有価証券報告書-第46期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)

【提出】
2022/03/22 15:24
【資料】
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【項目】
136項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループの経営の基本方針は、法令遵守の精神と長年にわたり地域密着に徹することにより築かれた信頼と信用でお客様第一主義の下、人と不動産の接点に生じるあらゆるニーズに関し、真にお客様の立場に立ったコンサルティングを行うことで、より多くのお客様の満足の実現や住生活の夢の実現に貢献することにあります。
お客様により満足していただくために、
①新鮮で透明性の高い豊富な物件情報の中から、お客様の希望に適った情報と不動産に関する専門知識の提供
②安心・安全・確実な不動産取引とリフォーム・リノベーションによる快適な居住空間の提供
③ITを活用した的確でスピーディな対応
④不動産仲介から派生する改装・建設・賃貸管理・鑑定・保険、専門知識と豊富な経験に基づくノウハウ等の不動産に関するサービスをワンストップで提供する総合力
⑤上記を実行できる社員の育成
を継続して実践してまいります。
株式会社日住サービスの社名が示すとおり、サービスの提供に努め顧客満足度の向上に日々努力を重ね取り組んでおります。
当社は、不動産仲介という社会的使命を担いつつ、創業時の理念に則りお客様第一主義を基本として、今後も地域社会に貢献していきたいと考えております。
(2) 経営戦略等
当社グループは、地域に密着した営業活動を行ない、京阪神エリアの地盤の一層の強化と関連業務の推進、強化を図ってまいります。
その施策として、次のことを実施します。
① 売買・賃貸仲介業務取り扱いの拡大
当社グループは、不動産売買・賃貸仲介業務を中心に改装・建設・賃貸管理・鑑定・保険等を行っております。特に、主要な不動産売買・賃貸仲介の取り扱い拡大は、他の業務への相乗効果が生じ売上、利益の増加へとつながっていきます。一人でも多くのお客様に喜んでいただくために、今後も売買・賃貸仲介の拡大に努め、取扱件数の増加に積極的に取り組んでまいります。
当社グループでは、マンションを対象とした住宅設備検査保証付仲介に加えて、一定要件の一戸建仲介物件を対象に、当社建築士による建物検査と既存住宅かし保証保険の取り組みを推進しております。
中古住宅の売買を検討されるお客様へ、安心・安全かつ快適な住まい造りをお手伝いするために、当社建築士による建物検査結果を踏まえたリフォームの提案等により、中古住宅の資産価値向上にワンストップで取り組んでおります。
今後とも新築に比べて利便性や経済的に優れた既存住宅にリフォームの提案をして安心で安全、快適な優良中古住宅を提供していくことに取り組んでまいります。また、有効活用等の長期にわたる案件や大型仲介、事業用仲介案件にも積極的に取り組んでまいります。
また、敷地の境界については、従来から取り組んでおります第三者機関の土地家屋調査士による現況境界調査に注力してまいります。
② 不動産賃貸収入の取り扱いの増大
不動産賃貸収入につきましては、駅近等の好立地の新築を中心とした賃貸住宅のサブリース(一括借上)、月極め駐車場や空き地を対象に、当社のコインパーキングによる借上げにも積極的に取り組んでまいります。
③ リフォーム、リノベーションの強化と新築請負
お客様へのサービス向上のため、売買では購入時のリフォームの提案による経済的で快適な居住空間の提供、賃貸では入退去時のリフォームや安定した賃貸経営や資産価値向上を目的とした大規模修繕工事等のリノベーションの提案にも取り組み、不動産仲介とリフォーム・リノベーションを組み合わせたコンサルティング営業に取り組んでまいります。また、長期優良住宅の販売によるノウハウを生かし新築住宅の請負にも注力してまいります。
④ 不動産売上の増大
快適な住みごこちを重視し、間取り、外観等にこだわった断熱性や耐震性に優れた長期優良住宅を中心とした高品質の新築建売住宅の販売や一次取得者を対象に中古マンションを全面リフォーム工事をして家賃並みの支払いで購入できる価格帯での提供に積極的に取り組んでまいります。
⑤ 情報化への対応
消費者が情報を入手するデバイスにおいて、スマートフォンの利用割合が年々高くなる中で、より見やすく検索しやすくするため、自社ホームページのレスポンシブ化及びデザインの刷新と共に操作性を向上する改修を抜本的におこないました。また、コロナ禍の影響もあり、急速に進んだ仮想空間での物件見学を可能にするため、バーチャル内見ツアー機能を導入実装しました。
その他、お客様からの反響取得を従来紙媒体広告に大きく依存しておりましたが、地球環境保護と資源消費の抑制に寄与するため、これを大幅削減すべくウェブサイト施策にシフトすることを決定し、2020年12月より開始しました。また、これに伴い、売却依頼情報取得のために、不動産売却一括査定サイト運営会社との利用連携を増やすこととしました。
なお、今後数年に渡りデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進するため、既存システムの抜本的な見直しに取り掛かっており、リスク回避のためオンプレミス環境からの脱却を進める予定です。
また、お客様に対し、よりタイムリーかつ細やかな対応を実現するため、マーケティングオートメーションの導入も検討していきます。
⑥ 賃貸管理業務の強化
不動産管理収入は、継続した収入が見込めるため、地元に密着した各営業部店の賃貸斡旋業務の中から、賃貸一棟、駐車場、戸建住宅等の管理受託の拡大を図ってまいります。
今後とも、24部店の利点を活かし、オーナー様と入居者様にご満足いただけるよう「二元体制サービス」(各部店と賃貸管理部の連携)を推進してまいります。
また、集金代行付家賃滞納保証サービスの推進を徹底してまいります。
社会問題となっている「空き家」につきましては、営業エリア内の空き家を対象とした巡回サービスにも取り組んでおります。
また、高齢化が進むわが国の高齢入居者問題に対応するため、“24時間対応の5つの安心“をプラスしたシニアライフサポートシステムを導入しました。
⑦ 周辺ビジネスの拡大等
不動産取引に附随する火災保険を中心とした損害保険、不動産鑑定や引越紹介等の周辺ビジネスにも積極的に取り組んでまいります。
⑧ 人材の育成
不動産専門知識はもとより、お客様が満足し、信頼をいただけるための人材育成教育にも注力してまいります。
(3) 目標とする経営指標
当社グループでは、目標とする経営指標として、収益性においては「営業利益」を、安全性においては「自己資本比率」を掲げております。
「営業利益」については、当社グループを構成するセグメントの性質から事業本来の収益力並びに進捗率を表す指標が「営業利益」であること、安全性においては財務基盤の強化と金利変動リスクを回避する観点から「自己資本比率」を重視しております。
(4) 経営環境及び対処すべき課題
今後の見通しとしましては、現時点では国内外における新型コロナウイルス感染症の収束の見通しが立っておらず、ウィズコロナ期間が長期化されることが想定される等、不透明な経営環境が続くことが見込まれます。
このような事業環境のなか、当社グループは、「不動産のあらゆるニーズに応えるワンストップサービス」の提供とその業務品質の向上に努めたことにより、2020年に引き続き「2021年 オリコン顧客満足度調査『不動産 購入 マンション 近畿』」において2年連続第1位を受賞いたしました。
引き続き政府の方針に沿って、必要な感染防止策を最優先に、安心して施設やサービスをご利用いただけるよう取り組み、当社を取り巻くステークホルダーの皆様とともに乗り越えていくために、「地域とともに、成長する。」総合不動産流通企業を目指し、不断の努力を続けてまいります。
また、当社が社会とともに持続的な成長を実現していくためには、環境への取り組みが今後の事業に欠かせない責務であると同時に、大きなビジネスチャンスをもたらすものであると認識しております。自然と共生、調和したまちづくりの実現を通じて、心身ともに健やかなライフスタイルの提案に取り組み、持続的な成長を目指してまいります。
安定的な収益の確保と企業価値の向上を図るため ①DX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組み ②リフォーム事業の積極展開 ③賃貸管理事業の多様化 ④人材育成と強固な組織体制の構築 ⑤財務基盤の安定化を、重要な課題として引き続き取り組んでまいります。
女性の活躍推進やグローバル人材、IT人材の育成等、働き方改革にも継続的に取り組むことで、多様な人材が活躍できる社会の実現を目指してまいります。さらに、内部管理体制の強化等、引き続きコーポレートガバナンスを充実させ、企業価値の向上に一層努めてまいります。