有価証券報告書-第26期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)

【提出】
2019/06/21 9:32
【資料】
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【項目】
88項目
1.業績等の概要
(1)経営成績の状況
2018年のわが国経済は、中国や欧州経済の低迷、米中貿易摩擦などの海外の経済リスクや労働市場のひっ迫を背景とした人手不足の深刻化が悪材料となるなど、先行きが不透明な状態が続いています。日本の総広告費(㈱電通・平成31年2月28日発表)は6兆5,300億円(前年比102.2%)と7年連続してプラス成長となりましたが、テレビメディア広告費全体で1兆9,123億円(前年比98.2%)、そのうち地上波テレビ広告費は1兆7,848億円(前年比98.2%)に留まりました。一方、インターネット広告費は1兆7,589億円で5年連続2桁成長となり、テレビ広告費に迫る額となりました。
こうしたなか、当社は、インターネットメディアとの競争が益々激化するなか、当事業年度は新しい時代の価値あるテレビ局を目指した「経営3か年計画(2018→2020)・第3次構造改革」を策定し、基幹となるテレビ放送事業の強化のため自社制作番組をはじめアニメ事業等、コンテンツの質的向上に注力し、タイム、スポット収益の拡大による放送収入の強化に努めました。
コンテンツについては、ライブ感のあるステーションイメージを強化しながら、更なる視聴習慣の定着を図るため、ターゲットを意識したゾーン編成の確立を目指し、日々進化し続けています。
平日朝の「モーニングCROSS」は番組開始から5年目を迎え、当社の“朝の顔”として定着しています。1月には俳優のヒュー・ジャックマンさんが生出演し、学生時代にジャーナリズムを専攻していたジャックマンさんと番組MCの堀潤さんとの“政治と報道”を巡るディスカッションは注目を集め、エムキャスでも無料配信されたこの放送は、高い評価を得ました。昼の情報番組「ひるキュン!」は、「生投票システム」を導入し、番組と視聴者との双方向性を高めました。また、MCの田中みな実さんの番組中の日々の発言は数々のインターネットニュースのトップを飾るなど、注目を集めました。放送開始から14年目を迎え、10月に放送3,333回を迎えた当社の看板番組「5時に夢中!」は、メインMCのふかわりょうさんの夏休み期間、「サマーウーマンMCフェスタ2018」を実施し、フリーアナウンサーとなった有働由美子さんが初民放生出演を果たすなど、常に話題を提供しました。
夜9時のワイドショー「バラいろダンディ」は放送開始から5年目を迎え、「バラダン」の愛称で親しまれています。各曜日のテーマを「知識・情報」「芸能・グルメ」「オトナ女子」「エンターテインメント」「カルチャー&スポーツ」等、曜日ごとに明確化し、個性豊かなコメンテーターの“ギリギリ”発言が連日他媒体で取り上げられるなど反響を呼んでいます。土曜日の生放送番組、昼11時の「週末ハッピーライフ!お江戸に恋して」では、江戸から続く東京の街の話題を紹介、また、夕方5時の「田村淳の訊きたい放題!」では、小池都知事ほかゲストを招き、分かりやすく時事問題を解説しています。新番組としては“邦楽・洋楽問わず無類の音楽好き”のクリス松村さんがMCを務める「ミュージック・モア」を土曜日夜に放送、堀内孝雄さん、南佳孝さん、原田真二さん、丸山圭子さんなどのゲスト・トークと生演奏が番組の名物となっています。また、日曜日の昼には美術史家ソフィー・リチャード氏の話題の書籍をドキュメンタリータッチで番組化した「フランス人がときめいた日本の美術館」の放送を開始しました。
アニメ番組では、ターゲットを意識したゾーン編成の確立を目指し、夜10時以降のアニメの編成を強化しました。4月編成では、「ゴールデンカムイ」や「フルメタル・パニック!Invisible Victory」など当社出資作品の中から、大きな話題作が生まれました。10月編成では人気シリーズ最新作「とある魔術の禁書目録Ⅲ」や「ジョジョの奇妙な冒険 黄金の風」、連載中の人気漫画を原作とする「火ノ丸相撲」などを放送しました。
報道番組「TOKYO MX NEWS」では、都政や都内の事件・事故に重点を置き、「東京」に密着した取材を続けています。都政では、10月の築地市場の閉場と豊洲市場の開場のニュースを連日報じ、事件・事故では、目黒区で当時5歳の女児が両親から虐待を受け死亡したとされる事件などを詳しく伝えました。また、開催まで500日を切った東京五輪・パラリンピックに向けて、東京ゆかりの有力選手が出場する競技大会の取材を強化したほか、従来のニュース配信に加え、スマートフォンやPCのニュースポータルサイト「dメニュー」「gооニュース」「@niftyニュース」へのコンテンツ配信も開始し、東京都内の最新のニュースを伝えています。
スポーツ番組では、来たる東京五輪・パラリンピックを視野に、北京五輪銅メダリスト宮下純一さん、アテネ五輪出場の室伏由佳さん、元Jリーガー水内猛さんがナビゲートする新番組「BE-BOP SPORTS」(月曜日夜8時)を4月から開始しました。従来の「カウントダウンTOKYO」に、今注目のeスポーツ、バスケットボールBリーグ情報などを加えた幅広いスポーツ情報番組としました。福岡ソフトバンクホークスの野球中継は、レギュラーシーズン53試合、クライマックスシリーズ・ファーストステージ3試合、チーム初となるシーズン2位からの2年連続9回目の日本一に輝いた戦いを放送しました。また、Jリーグ・FC東京は、ホーム開幕戦はじめ5試合を中継し、新・応援番組「F.C.TOKYO COLORS」と合わせて、サポーターと共にチームの活躍を応援しました。
イベント事業では、今年で6周年を迎えた「初音ミク『マジカルミライ』」は4年ぶりに東京・大阪両都市で開催し、過去最多4万人を超える来場者が音楽ライブと企画展示でバーチャルシンガー「初音ミク」の創作文化を心ゆくまで体感しました。日本最大級の動画投稿クリエイターの祭典「U-FES.」は、11月にTOKYO DOME CITY HALLで「U-FES.2018前夜祭」と「U-FES. 2018プレミアムステージ」として2日間実施、来場者は1万人以上となりました。また、新たな試みとして「TOKYO MX FES. 2019」を3月に東京ドームシティプリズムホールで開催し、これまで個別に開催してきた「MX IDOL FESTIVAL」や「宝塚カフェブレイクライブ」などのライブイベントに加え、阿部顕嵐さんや真田佑馬さんのファンミーティングは、定員1,000名に対し2万5,000名の応募があるなど、1月に発表したメッセージ「つなげるテレビ。」をPRする機会となりました。
その他、越境EC(電子商取引)事業では東京都産業労働局の国際展開予算を獲得、これを契機として中国のECプラットフォーム「寺庫」と業務提携し、日本全国の優れた工芸品を中国向けに販売する事業を開始するとともに、東京都と連携して特設サイトを開設、都内の中小企業が製造する商品の販売に取り組みました。さらに、10月にリニューアルした国際情報バラエティ番組「明日どこ!?DX」では、中国のインフルエンサー「KOL」が日本各地を旅して地元産品を紹介するコーナーを設け、越境EC事業と連動させて放送しています。
スマートフォンやパソコンで当社の番組等が視聴できる配信サービス「エムキャス」はサービスの拡充を進め、7月にはエムキャスでのイベント生中継・配信中に視聴者が簡単な操作で商品購入できるライブコマースの実証実験を行うなど、積極的に次世代メディアの構築に取り組んでいます。
放送業界を取り巻く環境が大きく変わる中、改めて当社の存在価値を示していくため若手社員を中心とする社長直轄プロジェクトを10月に立ち上げ、以下のメッセージにまとめました。
つなげるテレビ。
東京のアレコレを解決する会社でありたい。
いろんな声に耳を傾け、想いをつなぎ、ほっとする暮らしや素敵な未来を、みんなで一緒に創りたい。
東京のテレビ局として。
多様性を 伝える ツナゲル。
これは社会に貢献する企業としての信頼感と親近感を醸成し、東京のテレビ局としての認知度を上げ、視聴率の向上につなげていくとともに、新しいテレビの在り方を創り上げていく姿勢を示したものです。
この結果、当事業年度の売上高は176億80百万円(前事業年度比97.4%)、営業利益は15億96百万円(前事業年度比102.7%)、経常利益は14億99百万円(前事業年度比107.7%)、当期純利益は10億36百万円(前事業年度比106.9%)となりました。内訳として、放送事業収入は160億40百万円(前事業年度比5億79百万円増、103.8%)と9期連続過去最高を更新しました。また、その他事業収入は16億39百万円(前事業年度比10億56百万円減、60.8%)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当事業年度における当社の現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ978百万円増加し、当事業年度末には7,612百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得た資金は1,826百万円(前事業年度は1,309百万円)となりました。これは主に税引前当期純利益1,499百万円、非資金費用である減価償却費346百万円を計上したほか、前受金の増加526百万円や、売上債権の減少417百万円等の資金の増加要因および法人税等の支払額399百万円等の資金の減少要因によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は481百万円(前事業年度は468百万円)となりました。これは有形固定資産の取得による支出296百万円、出資金の払込による支出428百万円が生じたことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果使用した資金は366百万円(前事業年度は365百万円)となりました。これは主として、社債の償還による支出257百万円や長期借入金の返済による支出62百万円によるものであります。
(3)生産、受注及び販売の状況
販売実績
当事業年度における販売実績を事業部門別に示すと、次のとおりであります。
事業部門別金額(百万円)前年同期比(%)
放送事業16,040103.8%
その他事業1,63960.8%
合計17,68097.4%

(注)1.主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前事業年度当事業年度
金額(百万円)割合(%)金額(百万円)割合(%)
㈱インターワールド1,0045.5%1,2096.7%
㈱クオラス9225.1%1,1946.6%
㈱電通9064.9%6763.8%

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当社は、放送事業を主たる事業としているため、生産及び受注の状況は記載しておりません。
2.財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析
経営者の視点による当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たりまして、有価証券、たな卸資産の評価、減価償却資産の耐用年数の設定、繰延税金資産、貸倒引当金、退職給付引当金等の計上について見積計算を行っており、その概要については 「第5 経理の状況 1 財務諸表等」の「重要な会計方針」に記載しております。
(2)経営成績の分析
①売上高
当社の当事業年度の売上高は、前事業年度の18,156百万円と比較して2.6%減の17,680百万円となりました。放送事業では主に情報ワイド、アニメのタイム収入、スポット収入が順調に増加しました。その他事業はスポット配信業務が終了したことにより減収となりました。
②売上原価並びに販売費及び一般管理費
売上原価は前事業年度の13,048百万円と比較して4.1%減の12,510百万円、販売費及び一般管理費は前事業年度の3,553百万円と比較して0.6%増の3,574百万円となりました。
③営業損益
営業利益は1,596百万円(前事業年度1,554百万円)となりました。
④営業外損益
営業外収益は13百万円(前事業年度7百万円)となりました。営業外費用は109百万円(前事業年度169百万円)となりました。
⑤経常損益
経常利益は1,499百万円(前事業年度1,392百万円)となりました。
⑥当期純損益
当期純利益は1,036百万円(前事業年度969百万円)となりました。
(3)財政状態の分析
総資産額は、前事業年度末の18,983百万円と比較して6.7%増の20,265百万円となりました。負債合計は、前事業年度末の8,113百万円と比較して3.5%増の8,400百万円となりました。純資産合計は、前事業年度末の10,869百万円と比較して9.2%増の11,864百万円となりました。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析については、「第2 事業の状況 3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 1 業績等の概要」に記載したとおりであります。
(5)経営成績に重要な影響を与える要因の分析
経営成績に重要な影響を与える要因については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載したとおりであります。
(6)資本の財源及び資金の流動性
重要な資本的支出の予定及びその資金の調達ついて、特記すべき事項はありません。

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