有価証券報告書-第196期(令和2年1月1日-令和2年12月31日)

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2021/03/26 11:50
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【項目】
148項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態および経営成績の状況
(a) 経営成績
当連結会計年度におけるわが国の経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により、景気は依然として厳しい状況にありますが、持ち直しの動きがみられます。先行きについては、感染拡大の防止策を講じる中で、各種政策の効果等もあって持ち直しの動きが続くことが期待されます。ただし、国内外の感染症再拡大による下振れリスクの高まりに十分留意する必要があり、当面不透明な状況が続くものと見込まれております。
当社グループを取り巻く環境も厳しく、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、旅客数が激減したことに加え、関連する大島島内でのホテルやバスなどの利用実績も大幅に減少しました。一方で、公共工事等の増加に伴い貨物輸送量は順調に推移しました。
このような状況の下、当社グループでは、4月以降、金融機関からの借入等で流動性資金を確保し、利用客の需要に合わせた船の減便や諸費用や設備投資の抑制等のコスト削減、港湾施設使用料等の支払い猶予に加えて、雇用調整助成金や各種補助金、協力金等の活用に努めました。また、消毒の徹底、マスクの着用、三密の回避、船内抗菌コーティング、空調抗菌フィルターの取付け、乗船時の検温実施など感染拡大防止に取り組み、お客様と従業員の安全確保を図りました。
また、今後とも安全・安心・快適な船旅を提供するとの基本方針に沿い、6月に三代目となる新造貨客船「さるびあ丸」を、7月に新造高速ジェット船「セブンアイランド結(ゆい)」を就航させました。
この結果、当連結会計年度の業績は、当社グループの営業基盤である東京諸島において来島者数が大幅に減少したことや、レストランシップ業(当社の連結子会社である東京ヴァンテアンクルーズ株式会社が運営、同社を期中に解散・清算)の事業撤退などにより、売上高は89億7千万円(前期111億1千4百万円)、営業損失は4億1千5百万円(前期営業損失7千3百万円)、経常損失は3億2千2百万円(前期経常利益3百万円)、これに特別損益と税金費用などを計上した後の親会社株主に帰属する当期純損失は3億2千8百万円(前期純利益2千4百万円)となりました。
また、個別業績につきましては、売上高は83億7百万円(前期91億7千5百万円)、費用面で原油価格の下落に伴う船舶燃料費の大幅な減少があり、営業利益は8百万円(前期6百万円)、子会社に対する貸倒引当金繰入額を営業外費用に計上したことなどにより、経常損失は6千万円(前期経常利益7百万円)、これにレストランシップ業の子会社に対する関係会社債権放棄損などの特別損益と税金費用を計上した後の当期純損失は2億4千7百万円(前期純利益5百万円)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
《海運関連事業》
主力の海運関連事業の旅客部門は、第1四半期は東京諸島の島や海などの豊かな自然と、よりお客様のニーズに合った「東京の島」ならではの企画商品並びに会社創立130周年記念プランを継続して造成し、営業活動と宣伝活動に取り組み順調でしたが、第2四半期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、緊急事態宣言以降、観光需要・ビジネス需要等は激減しました。最多客期の第3四半期は、感染症再拡大により東京諸島各島の来島自粛が続き、旅客数は低水準にとどまり、第4四半期は、GoToトラベルキャンペーン等により旅客数は回復しましたが、感染症再拡大による12月中旬以降のキャンペーン等の一時停止により旅客数は再び落ち込み、挽回には至りませんでした。また、東京湾の夏の風物詩である東京湾納涼船は、感染防止の観点から本年は運休としました。この結果、全航路の旅客数は過去に例を見ない大幅な減少となり、37万8千人(前期83万1千人)となりました。
一方、貨物部門は、生活関連品目輸送の品質向上など、お客様の利便性と集荷効率の引き上げを引き続き図りました。また各島の公共工事等の動向を注視し、集荷に遺漏がないように取り組んだ結果、工事関連品目などの輸送量が伸び、貨物取扱量は全島で29万1千トン(前期27万5千トン)となりました。
この結果、当事業の売上高は、75億3千7百万円(前期83億4千万円)、営業利益は2億1千3百万円(前期3億2千万円)となりました。
《商事料飲事業》
商事部門は、貨物部門並びに島内外の取引先と連携を密にし工事の情報を積極的に収集したことにより、島嶼向けセメント販売は堅調に推移しました。一方、料飲部門においては東京湾納涼船の運休により売上が大幅に減少しました。この結果、当事業の売上高は11億6百万円(前期14億5千7百万円)、営業利益は9千8百万円(前期1億2千7百万円)となりました。
《レストラン事業》
東京湾周遊のレストランシップ事業は、近年売上が伸び悩んでいましたが、新型コロナウイルス感染症拡大の影響によりさらに売上は大きく落ち込みました。4月の緊急事態宣言後は休業による損失が膨らみ、老朽化した船舶の維持費用を考慮すると今後の事業の継続は困難と判断し6月末をもって事業を撤退し、30年間の営業に幕を下ろしました。この結果、当事業の売上高は6千7百万円(前期9億6百万円)、営業損失は1億9千1百万円(前期営業損失3千9百万円)となりました。なお、東京ヴァンテアンクルーズ株式会社は、2020年6月30日に解散、12月17日に清算結了しております。
《ホテル事業》
大島温泉ホテル事業は、大島の豊富な海の幸の料理・高品質の源泉掛け流し温泉・露天風呂からの三原山の眺望やホテル屋上に星空を観望できる「三原山テラス」の施設など、「島の魅力」を前面に押し出した営業活動を行いました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により宿泊客が大幅に減少したため4月中旬以降断続的に休館としコスト削減に努めました。10月以降はGoToトラベルキャンペーン等により稼働率が大きく上昇しましたが、挽回には至りませんでした。この結果、当事業の売上高は2億4百万円(前期3億7千2百万円)、営業損失は4千5百万円(前期営業利益1千7百万円)となりました。
《旅客自動車運送事業》
当事業の中心となる大島島内におけるバス部門は、貸切バス安全性評価制度三ッ星認定のもと、安全運行に努めてまいりました。「椿まつり」においては、季節の人気定番商品の「国際優秀つばき園」を巡るコースのほか、フォトスポット「地層大切断面」へ案内するバスツアーを加えて企画商品の充実を図り、利用客の獲得に注力しました。しかしながら、新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、来島客が大幅に減少したため路線バス及び定期観光バスを一部運休・減便としコスト削減に努めました。10月以降はGoToトラベルキャンペーン等で乗客数は伸びましたが、挽回には至りませんでした。この結果、当事業の売上高は2億4千5百万円(前期3億1千1百万円)、営業損失は4千7百万円(前期営業損失1千4百万円)となりました。なお、定期路線バスにおいては大島町から継続的な支援を受けております。
(b) 財政状態
当連結会計年度末の総資産は214億3千1百万円となり、前連結会計年度末に比べ13億3千5百万円増加しました。その主な要因は、主に新造貨客船「さるびあ丸」及び新造高速ジェット船「セブンアイランド結(ゆい)」の取得に伴う未収消費税等の増加8億4百万円、現金及び預金の増加4億9千6百万円、受取手形及び営業未収金の増加4億1千4百万円、その他流動資産の増加2億7千3百万円が有形固定資産の減少6億7千6百万円を上回ったことによるものです。
負債は165億9千3百万円となり、前連結会計年度末に比べ17億9千1百万円増加しました。その主な要因は、借入金が33億8千6百万円増加したのに対し、固定資産圧縮未決算勘定が15億2千9百万円減少したことによるものです。
純資産は48億3千7百万円となり、前連結会計年度末に比べ4億5千6百万円減少しました。その主な要因は、利益剰余金が3億7千2百万円減少したこと、また、その他有価証券評価差額金が6千9百万円減少したことによるものです。
② キャッシュ・フローの状況
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、7億2千6百万円のキャッシュ・アウト(前期6億3千3百万円のキャッシュ・イン)となりました。その主な要因は、資金減少項目である税金等調整前当期純損失4億8百万円、主に船舶取得に起因する未払又は未収消費税等の純増加額7億9千7百万円、売上債権の増加額4億1千4百万円が資金増加項目である減価償却費8億9千8百万円を上回ったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、21億1千8百万円のキャッシュ・アウト(前期41億2千9百万円のキャッシュ・アウト)となりました。その主な要因は、有形固定資産の取得による支出41億5千9百万円が補助金の受入による収入17億3千万円、有形固定資産の売却による収入2億9千4百万円を上回ったことによるものです。
当期の設備投資は、大島温泉ホテルの改修工事などで、5億2千1百万円実施しました。なお、資金調達に関しては、自己資金および借入金等によって充当しております。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、33億4千1百万円のキャッシュ・イン(前期30億8千8百万円のキャッシュ・イン)となりました。その主な要因は、借入れによる純収入33億8千6百万円です。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は、前連結会計年度末に比べ4億9千6百万円増加し、17億5千8百万円となりました。
③ 生産、受注及び販売の状況
当社グループは、海運関連事業を主な内容としており、商事料飲事業、レストラン事業、ホテル事業、旅客自動車運送事業を展開しております。従って、生産、受注を行っておらず、セグメントごとに生産規模及び受注規模を金額で示すことはしておりません。
(a) セグメントの売上高
セグメントの名称金額(千円)前年同期比(%)
海運関連事業7,537,787△9.6
商事料飲事業1,106,456△24.1
レストラン事業67,200△92.6
ホテル事業204,116△45.2
旅客自動車運送事業245,188△21.3
9,160,749△19.6
調整額△189,855
合計8,970,894△19.3

(注) 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(b) 当社(東海汽船㈱)の営業実績(参考)
提出会社の部門別営業実績は、下記のとおりであります。
部門別前事業年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
当事業年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
年間(千円)構成比(%)年間(千円)構成比(%)
海運業収益7,972,73886.97,261,51187.4
商事収益1,202,31913.11,046,48412.6
合計9,175,058100.08,307,996100.0

(注) 1 海運業収益は運賃収益(旅客・貨物)、その他海運業収益の合計であります。
2 上記金額には消費税等は含まれておりません。
(c) 当社(東海汽船㈱)の主要航路及び就航状況(参考)
提出会社の航路および就航船舶・就航状況は、下記のとおりであります。
航路区間就航船舶
(2020年1~12月)
就航状況
(2020年1~12月)
東京~大島・神津島東京-(横浜・久里浜)-大島-
利島-新島-式根島-神津島
貨客船さるびあ丸通年運航
高速船ジェットフォイル通年運航
東京~八丈島※東京-三宅島-御蔵島-八丈島貨客船橘丸
さるびあ丸
通年運航
熱海~大島熱海-(伊東)-大島高速船ジェットフォイル通年運航
季節運航
稲取~大島稲取-大島高速船ジェットフォイル季節運航
館山~大島館山-大島高速船ジェットフォイル季節運航
熱海~神津島熱海-神津島高速船ジェットフォイル季節運航
東京湾内周遊東京-羽田沖周遊(夏期納涼船)貨客船さるびあ丸運休
臨時・不定期東京-伊豆諸島-国内沿岸各地

(注)就航船舶「ジェットフォイル」はセブンアイランド「愛」「友」「大漁」「結」の4隻であります。
※ ゴールデンウィーク・夏期は、復路のみ大島寄港
・「さるびあ丸」は6月下旬より新造船「さるびあ丸」
・ セブンアイランド「結」は7月より、1月~6月はセブンアイランド「虹」
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。
繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産は、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性を十分に検討し、回収可能見込額を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は、将来の課税所得に依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得が減少した場合、繰延税金資産が取り崩され、税金費用を計上する可能性があります。
② 経営成績等の分析
「(1)経営成績等の状況の概要 ① 財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
③ 資金の財源及び資金の流動性
当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金および設備投資であり、資金需要を満たすための資金は、原則として、営業活動によるキャッシュ・フローを財源としますが、巨額の資金需要に対応する場合等は、円滑な事業活動に必要なレベルの流動性の確保及び財務の健全性・安定性を維持するため、銀行等から借入等を行う方針です。資金調達を行う際は、期間や国内外の市場金利動向等、また自己資本比率、DEレシオ(負債資本倍率)やROEといった財務指標への影響度等を総合的に勘案しながら、最適な調達を実施します。

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