訂正有価証券報告書-第27期(2019/09/01-2020/08/31)
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は企業統治とは、株主、従業員、取引先、地域社会等のステークホルダーへの社会的責任を果たすために、取締役会の活性化と監査役による経営陣に対する監視等によって企業価値の向上を図る仕組みであり、その充実を経営の最重要課題の一つと位置づけ、東京証券取引所が定めるコーポレートガバナンス・コードを尊重し、経営の健全性、透明性及び効率性を確保できる経営体制の構築に努めております。
しかし、下記に記載した当社における企業統治の体制及びコーポレート・ガバナンス体制の不備は、当社の経営の健全性、透明性及び効率性に重要な影響を及ぼす不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社の企業統治の体制及びコーポレート・ガバナンス体制は有効でないと判断いたしました。
記
当社は、2021年3月25日、当時代表取締役であった小池信三氏が、当社が解体工事を発注した業者に対する工事代金として発行した小切手約189万円を、第三者を介すなどして東京都暴排条例に定める規制対象者である指定暴力団住吉会系の暴力団組員(以下「本規制対象者」といいます。)に交付した事実を理由として、2023年6月20日、東京都公安委員会から勧告を受けたことから、第三者委員会を設置し、同事実及び類似事案の有無に関する調査を行ってまいりました。その結果、小池信三氏が、独自の判断によって、当社の特定の従業員を介して本規制対象者の便宜を図ったり、同者にトラブルの交渉を委ねたり、同者から紹介された業者を当社の取引に関与させて本規制対象者に経済的利益を供与したなどの事実が認められることが判明し、過年度決算の訂正をすることとしました。
また、東京都公安委員会からの勧告に関連した警察当局からの捜査協力として、取引を精査している過程で、勧告の事実とは別に、過年度の一部の収益不動産の販売取引について、売上計上時期の適切性の検討を要する事象が発見されたことから、当社において本件取引について調査を実施した結果、売上計上の時期について不適切な会計処理がなされていることが発覚しましたので、当社の会計監査人である太陽有限責任監査法人と決算処理について協議を行い、過年度決算の訂正を行うこととしました。当該取引は、当時の代表取締役社長小池信三氏が、2018年8月に、当時当社が保有していた収益不動産5物件について、合計約32億円で、販売先に対し口頭で、当該収益不動産は当社が責任をもって転売先を見つけ、売却する旨約し、販売したところ、小池信三氏がかかる口頭合意の存在を、経理を担当する当社管理部門に秘していたため、当社管理部門は当該取引を当該口頭合意のない単純な売買契約と誤認し、2018年8月に売上を計上したものであります。かかる口頭合意の存在する状況では、2018年8月の販売先への販売の時点では、当社には、依然として当該収益不動産の転売先を見つけ、売却する義務が残っているため、財の移転が完全に移転したとはいえないため、実現主義の原則からは、2018年8月の当社による販売の時点では売上を計上するのは適切ではなく、実際に販売責任を果たし(当社が転売先を見つけ、当該収益不動産を転売先に売却できたとき)、実現主義の原則の2要件である財の移転及び対価の授受を満たした(上記口頭合意を履行した)2019年11月時点で売上を計上すべきであったと判断し、過年度決算の訂正を行うこととしました。
東京都公安委員会から勧告に関する事象に関しては、第三者委員会の調査結果により、①小池信三氏のコンプライアンス意識が決定的に欠如していたこと、②当社内において、同氏に対して反対意見を述べることができない社内の風土があったこと、③同氏が本規制対象者と何らかの関係性を有していたことを認識していた又は認識し得た同氏以外の役職員においても、反社会的勢力との関係遮断という観点のコンプライアンス意識が十分でなかったこと、④役職員から社外役員への情報連携の仕組みが不十分であったこと、および、⑤コンプライアンスチェック体制に不十分な点があることに対して社内での見直しが十分になされていなかったことが発生原因として考えられると指摘されており、内部統制が有効に機能しておりませんでした。また、売上計上の時期について不適切な会計処理がなされている事象についても、上記①および②が発生原因であると考えられ、内部統制が有効に機能しておりませんでした。
当社は、2023年6月20日付け「当社に対する東京都公安委員会からの勧告及び代表取締役社長その他取締役の異動について」のとおり、上記勧告を受けた同日中に、当時代表取締役社長であった小池学氏及び取締役であった吉野満氏が小池信三氏の影響を受ける者であったためその辞任申入れを了承し、同氏の影響を受けない千葉理恵を代表取締役に選任し、コーポレート・ガバナンス体制の見直しを図ってまいりましたが、第三者委員会による更なる提言を真摯に受け止め、内部統制に開示すべき重要な不備であると認識し、それを是正するため、①小池信三氏による経営及び役職員に対する影響力を排除し、大株主としての影響力を排除もしくは抑止するような措置について検討すること、②当社及びそのグループ会社のすべての役職員に対して、経営トップからの問題意識の伝達や、研修の実施などを通じて、反社会的勢力との関係遮断の必要性及び重要性等について意識を浸透させるような手段を講じること、③取締役会の構成員たる各取締役が、重要な情報を隠さず、自由に発言し闊達な議論を行えるよう、ワンマンな経営体制から脱却し、実効性の高い監督機能の強化を推進すること、④内部通報制度における通報の宛先として社外役員を加えたり、一般の従業員にとっても社外役員を身近に感じてもらえるような工夫を講じたりするなどして、反社会的勢力との関係性が疑われる事象を含めた重大な問題について社外役員への情報連携が十分になされる仕組みを構築すること、⑤コンプライアンスチェック体制について、エビデンスの添付を要するシステムの構築、コンプライアンスチェック担当部署の担当者の業務内容・業務量の調整・必要な人員の拡充・会社とは利害関係のない外部業者の活用等の検討、コンプライアンスチェックにおける判断理由の明確化、直接的な取引先以外のものへの反社チェックや直接的な取引先からの取引先や関係者が反社会的勢力に該当しない旨の、法的拘束力をもつ誓約書の取得を行うことにより、これを強化していくこと、⑥口頭発注防止などの社内ルール順守の徹底・契約書チェック体制の見直し・書類管理体制の見直し等の社内体制の見直しを行うこと等により適正な内部統制の整備・運用を図ってまいります。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社における企業統治の体制は、提出日現在、取締役8名(うち社外取締役2名)により取締役会を、監査役3名(うち社外監査役3名)により監査役会を構成しております。さらに、コンプライアンス、経営上の重要なリスク及び取締役や従業員の職務の執行が法令及び定款等に適合することを確保するための体制等を構築しております。具体的な体制等は、以下のとおりであります。
イ.取締役会
取締役会は、小池信三(議長。代表取締役社長)、小池学、吉野満、千葉理恵、吉川和男、宮本宜一、船山雅史(社外取締役)及び西村尚純(社外取締役)によって構成されており、経営の基本方針、法令及び定款で定められた事項やその他経営に関する重要事項を決議するとともに、各取締役の業務執行状況の監督を行っておりましたが、小池信三氏が創業者かつ大株主でありワンマンな経営体制になることに伴う内部統制の無効化リスクに対し、実効性の高い監督機能を果たしておりませんでした。また、2022年9月の捜査が行われるまでの間、当社及び当社グループの役職員は、小池信三氏と反社会的勢力との関係について何らかの認識をした際に、これを取締役会等で問題として取り上げて議論の俎上にあげることも出来ておりませんでした。
また、原則月1回の定例取締役会のほか、必要に応じて機動的に臨時取締役会を開催し、迅速かつ柔軟に経営判断できる体制となっております。
業務執行決裁につきましては、職務権限規程(その別表)に基づき、取締役会付議事項は、取締役会にて決議、その他は、稟議書等により、代表取締役及び業務執行権限者が意思決定をしております。
ロ.監査役会
監査役会は、土肥正文(議長。常勤社外監査役)、秋山法(社外監査役)及び池内稚利(社外監査役)の3名で構成されており、原則月1回定例開催し、年間の監査方針・監査計画を立案し、取締役の職務の執行及び財産の状況の調査や監査報告の作成等重要な監査実施項目につき、各監査役の役割分担を決め、当該監査役からの監査報告の承認を行っております。また、各監査役は、取締役会及び臨時取締役会への出席、会計監査人・内部監査室からの部門別・子会社の報告や各取締役との意見交換会への参加等により、関係部署との連携強化を図っておりましたが、小池信三氏が創業者かつ大株主でありワンマンな経営体制になることに伴う内部統制の無効化リスクに対し、実効性の高い監査機能を果たしておりませんでした。
ハ.内部監査室
内部監査部門としましては、代表取締役直属の内部監査室を設置し、当社及び当社グループの業務監査を実施し、その結果を代表取締役及び関係取締役並びに監査役会へ報告し、監査役、監査役会及び会計監査人と連携し、内部統制機能の充実に努めておりましたが、形式的なチェックに止まり、社内ルールの遵守状況に関する検証が十分にできておりませんでした。また、小池信三氏の言動に内部監査が実施されておらず、これが小池信三氏に対するけん制や統制環境が十分でなかったことにつながったものと考えております。
内部監査室の構成員は、伊藤将義(室長)であります。
ニ.コンプライアンス委員会
コンプライアンス委員会は、小池学(委員長。代表取締役専務)、小池信三、吉野満、千葉理恵、吉川和男、宮本宜一、船山雅史(社外取締役)、西村尚純(社外取締役)、土肥正文(常勤社外監査役)、秋山法(社外監査役)及び池内稚利(社外監査役)、その他社長及び取締役が指名する管理職により構成され、コンプライアンス体制の推進、強化を図るため、必要に応じて随時開催することとしておりましたが、実際にはその意識が薄弱で、形骸化していたため、実態として個別に開催した実績はなく、反社会的勢力との関係遮断に関する役職員に対する研修の実施や年々増加する取引先に対するコンプライアンスチェックの強化、そのための体制拡充等を通じて役職員のコンプライアンス意識を高めたり、社外役員等を含む内部通報先の外部窓口の整備や内部通報の利用促進を図るなどの活動が十分ではなく、コンプライアンス体制の推進、強化を図ることが全くできておりませんでした。
ホ.リスク管理委員会
リスク管理委員会は、小池学(委員長。代表取締役専務)、小池信三、吉野満、千葉理恵、吉川和男、宮本宜一、船山雅史(社外取締役)、西村尚純(社外取締役)、土肥正文(常勤社外監査役)、秋山法(社外監査役)及び池内稚利(社外監査役)、その他社長及び取締役が指名する管理職により構成され、業務で発生するリスクを把握し、適切に管理を行うことにより、経営の健全性確保と安定した経営基盤の確立を図るため、必要に応じて随時開催することとしておりましたが、実際にはその意識が薄弱で、形骸化していたため、実態として個別に開催した実績はなく、社内の潜在的または顕在化したリスクを全く管理できておりませんでした。
以上のことから、経営の監視機能を果たし、経営の健全性、透明性及び効率性を図れることから、現在の体制を採用しておりましたが、有効に機能しておりませんでした。
なお、当社の経営組織及びコーポレート・ガバナンス体制を図示しますと次のようになります。

③企業統治に関するその他の事項
イ.内部統制システムの整備状況
当社は、取締役会で内部統制システムの整備に関する基本方針を定めるとともに、コンプライアンス規程等により内部統制システムの整備、運用を行っております。また、コンプライアンス体制の明確化と一層の強化推進を図るため、代表取締役を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、適宜会議を開催することとしておりましたが、実態として個別に開催された実績はなく、また、第三者委員会による調査報告書で指摘された通り、①代表取締役社長である小池信三氏において、コンプライアンス意識が決定的に欠如していたこと、②当社内において、同氏に対して反対意見を述べることができない社内の風土があったこと、③同氏以外の役職員においても、反社会的勢力との関係遮断という観点のコンプライアンス意識が十分でなかったこと、④役職員から社外役員への情報連携の仕組みが不十分であること、⑤コンプライアンスチェック体制に不十分な点があることといった点に加え、小池信三氏が内部統制を無効化しており、当社の内部統制システムは不十分な状況にありました。
ロ.リスク管理体制の整備の状況
当社及び当社グループ業務に係る経営上の重要なリスクの発生時に適切かつ迅速な対応を行い、損害を最小限に抑えられるようにするために、代表取締役を委員長とするリスク管理委員会を設置し、リスクの発生防止とリスクの軽減に努めることとしておりましたが、実態として個別に開催された実績はなく、社内の潜在的または顕在化したリスクを全く管理できておりませんでした。
ハ.当社の子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社は、グループ会社における業務の適正を確保するため、当社のグループ各社で諸規程等を定めるとともに、子会社に取締役を当社から派遣し、子会社の取締役の職務執行に関し、責任のあるガバナンス体制を確保するための監督を行っております。また、グループ会社の経営については、その自主性を尊重しながらも、事業内容及び業績等について定期的な報告を行うことにより、当社及び子会社との間での情報の共有化、相互の連絡の緊密化を図ることで内部統制システムの構築を図っております。
当社は、代表取締役直属の内部監査室を設置しており、グループに対する内部監査を実施することにより、内部統制の実効性を高めるとともに、その結果を代表取締役及び取締役会並びに監査役会に報告し、監査役会及び会計監査人との連携を図り、グループの管理体制の把握と改善に努めております。
ニ.責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定に基づき、社外取締役及び社外監査役との間において、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結できる旨を定款に設けております。
当該規定に基づき、本報告書提出日現在、社外取締役及び社外監査役との間で同法第427条第1項の規定による責任限定契約を締結しております。なお、当該契約に基づく賠償責任の限度額は、法令が規定する額としております。
当社と会計監査人である太陽有限責任監査法人は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。
当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、太陽有限責任監査法人に悪意又は重大な過失があった場合を除き、会計監査人としての在職中に報酬その他の職務執行の対価として当社から受け、又は受けるべき財産上の利益の額の事業年度ごとの合計額のうち最も高い額に二を乗じて得た額としております。
ホ.取締役の定数
当社の取締役は10名以内とする旨定款に定めております。
ヘ.取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。また、累積投票による取締役の選任については、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
ト.取締役会で決議できる株主総会決議事項
(a)中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、毎年2月末日を基準日として、取締役会の決議によって、会社法第454条第5項の規定により、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
(b)自己の株式の取得
当社は、機動的な資本政策を遂行するため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって、市場取引等により、自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
チ.株主総会の特別決議要件
会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は企業統治とは、株主、従業員、取引先、地域社会等のステークホルダーへの社会的責任を果たすために、取締役会の活性化と監査役による経営陣に対する監視等によって企業価値の向上を図る仕組みであり、その充実を経営の最重要課題の一つと位置づけ、東京証券取引所が定めるコーポレートガバナンス・コードを尊重し、経営の健全性、透明性及び効率性を確保できる経営体制の構築に努めております。
しかし、下記に記載した当社における企業統治の体制及びコーポレート・ガバナンス体制の不備は、当社の経営の健全性、透明性及び効率性に重要な影響を及ぼす不備に該当すると判断いたしました。したがって、当事業年度末日時点において、当社の企業統治の体制及びコーポレート・ガバナンス体制は有効でないと判断いたしました。
記
当社は、2021年3月25日、当時代表取締役であった小池信三氏が、当社が解体工事を発注した業者に対する工事代金として発行した小切手約189万円を、第三者を介すなどして東京都暴排条例に定める規制対象者である指定暴力団住吉会系の暴力団組員(以下「本規制対象者」といいます。)に交付した事実を理由として、2023年6月20日、東京都公安委員会から勧告を受けたことから、第三者委員会を設置し、同事実及び類似事案の有無に関する調査を行ってまいりました。その結果、小池信三氏が、独自の判断によって、当社の特定の従業員を介して本規制対象者の便宜を図ったり、同者にトラブルの交渉を委ねたり、同者から紹介された業者を当社の取引に関与させて本規制対象者に経済的利益を供与したなどの事実が認められることが判明し、過年度決算の訂正をすることとしました。
また、東京都公安委員会からの勧告に関連した警察当局からの捜査協力として、取引を精査している過程で、勧告の事実とは別に、過年度の一部の収益不動産の販売取引について、売上計上時期の適切性の検討を要する事象が発見されたことから、当社において本件取引について調査を実施した結果、売上計上の時期について不適切な会計処理がなされていることが発覚しましたので、当社の会計監査人である太陽有限責任監査法人と決算処理について協議を行い、過年度決算の訂正を行うこととしました。当該取引は、当時の代表取締役社長小池信三氏が、2018年8月に、当時当社が保有していた収益不動産5物件について、合計約32億円で、販売先に対し口頭で、当該収益不動産は当社が責任をもって転売先を見つけ、売却する旨約し、販売したところ、小池信三氏がかかる口頭合意の存在を、経理を担当する当社管理部門に秘していたため、当社管理部門は当該取引を当該口頭合意のない単純な売買契約と誤認し、2018年8月に売上を計上したものであります。かかる口頭合意の存在する状況では、2018年8月の販売先への販売の時点では、当社には、依然として当該収益不動産の転売先を見つけ、売却する義務が残っているため、財の移転が完全に移転したとはいえないため、実現主義の原則からは、2018年8月の当社による販売の時点では売上を計上するのは適切ではなく、実際に販売責任を果たし(当社が転売先を見つけ、当該収益不動産を転売先に売却できたとき)、実現主義の原則の2要件である財の移転及び対価の授受を満たした(上記口頭合意を履行した)2019年11月時点で売上を計上すべきであったと判断し、過年度決算の訂正を行うこととしました。
東京都公安委員会から勧告に関する事象に関しては、第三者委員会の調査結果により、①小池信三氏のコンプライアンス意識が決定的に欠如していたこと、②当社内において、同氏に対して反対意見を述べることができない社内の風土があったこと、③同氏が本規制対象者と何らかの関係性を有していたことを認識していた又は認識し得た同氏以外の役職員においても、反社会的勢力との関係遮断という観点のコンプライアンス意識が十分でなかったこと、④役職員から社外役員への情報連携の仕組みが不十分であったこと、および、⑤コンプライアンスチェック体制に不十分な点があることに対して社内での見直しが十分になされていなかったことが発生原因として考えられると指摘されており、内部統制が有効に機能しておりませんでした。また、売上計上の時期について不適切な会計処理がなされている事象についても、上記①および②が発生原因であると考えられ、内部統制が有効に機能しておりませんでした。
当社は、2023年6月20日付け「当社に対する東京都公安委員会からの勧告及び代表取締役社長その他取締役の異動について」のとおり、上記勧告を受けた同日中に、当時代表取締役社長であった小池学氏及び取締役であった吉野満氏が小池信三氏の影響を受ける者であったためその辞任申入れを了承し、同氏の影響を受けない千葉理恵を代表取締役に選任し、コーポレート・ガバナンス体制の見直しを図ってまいりましたが、第三者委員会による更なる提言を真摯に受け止め、内部統制に開示すべき重要な不備であると認識し、それを是正するため、①小池信三氏による経営及び役職員に対する影響力を排除し、大株主としての影響力を排除もしくは抑止するような措置について検討すること、②当社及びそのグループ会社のすべての役職員に対して、経営トップからの問題意識の伝達や、研修の実施などを通じて、反社会的勢力との関係遮断の必要性及び重要性等について意識を浸透させるような手段を講じること、③取締役会の構成員たる各取締役が、重要な情報を隠さず、自由に発言し闊達な議論を行えるよう、ワンマンな経営体制から脱却し、実効性の高い監督機能の強化を推進すること、④内部通報制度における通報の宛先として社外役員を加えたり、一般の従業員にとっても社外役員を身近に感じてもらえるような工夫を講じたりするなどして、反社会的勢力との関係性が疑われる事象を含めた重大な問題について社外役員への情報連携が十分になされる仕組みを構築すること、⑤コンプライアンスチェック体制について、エビデンスの添付を要するシステムの構築、コンプライアンスチェック担当部署の担当者の業務内容・業務量の調整・必要な人員の拡充・会社とは利害関係のない外部業者の活用等の検討、コンプライアンスチェックにおける判断理由の明確化、直接的な取引先以外のものへの反社チェックや直接的な取引先からの取引先や関係者が反社会的勢力に該当しない旨の、法的拘束力をもつ誓約書の取得を行うことにより、これを強化していくこと、⑥口頭発注防止などの社内ルール順守の徹底・契約書チェック体制の見直し・書類管理体制の見直し等の社内体制の見直しを行うこと等により適正な内部統制の整備・運用を図ってまいります。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社における企業統治の体制は、提出日現在、取締役8名(うち社外取締役2名)により取締役会を、監査役3名(うち社外監査役3名)により監査役会を構成しております。さらに、コンプライアンス、経営上の重要なリスク及び取締役や従業員の職務の執行が法令及び定款等に適合することを確保するための体制等を構築しております。具体的な体制等は、以下のとおりであります。
イ.取締役会
取締役会は、小池信三(議長。代表取締役社長)、小池学、吉野満、千葉理恵、吉川和男、宮本宜一、船山雅史(社外取締役)及び西村尚純(社外取締役)によって構成されており、経営の基本方針、法令及び定款で定められた事項やその他経営に関する重要事項を決議するとともに、各取締役の業務執行状況の監督を行っておりましたが、小池信三氏が創業者かつ大株主でありワンマンな経営体制になることに伴う内部統制の無効化リスクに対し、実効性の高い監督機能を果たしておりませんでした。また、2022年9月の捜査が行われるまでの間、当社及び当社グループの役職員は、小池信三氏と反社会的勢力との関係について何らかの認識をした際に、これを取締役会等で問題として取り上げて議論の俎上にあげることも出来ておりませんでした。
また、原則月1回の定例取締役会のほか、必要に応じて機動的に臨時取締役会を開催し、迅速かつ柔軟に経営判断できる体制となっております。
業務執行決裁につきましては、職務権限規程(その別表)に基づき、取締役会付議事項は、取締役会にて決議、その他は、稟議書等により、代表取締役及び業務執行権限者が意思決定をしております。
ロ.監査役会
監査役会は、土肥正文(議長。常勤社外監査役)、秋山法(社外監査役)及び池内稚利(社外監査役)の3名で構成されており、原則月1回定例開催し、年間の監査方針・監査計画を立案し、取締役の職務の執行及び財産の状況の調査や監査報告の作成等重要な監査実施項目につき、各監査役の役割分担を決め、当該監査役からの監査報告の承認を行っております。また、各監査役は、取締役会及び臨時取締役会への出席、会計監査人・内部監査室からの部門別・子会社の報告や各取締役との意見交換会への参加等により、関係部署との連携強化を図っておりましたが、小池信三氏が創業者かつ大株主でありワンマンな経営体制になることに伴う内部統制の無効化リスクに対し、実効性の高い監査機能を果たしておりませんでした。
ハ.内部監査室
内部監査部門としましては、代表取締役直属の内部監査室を設置し、当社及び当社グループの業務監査を実施し、その結果を代表取締役及び関係取締役並びに監査役会へ報告し、監査役、監査役会及び会計監査人と連携し、内部統制機能の充実に努めておりましたが、形式的なチェックに止まり、社内ルールの遵守状況に関する検証が十分にできておりませんでした。また、小池信三氏の言動に内部監査が実施されておらず、これが小池信三氏に対するけん制や統制環境が十分でなかったことにつながったものと考えております。
内部監査室の構成員は、伊藤将義(室長)であります。
ニ.コンプライアンス委員会
コンプライアンス委員会は、小池学(委員長。代表取締役専務)、小池信三、吉野満、千葉理恵、吉川和男、宮本宜一、船山雅史(社外取締役)、西村尚純(社外取締役)、土肥正文(常勤社外監査役)、秋山法(社外監査役)及び池内稚利(社外監査役)、その他社長及び取締役が指名する管理職により構成され、コンプライアンス体制の推進、強化を図るため、必要に応じて随時開催することとしておりましたが、実際にはその意識が薄弱で、形骸化していたため、実態として個別に開催した実績はなく、反社会的勢力との関係遮断に関する役職員に対する研修の実施や年々増加する取引先に対するコンプライアンスチェックの強化、そのための体制拡充等を通じて役職員のコンプライアンス意識を高めたり、社外役員等を含む内部通報先の外部窓口の整備や内部通報の利用促進を図るなどの活動が十分ではなく、コンプライアンス体制の推進、強化を図ることが全くできておりませんでした。
ホ.リスク管理委員会
リスク管理委員会は、小池学(委員長。代表取締役専務)、小池信三、吉野満、千葉理恵、吉川和男、宮本宜一、船山雅史(社外取締役)、西村尚純(社外取締役)、土肥正文(常勤社外監査役)、秋山法(社外監査役)及び池内稚利(社外監査役)、その他社長及び取締役が指名する管理職により構成され、業務で発生するリスクを把握し、適切に管理を行うことにより、経営の健全性確保と安定した経営基盤の確立を図るため、必要に応じて随時開催することとしておりましたが、実際にはその意識が薄弱で、形骸化していたため、実態として個別に開催した実績はなく、社内の潜在的または顕在化したリスクを全く管理できておりませんでした。
以上のことから、経営の監視機能を果たし、経営の健全性、透明性及び効率性を図れることから、現在の体制を採用しておりましたが、有効に機能しておりませんでした。
なお、当社の経営組織及びコーポレート・ガバナンス体制を図示しますと次のようになります。

③企業統治に関するその他の事項
イ.内部統制システムの整備状況
当社は、取締役会で内部統制システムの整備に関する基本方針を定めるとともに、コンプライアンス規程等により内部統制システムの整備、運用を行っております。また、コンプライアンス体制の明確化と一層の強化推進を図るため、代表取締役を委員長とするコンプライアンス委員会を設置し、適宜会議を開催することとしておりましたが、実態として個別に開催された実績はなく、また、第三者委員会による調査報告書で指摘された通り、①代表取締役社長である小池信三氏において、コンプライアンス意識が決定的に欠如していたこと、②当社内において、同氏に対して反対意見を述べることができない社内の風土があったこと、③同氏以外の役職員においても、反社会的勢力との関係遮断という観点のコンプライアンス意識が十分でなかったこと、④役職員から社外役員への情報連携の仕組みが不十分であること、⑤コンプライアンスチェック体制に不十分な点があることといった点に加え、小池信三氏が内部統制を無効化しており、当社の内部統制システムは不十分な状況にありました。
ロ.リスク管理体制の整備の状況
当社及び当社グループ業務に係る経営上の重要なリスクの発生時に適切かつ迅速な対応を行い、損害を最小限に抑えられるようにするために、代表取締役を委員長とするリスク管理委員会を設置し、リスクの発生防止とリスクの軽減に努めることとしておりましたが、実態として個別に開催された実績はなく、社内の潜在的または顕在化したリスクを全く管理できておりませんでした。
ハ.当社の子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社は、グループ会社における業務の適正を確保するため、当社のグループ各社で諸規程等を定めるとともに、子会社に取締役を当社から派遣し、子会社の取締役の職務執行に関し、責任のあるガバナンス体制を確保するための監督を行っております。また、グループ会社の経営については、その自主性を尊重しながらも、事業内容及び業績等について定期的な報告を行うことにより、当社及び子会社との間での情報の共有化、相互の連絡の緊密化を図ることで内部統制システムの構築を図っております。
当社は、代表取締役直属の内部監査室を設置しており、グループに対する内部監査を実施することにより、内部統制の実効性を高めるとともに、その結果を代表取締役及び取締役会並びに監査役会に報告し、監査役会及び会計監査人との連携を図り、グループの管理体制の把握と改善に努めております。
ニ.責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定に基づき、社外取締役及び社外監査役との間において、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結できる旨を定款に設けております。
当該規定に基づき、本報告書提出日現在、社外取締役及び社外監査役との間で同法第427条第1項の規定による責任限定契約を締結しております。なお、当該契約に基づく賠償責任の限度額は、法令が規定する額としております。
当社と会計監査人である太陽有限責任監査法人は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。
当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、太陽有限責任監査法人に悪意又は重大な過失があった場合を除き、会計監査人としての在職中に報酬その他の職務執行の対価として当社から受け、又は受けるべき財産上の利益の額の事業年度ごとの合計額のうち最も高い額に二を乗じて得た額としております。
ホ.取締役の定数
当社の取締役は10名以内とする旨定款に定めております。
ヘ.取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨定款に定めております。また、累積投票による取締役の選任については、累積投票によらないものとする旨を定款に定めております。
ト.取締役会で決議できる株主総会決議事項
(a)中間配当
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、毎年2月末日を基準日として、取締役会の決議によって、会社法第454条第5項の規定により、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。
(b)自己の株式の取得
当社は、機動的な資本政策を遂行するため、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって、市場取引等により、自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。
チ.株主総会の特別決議要件
会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。