有価証券報告書-第56期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/23 9:56
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154項目
社会のサステナビリティの実現に実効的に貢献していくためには、ESGに関連する多岐にわたる課題のなかから、当社グループの強みや業界特性を踏まえて取り組んでいくことが重要です。当社グループではシステム開発や先端技術、DX分野でのノウハウを発揮し、お客様が抱える環境課題を含む様々な社会課題をソリューションの創出・提供を通じて解決することで、社会のサステナビリティに貢献しています。
当社グループの抱える課題に対しては、環境面(E)では、気候変動・環境保全に係る課題解決に貢献するため、事業活動により発生するエネルギーの管理や廃棄物処理への対応等に取り組んでまいります。当社はデータセンター等の膨大なエネルギーを消費する施設は保有しておりませんので、オフィス電力を削減し温室効果ガスである二酸化炭素(以下、CO2)の排出量を削減すること等に注力しています。
社会面(S)では、当社の事業にとっての最も重要な資本は人材であるとの認識から、健康経営の推進をはじめ、人材開発の強化、社員の働きがいの向上等を図るほか、ビジネスパートナーとの公正な労働慣行の確保などを推進してまいります。加えて、DX時代に対応するIT企業として、情報セキュリティに対しても堅確に取り組み、お客様をはじめ社会の信頼に応えてまいります。
ガバナンス面(G)では、実効性のあるコーポレートガバナンスとコンプライアンスが企業経営において不可欠な存立基盤であると認識しています。これらの体制を着実に運営し、堅実かつ透明性の高い経営を実践するとともに、コンプライアンス意識の醸成・徹底に努め、持続的成長のための経営基盤を確固たるものにしてまいります。
当社が特に重要と考え注力する、人的資本に関する取り組みは次のとおりです。
(人的資本)
当社は、「社員が最大の財産であることを認識し、社員一人ひとりの持つ無限の可能性を信じ、健全で働きやすい環境を提供し、夢と誇りを持てる働きがいのある会社」にしていくことを経営の基本方針に掲げています。
これまでシステムの受託開発をメインとした事業を展開してきましたが、現在はそれに加えて、DX分野に関連した技術の研究開発を推進するとともに、若手社員を積極的に抜擢し、生成AIをはじめとする時代をリードする技術力を強化しています。2026年3月期までの中期経営計画では、DX・AI・ソリューション事業への一層の注力、実績の積み上げを重点項目の一つとして掲げています。例えば生成AIを活用した新たなソリューションの展開やビッグデータを用いたデータ解析など、これまでに幅広く、かつ深く密接な繋がりを築いてきた顧客基盤と、DX分野に関連した技術という新たな軸を掛け合わせ、多面的なアプローチで事業展開をしています。
こうした事業を支え経営戦略を実現し、人的資本経営を推進するためには、もっとも重要な資本は人材であると認識し、人的資本への積極的な投資を行っています。これまでの新卒採用を中心とした人材獲得に加え、事業目的に沿ったキャリア採用も積極的に進めながら、社員に対する適切で十分な能力開発機会提供としての教育・研修や、社員が最大限のパフォーマンスを発揮するための健康経営等の取り組みを推進しています。さらに、ベースアップを継続的に実施する等、優秀な人材の確保や従業員エンゲージメントに対する取り組みも行っています。こうして“NSD人材の力を最大化する”ことで、今後とも企業価値の向上を実現していきます。
① 人的資本投資とその効果
当社は、これまで多くのお客様から信頼をいただきながら成長を続けてきました。その成長を支えるのは、信頼にお応えする真面目な組織風土と、お客様の業務への深い理解を含む確かな技術力であり、それらを築き上げてきた、誠実で、熱意や強靭さを内に秘めた「人」です。
当社は、社員が最大の財産であり、一人ひとりの成長が、会社の長期的な発展や社会への貢献につながると考えています。この考えのもと、さらなる成長と競争力を強化する「攻めのNSD」として、人的資本経営の取り組みを進めています。「お客様から信頼される“NSD人材” の創造」と、「高いパフォーマンスを発揮できる環境」作りのため、下記の施策に年間約30億円の人的資本投資を行い、効果を生み出しています。
<お客様から信頼される“NSD人材” の創造>(施策)
・戦略的な人材獲得:ポテンシャル人材の新卒採用、事業目的に沿った即戦力人材のキャリア採用
・NSDならではの人材育成:ITスキルの高度化と業務理解の深化、「NSDならでは」を体現する“真面目さ”の継承
(施策の効果)
・事業創造・推進に必要な人材の確保
・高い専門性を持つ技術者・PMの育成
・“NSD人材”としてのマインドの醸成
<高いパフォーマンスを発揮できる環境>(施策)
・魅力的な職場環境に向けた整備:多様な人材が健康で活躍する環境、自律型人材が創造性を発揮する環境(下記②~④をご参照ください)
・組織の一体感醸成:部門を超えたコミュニケーションの活性化(創立記念式典、運動会、各種イベント)
(施策の効果)
・多様な人材が能力を発揮する職場
・エンゲージメントの高い組織
・イノベーションを後押しする企業文化
これらの施策効果を通して、長年のプロジェクト完遂実績に基づくお客様との信頼関係の基盤の上に、「継続的な受注」「若年層の着実な戦力化」「不採算案件の発生抑制」「社員の高いパフォーマンス発揮」等を実現しています。これらの成果のうち定量化できるものは、年間30億円を上回る収益効果に相当します。
こうした「人的資本投資の効果」を循環(再投資)させることで、永続的な組織の成長を目指しています。
② 人材開発
当社では経営理念に「常に最先端のIT技術を探求」することを掲げ、IT技術の進展により急速に多様化・高度化するお客様のニーズにお応えすべく社員が最先端の技術を習得できるよう多様な技術研修を実施しています。DX分野関連技術の研究部門の社員が講師を務めるなど、社内の技術展開の場にもなっています。
また、自律的な学びを推進するため、幅広い資格を対象として資格取得褒賞金を設定しており、対象資格や褒賞金額を随時見直しています。(<表2>No8、9)
こうしたITスキルの向上と合わせて、ヒューマンスキルを向上させるための研修も手厚く実施しており、入社3年目までを対象に社会人としての基本スキルを学ぶ研修を毎年実施しているほか、昇格時には自身のビジョンを考える研修、マネジメントに関する研修などを実施しています。
研修のカリキュラムは、技術と品質の専門部門と、ヒューマンスキルを扱う人事部門とで相互に補完しながら策定しています。
③ 健康経営の推進
当社は健康経営への取り組みが評価され、2年連続「健康経営銘柄2025」に選定されるとともに「健康経営優良法人2025(大規模法人部門・ホワイト500)に認定されました。当社では、代表取締役を最高責任者、人事担当役員を施策の企画・実行のトップとし、人事部が、関連部署・NSD健康保険組合と連携して、健康経営を推進しております。
健診結果に応じたきめ細やかな面談等、罹患を未然に防ぐための取り組みに力を入れ、治療・育児・介護中も働きやすい社内制度の浸透に努めております。加えて、自社開発アプリを活用し、ウォーキングイベントの実施や自宅でできる運動の動画・心身の健康に関する情報の配信などを通じ、社員の意識向上を図っております。当社は今後も、社員一人ひとりの持つ力を最大限に発揮できるよう努めていきます。(<表2>No10、11、13~16)
④ 育児・介護・治療と就業の両立支援
子育て中の社員が無理なく安心して働き続けられるよう、手厚い制度を整備しており、男性社員の育児休業取得率が向上しております。また、介護との両立のために休業や短時間勤務等の制度を整備するとともに、がんや心臓・脳疾患で治療中の社員に対しては産業医や保健師が面談を行い、治療と就業の両立をサポートしています。また、ワークライフバランスに関するトップメッセージの発信や啓発冊子の配布、説明会の実施等、制度を活用しやすい社内風土の醸成に積極的に努めています。(<表2>No1、2、6)
⑤ ダイバーシティ&インクルージョン(D&I)
性別、性的指向、年齢、学歴、人種、民族、国籍、思想、信条、身体的・知的・精神的障がい等に関係なく、多様な人材が働きがいをもって活躍できる職場づくりを推進しています。女性活躍推進に全社を挙げて取り組んでいるほか、労働力の多様性、機会均等への取り組みとして、ワークライフバランスに関する制度面の拡充や、制度を活用しやすい社内風土の醸成にも積極的に努めています。また、差別のない職場づくりに向けて、D&I研修等の実施を通じて、社員の多様性を尊重し相互理解を推進しています。(<表2>No3~5)
⑥ 社員の働きがい
上記①から⑤の取り組みを通じて、適切で十分な能力開発機会の提供や、働きやすい環境の整備に取り組むとともに、貢献に報いる公正な人事制度の運用により、社員の自己成長の促進と支援に取り組んでいます。(<表2>No7~9、12)
(気候変動関連)
当社グループは、「サステナビリティ宣言」に則り、持続可能な社会を実現していくため、気候変動問題への対応をはじめとした地球環境保全に計画的かつ継続的に取り組み、多様な業界にわたるお客様やビジネスパートナーと連携しながら、豊かでより良い地球環境の実現を目指しています。
当社はソフトウェア開発事業を主業としており、膨大なエネルギーを消費するデータセンター等の施設を保有していないため、気候変動問題に大きく関係する「CO2」の直接的な排出量としては、他業種と比べ相対的に僅少ではありますが、地球規模で進行する同問題への対応は重要課題のひとつであると認識しています。
上記を踏まえ、当社グループの事業に影響を及ぼすと予想される気候変動に関連する「リスク」と「機会」について、TCFD提言のフレームワークに基づいて、次の<表1>に整理しました。
<表1>気候変動に関連する「リスク」と「機会」および財務への影響
種類予想される財務への影響
移行リスク• 気候変動に起因する取引先の業界再編や衰退、これに伴う当社の取引先数の減少
• 取引先からの気候変動への取り組みの要請に当社が対応できず、これに伴う当社の受注量の減少
• 当社の気候変動対策に伴う必要な経費支出(例:カーボンオフセット費用)の増加
• 取引先からの気候変動に関連する新たな技術・製品開発の要請、これに伴う当社の研究開発費や設備投資の増加
• 気候変動対策を起因とする新たな環境税(例:炭素税)の導入、これに伴う当社の税負担の増加
• 株主からの気候変動に関する情報開示の要請に当社が対応できず、これに伴う当社の株価の下落
物理リスク• 平均気温の上昇など異常気象の発生による当社の役員・社員の健康面への悪影響、これに伴う生産性の低下
• 台風や洪水などの極端な気象事象の多発、これに伴う当社の事業運営の不安定化
機会• 異常気象の激甚化に備えた取引先のBCP関連のシステム化ニーズの高まり、これに伴う当社のビジネス拡大
• 社会における健康への関心の高まり、これに伴う当社の医療・ヘルスケア領域のビジネス拡大
• 当社が積極的に気候変動に関する情報の開示を行うことによる各ステークホルダー(例:取引先・株主など)からの評価向上、これに伴う当社の取引拡大や株価上昇

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