有価証券報告書-第56期(平成25年4月1日-平成26年3月31日)

【提出】
2014/06/25 9:30
【資料】
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【項目】
110項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度の国内経済は、経済対策や金融政策の効果が発現する中で、大企業を中心に企業収益が持ち直し、所得や雇用環境にも改善の動きがみられました。また、消費税増税前の駆け込み需要による個人消費の増加の影響などもあり、緩やかな景気回復の基調で推移しました。こうした経済情勢の下、広告市況は電通が発表した「2013年日本の広告費」によりますと、総広告費は前年比1.4%増と2年連続の増加となりました。テレビ広告費も0.9%増で昨年に続き増加し、そのうち番組広告費は0.7%減でしたが、スポット広告費は2.0%増となりました。
このような状況下、当社グループの当期の業績は、売上高は184億98百万円で、前期と比較して2億91百万円(+1.6%)の増収となり、経常利益は15億5百万円で前期と比較して72百万円(-4.6%)の減益となりました。しかし、前期は減損損失の計上が大きかったことから、当期純利益は7億64百万円と前期比2億8百万円(+37.6%)の増益となりました。
セグメントの業績を示すと、以下の通りです。
① 放送事業
平成25年のテレビ広告費(地上波)は、番組広告費が前年度のロンドンオリンピックなどの大型イベントに並ぶものがなかったことからの反動減と衛星メディアやインターネット広告の伸長の影響もあり、前年比0.7%の減少となりました。一方、スポット広告費は企業業績の改善や個人消費の持ち直しによる需要増から前年比2.0%の増加となりました。業種別にはスマートホンやオンラインゲームなどの「情報・通信」関連、NISAやネット契約の保険商品などの「金融・保険」関連、その他ビールなどの「飲料・嗜好品」が活況を呈しました。全体としては0.9%の増加となり、2年連続で前年を上回りました。
当期の福岡地区へのスポット広告投下量は前年比1.3%増加しましたが、当社のスポット広告売上はGRPの減少が大きく影響し、前期比3.4%減少しました。番組広告売上は制作、販売した番組数が増加したことからローカル番組売上は前期比5.4%増加しましたが、ネット番組売上が減少したことからトータルでは前期比1.1%の増収でした。また、開局55周年記念ドラマの制作協力金やセットの売却、ゴルフ番組の受託制作などもあったことからその他収入も増加しています。催物収入は興行規模の拡大により公演料収入や出展料収入などが増加したことから前期比15.2%の増加となりました。しかし、当事業全体での売上高は前期には及ばず133億73百万円(前期比-0.6%)と減収になりました。
一方、費用の面では期中に自社制作のレギュラー番組量の減少があったものの、開局55周年記念にまつわる特別番組を主とした業務委託費や人件費などの増加や、催物の積極的な実施による出演料や会場費などの増加があり、結果として売上原価を押し上げることとなりました。この結果、営業費用は前期比0.6%の増加となり、当期のセグメント利益(営業利益)は8億69百万円(前期比-15.1%)で減益となりました。
② 不動産賃貸事業
㈱TNC放送会館の平成25年度期首の入居率は93.9%でしたが、期末には97.2%となりました。これは商業店舗ゾーンの入居率が前年に続き100%となったことと、オフィスゾーンでも既存テナントの増床があったことなどによるものです。
当事業の売上高は、入居率の向上により14億84百万円(前期比+0.8%)と増収になりました。しかし、電気料金の値上がりや地域熱供給への切り替えによる空調費の増加で、減価償却費の減少や設備保守費用の削減に努力したものの、売上原価は増加しました。また、販管費も人件費の増加などがあり、営業費用は前期比2.3%の増加となり、セグメント利益(営業利益)は2億32百万円(前期比-6.7%)と減益となりました。
③ 情報処理事業
西日本コンピュータ㈱におきましては、放送局向け次期標準営放システムのFNS全局本稼働と共に他系列局にも新規受注が叶い、ファイル化に伴う更新需要で報道支援システムも売上が増加したことなどから当事業の売上高は、30億6百万円(前期比+10.1%)と増収になりました。支出に関しましては高効率化を目指し経費削減に努めましたが、売上原価も納品の増加に伴い微増しました。また、販売費と一般管理費は新社屋完成に伴う移転費用などの増加や不動産取得税の支払などがあり、減価償却費も増加したことなどから営業費用は前期比4.7%の増加となりました。しかし、セグメント利益(営業利益)は2億50百万円(前期比+155.1%)と大幅な増益となりました。
④ その他の事業
㈱ビデオ・ステーション・キューにおきましては、放送・広告業界の回復基調を受け、新規の番組制作とCM制作、プリプロダクションの業務などが増収となったことから売上高全体では5.3%の増収となりました。しかし、受注の増加に伴う業務委託費の増加や、販売費及び一般管理では人件費などが増加し、営業利益は前期比13.3%の減益となってしまいました。
㈱TNCプロジェクトにおきましては、景気の回復から一般企業や団体への派遣業務の受注が伸び、福岡県との契約が切れたものの人材派遣業務における売上は増加しました。よって、その他の部門での減収はありましたが、売上高全体では19.1%の増収となりました。しかし、売上の増加に伴う派遣の労務費や広告費などの増加で営業利益は前期比59.5%の減益となりました。
当事業の売上高は、24億25百万円(前期比+8.8%)と増収でしたが、営業費用が前期比10.0%の増加でセグメント利益(営業利益)は61百万円(前期比-22.7%)と減益となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末の現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、89億96百万円(前期末95億19百万円)となりました。営業活動による収入は減少し、財務活動による支出も減少したものの、投資活動による支出が増加した結果、前期末に比べ、5億23百万円(-5.5%)減少しました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は、17億59百万円と、前期に比べ、3億1百万円(-14.6%)減少しました。これは主に、税金等調整前当期純利益が増加しましたが、有形固定資産除売却損や減損損失が減少したためです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、18億64百万円と、前期に比べ17億49百万円(+1525.6%)増加しました。これは主に、子会社の新社屋建設等により有形固定資産の取得による支出が増加したためです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は、4億19百万円と、前期に比べ3億40百万円(-44.9%)減少しました。これは主に、短期借入れによる収入が減少しましたが、長期借入れによる収入が増加したためです。