有価証券報告書-第129期(2023/12/01-2024/11/30)

【提出】
2025/02/27 13:22
【資料】
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【項目】
141項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、当社と関わりを持つ利害関係者(株主、従業員、顧客、地域社会等)に対する使命と責任を果たし、継続的に企業価値を安定的かつ着実に向上させるため、コーポレート・ガバナンスの充実が重要な経営課題であると認識しております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社の企業統治体制は、株主総会、取締役会、監査役会を設置し、取締役の職務執行の監督、監査の体制を整備しております。
また、コンプライアンスに徹した透明性の高い経営を目指し、内部統制システムの基本方針に基づき企業体制の充実を図っており、当社の業務の適正性が担保されていると考え、現在の体制を採用しております。
[組織図]

(ⅰ) 取締役会
取締役会は、社外取締役の山口正志氏、佐藤久和氏の2名を含む合計5名にて構成され、代表取締役社長を取締役会議長として原則として毎月1回開催しております。取締役会では会社の業務執行に関する重要事項を決定し、業務執行取締役の執行状況を監督しております。また、社外取締役2名のほか、監査役3名(うち社外監査役2名)が取締役会に出席しており、監督機能及び経営監視機能の強化が図られています。
(ⅱ) 監査役会
監査役会は、常勤監査役の渡邉勝之氏と社外監査役の三木康史氏、佐藤昌昭氏の2名の合計3名にて構成され、常勤監査役を議長として原則として毎月1回開催しております。監査役会では、監査役監査に基づく事項の審議や監査役相互の情報共有を図っているほか、取締役会等にも出席し、取締役の執行状況の監査を行っております。
(ⅲ) 経営会議
経営会議は、取締役3名・執行役員2名と常勤監査役の合計6名にて構成され、代表取締役社長を議長として原則として毎週1回開催しております。経営会議では、経営に関する重要事項の立案、調査、検討、決定及び実施結果の把握を行い、会社業務の円滑な運営を図るための機関として機能を果たしております。
(ⅳ) 内部統制整備委員会
内部統制整備委員会は、専務取締役、常務取締役の2名が委員長、事務局長として構成されています。内部統制整備委員会は内部統制システムの整備状況及び運用状況について評価を行い、代表取締役社長をはじめとする取締役全員及び監査役全員に対して報告を実施しております。
(ⅴ) 企業倫理委員会
企業倫理委員会は、専務取締役、常務取締役の2名が委員長、委員として構成されています。企業倫理委員会は会社が法令を遵守する公正で誠実な経営を実践することを目的として設置された機関で、社員に対する法令順守意識の普及や啓発、法令違反行為に関する社員からの通報受付、調査、中止勧告等を主な任務としています。企業倫理委員会の任務執行状況については代表取締役社長をはじめとする取締役全員及び監査役全員に対して報告を実施しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
(ⅰ) 内部統制システムの整備状況
当社は、内部統制システムの整備に関する基本方針を取締役会で決議し、その方針に基づき内部統制システムの運用を適切に行い、内部監査統括責任者及び内部監査人を選定し、内部監査体制を整備し内部統制の有効性の評価を行っております。
経営会議は、会社の運営状況並びに重要案件の立案、報告、決定の機関として機能し、情報の共有化、社内方針等の徹底を図り迅速な対応を行うとともに社内に周知徹底を図る体制として機能しております。
(ⅱ) リスク管理体制の整備状況
リスク管理については会社規則等で定めるところにより、各部門で必要に応じて研修を実施しマニュアル等の作成、配布を行い法令順守を徹底するとともに、コンプライアンスに徹した企業活動を行うため、総務部に企業倫理統括担当を置くとともに企業倫理委員会を設置し、法律を遵守する公正で誠実な企業経営を実践するための体制を整備しております。
全社的に影響を及ぼす重要事項については、多方面的な検討を経て慎重に決するために、内部統制システムの整備状況で説明しましたとおり常勤取締役で組織する経営会議で審議することとしております。
(ⅲ) 提出会社の子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
子会社の内部統制システムは、当社の内部統制システムの整備に関する基本方針を共通基盤として構築されており、当社の内部監査人が、定期的に監査を実施し、コンプライアンスを含め子会社の業務が諸規則等に準拠し正しく行われているか調査し、その結果を当社へ報告する体制を整備しております。
また、子会社の取締役及び監査役は当社役員が兼務しており、当社取締役会へ子会社の経営状況、財務状況及び重要な事項について定期的に報告しております。
(ⅳ) 責任限定契約に関する事項
当社と社外取締役2名及び社外監査役2名は、会社法第423条第1項の責任について、その職務を行うにつき善意でかつ重大な過失がないときは、法令が規定する最低責任限度額を限度として賠償責任を負うものとする旨の責任限定契約を締結しております。
(ⅴ) 取締役会で決議できる株主総会決議事項
イ 自己の株式の取得
当社は、自己の株式の取得について、経済情勢の変化に対応して財務政策等の経営諸施策を機動的に遂行することを可能とするため、会社法第165条第2項の規定に基づき、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨を定款で定めております。
ロ 中間配当
当社は、取締役会の決議によって、毎年5月31日の最終の株主名簿に記載または記録された株主または登録株式質権者に対し、利益還元を目的として金銭による剰余金の中間配当金を支払うことができる旨を定款で定めております。
ハ 取締役の定数
当社の取締役は10名以内とする旨を定款で定めております。
ニ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び選任決議は、累積投票によらない旨を定款で定めております。
ホ 株主総会の特別決議要件
当社は、株主総会の円滑な運営を行うことを目的として、会社法第309条第2項に定める特別決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めております。
(ⅵ) 企業統治に関するその他の事項
役員等賠償責任保険契約の内容の概要
当社は、保険会社との間で、当社の取締役および監査役を被保険者とする、会社法第430条の3第1項に規定する役員等賠償責任保険契約を締結しており、保険料は全額当社が負担しております。
当該保険契約の内容の概要は、被保険者が、その職務の執行に関し責任を負うことまたは当該責任の追及に係る請求を受けることによって生ずることのある損害を当該保険契約により保険会社が填補するものであり、1年毎に契約更新しております。ただし、被保険者の犯罪行為等に起因する損害については填補の対象としないなど、一定の免責事由があります。また、当該保険契約は次回更新時においても同内容での更新を予定しております。
(ⅶ) 株式会社の支配に関する基本方針
(1) 当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針
当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えています。
ただし、株式の大規模買付提案の中には、例えばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性がある等、当社グループの企業価値ひいては株主共同の利益を損なう虞のあるものや、当社グループの価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。
そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉等を行う必要があると考えています。
(2) 基本方針の実現に資する特別な取組みの概要
① 企業価値向上への取組み
当社は、2015年7月10日開催の当社取締役会において、当社の財務及び事業の方針の決定を支配する者の在り方に関する基本方針(会社法施行規則第118条第3号に規定されるものをいい、以下、「基本方針」といいます。)を定めると共に、この基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組み(同号ロ(2)に規定されるものをいいます。)の一つとして、当社株式等の大規模買付行為に関する対応策(買収防衛策)を導入することを決定し、2016年2月25日開催の当社第120回定時株主総会において株主の皆様にご承認いただきました。その後、2019年及び2022年に開催された当社定時株主総会において、株主の皆様のご承認を得て、当該対応策を継続しておりました。
当社は、当該対応策導入以後の関係法令の改正や社会・経済情勢の変化、買収防衛策に関する議論の動向等をふまえ、当社の企業価値の向上並びに株主共同の利益の確保・向上の観点から買収防衛策のあり方について継続的に議論してまいりました。その結果、2025年2月27日開催の当社第129回定時株主総会において、所要の変更を行ったうえで継続すること(以下、継続後のプランを「本プラン」といいます。)、および、有効期間を2028年2月開催予定の定時株主総会終結の時まで延長することについて株主の皆様にご承認いただきました。
当社は、「お客様に完全な業務を提供する」「社業の発展を通じて市民生活の向上に貢献する」「人間尊重の経営に徹する」を経営理念とし、経営基盤の強化と業績安定・向上に努めてまいりました。
今般、当社は、内外の環境変化に的確に対応しながら、さらなる成長を果たすため、新中期経営計画(2022-2026)を策定いたしました。
当社は創業以来、時代の変化やお客さまのニーズの変化に適応しながら、物流サービスを展開してまいりました。特に、永年蓄積してきた3PLのノウハウを駆使して個々のお客さまのニーズにお応えするビジネスモデルは当社の強みとなっております。また、お客さまの物品を単に保管するのみならず、お客さまの物流に関する課題解決に向けて、『物流コンシェルジュ』的な役割を担い、ソリューション提案を引き続き実行していくことで「オーダーメイド型のBESTソリューションを提供する物流カンパニー」を目指してまいります。
② コーポレートガバナンスの強化
当社は、上場企業として当社と関わりを持つ利害関係者(株主、従業員、顧客、地域社会等)に対する使命と責任を果たし、継続的に企業価値を安定的かつ着実に向上させるため、コーポレートガバナンスの強化に取り組んでおります。
(3) 基本方針に照らして不適切な者によって当社の財務及び事業の方針の決定が支配されることを防止するための取組みの概要
① 本プランの目的
本プランは、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を確保・向上させることを目的とし、上記(1)に記載の基本方針に沿ったものであり、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを明確にし、株主の皆様が適切な判断をするために必要かつ十分な情報及び時間、並びに大規模買付行為を行おうとする者との交渉の機会を確保することを目的としています。
② 本プランの内容
本プランは、当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者が遵守すべきルールを策定するとともに、一定の場合には当社が対抗措置をとることによって大規模買付行為を行おうとする者に損害が発生する可能性があることを明らかにし、これらを適切に開示することにより、当社の企業価値ひいては株主共同の利益に資さない当社株式等の大規模買付行為を行おうとする者に対して、警告を行うものです。
当社が本プランに基づき発動する対抗措置は、原則として新株予約権(以下、「本新株予約権」といいます。)の無償割当てとします。ただし、法令等及び当社の定款上認められるその他の対抗措置を発動することが適切と判断された場合には当該その他の対抗措置が用いられることもあり得るものとします。
実際に本新株予約権の無償割当てをする場合には、(ⅰ)当社取締役会が所定の手続きに従って定める一定の買付者等並びにその共同保有者及び特別関係者並びにこれらの者が実質的に支配し、これらの者と共同ないし協調して行動する者として当社取締役会が認めた者等(以下、「例外事由該当者」といいます。)による権利行使は認められないとの行使条件又は(ⅱ)当社が本新株予約権の一部を取得することとするときに、例外事由該当者以外の株主が所有する本新株予約権のみを取得することができる旨を定めた取得条項や、例外事由該当者以外の株主が所有する本新株予約権については当社普通株式を対価として取得する一方、例外事由該当者が所有する本新株予約権については一定の行使条件や取得条項が付された別の新株予約権を対価として取得する旨の取得条項等、大規模買付け等に対する対抗措置としての効果を勘案した行使期間、行使条件、取得条項等を設けることがあります。
③ 本プランの合理性
本プランは、経済産業省及び法務省が2005年5月27日に発表した「企業価値・株主共同の利益の確保又は向上のための買収防衛策に関する指針」の定める三原則(企業価値・株主共同の利益の確保・向上の原則、事前開示・株主意思の原則、必要性・相当性確保の原則)を充足しており、かつ、経済産業省に設置された企業価値研究会が2008年6月30日に公表した「近時の諸環境の変化を踏まえた買収防衛策の在り方」、経済産業省が2023年8月31日に公表した「企業買収における行動指針―企業価値の向上と株主利益の確保に向けて―」並びに東京証券取引所が有価証券上場規程の改正により2015年6月1日に導入し、2018年6月1日及び2021年6月11日にそれぞれ改訂を行った「コーポレートガバナンス・コード」の「原則1-5.いわゆる買収防衛策」その他の買収防衛策に関する実務・議論を踏まえた内容となっており、高度の合理性を有するものです。
④ 株主及び投資家の皆様への影響等
(ⅰ) 本プランによる買収防衛策の継続時に株主及び投資家の皆様に与える影響
本プランによる買収防衛策の継続に際して、本新株予約権の発行自体は行われません。従って、本プランによる買収防衛策の継続が株主の皆様の有する当社株式に係る法的権利及び経済的利益に対して直接具体的な影響を与えることはありません。
なお、買付者等が本プランを遵守するか否か等により当該買付行為に対する当社の対応方針が異なりますので、株主及び投資家の皆様におかれましては、買付者等の動向にご注意下さい。
(ⅱ) 本新株予約権の無償割当て時に株主及び投資家の皆様に与える影響
当社取締役会が対抗措置の発動を決定し、本新株予約権の無償割当てを行う場合には、当社取締役会が別途定める一定の日(以下、「割当て期日」といいます。)における株主名簿に記録された株主の皆様に対し、その保有する株式1株につき本新株予約権1個を上限とした割合で、本新株予約権が無償にて割り当てられます。このような仕組み上、本新株予約権の無償割当て時においても、株主の皆様が保有する当社株式1株当たりの価値の希釈化は生じるものの保有する当社株式全体の価値の希釈化は生じず、株主の皆様の有する当社株式に係る法的権利及び経済的利益に対して直接具体的な影響を与えることは想定しておりません。
ただし、例外事由該当者につきましては、この対抗措置の発動により、結果的に、法的権利又は経済的利益に何らかの影響が生じる場合があります。
なお、当社が、本新株予約権の無償割当ての決議をした場合であって、その後に対抗措置発動の停止を決定した場合には、当社株式の株価に相応の変動が生じる可能性があります。例えば、本新株予約権の無償割当てを受けるべき株主が確定した後において、当社が対抗措置の発動を停止し、本新株予約権を無償取得して新株を交付しない場合には、株主の皆様が保有する当社株式1株当たりの経済的価値の希釈化は生じないことになるため、当社株式1株当たりの経済的価値の希釈化が生じることを前提にして売買を行った株主及び投資家の皆様は、株価の変動により損害を被る可能性がある点にご留意下さい。
また、本新株予約権の行使又は取得に関して差別的条件を付す場合には、当該行使又は取得に際して、例外事由該当者の法的権利、経済的利益に影響が生じることが想定されますが、この場合であっても、例外事由該当者以外の株主の皆様の有する当社株式に係る法的権利及び経済的利益に対して直接具体的な影響を与えることは想定しておりません。
(ⅲ) 本新株予約権の無償割当てに伴う株主の皆様の手続き
本新株予約権の割当て期日における最終の株主名簿に記録された株主の皆様は、当該新株予約権の無償割当ての効力発生日において当然に新株予約権者となるため、申込みの手続きは不要です。
また、無償割当てがなされる本新株予約権に取得条項が付され、当社が本新株予約権を取得する場合、株主の皆様は、新株予約権の行使価格相当の金銭を払い込むことなく、当社による本新株予約権の取得の対価として、当社株式を受領することになります。ただし、例外事由該当者については、その有する本新株予約権が取得の対象とならないことがあるほか、例外事由該当者の有する本新株予約権については一定の行使条件や取得条項が付された別の新株予約権を対価として取得することもあります。
以上のほか、割当て方法、行使の方法及び当社による取得の方法、株式の交付方法等の詳細については、本新株予約権の無償割当てに関する当社取締役会の決議が行われた後、当社は、その手続きの詳細に関して、適用ある法令等に基づき、適時かつ適切に開示又は通知を行いますので当該開示又は通知の内容をご確認下さい。
④ 取締役会の活動状況
当該事業年度において当社は取締役会を10回開催しており、個々の取締役の出席状況は次のとおりです。
区分氏名取締役会出席回数
代表取締役社長峯島 一郎10回/10回
専務取締役宮沢 浩元10回/10回
常務取締役谷 健次10回/10回
社外取締役山口 正志10回/10回
社外取締役佐藤 久和10回/10回

取締役会における具体的な検討内容として、取締役会規則に定めた決議事項の審議及び決議、経営方針や中期経営計画の進捗状況の確認等を行いました。