有価証券報告書-第76期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/28 9:00
【資料】
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【項目】
269項目
「企業内容等の開示に関する内閣府令の一部を改正する内閣府令」(平成31年1月31日内閣府令第3号)による改正後の「企業内容等の開示に関する内閣府令」第二号様式記載上の注意(30)の規定を当事業年度に係る有価証券報告書から適用しております。
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営の基本方針
当社グループは、創立以来、「信は萬事の基と為す」を経営の基本理念として、信頼を原点としたFace to Face(お客さまとの対面での直接対話型)のビジネスモデルと健全経営による安定的成長確保を経営の基本方針としております。この基本方針を堅持しながら、当社グループしか提供できない商品やサービスの独自性を追求いたしてまいります。これらの事業活動を通じて、お客さまを含め国民全体の資産形成に資することで社会全体に付加価値をもたらし、ひいては、国民経済全体の発展に貢献することを念頭に置きながら、持続可能な事業を展開することに努めてまいります。
当社グループは、自らが採択した「お客さま本位の業務運営に関する方針」に基づき、お客さまの立場に立って、親切・丁寧な対応を心がけるとともに、お客さまの利益を最優先に考え、それぞれのニーズにあった商品やサービスを提供してまいります。
また、株主資本の効率的な運用という観点から、当社グループを取り巻く環境の変化を的確に捉えながら、適切なリスク管理の下、新しい収益分野や投資対象への取組みを推進し、収益力の向上と収益源の多様化を図ってまいります。
(2)中長期の基本戦略
①Face to Face のビジネスモデルの追求
当社グループを取り巻く競争環境はさらに厳しくなるという認識の下、オンライン証券会社や他の中堅証券会社との差別化を図るため、お客さまとの直接対話を行う対面による営業スタイルを堅持いたします。更には、その営業スタイルの質的な向上を図るとともに、他社では提供できない「多様な商品によるマーケット変化を捉えた機動的な運用提案」を行うことで、お客さまからの信頼を獲得するとともに、お客さまの投資パフォーマンスの向上を目指してまいります。これによって、当社グループの提供する商品やサービスを求める新しい顧客層を開拓するとともに、全体的な預り資産の増加を図り、顧客基盤の拡大に努めてまいります。
②収益力の向上と収益源の多様化
当社グループは、配当金等を通じた株主への収益還元を最大限行うとともに、役職員に対して適正な報酬を提供する責任を負っております。当社グループの収益の中心は、証券市場における仲介業者として得られる手数料収入等でありますが、これらは市場環境の変化の影響を大きく受けやすいものとなっております。当社グループは、収益力の向上と収益源の多様化の観点から、これまでも株主資本の効率的かつ積極的な運用を行ってまいりました。今後も当社グループの収益及び財務の安定性を確保するために、引き続き自己資金を有効活用することで、収益源の多様化を図るとともに、安定的かつ持続的な収益の確保に努めてまいります。
③コンプライアンス及びリスク管理体制の強化
当社グループは、「お客さま本位の業務運営に関する方針」を徹底し、役職員全員がより高い倫理観に基づいて業務を遂行できるように、社内制度やルールの見直しを継続的に実施し、コンプライアンスの強化を図ってまいりました。更には、テロリズムに対する資金供与の防止やマネーロンダリング等の犯罪に利用される可能性の排除という観点で、必要な制度整備を行いました。一方、サイバー攻撃のリスクの高まりを受けて、当社グループといたしましても、システム上の必要な対策を講じるとともに、役職員に対する研修や訓練を実施することで、セキュリティ強化を図っております。このように、管理すべきリスクが多様化する現状に鑑みて、新たに認識されたリスクや今後発生すると予想されるリスクを的確に把握し、それに対する対応策を取りまとめるなどリスク管理の強化を図ってまいりました。今後もこれらコンプライアンス及びリスク管理体制の強化に向けて不断の努力をしてまいる所存であります。
④企業の社会的責任及びガバナンス
当社グループは、全てのステークホルダーの信頼に応え、資本市場の一層の機能強化に資するべく、与えられた役割や責務を十分に果たすとともに、他社では提供できない付加価値を生み出すことで社会全体の発展に貢献してまいります。更には、企業としての社会的責任を十分に認識し、社員が能力や個性を発揮して活躍できる環境を整備するとともに、事業以外の分野においても、社会との関りを重視し、教育活動、地域社会への貢献、環境への取組み等に積極的に参画してまいります。また、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上を図るため、より充実したコーポレート・ガバナンス体制を構築してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
①顧客基盤・預り資産の拡大
当社グループは、内外の証券市場で売買される金融商品の販売をその事業基盤としていることから、その顧客基盤や預り資産についても、市場環境によって大きく左右されると考えております。したがって、顧客基盤や預り資産について、その達成状況を判断するための客観的な指標を設けることは困難でありますが、それらを当社グループの収益基盤の大きな柱として認識し、不断の経営努力により継続的に拡大できるよう努めてまいります。
②顧客満足度の向上
当社グループの持続的な成長のためには、提供する商品やサービスに対するお客さまの評価や満足度の向上が不可欠であります。お客さまの満足度を図る指標は、お客さまの投資パフォーマンスの向上、提供されるコンサルティングサービスの評価など、様々であり、一概に指標で提示するのは困難でありますが、お客さまの満足度を評価する指標として、「既存のお客さまによる新規顧客のご紹介」に関するものをこれまでも採用してまいりました。
新規に口座開設をしていただいたお客さまのうち、口座開設の契機が既存のお客さまによるご紹介の比率は高水準(およそ半数)にありますが、このトレンドを今後も維持できるように既存のお客さま評価や満足度をさらに高めるとともに、当社グループ自身の認知度を向上させ、新規のお客さまの獲得に努めてまいります。
③収益性
当社グループの収益性を評価する指標として考えられるものは、以下のとおりであります。
イ.資本コストと資本利益率
当社グループの資本コストは、株主資本コスト(約3.8%)及び加重平均資本コスト(約3.1%)であります。当社グループとして、当社の自己資本利益率(ROE)や投下資本利益率(ROIC)が資本コストを上回ることを目標といたします。
ロ.各収益源の利益への貢献度合(安定性)
当社グループは、市場環境に大きく影響を受けない安定した収益構造を確保するために、収益構造の多様化を図ってまいります。その成果を判断する指標としては、手数料収入、トレーディング収益、金融収支等の安定的なキャッシュフローがバランスよく貢献していることを検証することといたします。
(4)経営環境
世界経済は、2018年後半から成長スピードが減速し、今後も世界全体で減速傾向が継続すると見られております。短期的には米中貿易摩擦の激化に伴う米中貿易に依存度の高い関係諸国も巻き込んだ形で経済成長が鈍化するとともに、新興市場国や発展途上国の経済成長についても、不安定な政治情勢も相まって、減速傾向となっております。しかしながら、2019年後半には、世界的な金融心理が改善していることを背景に、安定的な成長が維持されることが見込まれております。
金融市場に目を向けると、世界的な経済成長の減速などリスクの高まりを見据えて、主要国中央銀行は金融緩和的な方向に舵を取りつつありますが、企業業績の落ち込みなどを背景に金融環境が短期的に急速に改善するとは見られておりません。このため、証券市場をその業務の中心とする金融商品取引業者の事業環境についても更なる悪化は見込まれないものの、引き続き厳しいものとなると考えております。そのような中で、若年層をターゲットとしたオンライン取引業者などの新興勢力の台頭、大手業者による預り資産の拡大戦略、顧客層の高齢化、など、当社の競争力の低下による持続的発展の脅威となる要因は多数あり、当社グループを取り巻く競争環境はさらに厳しくなると考えられます。
わが国では、国民の安定的な資産形成を実現する資金の流れへの転換を図る、いわゆる「貯蓄から資産形成」の方針が打ち出されております。更には、わが国では少子高齢化の流れが急速に早まっていることを背景に、若年層の資産形成を促進するための方策として、NISA制度やつみたてNISAの導入等が実施されるとともに、資産形成の重要性や投資の意義などを理解するための金融リテラシーの向上に向けた諸施策が採用されております。一方、国民の高齢化は着実に進行しており、それに合わせて、高齢者の資産運用のためのフィナンシャル・ジェロントロジー(金融老年学)という研究も広がりを見せつつあります。すなわち、健康寿命の延びに合わせ、資産寿命の延伸を目指そうとする動きが高まりつつあります。したがって、高年齢層の金融リテラシーの向上のための施策、資産を保全するための運用に関する適切なアドバイス、これらの世代に適合した商品の提供といった新しいニーズが生まれつつあります。
このような環境において、一定程度の資産規模を保持しているものの、人生100年時代を見据えた老後資金の確保のためにそれら資産の運用ニーズが生じている中高年齢層向けの商品やサービスを充実させることによって新たな顧客層の取り込みを行うという視点でのビジネスの拡大の可能性は一層拡大すると考えております。また、高年齢層に対しては、資産寿命を延伸させるための安定的な資産運用や資産相続アドバイスなど、総合的なコンサルティングサービスに対するニーズが高まっていると考えております。このような状況を踏まえますと、富裕層向けの金融サービスをその事業の柱としてきた当社グループとして、その独自性をさらに追求することで、その存在意義が高まり、厳しい競争環境下においても、持続可能な事業展開やビジネス拡大の可能性があると考えております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①サービスの向上
当社グループのビジネスモデルの根幹は、他社では提供できない商品やサービスをお客さまにいかに提供できるかというものにあります。その観点から、お客さまのニーズに合った商品の品揃えが充実していることが肝要でありますが、それに加えて、相続など幅広いコンサルティングサービスの内容を充実させ、かつ、お客さまからの信頼を得る必要があります。そのためには、営業員をはじめとして、役職員全体の教育・人材育成が重要な課題であります。役職員がその業務を遂行するうえで必要とされる様々な資格の取得を支援するとともに、若年研修、リーダー研修などの研修プログラムを充実させ、お客さまの期待に応えられるような人材の育成や拡大を図ってまいります。
②顧客基盤の拡大
当社グループが今後とも安定的に成長していくためには、顧客基盤の維持拡大が不可欠であると認識しております。すなわち、既存のお客さまの高齢化を踏まえて、保有資産の次世代へのスムースな継承のための助言や当社グループが提供する商品やサービスを必要とする新たな顧客層の掘り起しが喫緊の課題であります。そのためには、商品やサービスの量的質的な向上を図るとともに、当社グループの独自性を評価いただける潜在的なお客さま層の開拓が必要であると考えております。
今後は、ターゲットとすべきお客さま層を絞り込むとともに、必要とされる商品やサービスを見極めることが必要となります。当社グループとして、サービスを提供する人材の能力向上に加えて、新たな提供商品を選別するための能力やネットワークの拡充に向けて努力してまいります。
③働き方改革
当社グループが将来も安定的に業務を継続するためには、人的資本の確保が重要であると考えております。そのために、人事制度の改正や職場環境の改善に努めてまいりました。今後も、差別のない人事制度の実施や人材登用を行っていくとともに、あらゆる面で役職員が働きやすい職場環境を整備することに注力してまいります。
④社会的な認知度の向上
より優秀な人材の確保、当社をご利用いただくお客さまの拡大、安定的な株主構造の構築及びビジネスパートナーとの良好な関係の維持などを達成するためには、より一層の当社グループの社会的な認知度の向上が必要となります。そのためには、「信は萬事の基と為す」の基本理念に立ち返り、お客さまをはじめ、全てのステークホルダーの信頼を確保するために、当社グループの事業そのものが国民の資産形成に資するように尽力するとともに、様々な面での社会貢献を行ってまいる所存であります。

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