経済も好調でした。世界景気の拡大を支えにアベノミクスによる政策効果が波及し、日本企業の構造改革による収益力向上も企業の業績拡大に寄与しました。
国内株式市場は概ね上昇トレンドを形成しました。4月は北朝鮮の弾道ミサイルの発射やシリアへの空爆等による地政学リスクの高まり等を背景に18,224円68銭の安値をつけましたが、その後は世界同時好況、米長期金利の上昇を背景に円安・米ドル高が進行したことなどから上昇を継続しました。10月下旬には衆院総選挙がサプライズ実施され与党自民党が勝利すると与党政権安定化を評価する外国人投資家の買い越しにより、日経平均株価は16営業日連続で上昇するなど記録的な上昇相場となり、平成30年1月には26年ぶりの高値となる24,129円34銭をつけました。その後は為替相場の円高転換や、トランプ大統領の対中発言による米中貿易戦争懸念、安倍政権に対する政治不信から株価は調整局面を迎え、当連結会計年度末の終値は21,454円30銭となりました。
外国株式市場は、米国とベトナム市場が史上最高値を更新しました。米国は「適温相場」との異名をとる長期的な上昇となり、景気、金利、企業業績、投資家心理が過熱することなくバランスし、歴史的な上昇相場となりました。ベトナムは国内経済の好調、規制緩和の推進、IPOの推進などを背景に株高が鮮明になりました。成長期待から外国人投資家の資金流入も継続し、ベトナムの主要指数であるベトナムVN指数は11年ぶりの史上最高値水準となりました。
このような状況のもと、当社グループは「超リテール証券」を目指し、徹底した差別化戦略としてM&Aによるアジア株取引の強化、地域金融機関との連携、地域の大学との連携等に取り組んでまいりました。
当連結会計年度における主な施策は次のとおりです。
(イ)M&Aを活用したアジア株取引の強化
ベトナムの現地証券会社であるJAPAN SECURITIES INCORPORATEDの株式を追加取得するため、平成30年1月に株式譲渡契約を締結しました。これにより、当社の持ち株比率は95.0%となります。今後は、ベトナム株取引の利便性の向上や日本から人員を派遣し、ベトナム株に関する情報提供を強化するとともに、ソリューションサービスの一環として、ベトナムに進出する企業の事業展開を支援してまいります。
(ロ)地域金融機関との連携
平成29年12月に第一勧業信用組合と包括的業務提携契約を締結しました。これにより、両社の営業地域、更には両社の有するネットワーク先におけるビジネスマッチングやビジネス支援に取組むほか、お客様に対する商品やサービスの高度化に向けた連携事業、人事交流を積極的に行い、より一層地域に密着したサービスを展開してまいります。
(ハ)地域の大学との連携
平成30年3月に信州大学全学教育機構と信州大学が開講する授業科目「証券・投資から育む「生きる力・考える力」」の授業を連携・協力して実施することについて覚書を締結しました。授業を通じて信州大学における教養教育(証券という観点の切り口から金融リテラシーを普及させることの社会的意義)の充実を図るとともに、信州大学と当社が連携・協力して地域の発展と人材の育成に寄与することを目的としております。
この結果、当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a. 財政状態
当連結会計年度末の資産合計は、前連結会計年度末に比べ96億1百万円増加し、1,063億63百万円となりました。
当連結会計年度末の負債合計は、前連結会計年度末に比べ62億42百万円増加し、491億21百万円となりました。
当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ33億59百万円増加し、572億41百万円となりました。
b. 経営成績
当連結会計年度の経営成績は、営業収益180億46百万円(前年度比72.5%増)、営業利益18億55百万円、経常利益28億50百万円(同374.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益22億55百万円(同106.8%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は前連結会計年度末に比べ36億9百万円減少し、119億61百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果支出した資金は13億33百万円となりました。これは主に税金等調整前当期純利益の計上、信用取引資産の増加、顧客分別金信託の増加、トレーディング商品の減少、預り金の増加、信用取引負債の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は10億17百万円となりました。これは主に、定期預金の払戻による収入、定期預金の預入による支出、投資有価証券の取得による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は12億15百万円となりました。これは主に配当金の支払いによるものです。
③トレーディング業務の概要
トレーディング商品:当連結会計年度末のトレーディング商品の残高は以下のとおりです。
| 前連結会計年度 (平成29年3月31日) | 当連結会計年度 (平成30年3月31日) | |||
| 資産の部のトレーディング商品(百万円) | 2,533 | 609 | ||
| 商品有価証券等(百万円) | 2,519 | 608 | ||
| 株式・ワラント(百万円) | 557 | 0 | ||
| 債券(百万円) | 1,608 | 608 | ||
| 受益証券等(百万円) | 353 | 0 | ||
| 為替予約取引(百万円) | 13 | 1 | ||
| 先物取引(百万円) | ― | ― | ||
| オプション取引(百万円) | ― | ― | ||
| 負債の部のトレーディング商品(百万円) | 179 | 5 | ||
| 商品有価証券等(百万円) | 179 | ― | ||
| 株式・ワラント(百万円) | 179 | ― | ||
| 債券(百万円) | ― | ― | ||
| 受益証券等(百万円) | ― | ― | ||
| 為替予約取引(百万円) | 0 | 5 | ||
| 先物取引(百万円) | ― | ― | ||
| オプション取引(百万円) | ― | ― | ||
トレーディングのリスク管理:
トレーディング業務は、市況の変化に影響を受けやすく、取引商品の多様化並びにマーケットリスクが複雑化しておりますので、リスク管理は極めて重要と認識しております。当社のリスク管理の基本は、財務状況に合せたリスクを適切にコントロールすることであります。このため当社では「自己計算による売買取引の実施権限に関する規程」を定め、ポジション枠、ロスカットルール、与信枠等の設定をしております。また、リスク管理は、商品部門、営業部門から独立した営業管理部が掌握し、トレーディングポジションの状況は経営者に毎日報告されており、損益と合せて報告書が月例取締役会に提出され分析・検討が行われております。
また、自己売買に関するポジション管理を目的とした、リスク管理委員会において、多様な取引手法やポジション枠の増加につきリスクをより正確に把握、監視する体制としております。
④生産、受注及び販売の実績
当社グループの事業区分は、「投資・金融サービス業」という単一セグメントであります。このため、当該箇所において記載できる情報がないことから、当該事業の収益の状況等については、「(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に含めて記載しております。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における資産・負債の報告数値、報告期間における収益・費用の報告数値に影響を与える見積りは、主に固定資産の減損会計、税効果会計、貸倒引当金、賞与引当金、役員賞与引当金、退職給付に係る資産、退職給付に係る負債及び法人税等であり、継続して評価を行っております。
なお、見積り及び判断・評価については、過去の実績や状況に応じて合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a. 経営成績等
(イ)財政状態
(資産合計)
当連結会計年度末の資産合計は1,063億63百万円と、前連結会計年度末に比べ96億1百万円の増加となりました。主な要因は、預託金22億円の増加、信用取引資産77億54百万円の増加、投資有価証券39億61百万円の増加、現金・預金40億13百万円の減少によるものです。
(負債合計)
当連結会計年度末の負債合計は491億21百万円と、前連結会計年度末に比べ62億42百万円の増加となりました。主な要因は、信用取引負債26億67百万円の増加、有価証券担保借入金11億99百万円の増加、預り金18億97百万円の増加によるものです。
(純資産合計)
当連結会計年度末の純資産合計は572億41百万円と前連結会計年度末に比べ33億59百万円の増加となりました。主な要因は、利益剰余金13億91百万円の増加、その他有価証券評価差額金19億72百万円の増加によるものです。
(ロ)経営成績
(営業収益)
当連結会計年度より、日本アジア証券株式会社について損益計算書を連結しております。その結果、営業収益は180億46百万円(前年度比72.5%増)となりました。営業収益のおもな内訳は次のとおりです。
1)受入手数料
当連結会計年度の受入手数料は、106億49百万円(前年度比60.8%増)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)委託手数料
委託手数料は日本アジア証券株式会社の連結等により、77億56百万円(同53.3%増)となりました。
ⅱ)引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料
引受け・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の手数料は、国内株式の引受額の増加により51百万円(同97.3%増)となりました。
ⅲ)募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料
募集・売出し・特定投資家向け売付け勧誘等の取扱手数料は、日本アジア証券株式会社の連結等により14億82百万円(同133.5%増)となりました。
ⅳ)その他の受入手数料
その他の受入手数料は、日本アジア証券株式会社の連結等により、13億57百万円(同51.0%増)となりました。
2)トレーディング損益
当連結会計年度のトレーディング損益は、66億90百万円(同104.4%増)となりました。科目別の概況は以下のとおりです。
ⅰ)株券
日本アジア証券株式会社の連結等により、49億54百万円(同131.3%増)となりました。
ⅱ)債券
日本アジア証券株式会社の連結等により、9億48百万円(同32.2%増)となりました。
ⅲ)その他
外国為替取引から生じる損益の増加等により、7億87百万円(同90.4%増)となりました。
3)金融収益
金融収益は信用取引収益の増加等により6億58百万円(同34.6%増)となりました。
なお、金融費用は信用取引費用の増加等により1億84百万円(同70.1%増)となりました。これにより、金融収支は4億73百万円(同24.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費)
販売費及び一般管理費は、日本アジア証券株式会社の連結等により、160億6百万円(同50.6%増)となりました。
(営業外損益)
営業外収益は受取配当金5億4百万円、投資事業組合運用益2億93百万円等により10億円となりました。営業外費用は和解金3百万円等により4百万円となりました。これにより営業外損益は9億95百万円の利益となりました。
(特別損益)
特別利益は投資有価証券売却益12百万円、金融商品取引責任準備金戻入22百万円等により39百万円となりました。特別損失は合併関連費用2億5百万円、減損損失48百万円等により2億64百万円となりました。これにより特別損益は2億25百万円の損失となりました。
(ハ)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度のキャッシュ・フローの状況につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b. 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
現在、当社グループの収益は主に、株式・投資信託等の約定に伴う受入手数料及び米国株式国内店頭取引、外国債券の販売、主にアジア株式取引の際に発生する外国為替取引等のトレーディング損益に依存しております。そのため、株式・債券相場が下落又は低迷すると、流通市場の市場参加者が減少し、売買高が縮小することから当社グループの受入手数料およびトレーディング損益が減少する可能性があります。また、自己勘定で市場リスクを内包するトレーディングを行っておりますので、株価・債券価格・金利・為替その他市場価格等の変動によりトレーディング損益に影響を及ぼす可能性があります。
証券会社は経済情勢及び市況環境の変動による影響を受けやすく、その中でも当社は営業収益に占める株式関連収益の割合が高いことから、株式市況の影響を大きく受けております。この状況に対応するため、預り資産の増加及び安定収益(ストック収益)の増加を当社の課題としており、持続的な高収益体制の構築のため、投資一任運用サービス「ブルーラップ」、「アイザワ ファンドラップ」、投資信託の販売及び残高の純増を強化しております。
特に、当連結会計年度においては「アイザワ ファンドラップ」を戦略的な中核商品とし、契約金額の積み上げを行ってまいりました。その結果、当連結会計年度末の契約金額残高は前年同期比311.6%増の104億54百万円となりました。平成30年7月1日に日本アジア証券株式会社と合併することで、同社のお客様にも「アイザワ ファンドラップ」のご案内が可能となります。引き続き契約金額の積み上げを行ってまいります。
c. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの事業活動における資金需要の主なものは、信用取引買付代金の顧客への貸付であります。信用取引買付代金は株式市況の変動の影響を受けますが、当社は主に日本証券金融株式会社の貸借取引により調達しております。また、不測の事態に備え、安定的かつ機動的な財務運営を行うため、株式会社みずほ銀行及び三井住友信託銀行株式会社と総額26億円のコミットメントラインを設定しております。
d. 経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、当社グループが掲げる「超リテール証券」になるため、そして安定した収益基盤の確立のため、平成27年3月末に9,800億円であったグループ預り資産を平成37年3月末までに2兆円にする計画としております。
平成30年3月末のグループ預り資産は1兆3,971億円となり、進捗率は40.9%となりました。
日本アジア証券株式会社の子会社化により、グループ預り資産は大きく増加しましたが、引き続き地域金融機関との提携による資産導入、新規口座開設の強化等により、早期達成を目指します。