有価証券報告書-第107期(2023/04/01-2024/03/31)
対処すべき課題
文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、MS&ADインシュアランスグループの目指す姿として「経営理念」、「経営ビジョン」、「行動指針」を次のとおり定めております。
<経営理念(ミッション)>グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えます
<経営ビジョン>持続的成長と企業価値向上を追い続ける世界トップ水準の保険・金融グループを創造します
<行動指針(バリュー)>『お客さま第一』
わたしたちは、常にお客さまの安心と満足のために、行動します
『誠実』
わたしたちは、あらゆる場面で、あらゆる人に、誠実、親切、公平・公正に接します
『チームワーク』
わたしたちは、お互いの個性と意見を尊重し、知識とアイデアを共有して、ともに成長します
『革新』
わたしたちは、ステークホルダーの声に耳を傾け、絶えず自分の仕事を見直します
『プロフェッショナリズム』
わたしたちは、自らを磨き続け、常に高い品質のサービスを提供します
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社(単体)の「正味収入保険料」、「正味損害率」及び「正味事業費率」の2024年度見込み及び2023年度実績は次のとおりであります。
(3) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
今後のわが国を含む世界経済は、景気の緩やかな回復が持続することが期待される一方、中国経済の先行き懸念など海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクが懸念されます。
損害保険業界においては、企業保険分野における保険料調整行為と大手中古車販売店による自動車修理費の不正請求の2つの問題が相次いだことを受け、損害保険業界への信頼を回復するための徹底した取組みを行うことが急務となっております。
当社は、企業保険分野における保険料調整行為に関して、2023年12月、金融庁より保険業法に基づく業務改善命令を受け、業務改善計画を策定しました。この事態を厳粛に受け止め、グループのMVV※に立ち返って全役職員及び代理店・業務委託先の行動を見直すとともに、コンプライアンスの徹底・ガバナンスの強化など再発の防止と経営・業務の改善の取組みを全役職員一丸となって進めてまいります。
※ 経営理念(ミッション)、経営ビジョン、行動指針(バリュー)
その実現に向け、中期経営計画第(2022-2025)2ステージでは、「国内損保事業の構造変革」、「海外事業の収益拡大」、「資産運用利益の拡大」、「新たなビジネスの創造」、「グループシナジーの発揮」を5つの基本方針とした重点施策の実行に引き続き取り組むとともに、業務改善計画の内容を踏まえ、従来の事業のあり方を見直し、「お客さま本位」と「法令遵守」を全ての事業活動の根幹に据えて、「品質の強化」「コーポレートガバナンスの強化」「コンプライアンス体制の強化」「人財の強化」「ERMの強化」を基盤としつつ、「グループMVVの浸透と行動変革」「カルチャー変革」「提供価値の変革」「アンダーライティングの変革」「リスク予見・予兆検知の強化と評価・対応の変革」に「政策株式売却益の戦略的活用」を加えた、「ビジネススタイルの大変革」を確実に実行してまいります。
なお、上記のうち、5つの基本方針に基づく重点施策の内容については、「第4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。
<ビジネススタイルの大変革>
<経営基盤>
また、当社は、MS&ADインシュアランスグループが2030年に目指す社会像として掲げる「レジリエントでサステナブルな社会」を実現すべく、引き続き多様なステークホルダーと連携し、社会課題の解決に取り組んでまいります。
これらを通じ、当社は、MS&ADインシュアランスグループの一員として、持続的成長と企業価値向上を追い続ける世界トップ水準の保険・金融グループの創造に邁進してまいります。
<当社が目指す姿>
<当社のサステナビリティの実現に向けた主な「当社課題」>
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、MS&ADインシュアランスグループの目指す姿として「経営理念」、「経営ビジョン」、「行動指針」を次のとおり定めております。
<経営理念(ミッション)>グローバルな保険・金融サービス事業を通じて、安心と安全を提供し、活力ある社会の発展と地球の健やかな未来を支えます
<経営ビジョン>持続的成長と企業価値向上を追い続ける世界トップ水準の保険・金融グループを創造します
<行動指針(バリュー)>『お客さま第一』
わたしたちは、常にお客さまの安心と満足のために、行動します
『誠実』
わたしたちは、あらゆる場面で、あらゆる人に、誠実、親切、公平・公正に接します
『チームワーク』
わたしたちは、お互いの個性と意見を尊重し、知識とアイデアを共有して、ともに成長します
『革新』
わたしたちは、ステークホルダーの声に耳を傾け、絶えず自分の仕事を見直します
『プロフェッショナリズム』
わたしたちは、自らを磨き続け、常に高い品質のサービスを提供します
(2) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標
当社(単体)の「正味収入保険料」、「正味損害率」及び「正味事業費率」の2024年度見込み及び2023年度実績は次のとおりであります。
2024年度見込み | (2023年度実績) | ||
正味収入保険料 | 1兆6,638億円 | (1兆6,233億円) | |
正味損害率 | 68.2% | (65.6%) | |
正味事業費率 | 32.2% | (32.7%) |
(3) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
今後のわが国を含む世界経済は、景気の緩やかな回復が持続することが期待される一方、中国経済の先行き懸念など海外景気の下振れがわが国の景気を下押しするリスクが懸念されます。
損害保険業界においては、企業保険分野における保険料調整行為と大手中古車販売店による自動車修理費の不正請求の2つの問題が相次いだことを受け、損害保険業界への信頼を回復するための徹底した取組みを行うことが急務となっております。
当社は、企業保険分野における保険料調整行為に関して、2023年12月、金融庁より保険業法に基づく業務改善命令を受け、業務改善計画を策定しました。この事態を厳粛に受け止め、グループのMVV※に立ち返って全役職員及び代理店・業務委託先の行動を見直すとともに、コンプライアンスの徹底・ガバナンスの強化など再発の防止と経営・業務の改善の取組みを全役職員一丸となって進めてまいります。
※ 経営理念(ミッション)、経営ビジョン、行動指針(バリュー)
その実現に向け、中期経営計画第(2022-2025)2ステージでは、「国内損保事業の構造変革」、「海外事業の収益拡大」、「資産運用利益の拡大」、「新たなビジネスの創造」、「グループシナジーの発揮」を5つの基本方針とした重点施策の実行に引き続き取り組むとともに、業務改善計画の内容を踏まえ、従来の事業のあり方を見直し、「お客さま本位」と「法令遵守」を全ての事業活動の根幹に据えて、「品質の強化」「コーポレートガバナンスの強化」「コンプライアンス体制の強化」「人財の強化」「ERMの強化」を基盤としつつ、「グループMVVの浸透と行動変革」「カルチャー変革」「提供価値の変革」「アンダーライティングの変革」「リスク予見・予兆検知の強化と評価・対応の変革」に「政策株式売却益の戦略的活用」を加えた、「ビジネススタイルの大変革」を確実に実行してまいります。
なお、上記のうち、5つの基本方針に基づく重点施策の内容については、「第4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」に記載しております。
<ビジネススタイルの大変革>
グループMVVの浸透と行動変革 | グループMVVの浸透を図るとともに、これまでの価値観を見つめ直し、社員一人ひとりの行動を適切に変革していきます。 | |
カルチャー変革 | お客さま本位・法令遵守を根幹として、社員が気づきや疑念の声を上げやすい「言える企業文化」や社員が主体的に「改革にチャレンジする風土」を醸成していきます。 | |
提供価値の変革 | 「マーケット慣行の変革」を実現し、適正な競争環境の中で、当社の提供価値を変革することで、お客さまから選ばれ続けるリスクソリューションのプラットフォーマーを確立していきます。 | |
アンダーライティングの変革 | 部門横断のリスク関連情報の連携強化、データ活用の強化、採算管理の強化、および全社的なリスクリテラシーの向上により、アンダーライティングを変革していきます。 | |
リスク予見・予兆検知の強化と評価・対応の変革 | 「施策・業務の遂行により生じる可能性があるリスクを特定(予見・予兆検知)・評価し、必要な対応を講じた上で、実行に移す」ことを全社的に強化し、習慣化していきます。 | |
政策株式売却益の戦略的活用 | 大規模な政策株式売却益を、株主還元とのバランスを取りながら、将来に向けた当社の持続的成長と企業価値向上、および全社員の成長とエンゲージメント向上の源泉として最大限に活用していきます。 |
<経営基盤>
経営基盤 | 主な内容 | |
品質の強化 (お客さま本位) | ・「お客さま本位の業務運営」の徹底 ・第二線による第一線の声の積極的な収集による品質向上と問題発生の未然防止 ・CX取組の推進による、お客さま満足度の向上と「好感度No.1」の実現 | |
人財の強化 (人事改革) | ・リスキル・アップスキルや新たなチャレンジを評価する人事制度・運営への見直しによる「言える企業文化」と「改革にチャレンジする風土」の醸成 ・スキルを重視した人事制度と新たな人事異動方針による個の強化と適所適財による組織の強化、および多様性(女性・若手・外国人等)の確保 ・残業を前提とした働き方からの脱却 | |
コーポレートガバナンスの強化 | ・事業執行に伴い経営に重大な影響を与える事象は、ビジネスモデル・経営戦略と表裏一体で生じることを踏まえたリスク評価に基づく経営の意思決定の徹底 ・取締役会の自己評価や外部評価の実施、および第一線状況の更なる理解による取締役会の機能向上 ・取締役会での監査役会報告の充実等による監査役監査の機能強化 ・第三線の「経営戦略に資する助言を提供する」機能への高度化 | |
コンプライアンス体制の強化 | ・コンプライアンスプログラムの見直しや社員のコンプライアンス意識の向上 ・違反行為に対する規律の徹底によるコンプライアンス取組の実効性の向上 ・第二線における外部知見の活用や人財多様性の確保によるリスクの予見・予兆検知および評価と対応の強化 | |
ERM(統合的リスクマネジメント)の強化 | ・リスク・リターン・資本の一体的管理を通じた資本の十分性と効率性の追求による、財務健全性の確保と資本効率の向上 ・ROR向上や事業ポートフォリオ分散の推進による、事業環境が変化する中でも安定的な利益が期待できるバランスのとれたリスク構成と収益基盤の構築 |
また、当社は、MS&ADインシュアランスグループが2030年に目指す社会像として掲げる「レジリエントでサステナブルな社会」を実現すべく、引き続き多様なステークホルダーと連携し、社会課題の解決に取り組んでまいります。
これらを通じ、当社は、MS&ADインシュアランスグループの一員として、持続的成長と企業価値向上を追い続ける世界トップ水準の保険・金融グループの創造に邁進してまいります。
<当社が目指す姿>
目指す姿 | 未来にわたって、世界のリスク・課題の解決でリーダーシップを発揮するイノベーション企業
|
<当社のサステナビリティの実現に向けた主な「当社課題」>
持続的な保険引受利益の拡大 | 保険会社本来の役割を発揮し、お客さまに選ばれ続けることで持続的な成長を実現するために、国内損保・海外事業でのトップライン、アンダーライティング、適正な保険金支払・リスクマネジメント力の強化、事業費率の改善等が必要となる。 | |
最適なリスク分散・資本効率と収益源の多様化 | 適正な資本効率と利益を確保し続けていくため、ROE向上、地域のポートフォリオ変革(リスク分散)、新たな収益源の拡大(新規事業投資、資産運用強化)等が必要となる。 | |
環境変化に対応できる経営基盤の構築 | 事業環境の不確実性が高まっている中で、持続的な成長を図るためには、お客さま本位の業務運営やイノベーション創出に向けた人財の育成、コーポレートガバナンス、コンプライアンス、ERMの強化等が必要となる。 | |
グループシナジーの更なる発揮 | グループの多様性やノウハウ、効率化の施策を活かした持続的成長に向けて、グループ会社や海外拠点との更なるシナジーの発揮による優位性の確保が必要となる。 |