当事業年度の国内株式市場は、2018年3月に米政府が中国に対する大幅な関税引き上げを発表したことを受けて日経平均株価が急落し、その後値を戻した21,400円台で開始しました。その後、米長期金利の上昇を受けた円安ドル高の進行や、国内主要企業の好調な決算発表などを受けて株価は緩やかに上昇を続け、5月下旬に3ヵ月ぶりに23,000円を回復しました。7月には、米国による中国への追加関税発動などを背景に21,500円台まで下落しましたが、米株式市場の堅調な動きや円安ドル高の進行を受けて反発すると、その後も米中貿易摩擦への過度の警戒感が後退したことなどから続伸し、9月には8カ月ぶりに24,000円を回復しました。しかし、10月に入ると、米中間の緊張の高まりや米長期金利の上昇による景気減速への警戒感から世界的な株安となり、中国経済の減速懸念なども背景に21,000円台まで下落しました。11月には22,000円台に値を戻しましたが、12月下旬には米FRBの利上げに伴う米株価、原油価格の下落等を受け、19,100円台まで急落しました。年明け以降は、米中貿易交渉の進展期待や米金融引き締めによる景気後退懸念が和らいだこと、中国の景気刺激策への期待などから株価は緩やかに上昇し、2月中旬に21,000円を回復しました。その後は、欧州の景気減速懸念や英国のEU離脱を巡る動向への警戒感などから様子見ムードが広がり、3月末の日経平均株価は21,205円で取引を終えました。 このような市場環境の中で、二市場(東京、名古屋の各証券取引所)合計の株式等売買代金は、前事業年度と比較して4%減少しました。当社の主たる顧客層である個人投資家についても、主に米中貿易摩擦を背景とした先行きへの不透明感や、昨年12月の株価急落の影響から積極的な売買が手控えられ、二市場全体における個人の株式等委託売買代金は同14%減少しました。その結果、二市場における個人の株式等委託売買代金の割合は、前事業年度の19%から17%に低下しております。当社の株式等委託売買代金についても低調に推移し、同20%の減少となりました。 当事業年度における当社の取組みとしては、株式取引において、価格改善サービス「ベストマッチ」や「貸株サービス」を開始したほか、全ての気配値を閲覧できる「フル板情報サービス」の提供やIPO(新規公開)、PO(公募・売出し)の申込手順の改善、入金サービスの拡充など、取引の利便性向上に努めました。投資信託については、購入時の銘柄選びや保有する銘柄の見直しをサポートする新たなロボアドバイザー「投信提案ロボ」「投信見直しロボ」の提供を開始したほか、若年層の資産形成を後押しすることを目的に、株式会社MILIZEと共同開発したライフプランシミュレーションツール「松井FP」の提供を開始しました。また、投資未経験者に投資を身近に感じてもらい、将来に向けた資産形成を後押しすることを目的として、当社独自のポイントサービス「松井証券ポイント」を開始しました。その他、マーケットの変動通知や注文発注に対応したFX向けLINE公式アカウントの開設や、音声による情報提供サービス「Amazon Alexa」に対応するスキルの提供開始など、新たな情報ツールや取引チャネルの拡充にも注力しました。 以上を背景に、当事業年度においては、株式等委託売買代金の減少により受入手数料が14,986百万円(対前事業年度比21.0%減)となりました。また、金融収支も同5.0%減の9,798百万円となりました。
この結果、営業収益は27,313百万円(同15.2%減)、純営業収益は25,999百万円(同14.7%減)となりました。また、営業利益は13,451百万円(同27.4%減)、経常利益は13,592百万円(同27.1%減)、当期純利益は9,562百万円(同25.9%減)となりました。
収益・費用の主な項目については以下の通りです。
2019/06/17 16:25