有価証券報告書-第16期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/23 14:55
【資料】
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【項目】
148項目
<戦略>当社グループは、気候変動による世界的な平均気温の4℃上昇が社会に及ぼす影響は甚大であると認識し、気温上昇を1.5/2℃未満に抑制することを目指す動きに対して貢献していくことが重要であると考えています。1.5/2℃未満目標への対応力を強化すべく、気候関連のリスク・機会がもたらす事業への影響を把握し、戦略の策定を進めるため、2021年度より当社グループを対象にTCFDが提言する気候変動のシナリオ分析と気候関連リスク・機会の選定、財務インパクトの評価を実施しています。
<シナリオ分析>シナリオ分析では、IPCC(気候変動に関する政府間パネル)の社会経済シナリオ「共通社会経済経路(SSP、Shared Socioeconomic Pathways)」やIEA(国際エネルギー機関)の「World Energy Outlook(WEO)2022」等、専門機関が描く1.5/2℃未満と4℃のシナリオを使用しています。シナリオは以下をご参照下さい。
・ IEA Stated Policies Scenario (STEPS)
・ IEA Net Zero Emissions by 2050 Scenario (NZE)
・ IPCC:AR6 SSP1-1.9, AR5 RCP2.6, SSP2 RCP4.5, SSP3 RCP8.5
■時間軸
当社グループでは、気候変動に関する戦略の策定にあたり時間軸を定めて検討しています。2030年以降を長期、1年未満を短期、その間を中期と設定し、時間軸を分けて分析を実施しています。
■対象事業・地域
分析対象事業は、全ての事業(宇宙事業・メディア事業)とし、対象地域はグローバルとしています。また、当社が保有する各拠点は、気候変動に伴い異常気象が増加した場合には、物理的リスクの顕在化による影響を受ける可能性があります。そのため、国内に保有する各拠点及び海外を含む事務所等、全13拠点の洪水リスクを算定しました。その結果、山口ネットワーク管制センターの周辺にて2030年時点で河川由来の洪水リスクが確認されました。一方で、山口ネットワーク管制センターは高台にあり、停電には非常用電源等の備えがあるため、重大な影響が発生する可能性は想定し難いと考えています。対応として事業継続計画(BCP)の強化を行います。
■気候関連リスクに関する重要性評価
TCFDが提唱するシナリオ分析に基づき、気候関連リスクの特定をしたうえで、そのなかで重要度の高いリスク・機会によってもたらされる事業インパクトをシナリオごとに定量・定性評価を行いました。各リスク・機会の発現時期及びインパクトの多寡を勘案したうえで財務計画・事業戦略への影響を踏まえて優先的に取り組む項目について、当社の対応状況の把握、対応策の検討、具体的アクションを経営層とも議論し検討を行いました。
■移行計画
当社グループは、グローバルで共通目標としている2050年カーボンニュートラルの達成に向け、脱炭素化に向けた移行計画の策定に着手しました。2030年度までにScope1,2のカーボンニュートラル達成を目標として掲げ、グループの使用電力を実質再生可能エネルギーに切り替え、省エネ施策の拡大を通じて確実に温室効果ガス(GHG)排出削減に取り組んでいきます。またScope3については、調達先に対してグリーン調達の浸透を中心にサプライヤーと協働してGHG削減を図ることで、2050年のScope1-3全体のカーボンニュートラル達成に向けて取組んでいきます。なお、Scope3の取り組みについては、今後多様化させていく必要があると認識しています。
さらに、当社グループの強みである衛星関連サービスを積極的に展開していくことで、社会全体の脱炭素化への寄与と事業の成長の双方の実現を目指します。

■1.5 /2℃未満/4℃シナリオにおける気候関連リスク・機会
当社グループではシナリオ分析を2023年3月~5月に見直して、リスク・機会項目、世界観、時間軸の定義、移行計画及び開示の高度化を図りました。リスクについては事業や財務への影響は限定的であります。抽出した各機会はチャンスとみなし、事業戦略(対外発信含む)に気候変動観点を取り入れていくことを検討しています。
1.5 /2℃未満/4℃シナリオにおける気候関連リスク・機会評価結果について、重要度中以上の移行リスクと機会は以下のとおりです。
リスク分類内容詳細時間軸重要度対応策
移行
リスク
技術製品・サービスの脱炭素化に伴う投資の増加[宇宙]脱炭素素材を機器や設備、衛星やロケットに使用することにより、新規研究開発に要する追加費用が上乗せされることによる、調達コストの増加中・長期・複数調達先による安定調達と適正価格での調達
・製造メーカーや業界の市場動向及び技術動向のモニタリング
・調達における技術リスクを軽減するための長納期の確保や費用増を配慮した長期的な調達計画の策定
[メディア]脱炭素素材を放送関連機器や設備に使用することにより、新規研究開発に要する追加費用が上乗せされることによる、調達コストの増加(※本項目のみ重要度低)
[宇宙]衛星打ち上げ燃料が水素など非化石燃料への変更に伴うロケット調達費用の増加
市場・評判気候変動対応に関する消費者/顧客行動(調達条件の変化等)・ステークホルダーからの懸念の増加[共通]電力が再生可能エネルギーを使用していない場合に評判低下や顧客が再生可能エネルギーを使用している他の事業者に移るリスク短・中期・再生可能エネルギーの使用率の向上
・脱炭素に資する事業展開とそれらに関わる積極的な情報発信・気候変動関連イニシアティブへの参加を通じた対外発信を実施
・事業継続計画(BCP)の強化
・GHG排出削減の目標(ロードマップ)策定と戦略への統合
[宇宙]・衛星が太陽光発電で運用されていることを対外発信
[メディア]・SDGsに関連する番組/イベントの提供(環境等の啓蒙番組の制作や編成)
[メディア]企業として気候変動への取り組み意識が低い場合、環境関連の情報やコンテンツ等への要請に応じた企業へ消費者が流出することに伴い、新規契約の減少・解約の増加
[共通]入札条件や企業の調達方針に含まれる環境配慮の条件に対して、対応が不可能なことによる収益の減少
[共通]BCP対応を含む気候変動への取り組み意識が低いことや設定した目標が達成されないことに起因するサービスや企業に対する評判低下や収益の減少

機会分類内容詳細時間軸重要度
機会資源効率低炭素排出を可能にするリサイクルの活用[宇宙]リサイクルされたロケットの活用による調達コストの削減短・中期
市場行政補助を通じた気候変動対応の促進[共通]環境活動に対する行政補助の拡大による収益の増加短期
積極的な気候変動対応による市場評価の向上[共通]気候変動に積極的に取り組むことで、企業評価にプラスの影響を与え、投資家からの支持獲得を通じた資金調達機会の拡大短期
[宇宙]風力発電機を開発・販売しているベンチャー企業(㈱チャレナジー)への出資を通じ、再生可能エネルギーのプログラムに積極的に参加していることを対外発信
製品と
サービス
衛星から得られる画像・データを活用した新たなサービスの拡大[宇宙]災害に強い衛星通信の特長を活かして、全国の自治体や電力・ガスなどの重要なライフラインを担う企業に対して災害対策・BCPに適したサービスの拡大中期
[宇宙]衛星データを活用した斜面モニタリング「LIANA」による土砂災害リスク評価サービスの拡大
[宇宙]宇宙ビッグデータとAI技術等をかけ合わせた情報プラットフォームSpatio-iによる、森林減少等の変化観測支援サービスの拡大
環境意識の高い顧客へのサービス提供の機会増加[宇宙]CO2排出量の少ない衛星やHAPS等により環境負荷の低いサービスを提供することで、環境意識の高い官庁や民間企業からの受託件数が増加中・長期
[メディア]環境意識の高まりをファン・マーケティングの一環として取り組むことで、顧客が期待しているコンテンツやサービスを提供でき収益が向上
[メディア]環境負荷の低いサービスを提供することで、環境意識の高い企業から、メディアソリューション事業の受託件数が増加
[宇宙]CO2を排出しない宇宙データセンターの運営による、サービス拡大伴う収益の拡大

気候関連リスク・機会分析結果の一覧はWEBサイトのサステナビリティページ「TCFD」項目をご参照ください。(2023年6月末公開予定)

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