有価証券報告書-第76期(2024/01/01-2024/12/31)
② 戦略
当社グループでは、企業の持続的成長がすべてのステークホルダーに対する責務であり、世界規模での取引が必須である現代において、地球全体の持続的成長を果たすため、私たちが直面する社会課題の解決に取り組むことも重要な責務であると考えております。
また、気候変動をはじめとした環境課題へ向き合うことは、その方針を構成する重要な一要素であり、この分野で新たな取組みにチャレンジすることで、社会から必要とされる企業へ進化すると考えております。当社グループとそのサプライチェーン全体における影響の特定評価と対策の検討にあたっては、TCFDのフレームワークを活用した気候変動リスク及び機会の特定及び対応策の策定と経営戦略への統合が、企業価値向上だけでなく地球全体の持続的成長に資するものと考え、TCFD提言に即した情報開示を進めております。今後もシナリオ分析を通じた当社グループの気候変動課題に対するレジリエンス性の強化を図ると同時に、持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。
ⅰ シナリオ分析
当社グループでは、気候変動による影響やその対策方針が不透明な将来における影響を特定評価するにあたり、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表するシナリオをベースに、地球温暖化が深刻化する世界及び、脱炭素化への移行が推進され2050年までにカーボンニュートラルが達成されるとした世界の、以下2種類の仮説を設定し、それぞれの前提条件を踏まえた2030年時点における分析評価を実施しております。
ⅱ リスクと機会
4℃シナリオ
(イ)リスク
4℃シナリオにおいては最も大きな影響として、洪水や気温上昇をはじめとする異常気象災害の激甚化による自社施設の被災や物流網の断絶といった直接的なリスク、原材料高騰や収穫量減少、品質低下、内食需要への傾倒による人流の減少といった間接的なリスクが想定されます。また、エネルギーの観点では化石燃料需要が成行き的に拡大することなどを背景に原油価格が高騰することで、石油由来商品の価格上昇や輸送コストの増加を予測しております。
(ロ)機会
こうした影響はお客様においても想定され、中食・内食需要への傾倒など行動変化があると想定し、フローズンミール「ロイヤルデリ」の価値向上と販路拡大を進めております。ロイヤルデリは、ロイヤルホストの売店や、冷凍自動販売機「ど冷えもん」等でも販売し、女性の社会進出、男性の育児参画といったライフスタイルの変化に対応する商品として、事業機会獲得にも繋がるものと認識しております。また、持続可能なサプライチェーンの見直しについても取り組んでまいります。
1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオも併用)
(イ)リスク
1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオも併用)では脱炭素化に向けてカーボンプライシング制度の導入や再生可能エネルギー由来電力への転換による電力価格の高騰など、事業運営コストの増加が予測されます。また、業界内競争に追いつくためのエシカル消費メニュー開発や省エネ化・脱プラスチック化といった環境配慮ニーズへの対応コストの増加や、その取り組み状況による顧客離れも予測されます。
(ロ)機会
このような環境志向の高まりはプラントベースフードをはじめとした代替食材への需要増も見込まれるほか、新たな顧客行動の変化に対応するサービスを展開することで新規顧客獲得につながる可能性も認識しており、リスク緩和だけでなく脱炭素化の推進による機会拡大が重要課題の1つとなることを認識しております。
<財務面の考察>前述を踏まえ、当社グループは、2030年時点を想定した2つのシナリオにおける事業及び財務への影響のうち、特に日本国内における炭素税の導入、原材料仕入れコストの変動、及び店舗における洪水被害の影響が重要なパラメーター指標になると考えております。
※1 Scope1、2算定結果のCO2排出量について、2030年も同様の排出量があると仮定し、IEAによる先進国での炭素税負荷予想額を乗じて試算
※2 2030年の仕入れ量は2022年を基準に同様と仮定して試算。2022年の単価は2020年の統計データを使用
※3 拠点住所からハザードマップにて洪水による浸水深や河川等級を調査し、浸水深に応じた拠点の年平均の洪水被害額を試算
なお、特定したリスク及び機会は次の表のとおりであります。
◇特定したリスク及び機会
(注)1 上表の1.5℃シナリオは一部2℃シナリオも併用しています。
2 LED照明への更新は、店舗空調コストの増加への対応として、経費削減を企図しています。
3 影響度評価の基準について
大:影響額が経常利益に対して±10%以上のもの
中:影響額が経常利益に対して±10%に満たないもの
小:影響額が軽微(経常利益対比±1%以下)、もしくは無いもの
1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオも併用)及び4℃シナリオのいずれのシナリオ下においても、中長期視点から高い戦略レジリエンスを強化していく必要があります。そのため、事業戦略や中期経営計画において、マイナスのリスクに対しては適切な回避策を策定する一方、プラスの機会に対しては、環境変化へ積極的に対応する等、新たな成長機会の獲得を目指してまいります。
具体的には、省エネ活動やLED照明への更新、電気・ガス使用量のシステム化による可視化、一部店舗における再生可能エネルギーの導入、遮熱シートや遮熱フィルム、遮熱塗装といったトライアルの実施、食品ロス削減や食品リサイクル率の向上などを通じた環境負荷低減、脱プラスチックに貢献する自動供給おしぼり機「SAWANNA」の導入、エシカル消費志向の拡大を捉えたメニュー・サービス開発、異常気象の頻発を見据えた内食・中食需要への対応など、環境課題への対応を踏まえた機会の創造に積極的に取り組んでおります。
また、災害対策においても外食業界では初の「DBJ BCM(事業継続管理)格付」を取得し、自然災害の発生に備えています。更には、シナリオ分析を通してハザードリスクが大きいと特定された拠点について、現在取組んでいる予防保全投資においてリスク回避策の織り込みを検討する等、防災対策・事業継続対策を推進しております。
当社グループでは、企業の持続的成長がすべてのステークホルダーに対する責務であり、世界規模での取引が必須である現代において、地球全体の持続的成長を果たすため、私たちが直面する社会課題の解決に取り組むことも重要な責務であると考えております。
また、気候変動をはじめとした環境課題へ向き合うことは、その方針を構成する重要な一要素であり、この分野で新たな取組みにチャレンジすることで、社会から必要とされる企業へ進化すると考えております。当社グループとそのサプライチェーン全体における影響の特定評価と対策の検討にあたっては、TCFDのフレームワークを活用した気候変動リスク及び機会の特定及び対応策の策定と経営戦略への統合が、企業価値向上だけでなく地球全体の持続的成長に資するものと考え、TCFD提言に即した情報開示を進めております。今後もシナリオ分析を通じた当社グループの気候変動課題に対するレジリエンス性の強化を図ると同時に、持続可能な社会の実現に向けて貢献してまいります。
ⅰ シナリオ分析
当社グループでは、気候変動による影響やその対策方針が不透明な将来における影響を特定評価するにあたり、国際エネルギー機関(IEA)や気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が公表するシナリオをベースに、地球温暖化が深刻化する世界及び、脱炭素化への移行が推進され2050年までにカーボンニュートラルが達成されるとした世界の、以下2種類の仮説を設定し、それぞれの前提条件を踏まえた2030年時点における分析評価を実施しております。
| 項目 | 4℃シナリオ | 2℃以下シナリオ |
| 想定される世界観 | 地球温暖化が深刻化する世界を想定したシナリオ。産業革命期の世界平均気温と比較して、21世紀末までに世界平均気温が4℃上昇する。気候変動政策は、2021年時点で施行されている規制以上に強化されず、脱炭素化への移行は推進されないため、温暖化の影響が拡大し災害の規模や頻度が拡大する。 | 脱炭素化が推進される世界を想定したシナリオ。 産業革命期の世界平均気温と比較して、21世紀末頃の世界平均気温の上昇が2℃未満に抑制される。カーボンニュートラルの実現に向けて、積極的な環境政策が推進されるために移行リスクによる影響が拡大する。 |
| 参考シナリオ | (4℃シナリオ) IPCC:RCP8.5/4.5 IEA2021:STEPS | (2℃シナリオ) IPCC:RCP2.6 IEA2021:SDS (1.5℃シナリオ) NZE2050 |
ⅱ リスクと機会
4℃シナリオ
(イ)リスク
4℃シナリオにおいては最も大きな影響として、洪水や気温上昇をはじめとする異常気象災害の激甚化による自社施設の被災や物流網の断絶といった直接的なリスク、原材料高騰や収穫量減少、品質低下、内食需要への傾倒による人流の減少といった間接的なリスクが想定されます。また、エネルギーの観点では化石燃料需要が成行き的に拡大することなどを背景に原油価格が高騰することで、石油由来商品の価格上昇や輸送コストの増加を予測しております。
(ロ)機会
こうした影響はお客様においても想定され、中食・内食需要への傾倒など行動変化があると想定し、フローズンミール「ロイヤルデリ」の価値向上と販路拡大を進めております。ロイヤルデリは、ロイヤルホストの売店や、冷凍自動販売機「ど冷えもん」等でも販売し、女性の社会進出、男性の育児参画といったライフスタイルの変化に対応する商品として、事業機会獲得にも繋がるものと認識しております。また、持続可能なサプライチェーンの見直しについても取り組んでまいります。
1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオも併用)
(イ)リスク
1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオも併用)では脱炭素化に向けてカーボンプライシング制度の導入や再生可能エネルギー由来電力への転換による電力価格の高騰など、事業運営コストの増加が予測されます。また、業界内競争に追いつくためのエシカル消費メニュー開発や省エネ化・脱プラスチック化といった環境配慮ニーズへの対応コストの増加や、その取り組み状況による顧客離れも予測されます。
(ロ)機会
このような環境志向の高まりはプラントベースフードをはじめとした代替食材への需要増も見込まれるほか、新たな顧客行動の変化に対応するサービスを展開することで新規顧客獲得につながる可能性も認識しており、リスク緩和だけでなく脱炭素化の推進による機会拡大が重要課題の1つとなることを認識しております。
<財務面の考察>前述を踏まえ、当社グループは、2030年時点を想定した2つのシナリオにおける事業及び財務への影響のうち、特に日本国内における炭素税の導入、原材料仕入れコストの変動、及び店舗における洪水被害の影響が重要なパラメーター指標になると考えております。
| 事業インパクト評価(百万円) | |||
| 炭素税導入による追加支出 | 2℃シナリオ | △1,143.3 | ※1 |
| 牛の生産量変化による影響 | 4℃シナリオ | △1,094.1 | ※2 |
| イネの収穫量変化による影響 | 4℃シナリオ | △81.3 | ※2 |
| 洪水被害額 | 4℃シナリオ | △1,080.0 | ※3 |
※1 Scope1、2算定結果のCO2排出量について、2030年も同様の排出量があると仮定し、IEAによる先進国での炭素税負荷予想額を乗じて試算
※2 2030年の仕入れ量は2022年を基準に同様と仮定して試算。2022年の単価は2020年の統計データを使用
※3 拠点住所からハザードマップにて洪水による浸水深や河川等級を調査し、浸水深に応じた拠点の年平均の洪水被害額を試算
なお、特定したリスク及び機会は次の表のとおりであります。
◇特定したリスク及び機会
(注)1 上表の1.5℃シナリオは一部2℃シナリオも併用しています。2 LED照明への更新は、店舗空調コストの増加への対応として、経費削減を企図しています。
3 影響度評価の基準について
大:影響額が経常利益に対して±10%以上のもの
中:影響額が経常利益に対して±10%に満たないもの
小:影響額が軽微(経常利益対比±1%以下)、もしくは無いもの
1.5℃シナリオ(一部2℃シナリオも併用)及び4℃シナリオのいずれのシナリオ下においても、中長期視点から高い戦略レジリエンスを強化していく必要があります。そのため、事業戦略や中期経営計画において、マイナスのリスクに対しては適切な回避策を策定する一方、プラスの機会に対しては、環境変化へ積極的に対応する等、新たな成長機会の獲得を目指してまいります。
具体的には、省エネ活動やLED照明への更新、電気・ガス使用量のシステム化による可視化、一部店舗における再生可能エネルギーの導入、遮熱シートや遮熱フィルム、遮熱塗装といったトライアルの実施、食品ロス削減や食品リサイクル率の向上などを通じた環境負荷低減、脱プラスチックに貢献する自動供給おしぼり機「SAWANNA」の導入、エシカル消費志向の拡大を捉えたメニュー・サービス開発、異常気象の頻発を見据えた内食・中食需要への対応など、環境課題への対応を踏まえた機会の創造に積極的に取り組んでおります。
また、災害対策においても外食業界では初の「DBJ BCM(事業継続管理)格付」を取得し、自然災害の発生に備えています。更には、シナリオ分析を通してハザードリスクが大きいと特定された拠点について、現在取組んでいる予防保全投資においてリスク回避策の織り込みを検討する等、防災対策・事業継続対策を推進しております。