有価証券報告書-第10期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)
有報資料
(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に改善の遅れがみられるものの、個人消費の持ち直しの動きや、国内の企業収益、雇用環境の改善を背景として、緩やかな回復基調が続いております。
当社グループを取り巻く環境としては、有料多チャンネル放送業界では、既存の有料放送市場が成熟しつつある一方で、インターネットを使った動画配信サービスが次々と誕生し、コンテンツ獲得及び加入者獲得の両面で競争が激化しております。また宇宙・衛星業界では、船舶・航空機向けの移動体衛星通信ビジネスが拡大する一方、グローバルマーケットにおいて海外衛星オペレーターとの厳しい価格競争に直面しております。
このような経済状況の下、当連結会計年度の当社グループの連結業績は次のとおりとなりました。
「スカパー!プレミアムサービス」累計加入件数減少により視聴料収入が減少した一方で、防衛省への通信衛星(以下「2号機」)引渡しによる売上等により、営業収益は前期比29,969百万円増の192,875百万円となりました。
また番組供給料や広告宣伝費が減少した一方で、2号機売上原価の計上等により、営業費用は前期比29,746百万円増の168,441百万円となりました。
この結果、営業利益は前期比223百万円増の24,433百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比547百万円増の17,415百万円と、平成19年4月の当社設立以来過去最高となりました。
当社グループのセグメント区分は次のとおりであります。
当社グループのセグメント別の概況は次のとおりであります。(業績については、セグメント間の内部営業収益等を含めて記載しております。)
<有料多チャンネル事業>・加入者基盤及び放送収益の維持・拡大
「スカパー!」の加入者獲得に向けた取り組みとして、「加入料0円キャンペーン」を平成28年6月から7月まで、及び10月から平成29年3月まで実施致しました。また平成28年10月から11月にかけて「10日間無料放送」を実施致しました。
コンテンツ充実の観点からは、競合メディアとの差別化を目的に、オリジナル番組を投入しました。平成28年8月に連続ドラマ「弱虫ペダル」、9月に「BSスカパー! BAZOOKA!!! 第10回高校生RAP選手権in日本武道館」及び「リオ2016パラリンピック競技大会」を放送したほか、10月よりジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(B.LEAGUE)の放送を開始し、さらに12月には「BIGBANG10 THE CONCERT : 0.TO.10 -THE FINAL-」を完全生中継で放送致しました。また、2017シーズンJリーグ戦の放送がなくなった影響により加入者が減少しましたが、ルヴァンカップなどの国内サッカーだけでなく海外サッカーも視聴可能な「スカパー!サッカーセット」を平成29年2月より販売開始致しました。
光コラボレーションにおいては、平成28年4月より㈱NTTドコモが展開するドコモショップにてスカパー!サービスの申し込み受付が開始されました。また、ソフトバンク㈱が展開するソフトバンクショップ等でも平成28年7月よりスカパー!サービスの申し込み受付を開始しております。
「スカパー!オンデマンド」では、配信チャンネルの大幅増加により、テレビ放送のチャンネルや番組をスマートフォン、タブレット及びPC等でも視聴できる“IPリニア”を推進しております。当連結会計年度末時点では54チャンネルを配信しております。
以上の結果、当連結会計年度における加入件数は次のとおりとなりました。
新規加入件数は前期比92千件減、再加入件数は前期比13千件増、解約件数は前期比103千件増、純増減数は前期比183千件減となりました。
・成長への取り組み
当社グループが展開する、海外で日本の番組が見られるエンターテイメントチャンネル「WAKUWAKU JAPAN」は、インドネシア、ミャンマー、シンガポール及びタイに続き、平成28年9月より台湾、10月よりスリランカ、12月よりベトナム、平成29年2月よりモンゴルで視聴可能となりました。なお、ベトナムではケーブルテレビの2つのチャンネルで毎日計3時間のプロモーション放送を開始するとともに、現在、24時間放送の開始に向けて、放送免許の取得手続きを進めております。今後も展開国数の増加及び視聴可能世帯数の拡充を目指してまいります。
・4K放送の取り組み
「スカパー!プレミアムサービス」では、4K専門チャンネル「スカパー!4K映画」、「スカパー!4K総合」を24時間編成と致しました。また、平成28年5月より「スカパー!4K体験」を開局し、3チャンネル体制と致しました。さらに10月から「スカパー!4K体験」で世界初の4K HDR(High Dynamic Range)放送を開始致しました。
また、平成30年より実用放送の開始が予定されている東経110度CS左旋放送における4K放送について、㈱スカパー・エンターテイメントが8チャンネルの衛星基幹放送業務の認定を受けております。
さらに㈱スカパー・ブロードキャスティングでは番組制作事業の強化を目的として4K/HDR対応中継車を導入し、平成29年2月より運用を開始致しました。
以上の結果、当連結会計年度の有料多チャンネル事業の業績は次のとおりとなりました。
「スカパー!プレミアムサービス」累計加入件数減少による視聴料収入減少等により、営業収益は前期比3,638百万円減の116,777百万円となりましたが、番組供給料及び広告宣伝費等の減少により、営業費用が前期比1,968百万円減少致しました。この結果、セグメント利益は前期比1,670百万円減の4,571百万円となりました。
<宇宙・衛星事業>・国内衛星ビジネス
国内における衛星利用は、衛星の優位性である回線の柔軟性、耐災害性、同報性などを活かした領域を中心として、堅調に推移しております。当連結会計年度において、国内携帯キャリアのバックホール回線(携帯電話基地局とネットワークセンター(基幹網)とを結ぶ回線)として当社グループの衛星通信回線が利用されることが決定致しました。
・宇宙・防衛ビジネス
当社グループは、防衛省より受注したXバンド衛星通信中継機能等の整備・運営事業(以下「本事業」)に関し、平成29年1月に本事業衛星2号機(以下「2号機」)の打ち上げに成功致しました。また平成28年6月に打上場所であるギアナ宇宙センターへ輸送中の事故により損傷した本事業衛星1号機(以下「1号機」)の修理は順調に進んでおり、平成30年3月から9月の打ち上げを予定しております。
・国際衛星ビジネス
迅速な意思決定と機動的な組織運営によるグローバル・モバイル事業の推進力強化のため、平成28年7月より宇宙・衛星事業部門の下に「グローバル事業本部」を新たに設置致しました。
またN-SAT-110(軌道位置:東経110度)の後継衛星であるJCSAT-15(軌道上名称:JCSAT-110A)に新たに搭載された南インド洋ビームの通信利用が開始されました。
・移動体衛星通信ビジネス
平成27年度にPanasonic Avionics Corporationが開始した全日本空輸㈱の国内線向け機内インターネット接続サービスに続き、平成28年度にはGogo Inc.が日本航空㈱向けに国内線向け機内インターネット接続サービスを開始致しました。これらの航空機向けサービスにおける当社グループの衛星帯域利用は、海外での提供も含めて順調に拡大しております。
・成長への取り組み
当社グループは、Kongsberg Satellite Services AS(以下「KSAT社」)とアジア・太平洋地域での低軌道衛星向け地上局サービス事業及び衛星画像を活用した情報提供サービス事業の戦略的業務提携に関する契約を締結致しました。これにより当社グループは、アジア・太平洋地域での地上局ネットワークの拡充を加速するとともに、グローバル展開を計画している低軌道衛星事業者等へ、より幅広いサービスを提供致します。また、KSAT社が既に展開している低軌道衛星からの衛星画像を活用した情報提供サービスや、IoT時代に対応した各種海洋関連情報サービスを共同で開発・展開致します。
また、急拡大するモバイル、ブロードバンド、官公庁需要に対応するために、現在当社グループとIntelsat S.A.(以下「Intelsat社」)と共同で調達している通信衛星Horizons 3eに続く2機目のハイスループット衛星(以下「HTS」:複数のスポットビームを効率的に利用することで従来型衛星と比べ通信容量を大幅に増大させた衛星)として、JCSAT-18の調達契約を締結致しました。
さらに、車両等を含む新しい衛星通信分野の開拓を目指し、平面アンテナメーカーであるKymeta Corporation(以下「Kymeta社」)との戦略的業務提携に関する契約を締結し、同社への出資を実施しております。
この他、ドローン事業展開拡大のため㈱エンルートに出資し、子会社化しております。今後は、インフラ保守・点検、測量、農業、物流などの分野でサービス事業の展開を進めるほか、緊急物資の輸送、危険地域での情報収集、山岳遭難における人命救助などのソリューション展開を進めてまいります。
・衛星運用の安定性及び信頼性の確保と効率化
当社グループは、平成28年5月にJCSAT-2A(軌道位置:東経154度)の後継衛星であるJCSAT-14(軌道上名称:JCSAT-2B)の打ち上げに成功し、6月より運用を開始しております。当該衛星により当社グループは、新たに搭載されたアジア太平洋ビームを活用し、ロシア地域をはじめとする新規受注や利用帯域の拡大を目指します。
また、平成28年8月に、Kuバンド及びKaバンドの軌道上予備衛星として調達したJCSAT-16の打ち上げに成功しました。なお、当該衛星は、1号機に相乗りしているため打ち上げが遅延しているSuperbird-B2の後継衛星(Superbird-8)の代替機として12月より運用を開始しております。
さらに、平成28年12月には、N-SAT-110(軌道位置:東経110度)の後継衛星であるJCSAT-15の打ち上げに成功し、平成29年3月に運用を開始致しました。当該衛星は、衛星放送サービス「スカパー!」を支え、今後は東経110度CS左旋を利用した4K放送、及び衛星通信サービスの拡大を実現してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の宇宙・衛星事業の業績は次のとおりとなりました。
防衛省への2号機引渡しによる売上等により、営業収益は前期比33,149百万円増の87,748百万円となりました。また、2号機売上原価の計上や、3機の衛星を当期打ち上げたこと等により減価償却費が増加したため、営業費用は前期比31,233百万円増の67,220百万円となりました。この結果、セグメント利益は前期比1,915百万円増の20,527百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比17,777百万円減少の7,029百万円の収入(前期は24,806百万円の収入)となりました。主な増額要因は、税金等調整前当期純利益24,296百万円、減価償却費21,541百万円、たな卸資産の減少8,867百万円、未払金の増加12,618百万円であり、主な減額要因は、売上債権の増加50,774百万円、法人税の支払額10,897百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出15,453百万円、長期貸付けによる支出5,128百万円等により、22,882百万円の支出(前期は28,804百万円の支出)となりました。なお、長期貸付けによる支出は、当社グループとIntelsat社が共同事業を行う目的で設立した「Horizons-3 Satellite LLC」への衛星調達資金の貸付けであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入23,568百万円、長期借入金の返済による支出5,364百万円、配当金支払による支出4,451百万円等により、13,469百万円の収入(前期は18,586百万円の収入)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,407百万円減少し、46,150百万円となりました。
当連結会計年度におけるわが国経済は、一部に改善の遅れがみられるものの、個人消費の持ち直しの動きや、国内の企業収益、雇用環境の改善を背景として、緩やかな回復基調が続いております。
当社グループを取り巻く環境としては、有料多チャンネル放送業界では、既存の有料放送市場が成熟しつつある一方で、インターネットを使った動画配信サービスが次々と誕生し、コンテンツ獲得及び加入者獲得の両面で競争が激化しております。また宇宙・衛星業界では、船舶・航空機向けの移動体衛星通信ビジネスが拡大する一方、グローバルマーケットにおいて海外衛星オペレーターとの厳しい価格競争に直面しております。
このような経済状況の下、当連結会計年度の当社グループの連結業績は次のとおりとなりました。
| 区分 | 前 期 (百万円) | 当 期 (百万円) | 前期比 (百万円) | 増 減 率 (%) |
| 営業収益 | 162,905 | 192,875 | 29,969 | 18.4% |
| 営業利益 | 24,210 | 24,433 | 223 | 0.9% |
| 経常利益 | 24,012 | 24,875 | 863 | 3.6% |
| 税金等調整前当期純利益 | 24,292 | 24,296 | 4 | 0.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 16,867 | 17,415 | 547 | 3.2% |
「スカパー!プレミアムサービス」累計加入件数減少により視聴料収入が減少した一方で、防衛省への通信衛星(以下「2号機」)引渡しによる売上等により、営業収益は前期比29,969百万円増の192,875百万円となりました。
また番組供給料や広告宣伝費が減少した一方で、2号機売上原価の計上等により、営業費用は前期比29,746百万円増の168,441百万円となりました。
この結果、営業利益は前期比223百万円増の24,433百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比547百万円増の17,415百万円と、平成19年4月の当社設立以来過去最高となりました。
当社グループのセグメント区分は次のとおりであります。
| 区 分 | 主 要 な 事 業 内 容 |
| 有料多チャンネル事業 | 有料多チャンネル放送プラットフォーム事業及び関連放送事業 |
| 宇宙・衛星事業 | 通信衛星を利用した有料多チャンネル放送向け衛星回線提供、各種通信事業及び宇宙関連事業 |
当社グループのセグメント別の概況は次のとおりであります。(業績については、セグメント間の内部営業収益等を含めて記載しております。)
<有料多チャンネル事業>・加入者基盤及び放送収益の維持・拡大
「スカパー!」の加入者獲得に向けた取り組みとして、「加入料0円キャンペーン」を平成28年6月から7月まで、及び10月から平成29年3月まで実施致しました。また平成28年10月から11月にかけて「10日間無料放送」を実施致しました。
コンテンツ充実の観点からは、競合メディアとの差別化を目的に、オリジナル番組を投入しました。平成28年8月に連続ドラマ「弱虫ペダル」、9月に「BSスカパー! BAZOOKA!!! 第10回高校生RAP選手権in日本武道館」及び「リオ2016パラリンピック競技大会」を放送したほか、10月よりジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ(B.LEAGUE)の放送を開始し、さらに12月には「BIGBANG10 THE CONCERT : 0.TO.10 -THE FINAL-」を完全生中継で放送致しました。また、2017シーズンJリーグ戦の放送がなくなった影響により加入者が減少しましたが、ルヴァンカップなどの国内サッカーだけでなく海外サッカーも視聴可能な「スカパー!サッカーセット」を平成29年2月より販売開始致しました。
光コラボレーションにおいては、平成28年4月より㈱NTTドコモが展開するドコモショップにてスカパー!サービスの申し込み受付が開始されました。また、ソフトバンク㈱が展開するソフトバンクショップ等でも平成28年7月よりスカパー!サービスの申し込み受付を開始しております。
「スカパー!オンデマンド」では、配信チャンネルの大幅増加により、テレビ放送のチャンネルや番組をスマートフォン、タブレット及びPC等でも視聴できる“IPリニア”を推進しております。当連結会計年度末時点では54チャンネルを配信しております。
以上の結果、当連結会計年度における加入件数は次のとおりとなりました。
| 新規加入件数 | 再加入件数 | 解約件数 | 純増減数 | 累計加入件数 |
| 350,342件 | 166,229件 | 679,026件 | △162,455件 | 3,319,871件 |
新規加入件数は前期比92千件減、再加入件数は前期比13千件増、解約件数は前期比103千件増、純増減数は前期比183千件減となりました。
・成長への取り組み
当社グループが展開する、海外で日本の番組が見られるエンターテイメントチャンネル「WAKUWAKU JAPAN」は、インドネシア、ミャンマー、シンガポール及びタイに続き、平成28年9月より台湾、10月よりスリランカ、12月よりベトナム、平成29年2月よりモンゴルで視聴可能となりました。なお、ベトナムではケーブルテレビの2つのチャンネルで毎日計3時間のプロモーション放送を開始するとともに、現在、24時間放送の開始に向けて、放送免許の取得手続きを進めております。今後も展開国数の増加及び視聴可能世帯数の拡充を目指してまいります。
・4K放送の取り組み
「スカパー!プレミアムサービス」では、4K専門チャンネル「スカパー!4K映画」、「スカパー!4K総合」を24時間編成と致しました。また、平成28年5月より「スカパー!4K体験」を開局し、3チャンネル体制と致しました。さらに10月から「スカパー!4K体験」で世界初の4K HDR(High Dynamic Range)放送を開始致しました。
また、平成30年より実用放送の開始が予定されている東経110度CS左旋放送における4K放送について、㈱スカパー・エンターテイメントが8チャンネルの衛星基幹放送業務の認定を受けております。
さらに㈱スカパー・ブロードキャスティングでは番組制作事業の強化を目的として4K/HDR対応中継車を導入し、平成29年2月より運用を開始致しました。
以上の結果、当連結会計年度の有料多チャンネル事業の業績は次のとおりとなりました。
| 前 期 (百万円) | 当 期 (百万円) | 前期比 (百万円) | 増 減 率 (%) | |
| 営業収益 | ||||
| 外部顧客への営業収益 | 117,042 | 113,479 | △3,563 | △3.0% |
| セグメント間の内部営業収益等 | 3,373 | 3,297 | △75 | △2.2% |
| 計 | 120,415 | 116,777 | △3,638 | △3.0% |
| セグメント利益 | 6,241 | 4,571 | △1,670 | △26.8% |
「スカパー!プレミアムサービス」累計加入件数減少による視聴料収入減少等により、営業収益は前期比3,638百万円減の116,777百万円となりましたが、番組供給料及び広告宣伝費等の減少により、営業費用が前期比1,968百万円減少致しました。この結果、セグメント利益は前期比1,670百万円減の4,571百万円となりました。
<宇宙・衛星事業>・国内衛星ビジネス
国内における衛星利用は、衛星の優位性である回線の柔軟性、耐災害性、同報性などを活かした領域を中心として、堅調に推移しております。当連結会計年度において、国内携帯キャリアのバックホール回線(携帯電話基地局とネットワークセンター(基幹網)とを結ぶ回線)として当社グループの衛星通信回線が利用されることが決定致しました。
・宇宙・防衛ビジネス
当社グループは、防衛省より受注したXバンド衛星通信中継機能等の整備・運営事業(以下「本事業」)に関し、平成29年1月に本事業衛星2号機(以下「2号機」)の打ち上げに成功致しました。また平成28年6月に打上場所であるギアナ宇宙センターへ輸送中の事故により損傷した本事業衛星1号機(以下「1号機」)の修理は順調に進んでおり、平成30年3月から9月の打ち上げを予定しております。
・国際衛星ビジネス
迅速な意思決定と機動的な組織運営によるグローバル・モバイル事業の推進力強化のため、平成28年7月より宇宙・衛星事業部門の下に「グローバル事業本部」を新たに設置致しました。
またN-SAT-110(軌道位置:東経110度)の後継衛星であるJCSAT-15(軌道上名称:JCSAT-110A)に新たに搭載された南インド洋ビームの通信利用が開始されました。
・移動体衛星通信ビジネス
平成27年度にPanasonic Avionics Corporationが開始した全日本空輸㈱の国内線向け機内インターネット接続サービスに続き、平成28年度にはGogo Inc.が日本航空㈱向けに国内線向け機内インターネット接続サービスを開始致しました。これらの航空機向けサービスにおける当社グループの衛星帯域利用は、海外での提供も含めて順調に拡大しております。
・成長への取り組み
当社グループは、Kongsberg Satellite Services AS(以下「KSAT社」)とアジア・太平洋地域での低軌道衛星向け地上局サービス事業及び衛星画像を活用した情報提供サービス事業の戦略的業務提携に関する契約を締結致しました。これにより当社グループは、アジア・太平洋地域での地上局ネットワークの拡充を加速するとともに、グローバル展開を計画している低軌道衛星事業者等へ、より幅広いサービスを提供致します。また、KSAT社が既に展開している低軌道衛星からの衛星画像を活用した情報提供サービスや、IoT時代に対応した各種海洋関連情報サービスを共同で開発・展開致します。
また、急拡大するモバイル、ブロードバンド、官公庁需要に対応するために、現在当社グループとIntelsat S.A.(以下「Intelsat社」)と共同で調達している通信衛星Horizons 3eに続く2機目のハイスループット衛星(以下「HTS」:複数のスポットビームを効率的に利用することで従来型衛星と比べ通信容量を大幅に増大させた衛星)として、JCSAT-18の調達契約を締結致しました。
さらに、車両等を含む新しい衛星通信分野の開拓を目指し、平面アンテナメーカーであるKymeta Corporation(以下「Kymeta社」)との戦略的業務提携に関する契約を締結し、同社への出資を実施しております。
この他、ドローン事業展開拡大のため㈱エンルートに出資し、子会社化しております。今後は、インフラ保守・点検、測量、農業、物流などの分野でサービス事業の展開を進めるほか、緊急物資の輸送、危険地域での情報収集、山岳遭難における人命救助などのソリューション展開を進めてまいります。
・衛星運用の安定性及び信頼性の確保と効率化
当社グループは、平成28年5月にJCSAT-2A(軌道位置:東経154度)の後継衛星であるJCSAT-14(軌道上名称:JCSAT-2B)の打ち上げに成功し、6月より運用を開始しております。当該衛星により当社グループは、新たに搭載されたアジア太平洋ビームを活用し、ロシア地域をはじめとする新規受注や利用帯域の拡大を目指します。
また、平成28年8月に、Kuバンド及びKaバンドの軌道上予備衛星として調達したJCSAT-16の打ち上げに成功しました。なお、当該衛星は、1号機に相乗りしているため打ち上げが遅延しているSuperbird-B2の後継衛星(Superbird-8)の代替機として12月より運用を開始しております。
さらに、平成28年12月には、N-SAT-110(軌道位置:東経110度)の後継衛星であるJCSAT-15の打ち上げに成功し、平成29年3月に運用を開始致しました。当該衛星は、衛星放送サービス「スカパー!」を支え、今後は東経110度CS左旋を利用した4K放送、及び衛星通信サービスの拡大を実現してまいります。
以上の結果、当連結会計年度の宇宙・衛星事業の業績は次のとおりとなりました。
| 前 期 (百万円) | 当 期 (百万円) | 前期比 (百万円) | 増 減 率 (%) | |
| 営業収益 | ||||
| 外部顧客への営業収益 | 45,863 | 79,396 | 33,532 | 73.1% |
| セグメント間の内部営業収益等 | 8,736 | 8,352 | △383 | △4.4% |
| 計 | 54,599 | 87,748 | 33,149 | 60.7% |
| セグメント利益 | 18,611 | 20,527 | 1,915 | 10.3% |
防衛省への2号機引渡しによる売上等により、営業収益は前期比33,149百万円増の87,748百万円となりました。また、2号機売上原価の計上や、3機の衛星を当期打ち上げたこと等により減価償却費が増加したため、営業費用は前期比31,233百万円増の67,220百万円となりました。この結果、セグメント利益は前期比1,915百万円増の20,527百万円となりました。
(2)キャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、前期比17,777百万円減少の7,029百万円の収入(前期は24,806百万円の収入)となりました。主な増額要因は、税金等調整前当期純利益24,296百万円、減価償却費21,541百万円、たな卸資産の減少8,867百万円、未払金の増加12,618百万円であり、主な減額要因は、売上債権の増加50,774百万円、法人税の支払額10,897百万円であります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産及び無形固定資産の取得による支出15,453百万円、長期貸付けによる支出5,128百万円等により、22,882百万円の支出(前期は28,804百万円の支出)となりました。なお、長期貸付けによる支出は、当社グループとIntelsat社が共同事業を行う目的で設立した「Horizons-3 Satellite LLC」への衛星調達資金の貸付けであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、長期借入れによる収入23,568百万円、長期借入金の返済による支出5,364百万円、配当金支払による支出4,451百万円等により、13,469百万円の収入(前期は18,586百万円の収入)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べ2,407百万円減少し、46,150百万円となりました。