有価証券報告書-第130期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/25 15:19
【資料】
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【項目】
102項目
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであります。
(1)経営方針・経営戦略等
当社は、『未来を拓く夢創造企業~人がいるかぎり、心をこめた夢創り~』を経営理念として掲げ、第一に、劇場経営を中心とした芸能文化事業のパイオニアとして、お客様のための一流の夢創りをプロデュースし
ます。
第二に、新しい時代のニーズに的確に対応し、常に歴史と伝統を踏まえ、未来の可能性にチャレンジします。
第三に、当社のメンバー一人一人は、伝統とチームワークを重んじ、お客様に夢と感動をお届けするために、常に
真心をもってベストを尽くします。
の3点をモットーとして、社員一人一人が意識して取り組んでおります。また、創業の精神を忘れることなく、地域における芸能文化の担い手としての使命感をもって真摯に業務に取り組み、その模範となる存在感を示すとともに、地域の人々から感謝される企業であり続けるべく、お客様、株主、社員、社会に対する責任感を常に心掛けながら、業務向上を図っております。
当社の目標とする経営指標としては、公演ごとの収支及び営業利益を重視しております。
当社は劇場事業のみの経営であります。劇場の経営は、基本的には各公演の収支を公演終了後速やかに集計・確認し、当初計画と比べて増加したか減少したかを確認・把握しており、その集大成が四半期の業績となり、年間の業績となります。仮に、当初計画よりも公演収支が未達となる公演が発生した場合、その後の公演で取り返すべく、合理的な範囲で当初目標を上方修正させるなど、柔軟かつ適切に対応しております。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大の影響や政府による緊急事態宣言の発令などにより、令和2年2月下旬以降、予定していた公演の中止や規模縮小により、新型コロナウイルス感染症がなければ得られた利益を獲得できない状況となっております。新型コロナウイルス感染症が一定の収束を迎え、予定していた公演の上演を再開した後には、改めて公演ごとの収支状況を確認し、新型コロナウイルス感染症による収益への影響の度合いを含め、経営上の目標の達成状況を確認する体制を再び構築してまいる所存であります。
当事業年度におけるわが国経済は、令和2年1月までの間は、概ね、好調な企業収益を背景に雇用・所得環境の改善が続くなかで、個人消費も持ち直しの動きがみられるなど、景気は緩やかな回復基調で推移いたしました。しかしながら、2月以降、新型コロナウイルス感染症が世界規模で急激に拡大した影響を受け、3月の景気は、大幅に下押しされ、厳しい状況となりました。先行きについては、更なる感染拡大による影響が懸念されております。
当社におきましては、平成30年4月の新劇場開場から2年目となり、4月には「陽春花形歌舞伎」が行われました。また、5月には「ミュージカル 笑う男」、「雪まろげ」、「水森かおり特別公演」、「石川さゆりコンサート2019」、6月には「ミュージカル レ・ミゼラブル」、「ファンタスティックライブ2019」、7月には「前川清特別公演 杜このみ特別出演」、「夏休み!!吉本新喜劇&バラエティ公演」、8月には「音楽劇 トムとジェリー 夢よもう一度」、「ブロードウェイミュージカル ピーターパン」、「志村けん一座 第14回志村魂~一姫二太郎三かぼちゃ~」、「ブラックorホワイト? あなたの上司、訴えます!」、9月には「坂東玉三郎 御園座特別舞踊公演」、「きん枝改メ 四代 桂小文枝 襲名披露公演」、「天童よしみコンサート2019」、「蘭RAN」、「九月新派公演」、10月には「第五十回記念 吉例顔見世」、「ストーリー・オブ・マイ・ライフ」、11月には「渦が森団地の眠れない子たち」、「細川たかし特別公演 ダチョウ倶楽部一座旗揚げ公演」、「虎者-NINJAPAN-」、「組曲虐殺」、12月には「よしもと爆笑公演」、「ダンス オブ ヴァンパイア」、「加藤登紀子ほろ酔いコンサート2019」が行われました。
また、令和2年1月には「坂東玉三郎 御園座新春特別舞踊公演」、「梅沢富美男劇団&研ナオコ 新春特別公演」、「市川海老蔵特別公演」、2月には「宝塚歌劇月組公演」、3月には「吉幾三特別公演」、「キム・ヨンジャコンサート2020」を行う計画でした。
しかしながら、新型コロナウイルス感染症の感染拡大を背景として、2月26日、新型コロナウイルス感染症対策本部の会合で、政府より、今後2週間全国的なスポーツや文化イベントの中止や延期、規模縮小を要請されたことから、2月27日、「宝塚歌劇月組公演」の2月29日から3月4日まで予定していた8公演の中止を発表いたしました。
「吉幾三特別公演」につきましては、3月9日から3月22日まで公演は実施いたしましたが、予定されていた19回の公演のうち、公演期間中の貸切公演のうち10公演が中止となったため、上演したのは9公演にとどまりました。
「キム・ヨンジャコンサート2020」につきましては、3月5日、政府が中国と韓国からの入国者に指定場所での2週間の待機などを要請する方針を表明し、当該措置が3月9日から発動されたことから、キム・ヨンジャの来日が事実上不可能となり、3月11日、延期を発表いたしました。
以上の通り、新型コロナウイルス感染症の影響で19公演が中止となりました。
(2)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社が対処すべき当面の課題としては、主に下記の4点があります。
①「挑戦の1年」の継続
令和3年3月期は、平成30年4月の新劇場開場から3年目となります。
平成31年3月期は、平成30年4月の新劇場開場以降、お陰様で年間を通じご好評をいただき順調な業績を残すことができました。
令和2年3月期は「挑戦の1年」として、従来から御園座の強みであり、お客様に馴染みの深い歌舞伎、座長公演、お笑いの各公演のほか、新劇場になってから上演を開始したミュージカル、宝塚歌劇、ジャニーズの公演など、新たなブランド作りに努めてまいりました。
令和2年3月期においては、平成31年4月に上演した「陽春花形歌舞伎」がさまざまな理由により、大幅な赤字を計上した一方、令和2年1月~2月に上演した公演が想定を大幅に上回る実績を上げることができました。このように、収益が予算対比未達で、お客様の入りも十分ではなかった公演が発生した場合には、その原因を分析し、その経験を踏まえ、今後の対応策を身につけるとともに、年間を通してみれば大幅に想定を上回るような結果を残すような公演を上演し、収益の安定化を図っており、また、御園座に観に来る日までに「ドキドキ、ワクワク」指折り数えて待つような公演を並べられるようになってきたと考えております。
令和3年3月期もその流れを継続し、引続き「挑戦の1年」を進めてまいる予定で考えておりました。
②新型コロナウイルス感染症の影響と対応
ところが、新劇場開場後3年目を迎えるにあたって「新型コロナウイルス感染症」が突如発生いたしました。
新型コロナウイルス感染症は、世界規模で拡大し、わが国においても4月7日に政府が東京都など7都府県に対し緊急事態宣言を発令したこと、4月10日に愛知県が緊急事態宣言を発令したこと、4月16日には政府による緊急事態宣言発令対象を47都道府県に拡大したことなどにより、当社のみならず、興行業界全体に大きな影響が及ぼされております。
御園座における経営環境は、令和2年2月下旬以降3月末日までの状況から更に厳しくなっており、令和3年3月期において、以下の通り、令和2年4月から8月上旬までに上演することを予定していた全ての公演である19種類、上演日数として81日間、上演回数として116回の公演が中止となりました。この中には、例年4月に上演している歌舞伎公演、5月に短期公演を連続して行いコンサートシリーズとして銘打った公演群、発売後即完売した6月のミュージカル公演が含まれております。
<令和2年4月から8月上旬までの公演のうち当初上演を予定していたが中止となったもの>
公演名上演予定期間上演予定日数上演予定回数
新作歌舞伎「NARUTO-ナルト-」4月4日~26日2334
ミュージカル モダン・ミリー4月29日~5月1日34
きゃりーぱみゅぱみゅ かまいたちTOUR20205月6日12
タクフェス春のコメディ祭5月9日~10日23
鳥羽一郎 山川豊 熱唱!兄弟コンサート5月13日11
由紀さおり50年記念コンサート5月14日11
宇崎竜童弾き語りライブ5月15日11
コロッケPRESENTS ものまねエンターテインメントSHOW5月16日12
中村美律子コンサート20205月17日11
松竹芸能お笑い披露名古屋公演 松竹芸人大集合スペシャル5月18日11
純烈三大劇場コンサート20205月21日12
オール阪神・巨人45周年記念特別公演5月23日~24日23
ザ・ニュースペーパー特別公演 VOL.25月31日11
ミュージカル エリザベート6月10日~28日1925
彩の国シェイクスピア・シリーズ第36弾 ジョン王7月3日~6日45
細川たかし特別公演7月11日~23日1321
アルキメデスの大戦7月25日~26日23
ミュージカル 四月は君の嘘7月31日~8月2日34
森進一コンサート8月3日12
合計81116

(注)上記には、令和3年3月期中に別途公演を行う「延期」となる可能性があるものが含まれています。
8月中旬以降も上記の表以外に、更に一部の公演を中止決定しております。現時点では、公演中止が決定していない公演については上演する予定ですが、新型コロナウイルス感染症の影響等さまざまな理由から、中止となる公演が発生したり、集客が当社の想定に達しない可能性があります。
しかし、逆に新型コロナウイルス感染症が一定の収束を迎えた後、年度後半には、それまで買い控えをしていたお客様による反動や、令和2年3月以降の公演の観劇を予定していたお客様の振替が発生する可能性もあります。この2年間に培ったさまざまな経験やリスク軽減のための対策を実施することにより、新型コロナウイルス感染症が一定の収束を迎えれば、安定した収益を計上してまいることができると確信しております。
当面の間は、予定していた公演の再開や、新型コロナウイルス感染症の影響が出始める前のような経営環境を取り戻すのには時間が掛かる可能性がありますが、新劇場開場に当たり資金調達を実施したこと、新劇場開場初年度の平成31年3月期には大きな収益(当期純利益4億5千2百万円)を計上したことにより、手元現預金が潤沢であること、販売費及び一般管理費を大幅に抑制し、年間2億6千4百万円の低水準であること、また取引金融機関とも良好な関係を維持していることから、当面の資金繰りには懸念がないと考えております。
③劇場の設備、運営面の改善など
劇場運営に関しましては、劇場の設備・案内看板、場内売店やお手洗いなどの待機列の動線、劇場スタッフによるお客様の誘導や説明内容、各種企画及びその告知方法などに対し、当事業年度より導入した「御園座モニター」から寄せられたご意見やご感想、公演実施の際に寄せられたアンケートなどに対応し、対応できることから少しずつ、改善を図ってまいりました。
中期的な課題として認識しているものについても、当社としてしっかり受け止めており、すぐには対応できない場合もございますが、次善の策を速やかに対応することを含め、今後ともより多くのお客様にご満足いただける劇場作りに努めてまいる所存です。
④収益管理の徹底
新劇場開場に当たり資金調達を実施したことを踏まえ、損益面においては収支管理の徹底と、営業部門・制作部門の連携の強化などにより、引き続き収益の確保に努めてまいります。

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