有価証券報告書-第146期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/30 10:09
【資料】
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【項目】
120項目
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社は大正9年に、東京都新宿区新宿に於いて映画館「武蔵野館」(現「新宿武蔵野館」)を開館させて以来、社会に映画を中心とした健全な娯楽を提供することを主要な事業目的・経営の基本方針とし、その後、長期にわたり映画興行事業を中心とした事業展開を行ってまいりました。しかしながら、娯楽の形態も時代の変遷とともに多様な変化を遂げるなか、当社も映画興行事業を会社の看板事業と認識し経営の主軸に据えながらも、不動産賃貸事業やフィットネスクラブ運営等のスポーツ・レジャー事業(現在営業中止中)、また連結子会社で展開する自動車教習事業など、複合的な事業展開によって、グループ全体の安定的な経営基盤を構築維持してまいりました。
今後とも、安定的な経営基盤を構築維持していくことを礎とし、創業の地・新宿において映画事業を長期安定的に営み、健全かつ快適で安全な娯楽空間を提供し、より多くの方々に映画の楽しさを味わっていただくことが、創業以来の会社の経営の基本方針と考えております。
(2)当社グループを取り巻く経営環境
当連結会計年度末における当社グループの経営環境につきましては、当社グループの不動産事業においては、間接的に国内外経済等の影響下にはあるものの、主軸である不動産賃貸事業は、主要な賃貸物件は首都圏の利便性の高い場所に所在しているといった状況の中、安定した顧客の確保を維持しております。また自動車教習事業は、少子化による運転免許取得資格者の減少や近隣の自動車教習所との競合による厳しい経営環境の中、地域との信頼関係とサービスの充実を心がけ自動車運転免許の取得需要の確保に注力しております。一方で当社主幹事業である映画事業を取り巻く経営環境につきましては、2016年においては邦画のアニメーション作品をはじめとした大作のヒットが続き、業界全体の入場人員、興行成績はともに前年度の記録を更新したしました。しかしながら、それらメジャー作品とシネコンを中心とした映画興行が活況を見せる一方で、インディペンデント系の作品は上映機会の確保が難しく、また単館系映画館の閉館もあったように当社のようなミニシアターの経営環境は依然として厳しい状況にあり、映画興行界は二極化の傾向にあるといえます。当社におきましては、シネコンのラインナップとは一線を画したミニシアターならではの良質な作品を中心に、幅広く多様なジャンルの映画が鑑賞できる劇場として、シネコンとの差別化をはかりながら、その経営環境に対応しております。
(3)目標とする経営指標
平成30年3月期におきましては、連結ベースにおいては、親会社株主に帰属する当期純利益5千5百万円の確保による利益剰余金の積み上げを、単体ベースにおいては、当事業年度末現在1千2百万円となっている繰越損失の解消を目指しております。
(4)中長期的な会社の経営戦略
中長期的な会社の経営戦略として、厳しい経営環境の中、主軸である映画事業を今後も継続して行くにあたり、映画興行に限らない総合的な映画事業の展開に加え、映画事業以外でも当社グループの事業資産のポテンシャルをしっかりと引き出し、有効活用していくことが重要であると考えております。
当社は「社会に健全な娯楽を提供すること」を主要な事業目的としており、その役割を現在担っているのが映画事業であります。しかしながら、映画事業は個人消費の動向や上映作品の持つ集客力、流行等に大きな影響を受ける事業であるため、看板事業としての数字に表れない貢献はあるものの、収益面で常時安定的に会社の業績向上に寄与できる事業とは言い難い側面があることも否めません。また、多くのシネコンが開設されている現状では、当社のようなミニシアターは作品の選定においても厳しい環境にあるといえます。当社は映画興行と映画配給は車の両輪であると認識しており、今後、映画興行事業の安定化のためにも、映画配給に関するノウハウを蓄積し、総合的に映画事業を手がける会社として経営戦略を練り直してまいります。
また、不確実性のある映画事業を継続的に運営していくには、会社の経営基盤の安定が不可欠であり、そのためには、不動産賃貸事業を中心とする不動産事業や自動車教習事業においても確実に収益を上げていくことも重要であります。従いまして、不動産事業や自動車教習事業で培った経験や信頼等、グループ全体の事業資産をより有効に活用し、確実に収益を生み出せる経営体質を維持継続していくことが経営戦略として重要であると考えております。
今後も当社では、主要な事業目的である映画事業を主軸とした「社会に健全な娯楽を提供すること」を安定的に継続していくために、さらなる経営基盤の充実を心がけてまいります。
(5)会社が対処すべき課題
当社単体における繰越損失の解消と早期復配が当社グループの課題であります。当連結会計年度におきましては連結ベースにおける繰越損失の解消がなされたものの、当事業年度においては、当社単体にて連結子会社に対する貸倒引当金繰入額の計上もあり、未だ繰越損失の解消には至っておりません。今後も、当社グループ全力を挙げて、映画事業、不動産事業、自動車教習事業といった主要事業部門のさらなる充実と、映画事業におきましては、映画の自社買付配給にも取り組み、総合的に映画事業を手がける会社として、より前向きな経営施策を講じてまいります。
具体的には、映画事業部門は、映画興行事業においては平成28年11月に全面改装した「新宿武蔵野館」のPRに加え、番組編成についてもシネコンとはひと味違ったミニシアターならではの個性溢れる作品のラインナップに引き続き注力してまいります。さらには、本年で4回目を迎える「シネマカリテ」における映画祭「カリテ・ファンタスティック!シネマコレクション(通称『カリコレ』)」の開催や、売店にて取り扱うフードメニューとグッズの充実、手作り感のある館内ディスプレイ等、映画館で映画を観ることの楽しさを感じていただけるような劇場作りを目指してまいります。映画配給事業においては自社買付配給作品第一弾の香港映画『小さな園の大きな奇跡』に続く配給作品の準備に取り掛かってまいります。
不動産事業部門は、主要テナントビルの維持管理や設備の更新を継続し、必要に応じた修繕や新たな付加価値となる設備投資も前向きに検討し、収益基盤の確保に繋がる資産管理を今後もしっかりと行ってまいります。また、仲介・販売業務については、今後も景況を見極めながら、取引の機会を検討してまいります。
自動車教習事業部門は、広々としたコースと、多種多様な種類の運転免許の取得が可能な自動車教習所としての認知度を高め、競合する自動車教習所との差別化をはかり、また、送迎ルートの充実や教習指導員の教育、地域との繋がりを重視し、信頼のおける自動車教習所としての評価を高めてまいります。
商事事業部門は、外部へ経営委託している軽飲食店については、今後も地域の皆様のニーズを把握してお店作りに生かし、経営委託先と連絡を密にしながら業績の向上に努めてまいります。
なお、遊休資産となっている旧甲府武蔵野シネマ・ファイブ土地建物の有効活用につきましては、売却を基本方針に情報の収集をさらに綿密に行ってまいります。
以上のように、各事業部門において経営環境に留意しながら諸施策を実施することにより、対処すべき課題の解消に向けて、全社挙げて全力で取り組んでまいります。

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