有価証券報告書-第22期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)

【提出】
2018/06/22 11:54
【資料】
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【項目】
78項目

事業等のリスク

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1) 出版事業のリスク
当社は出版事業を行っておりますが、次の要因により当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
①わが国の出版業界は引き続き減少傾向にあります。これはインターネットやスマートフォン等の新しいメディアの多様化と拡大、図書館や漫画喫茶等の直接の購買に結びつかない消費形態の拡大の様々な要因によるものであります。
②当社が出版する雑誌の紙面構成や作品内容によっては著者、編集者の意図が読者に受け入れられないことがあります。
③広告主の認識の変化や景気動向の急激な変動により広告収入が減少することがあります。
④当社が発行しております雑誌分野に競合他社が参入し、競合媒体が増加する可能性があります。
(2) 再販売価格維持制度のリスク
当社が制作、販売している書籍、雑誌等の出版物は、「私的独占の禁止及び公正取引の確保に関する法律」(以下「独占禁止法」という)第23条の規定により、再販売価格維持制度(以下「再販制度」という)が認められています。再販制度は、一般的に自社製品を販売する事業者に対して販売する価格を遵守させる制度で、独占禁止法で原則禁止されておりますが、著作物については再販制度が認められております。
公正取引委員会は2001年3月23日付「著作物再販制度の取扱いについて」によると「競争政策の観点からは同制度を廃止し、著作物の流通において競争が促進されるべき」としながらも、「同制度の廃止について国民的合意が形成されるに至っていない」として、当該再販制度が維持されることとなっております。当該制度が廃止された場合、業界全体への影響も含め、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 委託販売制度のリスク
出版業界における特殊な慣行として委託販売制度があります。委託販売制度とは、当社が取次会社及び書店に配本した書籍、雑誌等の販売物について、約定期間内に限り返品を受け入れることを条件とする制度であります。
当社では返品による損失に備えるため、売掛金残高に過去の返品率等を勘案して見積もった損失見込額を返品引当金として計上しております。そのため返品率の変動により当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 知的財産権のリスク
当社の事業展開において著作権、著作隣接権、出版権、特許権、実用新案権、商標権等様々な知的財産権が関係しておりますが、当該知的財産を侵害しないように努めております。しかし、知的財産権の権利範囲をすべて正確に想定し、リスクをすべて回避することは困難であり、第三者の権利侵害によって権利使用の差止め、損害賠償の負担等により当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) 特定取引先への依存度に関するリスク
当社の出版事業において、取次に関する販売依存度は高く、その中でも大手取次2社(日本出版販売㈱、㈱トーハン)への依存度は高い比率であり、両社の経営方針に大きな変更等があった場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 法的規制に伴うリスク
当社における各事業は、「特定商取引に関する法律」、「不当景品類及び不当表示防止法」、「薬事法」、「健康増進法」、「食品衛生法」、「独占禁止法」、「PL法」など法令全般により規制されており、これらの法令の強化・改正が行われた場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 競合のリスク
①出版販売における競合
当社の出版事業については、主として10~20代の女性をターゲットとした情報誌を制作・販売しております。これらの情報誌については、当社の発行する各雑誌においても有力な競合誌が複数存在し、同業他社との競争は激しい状況にあります。また、広い意味でのタウン情報やファッション情報または、ライフスタイル情報を切り口とする雑誌も当社の競合誌となり得るものであり、今後これらの分野に大手資本が参入し、さらに競合媒体が増加した場合には、当社の業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
②店舗販売における競合
実店舗「KERA SHOP」をファッションビル等において展開しており、近隣において競合企業が数多く出店しています。大都市近郊や集客力が高いファッションビルへの出店方針に加えて、同業他社とは異なる店舗コンセプトに基づいて運営しておりますが、当社出店エリアにおいて有力な競合他社が出店した場合、当社の業績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
③オンラインショップ販売における競合
オンラインショップ「KERA SHOP」においては、商品の提供に特化するのみならず、消費者ニーズへの機動的な対応等に基づいて、競合企業との差別化を図っております。しかし、近年においては、インターネット通信販売市場の拡大に伴うさらなる競争激化が予想され、新規参入事業者による新たな高付加価値サービスの提供等が行われた場合、当社における競争力が低下する可能性があります。この場合、当社の業績に影響を与える可能性があります。
(8) 個人情報管理のリスク
当社では、商品購入や会員登録時、またはその他のサービスをご利用いただく際に、お客様の個人情報をお伺いする事があります。これらの個人情報はプライバシーポリシーのもと、社内管理体制を整備して厳重に管理すると共に、外部委託先との間では機密保持契約を取り交わしております。しかしながら、不測の事態により個人情報が外部へ漏洩するような事態となった場合には、消費者から当社への信用が失墜し、売上の減少、損害賠償費用の発生など当社の経営成績に影響を及ぼす場合があります。
(9) 商品販売のリスク
当社では、特定数品目の仕入商品に特化して商品販売を実施いたしております。異物混入等の商品事故、その他何らかの事情により当該商品の仕入・販売が行えなくなり、代替商品の手配も行えなかった場合には、売上の減少、定期購入顧客への対応費用の発生など、当社の経営成績に影響を及ぼす場合があります。
(10)システム障害のリスク
商品受注システム障害のリスク
予期せぬシステムトラブルにより受注システムが停止した場合には、商品発送の遅延や、受注データの消失による商品未発送などが発生し、消費者から当社への信頼の失墜、売上の減少、顧客対応費用の発生等により、当社の経営成績に影響を及ぼす場合があります。
(11)大規模災害に係るリスク
当社の国内主要施設・設備は東京都心に集中しています。このため、緊急時の事業継続計画を策定していますが、万が一東京都心部に大規模な自然災害が発生した場合、当社の事業に重大な影響を及ぼす可能性があります。
(12)借入金の返済条件について
当事業年度末現在の借入金はすべて1年以内に返済期日の到来する短期借入金であり、その全額を今後1年間の営業キャッシュ・フローで返済することは困難であり、毎年、借入先と借入契約の更新を交渉しております。
当社としましては、これらの短期借入金について、今後の営業キャッシュ・フローを原資に長期的には返済が可能と考えており、借入先との交渉は必要ではありますが、借入先からは借入契約の更新に応諾していただける見通しを持っております。
しかしながら、今後の業績及び財務内容の状況次第では、借入契約の更新に応諾いただけないリスクがあります。
(13)重要事象等について
当社は、過去3事業年度において当期純損失を計上しております。当事業年度においても当期純損失207,086千円を計上し、その結果、当事業年度末において、株主資本が大幅に減少し231,430千円の債務超過になっております。
当該状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような状況が存在しております。