有価証券報告書-第45期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

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2017/06/23 9:04
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有報資料

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の設備投資や雇用情勢の改善により緩やかな回復基調で推移しましたが、米国や英国の政権交代にともなう海外経済の不確実性の高まりや金融資本市場の変動などにより不透明な状況が続きました。
情報サービス産業を取り巻く環境については、FinTech、IoT、AI、ビッグデータなどのIT活用の多様化もあり、企業収益の改善を背景にした情報化投資の緩やかな増加により、堅調に推移しました。
このような状況下において当社グループは、中期経営計画(平成28年4月~平成31年3月)のもと、「新たな価値を生み出す Change! for the Next」をビジョンに掲げ、「経営革新」、「事業変革」および「営業改革」の3つの“Change”の実現に向けて取り組んでおります。具体的には、「分野別成長戦略の導入」、「組織再編」、「経営の迅速化」を重点施策とし、営業力やSI力の強化、新規事業への取り組み、経営基盤の拡充、およびグループ総合力の強化に注力していきます。
当連結会計年度については、生命保険会社の開発案件やソリューションビジネスなどが好調に推移しましたが、銀行の大規模システム統合案件のピークアウトやデータリンクス株式会社の人材派遣事業一部譲渡などの影響により減収となりました。中期経営計画の最終年度における財務目標である売上高900億円以上、営業利益率9%以上の達成に向けて、持続的な拡大成長を推進していきます。
中期経営計画の初年度となる当連結会計年度については、「営業力の強化」として、平成28年4月に営業本部を設置し、事業本部別の営業体制から全社横断的な営業体制への移行を図るとともに、営業リソースの充実、アカウント営業ならびにソリューション営業の強化を推進しました。また、営業本部では、事業本部と連携した案件管理の強化やお客様満足度調査の充実を図り、ポートフォリオ戦略に基づいた営業活動の強化に取り組みました。従来型の受託ビジネスに加え、SI・ソリューション・サービス型ビジネスへの拡大を進めております。
「SI力の強化」では、市場環境の変化に迅速に対応するため、事業の単位をビジネス・技術・人材面でのシナジーを考慮した「分野」に再編成いたしました。分野ごとの特性に応じた新規ビジネスの創出など、その強みを最大限に活かしたグループ経営の強化を推進しております。また、ビジネスモデルの変革に向けて、システム基盤技術者を金融、法人通信事業本部内に配置することにより、アプリケーション開発から基盤構築までをワンストップでサービス提供できる開発体制を整備いたしました。当社のソリューション開発などをDTS SOFTWARE VIETNAM CO., LTD.と協働して進めるなど、オフショアの活用強化にも注力しております。さらに、北米・アジアにおける金融SIビジネスの基盤を構築し、金融ソリューションやプロダクトなどの事業の拡大を目的として、平成29年3月にNelito Systems Limited(本社:インド)と資本提携いたしました。
「新規事業への取り組み」では、ソリューションやサービス提供型ビジネスなどの拡充に向けて、平成28年4月にソリューション事業本部を新設し、新規ソリューションなどの企画・開発体制の強化を図りました。当連結会計年度に販売を開始した建築用3Dプレゼンテーションソフト「Walk in home 16」、およびBIダッシュボード(注)「GalleriaSolo(ガレリアソロ)」については、展示会への出展やセミナー開催などにより、販売拡大を推進しております。ERPソリューションでは、顧客企業の業務プロセスを標準化し、業務効率の向上を実現するなど、顧客ニーズに応えた当社の提案活動が高く評価され、SAPジャパン株式会社よりプロジェクト・アワード優秀賞を受賞しました。株式会社DTS WESTでは、モバイルコンピューティング推進コンソーシアム主催の「MCPC award 2016」において、病院や地方自治体などと連携して開発したスマートフォン向け医療系アプリケーション「小児救急支援アプリ」が、特別賞を受賞しました。FinTech関連では、地域仮想通貨や、マネーロンダリング対策において、地方金融機関および他社と共同して、ブロックチェーン技術などを活用した実証実験や研究開発を推進しております。IoTおよびAI関連では、設備故障予測など、設備予知保全の実証実験を行い、産業機器関連企業などとの連携を強化しております。FinTech、IoT、AI、ビッグデータ活用などの領域においては、引き続き研究開発などに向けた戦略的な投資を行い、新たな事業の創出に向けた取り組みを推進していきます。
(注)BI ダッシュボードとは、複雑な情報を速やかに伝達するために、さまざまなリソースから取り出したデ
ータを、チャート・地図・グラフなどをグラフィカルな形式にまとめて表示し、分析する機能のこと。
「経営基盤の拡充」では、労働者派遣法改正等の事業環境変化に円滑に対応するため、サービス管理部を新設し、社内管理体制を整備いたしました。また、マネジメントの効率化や経営意思決定の迅速化を目的とした、グループ全体での業務プロセスの改善などに注力しております。平成28年10月に、年金制度を取り巻く環境が大きく変化する中、社員の働きがいを創出する企業として、当社独自の新企業年金制度の運用を開始し、グループ会社の株式会社九州DTS、株式会社DTS WEST、および株式会社DTSインサイトへ拡大いたしました。平成29年10月には、業務効率および組織間連携の一層の向上を図ることを目的に、当社事業所の一部を集約し、本社を東京都の港区から中央区へ移転する予定です。本移転を「第二の創業」と位置付け、創意工夫による働き方改革を促進し、価値創造型企業への変革に取り組んでいきます。
「グループ総合力の強化」では、組込み事業の強化を目的として、平成29年4月に横河ディジタルコンピュータ株式会社とアートシステム株式会社を合併し、当社グループの組込み事業を、株式会社DTSインサイトに統合いたしました。本統合により、効率的な事業体制を構築し、医療・自動車関連市場の顧客基盤の拡大と競争力強化を目指し、さらなる事業拡大に取り組みます。平成29年8月には、グループ一体経営をさらに推進するため、データリンクス株式会社を株式交換により完全子会社化する予定です。ソリューションビジネスや運用BPO事業における、さらなるグループ間連携の強化や、事業シナジーの最大化に取り組み、グループ収益力の強化、および企業価値の向上を目指します。なお、DTS IT Solutions (Thailand) Co., LTD.につきましては、海外ビジネス基盤の再構築や、注力事業への経営資源の集中などを目的に、平成29年10月末をもって、営業を終了することを決定いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、798億58百万円(前年同期比3.2%減)となりました。売上高の減少は、銀行の大規模システム統合案件のピークアウトや人材派遣事業の一部譲渡などの影響によるものです。
売上総利益は、158億42百万円(同5.7%増)となりました。売上総利益の増加は、プロジェクトマネジメントの強化や生産性向上による原価率の改善などによるものです。
販売費及び一般管理費は、営業体制の強化などにより、78億55百万円(同6.4%増)となりました。
この結果、営業利益は、79億86百万円(同5.1%増)、経常利益は、80億93百万円(同5.0%増)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、人材派遣事業の一部譲渡益や前年同期に全国情報サービス産業厚生年金基金からの脱退に伴う特別掛金を引当てたことなどにより、51億21百万円(同18.0%増)となりました。
(単位:百万円)

連結個別(参考)
対前年同期増減率対前年同期増減率
売上高79,858△3.2%56,1990.2%
営業利益7,9865.1%6,88210.1%
経常利益8,0935.0%7,13011.8%
親会社株主に帰属する
当期純利益
5,12118.0%--
当期純利益(個別)--4,93729.5%

<売上高の内訳>
(単位:百万円)

連結
構成比
金融公共29,23236.6%
法人通信・ソリューション20,20025.3%
運用BPO12,18315.3%
地域・海外等18,24122.8%
合計79,858100.0%

各セグメントにおける営業概況は、次のとおりです。
金融公共セグメント
銀行の大規模システム統合案件のピークアウトの影響があったものの、生命保険などの金融業および地方自治体などの開発案件が順調に推移し、売上高は、292億32百万円となりました。
法人通信・ソリューションセグメント
通信業などの開発案件の獲得が低調に推移したものの、ERPソリューションの導入支援および車載や放送関連の組込み案件が順調に推移し、売上高は、202億円となりました。
運用BPOセグメント
金融業などのシステム運用・保守案件が減少したものの、情報通信業や官公庁などのシステム運用・保守およ
び業務支援などが堅調に推移し、売上高は、121億83百万円となりました。
地域・海外等セグメント
機器販売やこれに伴う構築案件が堅調に推移しましたが、地域や海外における新規案件の獲得が低調に推移し
たことや、データリンクス株式会社の人材派遣事業の一部譲渡の影響などにより、売上高は、182億41百万円とな
りました。
(2) キャッシュ・フロー
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の残高である301億20百万円に比べ3億38百万円増加し、304億59百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況についての前連結会計年度との比較は次のとおりであります。
営業活動によるキャッシュ・フローは37億64百万円となり、前連結会計年度に比べ得られた資金が12億96百万円減少いたしました。主な要因は、税金等調整前当期純利益が6億13百万円増加したこと、固定資産売却損益が6億3百万円減少したこと、売上債権の増加額が4億87百万円減少したこと、その他に含まれる未払消費税等の減少額が4億94百万減少したことにより収入が増加した一方で、厚生年金基金脱退損失引当金の増減額が増加から減少に転じたことにより24億63百万円、仕入債務の増加額が8億51百万円減少したことにより支出が増加したことなどによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは△11億99百万円となり、前連結会計年度に比べ得られた資金が66億23百万円減少いたしました。主な要因は、有形固定資産の売却による収入が60億95百万円減少したこと、投資有価証券の取得による支出が11億90百万円増加したことなどによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは△22億16百万円となり、前連結会計年度に比べ使用した資金が1億52百万円増加いたしました。主な要因は、配当金の支払額が2億14百万円増加したことなどによるものであります。

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