有価証券報告書-第29期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/17 15:00
【資料】
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注記事項-重要な会計上の見積り及び判断、連結財務諸表(IFRS)

4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断
連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用ならびに資産、負債、収益、及び費用の報告額に影響を及ぼす判断、見積り、及び仮定の設定を行っています。これらの見積り及び仮定は、過去の経験及び利用可能な情報を収集し、決算日において合理的であると考えられる様々な要因を勘案した、経営者の最善の判断に基づいています。しかし、その性質上、将来において、これらの見積り及び仮定とは異なる結果が生じる可能性があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直されます。会計上の見積りの見直しによる影響は、その見積りを見直した連結会計年度と将来の連結会計年度において認識しています。
当社グループの連結財務諸表で認識した金額に重要な影響を与える判断、見積り、及び仮定は、以下のとおりです。
(1) 有形固定資産、ソフトウェア及びその他の無形資産の耐用年数及び償却方法
当社グループの事業で利用されている有形固定資産、ソフトウェア及びその他の無形資産は、財務諸表上に取得原価で計上され、見積耐用年数及び償却方法に基づき、償却が行われています。当社グループは、各年度に計上すべき償却費を決定するために、見積耐用年数及び償却方法を決定しています。
耐用年数は、資産が取得された時点で決定され、また、その決定は、予想される使用期間、類似資産における経験、定められた法律や規則に基づくほか、予想される技術上及びその他の変化を考慮に入れています。また、償却方法は、新しい技術革新等の外部環境や内部環境の影響といった様々な要因による変化を考慮し、資産から生み出される将来の便益を費消するパターンをより適切に反映したものとしています。事業環境の変化などにより、耐用年数が短縮された場合は、連結会計年度あたりの償却費が増加する可能性があります。
関連する内容については、「注記3.重要な会計方針 (7) 有形固定資産、(9) のれん及び無形資産」に記載しています。
(2)リース期間の見積り
当社グループは、リース期間について、延長することが合理的に確実である期間及び解約しないことが合理的に確実である期間をリースの解約不能期間に加味して決定しております。
これらの合理的に確実である期間の決定には、通信技術の革新や関連する資産の経済的耐用年数などの要素を考慮した、長期にわたる見積りが必要になります。こうした要素の見積りに対して見直しが行われた場合には、将来の連結財務諸表における使用権資産及びリース負債の金額に重要な影響を与える可能性があります。
関連する内容については、「注記3.重要な会計方針 (8)リース」に記載しております。
(3) 有形固定資産、使用権資産、のれん、無形資産及び持分法で会計処理されている投資の減損
当社グループは、有形固定資産、使用権資産、のれん、無形資産及び持分法で会計処理されている投資について、減損テストを実施しています。減損テストにおける回収可能額の算定においては、将来キャッシュ・フロー、割引率及び長期成長率などについて、一定の仮定を設定しています。
将来の不確実な経済条件の変動などにより、これらの仮定に見直しが行われた場合は、連結財務諸表において将来追加的な減損損失を認識する可能性があります。
関連する内容については、「注記3.重要な会計方針 (8) リース (10) 有形固定資産、使用権資産、のれん及び無形資産の減損」「注記12.有形固定資産」「注記13.のれん及び無形資産」「注記14. 持分法で会計処理されている投資」に記載しています。
(4) 金融商品の公正価値の測定
当社グループは、特定の金融商品の公正価値を評価する際に、市場で観察可能ではないインプットを利用する評価技法を用いることがあります。観察可能ではないインプットは、将来の不確実な経済条件の変動の結果によって影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、連結財務諸表に重要な影響を与える場合があります。
例えば、投資の価値評価を行う場合は、割引キャッシュ・フロー法による評価、外部の第三者による評価などを用いており、算定においては、投資先企業の事業業績、財務情報、技術革新、設備投資、市場の成長及びシェア、割引率及びターミナルバリューなどの推定値が必要となる場合があります。
関連する内容については、「注記3.重要な会計方針 (3) 金融商品」「注記33.公正価値の測定」に記載しています。
(5) 確定給付負債
当社グループは、確定給付型を含む様々な退職後給付制度を有しています。確定給付費用及び確定給付制度債務の算定においては、割引率、昇給率などの様々な判断及び見積りに基づく仮定が必要になります。当社グループは、これらの変数を含む数理計算上の仮定の適切性について、外部の年金数理人からの助言を得ています。
数理計算上の仮定は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、将来の連結財務諸表に重要な影響を与える可能性があります。
関連する内容については、「注記3.重要な会計方針 (11) 従業員給付」「注記18.従業員給付」に記載しています。
(6) 引当金(ポイントプログラム)
当社グループは、ポイントプログラム引当金等の引当金を連結財務諸表に計上しています。引当金の計算は、決算日における将来の経済的便益の流出額に関する最善の見積りに基づいて行っています。将来、予想しえない事象の発生や状況の変化によって、見積りに使用した仮定と異なる結果が生じることにより、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において追加的な費用の計上や引当金の計上を行う必要が生じる可能性があります。ポイントプログラムについては、顧客が獲得したポイントのうち、契約における履行義務を生じさせないものについて、ポイントプログラム引当金を計上しており、算定の際には、利用率、失効率、解約率などについて仮定と見積りを行っています。
関連する内容については、「注記3.重要な会計方針 (13) 顧客との契約から生じる収益」「注記19.引当金」に記載しています。
(7) 収益の認識(契約負債の認識、ポイントプログラム、返金負債の認識、契約コスト)
当社グループは、顧客への商品またはサービスの移転と交換に権利を得ると見込んでいる対価の金額から第三者のために回収する金額を除いて、収益の金額を測定しています。例えば、通信事業における収益は、契約者の予想契約期間、新たに導入されたまたは導入が予想される競合商品、サービス、技術などに影響を受けます。
また、顧客との契約において、進呈したポイントのうち、将来顧客が利用すると見込まれるポイントを履行義務として「契約負債」に計上しています。算定の際には、利用率、失効率、解約率などについて仮定と見積りを行っています。
当社グループは、端末機器の販売において、36回分割支払い契約及び利用した端末機器の返品を条件に、最大12ヵ月分の分割支払額につき支払を不要とするプログラムを提供しています。当該プログラムにおいて、顧客による端末返品数やその時期についての不確実性は高いと認識しているものの、当社グループにおいては、プログラム加入者による当該プログラムの利用率や、商品の種類ごとに過去の経験等に基づいて算出した端末取替時期等を基礎数値として、将来権利が得られないと見込む額を算定し、認識した収益の累計額の重大な戻入れが生じない可能性が非常に高い範囲でのみ取引価格に含めています。当該プログラムについての関連する情報は、「注記3.重要な会計方針(13)顧客との契約から生じた収益」に記載しています。
なお、契約コストについては、四半期ごとに回収可能性の検討を行っています。今後、企業が受け取ると見込んでいる対価が、契約コストの帳簿価額に、財またはサービスの提供に直接関連するがまだ費用として認識されていないコストを加えた金額を下回っている場合、減損損失を計上します。
関連する内容については、「注記3.重要な会計方針 (13) 顧客との契約から生じる収益」、「注記24.顧客との契約から生じる収益」に記載しています。