有価証券報告書-第83期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/26 15:35
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136項目

有報資料

東京海上グループは、「リスク」、「資本」および「リターン」の関係を常に意識し、リスク対比での健全性と収益性を両立しながら高いROEをめざす「リスクベース経営(ERM:Enterprise Risk Management)」を行っています。
〇リスクベース経営(ERM)のイメージ図
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具体的には、リスクアペタイト・フレームワークを起点に、事業計画の策定および検証ならびに事業計画に基づいた資本配分計画を決定するERMサイクルにより「リスク」、「資本」および「リターン」を適切にコントロールし、企業価値の持続的な拡大をめざしています。
〇ERMサイクルのイメージ図
0102010_008.png(注)1.環境変化等により新たに現れるリスクであり、従来リスクとして認識されていないものおよびリスクの程度が著しく高まったものをいいます。
2.財務の健全性、業務継続性等に極めて大きな影響を及ぼすリスクをいいます。
当社は、このサイクルのもとでERMを推進することにより、健全性を確保しつつ、再保険の活用等により限られた資本を有効に活用して収益性(資本効率)の向上を図っています。
(1)定性的リスク管理
事業運営を行うなかで直面する様々なリスクを網羅的に把握して対応するため、エマージングリスクの洗出しならびに重要なリスクの特定、評価および対応策のPDCAを行い、毎年取締役会に報告しています。
○重要なリスクの一覧
重要なリスクシナリオ
法令・規制への抵触/コンダクトリスク・保険業法、競争法(独占禁止法、不正競争防止法等)、個人情報保護、マネー・ローンダリング防止、米中対立やウクライナ戦争に関連した経済制裁強化等に関する規制等に抵触し、行政処分、罰金等を科されるとともに、レピュテーションを毀損する。
・業界・企業慣行と世間の常識の乖離や重要法令への意識・知識不足、健全な企業文化の醸成・浸透の不十分さ等により、顧客に不利益が発生すること、当社の取組みが社会から不適切とみなされることにより、レピュテーションを毀損する。
経済・金融危機・リーマンショック級の世界金融危機、地政学リスクや大規模災害等に起因する金融・資本市場の混乱等により、当社保有資産の価値が下落する。
・政府への信認毀損による日本国債暴落、ハイパーインフレーション等により、当社保有資産の価値が下落する。
巨大地震・首都直下地震、南海トラフ巨大地震が発生し、人的・物的被害が甚大となり、当社の事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。
巨大風水災・セカンダリーペリル
(含む気候変動物理的リスク)
・巨大台風や集中豪雨の発生や、雹災・森林火災・洪水等のセカンダリーペリルの多発により、物的被害が甚大となり、当社の事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。
火山噴火・富士山噴火等が発生し、降灰等により物的被害が甚大となり、当社の事業を含む社会や経済活動が停滞するとともに保険金支払が多額になる。
新ウイルスのまん延・致死率の高い感染症がまん延し、保険金支払が多額になる。
インフレーション・原材料費の高騰や世界的な物価の急激な上昇等により、保険金支払単価が上昇し、リスクに見合った商品改定や再保険調達ができず保険引受利益が減少する。
地政学リスク・国家間の対立が軍事衝突に発展し、人的・物的被害が甚大となり、当社の事業を含む社会や経済活動が停滞する。
・国際秩序の乱れにより事業環境が悪化し、当社の事業を含む社会や経済活動が停滞する。
システム障害・当社や販売チャネルのシステムが障害等により長期間停止し、事業継続に重大な影響が生じる。また、レピュテーショナルリスクの顕在化によって企業価値を毀損する。
サイバーリスク・多くの当社顧客やそのサプライチェーンがサイバー攻撃を受け、保険金支払が多額になる。
・当社や外部委託先のシステムがサイバー攻撃を受け、事業活動の停止による保険引受利益の減少や情報漏えいによるレピュテーションの毀損が発生する。
当社事業におけるディスラプション・デジタルトランスフォーメーション、AI、革新的な新規参入者、モビリティ産業の構造転換等により、当社事業領域でのディスラプションが発生し、ビジネスモデルの競争優位性が失われ、収入保険料や利益が大きく減少する。
重要情報の漏えい・不正取得・従業員による他社の重要情報の不正取得、従業員や外部委託先社員の不正持出し等により重大な情報漏えいが発生し、お客様からの信頼を失い、レピュテーションを毀損する。
・当社、外部委託先および代理店に対するサイバー攻撃、クラウドシステム等における不適切なアクセス設定により大量の顧客情報が漏えいし、お客様からの信頼を失い、レピュテーションを毀損する。
販売基盤改革に伴うリスク・新たに運用が開始される代理店業務の品質評価制度に対して顧客や代理店から理解・支持を十分に得られない、またはビジネスモデル変革が想定どおり進まないことにより、顧客本位の業務運営が適切に実現できず、レピュテーショナルリスクの顕在化によって企業価値を毀損する。

(2)定量的リスク管理
格付けの維持および倒産防止の観点ならびに資本の有効活用を図る観点から、資本・リスクを一元的に管理する統合リスク管理を行っています。なお、統合リスク管理は当社を含む東京海上グループ全体で運営し、この枠組みのなかで当社の統合リスク管理態勢を整備しています。
当社が保有するリスクについて、所定のリスク保有期間および信頼水準に基づき、発生する可能性がある潜在的な損失額を定量化しています。定量化の手法としてはバリューアットリスク(VaR)(注)というリスク指標を採用しています。定量化されたリスクをもとに各事業分野に資本を配分するとともに、その範囲内で適切な事業運営を行っています。リスクが顕在化した場合においても資本の範囲内で損失を吸収できるよう、適切にリスクをコントロールしています。
また、重要なリスクのうち、経済・金融危機、巨大地震、巨大風水災および新ウイルスのまん延については経済的損失が極めて大きいと想定されるシナリオに基づくストレステストを実施し、資本十分性および資金流動性に問題がないことを確認しています。
(注)将来の一定期間のうちに、一定の確率の範囲内で被る可能性のある最大損失額のことをいいます。
(3)危機管理
定性的リスク管理および定量的リスク管理を行っていても、全てのリスクを完全にコントロールすることは困難であり、また、自然災害のように発生を抑えることが不可能なリスクも存在します。
そのため、有事に際して被る経済的損失等を極小化し、迅速に通常業務へ復旧するため、危機管理態勢や緊急事態時アクション等を整備しています。
さらに、自然災害やサイバー攻撃等、緊急事態(注)となり得る事象を想定した模擬訓練を実施し、緊急事態時の実践力・応用力も高めています。
(注)当社と顧客・代理店等の利害関係者との関係に重大な影響が生じる事態または当社の業務に著しい支障が生じると判断される事態です。具体的には、自然災害、パンデミック、システム障害、サイバー攻撃、重要情報の漏えい、重大な法令違反および業務停止命令等、重要なリスクの発現やそれに準じた事態の発生を想定しています。
なお、本項の記載には将来に関する事項が含まれていますが、当該事項は本有価証券報告書提出日現在において判断したものです。

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