半期報告書-第22期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2017/12/22 14:18
【資料】
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【項目】
53項目

業績等の概要

(1) 業績
当中間会計期間におけるわが国経済は、消費者物価が横ばいになっているものの、雇用情勢が改善し個人消費も緩やかに持ち直している等、回復基調が続きました。北海道経済も、観光入込客数の増勢を持続し、個人消費や設備投資が上向いていること等から、緩やかな持ち直しの動きが続きました。
国内航空業界においては、競合他社との競争が激しさを増しており、原油価格も上昇基調に転じる動きもある等、一層動向に注視していく必要があります。
このような状況の下、当社は外部環境変化に対してより柔軟に対応すべく「2017~2019年度中期経営戦略ローリングプラン」を策定しました。中でも、「日本一好感度の高い航空会社」を目指して新たに「CS行動指針」を制定し、全部門で顧客満足度の向上をはかる具体的な取り組みを実施しました。運航面においては、「オンタイム推進方針アクションプラン」を定め、全社的に実行したことにより、第1四半期における定時運航率が※特定本邦航空運送事業者の中で第1位となり、定時性の向上をはかることができました。サービス面においては、4月より北海道日本ハムファイターズによる「北海道シリーズ2017『WE LOVE HOKKAIDO』」に協賛し、約1ヵ月間にわたり客室乗務員・空港係員・整備士が夕張の地域再生を願った、黄色と青色のユニフォームを着用して業務をおこないました。6月には、羽田空港カウンターのリニューアルをおこないましたが、木目調の柔らかな色を全体に使用した、北海道らしい温かみ・親しみを感じられるデザインは、利用されたお客様からご好評をいただきました。
安全面においては、安全運航の堅持(創業以来の「事故・重大インシデントゼロ」の継続)に努めるとともに、「安全行動指針」のさらなる浸透ならびに指針に基づく行動化をはかってまいりました。
営業面においては、競争力のあるきめ細やかな運賃設定と需要予測に連動した精緻な座席コントロールをおこなったことに加え、引き続き法人販売の強化をはかり、多くのお客様にご利用いただきました。また、9月からは、モバイル端末の普及に伴うお客様の旅行スタイルの変化や訪日旅行者の急増に対応すべく、「AIRDOウェブサイト」のリニューアルをおこないました。先進技術による独創的な機能・デザインを実現したほか、多言語化を推進し幅広いお客様へのタイムリーな情報提供やニーズに適したコミュニケーションが可能となりました。
Web会員サービスである「My AIRDO」については、本年9月末日現在、会員数が約60万3千人となり、道内外の多くのお客様にご支持をいただいております。
機内サービス「Do Sky Marché」(ドゥ・スカイマルシェ)においては、平日早朝便の「札幌-東京」線に限定した無料モーニングサービスとして、北海道産の牛乳をふんだんに使用した「ミルクパン」を4月からご提供し、多くのお客様にご賞味いただきました。また、軽食販売の第3弾として8月までご提供した「北海道味噌バター雑炊」に続き、9月からは第4弾として「北海道産鮭のトマトバタースープ」の販売を開始し、大変ご好評をいただいております。
地域・社会貢献活動においては、小中学生のキャリア形成の一環として、2009年度より実施している「AIRDO航空教室」を道内28校で開催しました。また、「ほっかいどう企業の森林づくり」活動として、道内6ヵ所目となる釧路(弟子屈)地区において昨年に続き3回目となる植樹活動を実施しました。
当中間会計期間における当社の運航実績は、就航率は99.0%(前年同期99.0%)、定時出発率は91.6%(前年同期88.6%)、提供座席数は1,545千席(前年同期比1.6%増)、旅客数は過去最多の1,143千人(前年同期比8.3%増)となりました。座席利用率は、路線平均で73.9%(前年同期69.1%)となりました。
営業収入は「札幌-仙台」線の減便等の影響があり、コードシェアによる座席販売分を含め、25,871百万円(前年同期比2.2%減)となりました。
事業費については、整備費及び原油価格の下落により航行費等が減少し、20,240百万円(前年同期比4.4%減)となりました。
販売費及び一般管理費については、営業関連費用の増加等により、2,012百万円(前年同期比2.0%増)となりました。
この結果、営業利益は3,617百万円(前年同期比10.1%増)、経常利益は3,267百万円(前年同期比14.3%増)、中間純利益は2,166百万円(前年同期比13.2%増)となりました。
※出典「国土交通省航空局 航空輸送サービスに係る情報公開(平成29年度第1回)」より
なお、路線別の座席利用率は、次の通りです。
前中間会計期間当中間会計期間前事業年度備考
「札 幌-東 京」線71.2%74.5%71.6%
「旭 川-東 京」線70.7%75.8%70.4%
「女満別-東 京」線65.4%76.4%67.8%
「釧 路-東 京」線70.9%78.3%70.9%
「帯 広-東 京」線66.1%68.9%65.4%
「函 館-東 京」線64.7%74.6%64.2%
「札 幌-仙 台」線77.1%73.3%77.0%
「札 幌-名古屋」線66.3%65.4%67.8%
「札 幌-神 戸」線51.1%67.0%61.5%
「札 幌-岡 山」線63.3%73.4%60.6%
「札 幌-広 島」線56.9%72.8%64.8%
「函 館-名古屋」線62.7%71.3%68.2%
路線の平均69.1%73.9%69.7%

(注)座席利用率には、全日本空輸株式会社への座席販売分を含めておりません。
(2)キャッシュ・フロー
当中間会計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前事業年度末に比べ2,121百万円の資金が増加(前年同期は378百万円の増加)し、当中間会計期間末には11,750百万円となりました。
当中間会計期間における各キャッシュ・フローの状況は、次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果増加した資金は4,652百万円(前年同期比0.9%減)となりました。
これは、税引前中間純利益3,267百万円、減価償却費2,561百万円、営業債務の減少額1,662百万円等を反映したものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は1,289百万円(前年同期比60.6%減)となりました。
これは、定期預金の預入による支出2,169百万円、定期預金の払戻による収入1,960百万円、有価証券の取得による支出1,220百万円、有価証券の償還による収入994百万円等を反映したものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果減少した資金は1,249百万円(前年同期比27.6%増)となりました。
これは、リース債務の返済による支出991百万円、配当金の支払額139百万円、長期借入金の返済による支出118百万円を反映したものであります。