有価証券報告書-第122期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。
(1) 経営基本方針
当社グループは、『信は万事の本を為す』に則り、社業を通じて豊かな社会の実現に貢献することを企業理念としております。また、経営理念として山種経営三原則「分に応じた経営」「積み上げ主義」「予算経営」を定め、その企業理念、経営理念のもと中長期的に企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。
当社グループはコーポレートメッセージとして ”「続く」を支える。” を掲げており、パートナー企業として信頼の絆を深め、プロフェッショナルとして、常に最適な「解」を提供し、お客様と社会と共にまっすぐ歩み続け、顧客、株主、社員など全てのステークホルダーの「続く」を支えていくことが当社グループの存在意義と考えております。
また、当社グループは、企業理念とコーポレートメッセージの考え方を基本とし、持続可能な社会の実現への貢献と持続的な企業価値の向上を目指し、「サステナビリティ方針」を策定し、4つの取り組むべき行動指針を掲げ、その実効性を高めるため当社グループが取り組むべき「環境」「社会」「ガバナンス」に関するマテリアリティ(重要課題)を特定しております。
<サステナビリティ方針 行動指針>a.長期ビジョンを掲げ、その達成のために「環境」「社会」「経済」の持続可能性の側面から課題を抽出し、事
業を通じてその解決に取組みます
b.攻めと守りのガバナンス強化と多様な人財の活躍推進のため組織基盤の整備に取組みます
c.適正な情報開示を行い、ステークホルダーの皆様と積極的な対話を行います
d.パートナーシップを強固にし、バリューチェーン全体を通して持続可能な社会の実現に取組みます
<マテリアリティ 取組み重点テーマ>
(2) 経営戦略及び業績目標
当社グループは、2024年に迎える創業100周年に向け、めざすべき企業像を示した「ヤマタネ 2024ビジョン」を策定し、当ビジョンでは、3つのフェーズに分け、第1次中期経営計画(2016年4月~2019年3月)を「HOP」とし既存事業の戦略的スクラップ&ビルド中心の成長基盤構築、第2次中期経営計画(2019年4月~2022年3月)を「STEP」とし新規開発投資中心の成長基盤構築、第3次中期経営計画(2022年4月~2025年3月)を「JUMP」とし投資成果の刈取りと新規・既存への更なる投資による成長基盤拡大を成長戦略とし、第2フェーズとなる3ヵ年計画「ヤマタネ中期経営計画 2022プラン」の最終年度の2021年度では、売上高640億円、営業利益42億円、経常利益38億円の達成を業績目標とし新規開発投資による成長基盤構築に注力してまいりました。
しかしながら、新型コロナウイルス流行の影響もあり、中期経営計画2022プランの業績目標を見直すことといたしました。食品関連事業では外食関連を中心とした需要の減少に加えて販売業者間の競争激化もあり販売数量の減少や販売価格の下落による影響が大きく、物流関連事業では海外引越を中心に国際業務の回復に時間がかかると見込まれる等厳しい状況が続き、さらには物流不動産においてはテナントの入れ替え等により計画に遅れが生じるなどの要因もあり、2021年度の業績目標は売上高481億円、営業利益30億円、経常利益27億10百万円といたしました。また、当初計画では物流関連事業において、M&A等により事業拡大を計画しておりましたが、現状を踏まえ当該業績目標においては見込んでおりません。大きく変化する事業環境を踏まえながら、事業シナジー効果の実現可能性を考慮の上、引き続き検討してまいります。
当社グループは、これまで長期計画「ヤマタネ 2024ビジョン」の目標達成に向けて事業を推進してまいりましたが、同ビジョン策定時には想定していなかった新型コロナウイルス流行による経済、社会環境への影響は大きく、また、今回のコロナ禍における行動変容や、SDGsに対する意識の高まりなど、人々の価値観や社会の風潮が大きくそして急速に変わりつつあります。企業に対してはこれまで以上に変化し続ける市場に対応し、継続的に企業価値向上をめざす経営が求められると思われます。
そのような事業環境の変化を踏まえ、2022年度から始まる次期中期経営計画は2024年の創業100周年にあわせたものとなり、これまでのグループ企業活動を総括するものと位置付けております。各事業部門が強みや持ち味を発揮することで、「既存顧客のニーズ」また「消費者ニーズ」に応え、さらにはこれまで進めてきた「投資案件」の効果が表れてまいります。「サステナビリティ」経営においては、2030年時点の目標を策定し、具体的な行動計画とその効果を確認しながら取り組んでまいります。
また、現行の長期経営計画「ヤマタネ 2024ビジョン」については発展的に解消し、次期中期経営計画を第一段階とした、次の100年を見据えた新長期ビジョンの策定に着手いたします。既存4事業を起点としながらも、その事業の枠に捉われずグループがめざすべきビジョンを描き、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの中で、企業価値の継続的な向上をめざしてまいります。この実現に向け、本社が所在する越中島地区を含む既存物件の大規模な再開発など、将来に向けた事業構想を取り入れ、業務改革による新たな事業展開をめざしてまいります。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後を展望いたしますと、わが国では、新型コロナウイルス感染症の再拡大により、未だ感染症の収束が見通せない中、個人消費の低迷等もあり今後も不透明な経済環境が続くと予想されます。本格的な経済回復時期を判断出来るのは一定者数へのワクチン普及が進む今年度下期以降と見込まれます。
新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せず、不透明な経済環境が続く中で当社グループの事業への影響は引き続き一定程度は避けられないものと考えております。しかしながら、当社グループが運営する事業は、社会の流通基盤を支える物流関連事業、社会の食生活の基盤であるコメの流通事業、また、首都圏を中心に人々の働く環境を支える不動産関連事業が中心となっており、持続可能な社会の実現に向けて、その基盤を担うものと認識しております。当社グループとしては、当社グループの事業の特性を踏まえ、中長期的な視点に立ち企業価値の向上を図る基本方針のもとに成長基盤を構築することが注力すべき課題と考えており、以下5項目を対処すべき課題と考えております。
<対処すべき課題>a.「安全で高品質な商品・サービスの提供による顧客満足度向上によるベース収益の増強」
b.「長期的戦略への計画的取組み」
c.「グループ一体運営による企業価値の向上」
d.「業務変革の推進と組織基盤の整備」
e.「ESG活動への取組み強化による持続的成長基盤構築」
物流関連事業における当社グループの顧客基盤は、大手の食品、家電、医療各分野と生活必需品分野が中心となっており、景気の悪化、人口減少等による消費の減少は予想されるものの、長期安定的に需要は見込まれると考えております。当社グループとしては、この顧客基盤を生かし各顧客の物流戦略への対応やマーケットニーズを的確にとらえることにより、ベース収益の増強を図れると考えております。食品関連事業では生産地と協業して取り組んできた多収穫米は、マーケットの低価格帯ニーズ等への対応として取扱いを拡大してまいりました。更に生産地との協業体制を長期的な視点のもと計画的に強化することによりマーケットニーズに即した商品を提供しベース収益の増強を図れるものと考えております。
また、長期的戦略の取組みにおいては、各セグメントにおいて設備投資を計画的に実施し長期安定的な収益基盤を拡大し、確立することが重要と考えております。物流関連事業においては、千葉県印西市のアーカイブズ専用倉庫の稼働での安定的な収益基盤の確立、食品関連事業では千葉県印西市の新工場の建設、稼働による品質、生産効率の向上、不動産関連事業では、東京都中央区日本橋等の各開発計画の稼働による収益基盤の安定、強化等が対処すべき課題となります。(詳細は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。)
また、当社グループは事業ポートフォリオが多岐にわたっております。そのような事業特性の中におきましてグループ一体運営による企業価値の向上は重要課題と考えております。グループを横断した管理体制の構築、進化、DX推進による継続的な業務変革等、組織基盤を整備することにより、人財の効果的な育成、業務運営の生産性の向上等当社グループのリソースをより効果的に活用できる体制となり中長期的に企業価値の向上を図れると考えております。
ESG活動への取組み強化においては、サステナビリティ方針のもと各マテリアリティ(重要課題)の解決に向けて着実に取り組むことにより、持続可能な社会の実現への貢献とともに当社グループの持続的な企業価値向上を図れると考えております。
セグメント別の経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりであります。
(物流関連事業)
物流業界におきましては、国内・国際貨物輸送とも、新型コロナウイルス流行の影響を受けて大きく落ち込んだ前年度の反動などもあり、総輸送量は小幅ながらもプラスに転じると考えられますが、前々年の水準を回復するには至らないと見込まれます。
このような状況下で、物流部門におきましては、新型コロナウイルス感染防止策の維持強化を徹底することで、確実な物流をご提供し続けます。また、環境負荷の少ない車両の増車あるいはより効率的な物流をご提供することで、荷主企業の環境対策にも貢献してまいります。2021年4月から営業を開始いたしました「印西アーカイブズセンター」は、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の最高ランク5つ星を獲得いたしております。
(食品関連事業)
コメ流通業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による外食業界の大きな落ち込みを主因としコメの需給バランスが崩れ、令和2年産米の取引価格は令和元年産対比で大きく値を落として推移しております。加えて、販売競争の激化もあり価格の下落傾向は暫く続くものと考えられます。
このような状況下で、食品部門におきましては、販売面では既存顧客のニーズにきめ細かく対応しシェアの拡大をはかるとともに新規顧客の開拓に最注力してまいります。一方、仕入面では既存調達先との関係強化と新規調達先の開拓を進め、安定的な調達をめざしてまいります。加えて、持続可能な稲作経営に寄与するべく、これまで取り組んできた産地とのさまざまな協働事業につきましても一層の拡大を図ってまいります。
また、精米工場では、SQF(Safe Quality Food)等の国際認証システムを効果的に運用することにより、安全・品質・効率を重視した生産体制の強化をめざします。現在建築中の「印西精米センター」では環境負荷低減効果を採り入れた、国内最大級の精米工場として2022年稼働に向けた各種準備を着実に進めてまいります。
(情報関連事業)
情報サービス業界におきましては、大企業を中心にDX投資やコロナ禍による働き方の多様化により、ノート型パソコンやWeb会議システムなどの需要は堅調に推移し、さらには生産効率化、工場自動化、データ活用等デジタル化への投資が継続すると想定される一方で、景気低迷に伴う企業の業績不振の影響を受ける形で、不要不急のシステム開発は先送りや見送りとなるなどの動きも見受けられます。 このような状況下で、情報部門におきましては、既存顧客に対してはシステムの品質向上と開発領域の拡大を図り、営業基盤の強化を進めつつ、これまで主力であった汎用機システムの開発・保守業務に加え、新たな事業領域となるクラウドの活用やオープン系アプリケーションの開発等に積極的に取り組んでまいります。また、ヤマタネグループ全体のDX推進を強力に進め、グループ戦略を支えるシステム基盤の構築に注力してまいります。
(不動産関連事業)
不動産業界におきましては、オフィスビル市場は新型コロナウイルス流行の影響による経済の低迷とテレワークの一層の浸透等の要因で、需要の縮小傾向はしばらくは継続していくものと考えられ、空室率や賃料への影響は依然不透明な状況にあります。
このような状況下で、不動産部門におきましては、既存オフィスビルでの、高稼働率の維持をめざすとともに、中長期修繕計画に基づいた物件の品質及び安全性の維持向上に注力し、引き続き競争力のある運営に取り組んでまいります。
また、大型開発案件の「KABUTO ONE」につきましても、2021年8月の開業に向けて準備を進めております。なお、「KABUTO ONE」は、「国家戦略特区」の整備事業として内閣総理大臣の認定を受けており、高い機能性と環境性能を確保し、本事業を通じて、『国際金融都市・東京』構想の一翼を担い、日本橋兜町・茅場町地域全体のさらなる発展に寄与してまいります。
(1) 経営基本方針
当社グループは、『信は万事の本を為す』に則り、社業を通じて豊かな社会の実現に貢献することを企業理念としております。また、経営理念として山種経営三原則「分に応じた経営」「積み上げ主義」「予算経営」を定め、その企業理念、経営理念のもと中長期的に企業価値の向上を図ることを経営の基本方針としております。
当社グループはコーポレートメッセージとして ”「続く」を支える。” を掲げており、パートナー企業として信頼の絆を深め、プロフェッショナルとして、常に最適な「解」を提供し、お客様と社会と共にまっすぐ歩み続け、顧客、株主、社員など全てのステークホルダーの「続く」を支えていくことが当社グループの存在意義と考えております。
また、当社グループは、企業理念とコーポレートメッセージの考え方を基本とし、持続可能な社会の実現への貢献と持続的な企業価値の向上を目指し、「サステナビリティ方針」を策定し、4つの取り組むべき行動指針を掲げ、その実効性を高めるため当社グループが取り組むべき「環境」「社会」「ガバナンス」に関するマテリアリティ(重要課題)を特定しております。
<サステナビリティ方針 行動指針>a.長期ビジョンを掲げ、その達成のために「環境」「社会」「経済」の持続可能性の側面から課題を抽出し、事
業を通じてその解決に取組みます
b.攻めと守りのガバナンス強化と多様な人財の活躍推進のため組織基盤の整備に取組みます
c.適正な情報開示を行い、ステークホルダーの皆様と積極的な対話を行います
d.パートナーシップを強固にし、バリューチェーン全体を通して持続可能な社会の実現に取組みます
<マテリアリティ 取組み重点テーマ>
| ≪E:環境≫ 〇環境に配慮した事業活動の推進 ・温室効果ガス排出量削減 ・エネルギー使用量の削減 ・廃棄物及び有害物質の管理 | ≪S:社会≫ 〇製品・サービスの品質向上 ・安全衛生の推進 ・安全安心な商品・サービスの提供 ・個人情報保護及び高度なデータセキュリティ ・リスクマネジメント |
| ≪S:社会≫ 〇人財の多様性と活躍の促進 ・差別防止及び社会的弱者への配慮 ・生産性向上による働き方改革 ・人財育成及び教育 ・女性活躍を含む多様な人財の活躍推進 | ≪S:社会≫ 〇地域コミュニティ及び生産地と農業の発展 ・コミュニティへの参画及び発展への寄与 |
| ≪S:社会≫ 〇持続可能なコメの調達の推進 ・持続可能な材料調達と効率的な使用 | ≪G:ガバナンス≫ 〇コーポレート・ガバナンスの深化 (健全性の確保・効率化の追求・透明性の向上・再現性の堅持) ・リスクマネジメント ・適正な情報開示 |
(2) 経営戦略及び業績目標
当社グループは、2024年に迎える創業100周年に向け、めざすべき企業像を示した「ヤマタネ 2024ビジョン」を策定し、当ビジョンでは、3つのフェーズに分け、第1次中期経営計画(2016年4月~2019年3月)を「HOP」とし既存事業の戦略的スクラップ&ビルド中心の成長基盤構築、第2次中期経営計画(2019年4月~2022年3月)を「STEP」とし新規開発投資中心の成長基盤構築、第3次中期経営計画(2022年4月~2025年3月)を「JUMP」とし投資成果の刈取りと新規・既存への更なる投資による成長基盤拡大を成長戦略とし、第2フェーズとなる3ヵ年計画「ヤマタネ中期経営計画 2022プラン」の最終年度の2021年度では、売上高640億円、営業利益42億円、経常利益38億円の達成を業績目標とし新規開発投資による成長基盤構築に注力してまいりました。
しかしながら、新型コロナウイルス流行の影響もあり、中期経営計画2022プランの業績目標を見直すことといたしました。食品関連事業では外食関連を中心とした需要の減少に加えて販売業者間の競争激化もあり販売数量の減少や販売価格の下落による影響が大きく、物流関連事業では海外引越を中心に国際業務の回復に時間がかかると見込まれる等厳しい状況が続き、さらには物流不動産においてはテナントの入れ替え等により計画に遅れが生じるなどの要因もあり、2021年度の業績目標は売上高481億円、営業利益30億円、経常利益27億10百万円といたしました。また、当初計画では物流関連事業において、M&A等により事業拡大を計画しておりましたが、現状を踏まえ当該業績目標においては見込んでおりません。大きく変化する事業環境を踏まえながら、事業シナジー効果の実現可能性を考慮の上、引き続き検討してまいります。
当社グループは、これまで長期計画「ヤマタネ 2024ビジョン」の目標達成に向けて事業を推進してまいりましたが、同ビジョン策定時には想定していなかった新型コロナウイルス流行による経済、社会環境への影響は大きく、また、今回のコロナ禍における行動変容や、SDGsに対する意識の高まりなど、人々の価値観や社会の風潮が大きくそして急速に変わりつつあります。企業に対してはこれまで以上に変化し続ける市場に対応し、継続的に企業価値向上をめざす経営が求められると思われます。
そのような事業環境の変化を踏まえ、2022年度から始まる次期中期経営計画は2024年の創業100周年にあわせたものとなり、これまでのグループ企業活動を総括するものと位置付けております。各事業部門が強みや持ち味を発揮することで、「既存顧客のニーズ」また「消費者ニーズ」に応え、さらにはこれまで進めてきた「投資案件」の効果が表れてまいります。「サステナビリティ」経営においては、2030年時点の目標を策定し、具体的な行動計画とその効果を確認しながら取り組んでまいります。
また、現行の長期経営計画「ヤマタネ 2024ビジョン」については発展的に解消し、次期中期経営計画を第一段階とした、次の100年を見据えた新長期ビジョンの策定に着手いたします。既存4事業を起点としながらも、その事業の枠に捉われずグループがめざすべきビジョンを描き、持続可能な社会の実現に向けた取り組みの中で、企業価値の継続的な向上をめざしてまいります。この実現に向け、本社が所在する越中島地区を含む既存物件の大規模な再開発など、将来に向けた事業構想を取り入れ、業務改革による新たな事業展開をめざしてまいります。
(3) 経営環境及び対処すべき課題
今後を展望いたしますと、わが国では、新型コロナウイルス感染症の再拡大により、未だ感染症の収束が見通せない中、個人消費の低迷等もあり今後も不透明な経済環境が続くと予想されます。本格的な経済回復時期を判断出来るのは一定者数へのワクチン普及が進む今年度下期以降と見込まれます。
新型コロナウイルス感染症の収束時期が見通せず、不透明な経済環境が続く中で当社グループの事業への影響は引き続き一定程度は避けられないものと考えております。しかしながら、当社グループが運営する事業は、社会の流通基盤を支える物流関連事業、社会の食生活の基盤であるコメの流通事業、また、首都圏を中心に人々の働く環境を支える不動産関連事業が中心となっており、持続可能な社会の実現に向けて、その基盤を担うものと認識しております。当社グループとしては、当社グループの事業の特性を踏まえ、中長期的な視点に立ち企業価値の向上を図る基本方針のもとに成長基盤を構築することが注力すべき課題と考えており、以下5項目を対処すべき課題と考えております。
<対処すべき課題>a.「安全で高品質な商品・サービスの提供による顧客満足度向上によるベース収益の増強」
b.「長期的戦略への計画的取組み」
c.「グループ一体運営による企業価値の向上」
d.「業務変革の推進と組織基盤の整備」
e.「ESG活動への取組み強化による持続的成長基盤構築」
物流関連事業における当社グループの顧客基盤は、大手の食品、家電、医療各分野と生活必需品分野が中心となっており、景気の悪化、人口減少等による消費の減少は予想されるものの、長期安定的に需要は見込まれると考えております。当社グループとしては、この顧客基盤を生かし各顧客の物流戦略への対応やマーケットニーズを的確にとらえることにより、ベース収益の増強を図れると考えております。食品関連事業では生産地と協業して取り組んできた多収穫米は、マーケットの低価格帯ニーズ等への対応として取扱いを拡大してまいりました。更に生産地との協業体制を長期的な視点のもと計画的に強化することによりマーケットニーズに即した商品を提供しベース収益の増強を図れるものと考えております。
また、長期的戦略の取組みにおいては、各セグメントにおいて設備投資を計画的に実施し長期安定的な収益基盤を拡大し、確立することが重要と考えております。物流関連事業においては、千葉県印西市のアーカイブズ専用倉庫の稼働での安定的な収益基盤の確立、食品関連事業では千葉県印西市の新工場の建設、稼働による品質、生産効率の向上、不動産関連事業では、東京都中央区日本橋等の各開発計画の稼働による収益基盤の安定、強化等が対処すべき課題となります。(詳細は、「第3 設備の状況 3 設備の新設、除却等の計画」をご参照ください。)
また、当社グループは事業ポートフォリオが多岐にわたっております。そのような事業特性の中におきましてグループ一体運営による企業価値の向上は重要課題と考えております。グループを横断した管理体制の構築、進化、DX推進による継続的な業務変革等、組織基盤を整備することにより、人財の効果的な育成、業務運営の生産性の向上等当社グループのリソースをより効果的に活用できる体制となり中長期的に企業価値の向上を図れると考えております。
ESG活動への取組み強化においては、サステナビリティ方針のもと各マテリアリティ(重要課題)の解決に向けて着実に取り組むことにより、持続可能な社会の実現への貢献とともに当社グループの持続的な企業価値向上を図れると考えております。
セグメント別の経営環境及び対処すべき課題は以下のとおりであります。
(物流関連事業)
物流業界におきましては、国内・国際貨物輸送とも、新型コロナウイルス流行の影響を受けて大きく落ち込んだ前年度の反動などもあり、総輸送量は小幅ながらもプラスに転じると考えられますが、前々年の水準を回復するには至らないと見込まれます。
このような状況下で、物流部門におきましては、新型コロナウイルス感染防止策の維持強化を徹底することで、確実な物流をご提供し続けます。また、環境負荷の少ない車両の増車あるいはより効率的な物流をご提供することで、荷主企業の環境対策にも貢献してまいります。2021年4月から営業を開始いたしました「印西アーカイブズセンター」は、建築物省エネルギー性能表示制度(BELS)の最高ランク5つ星を獲得いたしております。
(食品関連事業)
コメ流通業界におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大による外食業界の大きな落ち込みを主因としコメの需給バランスが崩れ、令和2年産米の取引価格は令和元年産対比で大きく値を落として推移しております。加えて、販売競争の激化もあり価格の下落傾向は暫く続くものと考えられます。
このような状況下で、食品部門におきましては、販売面では既存顧客のニーズにきめ細かく対応しシェアの拡大をはかるとともに新規顧客の開拓に最注力してまいります。一方、仕入面では既存調達先との関係強化と新規調達先の開拓を進め、安定的な調達をめざしてまいります。加えて、持続可能な稲作経営に寄与するべく、これまで取り組んできた産地とのさまざまな協働事業につきましても一層の拡大を図ってまいります。
また、精米工場では、SQF(Safe Quality Food)等の国際認証システムを効果的に運用することにより、安全・品質・効率を重視した生産体制の強化をめざします。現在建築中の「印西精米センター」では環境負荷低減効果を採り入れた、国内最大級の精米工場として2022年稼働に向けた各種準備を着実に進めてまいります。
(情報関連事業)
情報サービス業界におきましては、大企業を中心にDX投資やコロナ禍による働き方の多様化により、ノート型パソコンやWeb会議システムなどの需要は堅調に推移し、さらには生産効率化、工場自動化、データ活用等デジタル化への投資が継続すると想定される一方で、景気低迷に伴う企業の業績不振の影響を受ける形で、不要不急のシステム開発は先送りや見送りとなるなどの動きも見受けられます。 このような状況下で、情報部門におきましては、既存顧客に対してはシステムの品質向上と開発領域の拡大を図り、営業基盤の強化を進めつつ、これまで主力であった汎用機システムの開発・保守業務に加え、新たな事業領域となるクラウドの活用やオープン系アプリケーションの開発等に積極的に取り組んでまいります。また、ヤマタネグループ全体のDX推進を強力に進め、グループ戦略を支えるシステム基盤の構築に注力してまいります。
(不動産関連事業)
不動産業界におきましては、オフィスビル市場は新型コロナウイルス流行の影響による経済の低迷とテレワークの一層の浸透等の要因で、需要の縮小傾向はしばらくは継続していくものと考えられ、空室率や賃料への影響は依然不透明な状況にあります。
このような状況下で、不動産部門におきましては、既存オフィスビルでの、高稼働率の維持をめざすとともに、中長期修繕計画に基づいた物件の品質及び安全性の維持向上に注力し、引き続き競争力のある運営に取り組んでまいります。
また、大型開発案件の「KABUTO ONE」につきましても、2021年8月の開業に向けて準備を進めております。なお、「KABUTO ONE」は、「国家戦略特区」の整備事業として内閣総理大臣の認定を受けており、高い機能性と環境性能を確保し、本事業を通じて、『国際金融都市・東京』構想の一翼を担い、日本橋兜町・茅場町地域全体のさらなる発展に寄与してまいります。