有価証券報告書-第103期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/06/29 13:42
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業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、先進国・新興国の緩やかな景気回復の中で、政府が推進する経済対策により、経済成長率は4四半期連続のプラスと底堅く推移したものの、将来不安を理由とする消費者マインドの低迷が持続したこともあり、景気は緩やかな回復に留まりました。
こうした経済環境のなか、物流業界におきましては、年度後半の円安の進展や世界経済の持ち直しを受け、一般機械などを中心に輸出入ともに回復基調となり、消費財につきましても輸入は好調な荷動きとなりました。国内物流では消費関連貨物が増加し、住宅投資の増加などを背景に建設関連貨物が堅調に推移しました。
このような事業環境のなか、当社グループにおきましては、「中期経営計画」に基づき、様々な施策を実施いたしました。具体的には、国内ロジスティクス事業の強化策といたしまして、枚方営業所(大阪府枚方市)の倉庫増設(本年1月竣工)、霞北埠頭流通センター(三重県四日市市)および幸手物流センター(埼玉県幸手市)の建設を進めてまいりました。加えて、昨年7月には、営業本部内に自動車関連事業の営業窓口となる組織を新設いたしました。また、グループ経営基盤の強化策といたしましては、当社グループの安全品質・物流品質を総合的に管理指導し、改善を推進していく組織として「品質管理部」を新設いたしました。さらに、グローバルロジスティクス事業の拡充策といたしましては、昨年9月にベトナムにおける物流事業の業容拡大のため、当社で2社目となる現地法人を設立し、本年2月にはタイにおいてフリーゾーン物流センターを稼動させるなど、ASEAN域内におけるロジスティクス機能を重点的に強化してまいりました。
当期の事業の状況は、総合物流事業におきましては、倉庫業では、期中平均保管残高は前年同期に比べ減少しましたが、貨物入出庫数量は前年同期に比べ増加し、物流加工の取扱量は減少しました。港湾運送業では、四日市港における海上コンテナの取扱量は増加し、輸入原料、雑貨につきましても全般的に増加するなど、好調に推移しました。陸上運送業では、主力のトラック輸送ならびに鉄道輸送の取扱量は前年同期に比べ減少しましたが、バルクコンテナ輸送の取扱量は増加しました。国際複合輸送業では、海上輸送の取扱量につきましては輸出・輸入ともに減少し、航空輸送では、取扱件数は増加しましたが、取扱量は減少しました。
その他の事業におきましては、前期に引き続き、効率化や収支改善に努めてまいりました。
以上の結果、当期の連結売上高は、港湾運送業をはじめとして国内での事業は復調したものの、国際複合輸送業における海上輸送の取扱いが低調に推移したことに加えて、円高の影響により売上高が減少したことなどから、前年同期比2.0%減の913億3千2百万円となりました。連結経常利益は、新拠点開設に伴う租税公課や準備費用を計上したことに加え、前期に寄与した退職給付信託一部解約に伴う費用の減少もないことから、前年同期比16.6%減の37億5千7百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、固定資産(土地)譲渡に伴う固定資産処分益ならびに関係会社清算益を計上したことなどにより、前年同期比35.7%増の40億2千1百万円となりました。
セグメントの業績を示すと次のとおりであります。
① 総合物流事業
総合物流事業全般の外部顧客への売上高は、901億8千7百万円と前年同期に比べ18億8千6百万円(△2.0%)の減収、セグメント利益(営業利益)は28億5千2百万円と前年同期に比べ、7億4千8百万円(△20.8%)の減益となりました。
<倉庫業>当部門におきましては、期中平均保管残高は前年同期比0.5%減の46万3千トンとなりましたが、期中貨物入出庫トン数につきましては、前年同期比5.3%増の702万5千トンとなり、保管貨物回転率は63.1%(前年同期59.6%)と改善しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比0.5%増の347億9千万円の計上となりました。
<港湾運送業>当部門におきましては、四日市港における海上コンテナの取扱量は、前年同期比6.3%増の21万1千本(20フィート換算)となり、完成自動車の取扱量は、国内車は減少しましたが、輸出車は大幅に増加しました。また、輸入原料の取扱量は、サイロ貨物は減少しましたが、石炭・コークス、工業塩は増加しました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比3.4%増の198億1千3百万円の計上となりました。
<陸上運送業>当部門におきましては、貨物自動車運送の取扱量は前年同期比0.1%減の718万4千トンとなり、通運貨物の取扱量も減少しましたが、バルクコンテナ輸送にかかる取扱量は前年同期比11.5%増の20万8千トンとなりました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比1.7%増の178億1千4百万円の計上となりました。
<国際複合輸送業他>当部門におきましては、海上輸送における輸出入の取扱量は前年同期比2.2%減の171万4千トンとなり、航空輸送における輸出入の取扱量は前年同期比13.8%減の2千577トンとなりました。
以上の結果、当部門の売上高は、前年同期比14.6%減の177億6千9百万円の計上となりました。
② その他
その他の事業では、自動車整備業における車検取扱台数は前年同期比1.4%の減少となり、ゴルフ場の入場者数も前年同期比6.7%の減少となりましたが、不動産事業における完成工事件数は前年同期比9.8%の増加となりました。
以上の結果、当部門の外部顧客への売上高は、11億4千4百万円と、前年同期に比べ1百万円(0.1%)の増収、セグメント利益(営業利益)は1億9千8百万円と前年同期に比べ、1千4百万円(7.7%)の増益となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、107億4千6百万円となり、前連結会計年度末に比べ8千6百万円増加しました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、営業活動の結果増加した資金は、55億3千7百万円(前年同期比2億6千1百万円の収入増)となりました。これは主に、固定資産処分損益20億1千9百万円、法人税等の支払額13億8千8百万円などがあったものの、税金等調整前当期純利益59億5千7百万円、減価償却費26億3千8百万円の資金留保等による増加の結果であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、投資活動の結果減少した資金は、105億6千5百万円(前年同期比84億6千9百万円の支出増)となりました。これは主に、有形及び無形固定資産の売却による収入23億6千2百万円などがあったものの、有形及び無形固定資産の取得による支出142億8千2百万円等による減少の結果であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度において、財務活動の結果増加した資金は、50億9千4百万円(前年同期比94億7千6百万円の支出減)となりました。これは主に、配当金の支払額6億7千2百万円、長期借入金の返済による支出18億4千2百万円等による減少と長期借入れによる収入80億円等による増加の結果であります。
なお、当連結会計年度末の連結ベースの有利子負債残高は284億2百万円となり、前連結会計年度末に比べて58億6千万円増加しました。
(参考)キャッシュ・フロー関連指標の推移
平成25年
3月期
平成26年
3月期
平成27年
3月期
平成28年
3月期
平成29年
3月期
自己資本比率(%)45.946.148.550.648.1
時価ベースの自己資本比率(%)26.221.423.824.726.4
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年)8.94.46.24.35.1
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)9.721.517.326.335.8

自己資本比率:自己資本/総資産
時価ベースの自己資本比率:株式時価総額/総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債/キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:キャッシュ・フロー/利払い
(注)1 各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により算出しております。
2 株式時価総額は、期末株価終値×期末発行済株式数(自己株式控除後)により算出しております。
3 キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4 有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている借入金等を対象としております。また、利払いについては、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。