有価証券報告書-第58期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」という。)の我が国経済は、10月に実施された消費増税により消費マインドに動揺が見られたものの、期を通してみれば、改善が続く雇用・所得環境を背景に緩やかな景気回復が続きました。しかしながら、米中間の通商問題が深刻化する等、海外経済の不確実性は一層高まり、更に第4四半期には、世界的に広がりを見せる新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益が弱含む様相を呈する等、景気下振れリスクが拡大し、先行き予断を許さない情勢となりました。
そのような環境の中、「中期経営方針2018」2年目の当期は、訪販グループにおきましては、生活調律業への変革を目指して、ダストコントロール商品のレンタル、ケアサービス事業(役務提供サービス)、高齢者向けサービス等、事業間の連携を強める取り組みを推し進めました。更に当期は、新事業「ダスキンウォッシュ」(洗濯代行サービス)の検証をスタートする等、生活者の暮らしをサポートする“家族の暮らし総合窓口”へと飛躍するための新たな取り組みにも着手しました。またケアサービス事業におきましては、需要の拡大に応えるため当社フランチャイズチェーンへの新規加盟を促進する活動に注力し、加盟店数は順調に増加しました。他方、フードグループにおきましては、引き続きミスタードーナツのブランド再構築に取り組み、お客様の利用動機を拡大する商品戦略及び出店・改装を推進しました。
当期は、訪販グループが減収となったものの、フードグループが増収となったことにより連結売上高は前期から4億3百万円(0.3%)増加し1,591億2百万円となりました。しかしながら利益面につきましては、各種当期特有の要因により各段階で前期を下回る結果となりました。当期は、人件費、運賃の高騰等で洗浄加工工場の費用が増加し原価率が0.4ポイント悪化したことで売上総利益が5億1百万円(0.7%)減少、更に、10月の消費増税に対応するためのシステム改修、販売促進活動に9億円を投じたことに加えて、退職給付費用等も増加し、連結営業利益は前期から13億77百万円(17.3%)減少し65億77百万円となりました。また、営業外損益も悪化したことで連結経常利益は前期から20億82百万円(20.8%)減少し79億29百万円となりました。前期9月に持分法適用関連会社となった当社フランチャイズチェーン最大の加盟店である株式会社ナックの主業は住宅事業であり、上期は損失計上、利益の多くを下期に計上する傾向があります。前下期から同社の利益を取り込んだ当社は、同社の上期損失を当期初めて取り込んでおります。また同社当期純利益が減益となったこともあって、持分法投資利益が減少したことが営業外損益悪化の主な要因であります。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、保有する投資有価証券一部売却による投資有価証券売却益の計上や減損損失の減少等により特別損益が改善したものの、前期から3億93百万円(6.6%)減少し55億91百万円となりました。
<セグメント毎の状況>
(注)各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
(注)各セグメントの営業利益は、セグメント間の取引を含んでおります。
イ.訪販グループ
ケアサービス事業、レントオール事業(日用品・イベント用品等のレンタル)、ヘルスレント事業(介護用品・福祉用具のレンタルと販売)の売上高が増加したものの、主力のダストコントロール商品の売上高が減少したことにより、訪販グループの売上高は前期から4億40百万円(0.4%)減少し1,110億36百万円となりました。営業利益につきましては、原価率が悪化し売上総利益が減少したことに加え、人件費や消費増税に対応するためのシステム関連費用等の経費増加により、前期から18億3百万円(13.5%)減少し116億3百万円となりました。
家庭向けダストコントロール商品につきましては、消費増税の影響等により主力のモップ商品が減少し、売上高は前期を下回りました。しかしながら、販売に注力した「浴室用浄水シャワー」や使用期限到来に伴う切替需要があった消火器の売上は増加しました。他方、当期期初から注力したお客様の利便性向上のための取り組みは、現金取引からクレジットカード決済への切り替え促進、WEB会員サイト「DDuet」の会員獲得とも順調に推移しました。事業所向けダストコントロール商品については、衛生管理への関心と需要の高まりに伴って空間清浄機「クリア空感」の本体等の売上が伸長し、更に第4四半期には新型コロナウイルス感染症拡大を受けて衛生関連商品も売上が増加、加えて、快適なビジネス環境をサポートし、総合的な提案を行う「ハイジーンマスター」の増員を図り、お客様に対する提案力が強化されたこと等により売上高は前期を上回りました。
ケアサービス事業につきましては、「サービスマスター」(プロのお掃除サービス)、「メリーメイド」(家事代行サービス)、「ターミニックス」(害虫獣の駆除と総合衛生管理)、「トータルグリーン」(緑と花のお手入れサービス)、「ホームリペア」(住まいのピンポイント補修)、いずれもお客様売上が増加し、売上高は前期を上回りました。一方、ユニフォーム関連事業、化粧品関連事業、並びにライフケア事業(ご高齢者の暮らしのお手伝い)は減収となりました。なお、第3四半期まで順調に推移してきたレントオール事業は、第4四半期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けてイベントの延期やキャンセルが相次ぎ減収に転じたものの、通期の売上高は前期を上回りました。
ロ.フードグループ
フードグループにつきましては、主力のミスタードーナツは前期に引き続き不採算店舗のクローズを進め稼働店舗数が減少しました。また第4四半期には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたものの、発売した商品が期を通して高い評価を受け、稼働店1店当たりの売上が大きく増加し、全店合計お客様売上が前期から増加しました。その結果、フードグループ全体の売上高は前期から8億36百万円(2.4%)増加し362億63百万円となりました。営業利益は、増収に伴う粗利の増加等により前期から3億61百万円(112.9%)増加し6億81百万円となりました。
ミスタードーナツは、当期も“misdo meets”に注力しました。宇治茶専門店「祇園辻利」、有名洋菓子店「モンシェール」、世界最高峰のパティシエ「ピエール・エルメ」等、最高水準の素材と技術を持った企業・ブランドと共同開発した商品はいずれも好評を博し、売上増加に寄与しました。また当期は、長く愛され続けている定番ドーナツのブラッシュアップを実施し、オールドファッションやチョコレート、ポン・デ・リング、フレンチクルーラーの生地を更に美味しく改良しました。加えて、夏場の低需要期に備えたドリンク・デザートメニュー強化として発売した「タピオカドリンク」は、4月以降、期を通して好調な売れ行きが続きました。更に当期は、クリスマスシーズンに「ポケットモンスター」とコラボした「ミスド ポケモン ドーナツ」も大変好評で、人気キャラクターがデザインされたグッズと併せて展開した「ミスドでパーティチュウコレクション」や「ミスド福袋2020」は大人気となり、売上に大きく貢献しました。これらの結果、稼働店1店当たりの売上は大きく増加しました。
フードグループのその他の事業につきましては、とんかつレストラン「かつアンドかつ」は前期並みに留まったものの、消費増税の影響、店舗数減少及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、大型ベーカリーショップ「ベーカリーファクトリー」、パイ専門店「パイフェイス」、シフォンケーキ専門店「ザ・シフォン&スプーン」はいずれも減収となりました。また当期は、初夏から梅雨の時期にかけて気温が低かった影響で、連結子会社の蜂屋乳業株式会社(大手乳業メーカーへのアイスクリーム等OEM製造)も減収となりました。
ハ.その他
その他は、国内連結子会社につきましては、ダスキン共益株式会社(リース及び保険代理業)、株式会社ダスキンヘルスケア(病院施設のマネジメントサービス)共に増収となりました。海外連結子会社は、中国(上海)で訪販事業を展開している楽清(上海)清潔用具租賃有限公司が増収となったものの、楽清香港有限公司(原材料及び資器材の調達)が減収となった他、中国でミスタードーナツを展開していた美仕唐納滋(上海)食品有限公司が2019年3月末をもって全店舗を閉鎖したことにより減収となったこと、マレーシアを中心にドーナツ事業を展開しているBig Appleグループが既存店の売上減少により減収となったこと等により全体の売上高は減少しました。その結果、その他の売上高は前期から2億85百万円(1.9%)減少し145億72百万円となりました。利益面につきましては、ダスキン共益株式会社、株式会社ダスキンヘルスケアが減益となったものの、海外事業の営業損失が減少したこと等により営業利益は前期から54百万円(14.1%)増加し4億42百万円となりました。
海外お客様売上は、訪販関連事業につきましては、展開している台湾、中国(上海)、韓国すべてにおいて前期を上回りました。ミスタードーナツ事業につきましては、台湾は前期並み、中国(上海)、タイは減少しましたが、フィリピン、インドネシアは順調に推移しました。なお、Big Appleグループは前期を下回りました。
なお、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の252億37百万円から19億30百万円増加し271億67百万円となりました。各々のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
イ.営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、88億50百万円の資金収入(前期は136億6百万円の資金収入)となりました。その要因は、税金等調整前当期純利益が84億71百万円、減価償却費が70億44百万円あったことに対し、法人税等の支払額が26億49百万円、たな卸資産の増加額が18億58百万円、売上債権の増加額が14億70百万円あったこと等であります。
ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、31億37百万円の資金収入(前期は125億55百万円の資金支出)となりました。その要因は、有価証券及び投資有価証券の売却による収入が307億55百万円あったことに対し、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が167億15百万円、有形固定資産の取得による支出が61億67百万円、その他の支出が34億99百万円あったこと等であります。
ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、100億22百万円の資金支出(前期は66億71百万円の資金支出)となりました。その要因は、自己株式の取得による支出が77億79百万円、配当金の支払額が22億66百万円あったこと等であります。
③生産、受注及び販売の実績
イ.仕入実績
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.訪販グループでは生産を行っており、主なものは下記のとおりであります。
(訪販グループにおける生産実績)
ロ.受注実績
該当事項はありません。
ハ.販売実績
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
(イ)全国チェーン店お客様売上高
フランチャイズ方式を中心に事業展開する当社は、国内外の直営店・子会社等及び加盟店推定売上高の合計値である「全国チェーン店お客様売上高(以下「お客様売上」という。)」の状況・推移を最も重要視しております。
当連結会計年度(以下「当期」という。)は、フードグループの主力であるミスタードーナツのお客様売上増加を主因に、お客様売上は12期振りに増加(前期比0.9%増)しました。
当期のミスタードーナツは、「タピオカドリンク」をはじめ、発売した商品が期を通して高い評価を受けて好調に推移し、また、定番ドーナツのブラッシュアップや他社とのタイアップキャンペーン等も大変支持されました。他方、お客様売上の70%強を占める訪販グループは、家庭向けダストコントロール商品売上の減少を主因に減少いたしました。しかしながら、事業所向けダストコントロール商品の売上は増加に転じ、ケアサービス事業(役務提供サービス)、レントオール事業、ヘルスレント事業は引き続き好調を維持しました。
なお、第4四半期に入り世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症は、フードグループの各事業における来店お客様数の減少、レントオール事業における各種イベントの中止や延期等、当社お客様売上にも大きな影響を及ぼしております。現段階で終息時期、次期業績への影響を見通すことは困難でありますが、相当の影響があるものとして今後も注視してまいります。
<全国チェーン店お客様売上高推移>(単位:百万円)
(注)全国チェーン店お客様売上高には、一部、推定値が含まれております。
(ロ)収益性
当社が収益性の指標として重要視しているROEの推移は以下のとおりであります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受ける2021年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は損失を計上する予想で、ROEも一時的にマイナスとなる見込みですが、当面の目標を5%に置き、早期の達成を目指してまいります。
(注)純利益:親会社株主に帰属する当期純利益
当社は、前期まで基本方針としてきた、毎期安定した配当を継続するという考え方を堅持した上で、財務健全性を維持しつつ業績に応じて適切に利益還元を行うために、当期より配当方針を変更し(2019年2月12日付適時開示)、現在は、連結配当性向50%を目途としつつ、安定的な現金配当を継続することを配当の基本方針としております。当期はその基本方針に基づき、1株当たり中間配当24円、同期末配当32円、配当年間総額56円(前期対比6円増額)の配当を実施しております。加えて当期は、年間で2,679,200株(前期末発行済株式総数比5.08%)の自己株式の買い付けも実行いたしました。
しかしながら当期は、消費増税に対応するためのシステム改修や販売促進活動におよそ9億円を投じたことや前期9月に持分法適用関連会社となった株式会社ナックの上期損失を当期初めて取り込んだこと等、当期特有の要因が重なり、親会社株主に帰属する当期純利益が前期から393百万円(6.6%)減少したことで、ROEは前期から0.19ポイント悪化いたしました。
ロ.財政状態の分析
(イ)流動資産
当連結会計年度末における流動資産残高は621億95百万円となりました。前連結会計年度末と比較して17億53百万円減少しております。その要因は、有価証券が131億12百万円減少したことに対し、現金及び預金が78億47百万円増加したこと等であります。
(ロ)固定資産
当連結会計年度末における固定資産残高は1,229億63百万円となりました。前連結会計年度末と比較して73億11百万円減少しております。その要因は、投資有価証券が112億15百万円減少したことに対し、有形固定資産が17億56百万円、繰延税金資産が14億82百万円増加したこと等であります。
(ハ)流動負債
当連結会計年度末における流動負債残高は343億92百万円となりました。前連結会計年度末と比較して61百万円増加しております。その要因は、未払金が3億38百万円減少したことに対し、未払法人税等が2億45百万円増加したこと等であります。
(ニ)固定負債
当連結会計年度末における固定負債残高は87億35百万円となりました。前連結会計年度末と比較して12億73百万円減少しております。その要因は、退職給付に係る負債が9億48百万円減少したこと等であります。
(ホ)純資産
当連結会計年度末における純資産残高は1,420億31百万円となりました。前連結会計年度末と比較して78億53百万円減少しております。その要因は、その他有価証券評価差額金が39億55百万円、自己株式の取得及び消却の差引により30億50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益55億91百万円と剰余金の配当22億65百万円及び自己株式の消却47億28百万円の差引等により利益剰余金が14億21百万円減少したこと等であります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの主な資金需要は、各事業の営業活動に必要な原材料・製商品の仕入、販売促進活動等の営業活動費用並びに工場設備の維持更新投資、店舗の出店・改装投資及び成長が見込まれる分野への投資等であります。これらの必要資金については、主として自己資金で賄っておりますが、機動性及び長期安定性の確保のため、金融機関からの調達も想定に含めております。
また、災害等のリスク発生時には、当社グループの事業継続のための資金需要が見込まれます。このような不測の資金需要に対して資金調達の機動性を高めるため、主要取引金融機関と借入枠150億円のコミットメントライン契約を締結しております。しかしながら、この度の新型コロナウイルス感染症拡大の影響については未曽有の事態長期化も想定しております。この現状に対して当社は長期的な資金調達に備え、新たにコミットメントタームローン契約を締結いたしました。手元流動性を手厚くすることで強固な経営基盤維持し、事業継続に注力してまいります。
<キャッシュ・フロー指標のトレンド>
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により、それぞれ下記の算式により算出しております。
自己資本比率 :(純資産-新株予約権-非支配株主持分)÷総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債÷営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー÷利払い
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(追加情報)」に記載しておりますが、特に重要なものは以下のとおりです。
イ.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として事業所を基本単位として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
回収可能価額の評価の前提条件には、投資期間を通じた将来の収益性の評価や資本コスト等が含まれますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくものです。そのため、将来の当該資産グループを取り巻く経営環境の変化や市況の変動等、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
ロ.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の回収可能性が低下した場合に評価性引当額を計上することとしております。評価性引当額計上の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得及び慎重且つ実現性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産の一部又は全部を将来回収できないと判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取り崩し、その調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産を計上し、その調整額を収益として計上します。
ハ.退職給付債務
当社グループは、退職給付債務について、数理計算上の前提条件に基づいて算定しております。これらの前提条件には割引率、長期期待運用収益率、予想昇給率、一時金選択率等が含まれております。これらの前提条件と実際の結果との差額は累計され、将来の会計期間において償却するため、原則として将来の会計期間に費用化され、債務認識されますが、実績との差異又は前提条件の変化により、当社グループの退職給付費用及び債務に影響を与える場合があります。
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度(以下「当期」という。)の我が国経済は、10月に実施された消費増税により消費マインドに動揺が見られたものの、期を通してみれば、改善が続く雇用・所得環境を背景に緩やかな景気回復が続きました。しかしながら、米中間の通商問題が深刻化する等、海外経済の不確実性は一層高まり、更に第4四半期には、世界的に広がりを見せる新型コロナウイルス感染症の影響により企業収益が弱含む様相を呈する等、景気下振れリスクが拡大し、先行き予断を許さない情勢となりました。
そのような環境の中、「中期経営方針2018」2年目の当期は、訪販グループにおきましては、生活調律業への変革を目指して、ダストコントロール商品のレンタル、ケアサービス事業(役務提供サービス)、高齢者向けサービス等、事業間の連携を強める取り組みを推し進めました。更に当期は、新事業「ダスキンウォッシュ」(洗濯代行サービス)の検証をスタートする等、生活者の暮らしをサポートする“家族の暮らし総合窓口”へと飛躍するための新たな取り組みにも着手しました。またケアサービス事業におきましては、需要の拡大に応えるため当社フランチャイズチェーンへの新規加盟を促進する活動に注力し、加盟店数は順調に増加しました。他方、フードグループにおきましては、引き続きミスタードーナツのブランド再構築に取り組み、お客様の利用動機を拡大する商品戦略及び出店・改装を推進しました。
当期は、訪販グループが減収となったものの、フードグループが増収となったことにより連結売上高は前期から4億3百万円(0.3%)増加し1,591億2百万円となりました。しかしながら利益面につきましては、各種当期特有の要因により各段階で前期を下回る結果となりました。当期は、人件費、運賃の高騰等で洗浄加工工場の費用が増加し原価率が0.4ポイント悪化したことで売上総利益が5億1百万円(0.7%)減少、更に、10月の消費増税に対応するためのシステム改修、販売促進活動に9億円を投じたことに加えて、退職給付費用等も増加し、連結営業利益は前期から13億77百万円(17.3%)減少し65億77百万円となりました。また、営業外損益も悪化したことで連結経常利益は前期から20億82百万円(20.8%)減少し79億29百万円となりました。前期9月に持分法適用関連会社となった当社フランチャイズチェーン最大の加盟店である株式会社ナックの主業は住宅事業であり、上期は損失計上、利益の多くを下期に計上する傾向があります。前下期から同社の利益を取り込んだ当社は、同社の上期損失を当期初めて取り込んでおります。また同社当期純利益が減益となったこともあって、持分法投資利益が減少したことが営業外損益悪化の主な要因であります。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、保有する投資有価証券一部売却による投資有価証券売却益の計上や減損損失の減少等により特別損益が改善したものの、前期から3億93百万円(6.6%)減少し55億91百万円となりました。
| (単位:百万円) | ||||
| 前 期 (2019年3月期) | 当 期 (2020年3月期) | 増 減 | ||
| 増減率 (%) | ||||
| 連結売上高 | 158,699 | 159,102 | 403 | 0.3 |
| 連結売上総利益 | 72,560 | 72,059 | △501 | △0.7 |
| 連結営業利益 | 7,954 | 6,577 | △1,377 | △17.3 |
| 連結経常利益 | 10,011 | 7,929 | △2,082 | △20.8 |
| 親会社株主に帰属する 当期純利益 | 5,984 | 5,591 | △393 | △6.6 |
<セグメント毎の状況>
| セグメント別売上高 | (単位:百万円) | |||||
| 前 期 (2019年3月期) | 当 期 (2020年3月期) | 増 減 | ||||
| 増減率 (%) | ||||||
| 訪販グループ | 111,476 | 111,036 | △440 | △0.4 | ||
| フードグループ | 35,426 | 36,263 | 836 | 2.4 | ||
| その他 | 14,858 | 14,572 | △285 | △1.9 | ||
| 小計 | 161,762 | 161,872 | 110 | 0.1 | ||
| セグメント間取引消去 | △3,062 | △2,769 | 293 | - | ||
| 連結売上高 | 158,699 | 159,102 | 403 | 0.3 | ||
(注)各セグメントの売上高は、セグメント間の内部売上高を含んでおります。
| セグメント別営業利益 | (単位:百万円) | |||||
| 前 期 (2019年3月期) | 当 期 (2020年3月期) | 増 減 | ||||
| 増減率 (%) | ||||||
| 訪販グループ | 13,406 | 11,603 | △1,803 | △13.5 | ||
| フードグループ | 320 | 681 | 361 | 112.9 | ||
| その他 | 387 | 442 | 54 | 14.1 | ||
| 小計 | 14,114 | 12,726 | △1,387 | △9.8 | ||
| セグメント間取引消去 及び全社費用 | △6,160 | △6,149 | 10 | - | ||
| 連結営業利益 | 7,954 | 6,577 | △1,377 | △17.3 | ||
(注)各セグメントの営業利益は、セグメント間の取引を含んでおります。
イ.訪販グループ
ケアサービス事業、レントオール事業(日用品・イベント用品等のレンタル)、ヘルスレント事業(介護用品・福祉用具のレンタルと販売)の売上高が増加したものの、主力のダストコントロール商品の売上高が減少したことにより、訪販グループの売上高は前期から4億40百万円(0.4%)減少し1,110億36百万円となりました。営業利益につきましては、原価率が悪化し売上総利益が減少したことに加え、人件費や消費増税に対応するためのシステム関連費用等の経費増加により、前期から18億3百万円(13.5%)減少し116億3百万円となりました。
家庭向けダストコントロール商品につきましては、消費増税の影響等により主力のモップ商品が減少し、売上高は前期を下回りました。しかしながら、販売に注力した「浴室用浄水シャワー」や使用期限到来に伴う切替需要があった消火器の売上は増加しました。他方、当期期初から注力したお客様の利便性向上のための取り組みは、現金取引からクレジットカード決済への切り替え促進、WEB会員サイト「DDuet」の会員獲得とも順調に推移しました。事業所向けダストコントロール商品については、衛生管理への関心と需要の高まりに伴って空間清浄機「クリア空感」の本体等の売上が伸長し、更に第4四半期には新型コロナウイルス感染症拡大を受けて衛生関連商品も売上が増加、加えて、快適なビジネス環境をサポートし、総合的な提案を行う「ハイジーンマスター」の増員を図り、お客様に対する提案力が強化されたこと等により売上高は前期を上回りました。
ケアサービス事業につきましては、「サービスマスター」(プロのお掃除サービス)、「メリーメイド」(家事代行サービス)、「ターミニックス」(害虫獣の駆除と総合衛生管理)、「トータルグリーン」(緑と花のお手入れサービス)、「ホームリペア」(住まいのピンポイント補修)、いずれもお客様売上が増加し、売上高は前期を上回りました。一方、ユニフォーム関連事業、化粧品関連事業、並びにライフケア事業(ご高齢者の暮らしのお手伝い)は減収となりました。なお、第3四半期まで順調に推移してきたレントオール事業は、第4四半期は新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けてイベントの延期やキャンセルが相次ぎ減収に転じたものの、通期の売上高は前期を上回りました。
ロ.フードグループ
フードグループにつきましては、主力のミスタードーナツは前期に引き続き不採算店舗のクローズを進め稼働店舗数が減少しました。また第4四半期には、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受けたものの、発売した商品が期を通して高い評価を受け、稼働店1店当たりの売上が大きく増加し、全店合計お客様売上が前期から増加しました。その結果、フードグループ全体の売上高は前期から8億36百万円(2.4%)増加し362億63百万円となりました。営業利益は、増収に伴う粗利の増加等により前期から3億61百万円(112.9%)増加し6億81百万円となりました。
ミスタードーナツは、当期も“misdo meets”に注力しました。宇治茶専門店「祇園辻利」、有名洋菓子店「モンシェール」、世界最高峰のパティシエ「ピエール・エルメ」等、最高水準の素材と技術を持った企業・ブランドと共同開発した商品はいずれも好評を博し、売上増加に寄与しました。また当期は、長く愛され続けている定番ドーナツのブラッシュアップを実施し、オールドファッションやチョコレート、ポン・デ・リング、フレンチクルーラーの生地を更に美味しく改良しました。加えて、夏場の低需要期に備えたドリンク・デザートメニュー強化として発売した「タピオカドリンク」は、4月以降、期を通して好調な売れ行きが続きました。更に当期は、クリスマスシーズンに「ポケットモンスター」とコラボした「ミスド ポケモン ドーナツ」も大変好評で、人気キャラクターがデザインされたグッズと併せて展開した「ミスドでパーティチュウコレクション」や「ミスド福袋2020」は大人気となり、売上に大きく貢献しました。これらの結果、稼働店1店当たりの売上は大きく増加しました。
フードグループのその他の事業につきましては、とんかつレストラン「かつアンドかつ」は前期並みに留まったものの、消費増税の影響、店舗数減少及び新型コロナウイルス感染症拡大の影響等により、大型ベーカリーショップ「ベーカリーファクトリー」、パイ専門店「パイフェイス」、シフォンケーキ専門店「ザ・シフォン&スプーン」はいずれも減収となりました。また当期は、初夏から梅雨の時期にかけて気温が低かった影響で、連結子会社の蜂屋乳業株式会社(大手乳業メーカーへのアイスクリーム等OEM製造)も減収となりました。
ハ.その他
その他は、国内連結子会社につきましては、ダスキン共益株式会社(リース及び保険代理業)、株式会社ダスキンヘルスケア(病院施設のマネジメントサービス)共に増収となりました。海外連結子会社は、中国(上海)で訪販事業を展開している楽清(上海)清潔用具租賃有限公司が増収となったものの、楽清香港有限公司(原材料及び資器材の調達)が減収となった他、中国でミスタードーナツを展開していた美仕唐納滋(上海)食品有限公司が2019年3月末をもって全店舗を閉鎖したことにより減収となったこと、マレーシアを中心にドーナツ事業を展開しているBig Appleグループが既存店の売上減少により減収となったこと等により全体の売上高は減少しました。その結果、その他の売上高は前期から2億85百万円(1.9%)減少し145億72百万円となりました。利益面につきましては、ダスキン共益株式会社、株式会社ダスキンヘルスケアが減益となったものの、海外事業の営業損失が減少したこと等により営業利益は前期から54百万円(14.1%)増加し4億42百万円となりました。
海外お客様売上は、訪販関連事業につきましては、展開している台湾、中国(上海)、韓国すべてにおいて前期を上回りました。ミスタードーナツ事業につきましては、台湾は前期並み、中国(上海)、タイは減少しましたが、フィリピン、インドネシアは順調に推移しました。なお、Big Appleグループは前期を下回りました。
なお、上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末の252億37百万円から19億30百万円増加し271億67百万円となりました。各々のキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
イ.営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における営業活動によるキャッシュ・フローは、88億50百万円の資金収入(前期は136億6百万円の資金収入)となりました。その要因は、税金等調整前当期純利益が84億71百万円、減価償却費が70億44百万円あったことに対し、法人税等の支払額が26億49百万円、たな卸資産の増加額が18億58百万円、売上債権の増加額が14億70百万円あったこと等であります。
ロ.投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における投資活動によるキャッシュ・フローは、31億37百万円の資金収入(前期は125億55百万円の資金支出)となりました。その要因は、有価証券及び投資有価証券の売却による収入が307億55百万円あったことに対し、有価証券及び投資有価証券の取得による支出が167億15百万円、有形固定資産の取得による支出が61億67百万円、その他の支出が34億99百万円あったこと等であります。
ハ.財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度における財務活動によるキャッシュ・フローは、100億22百万円の資金支出(前期は66億71百万円の資金支出)となりました。その要因は、自己株式の取得による支出が77億79百万円、配当金の支払額が22億66百万円あったこと等であります。
③生産、受注及び販売の実績
イ.仕入実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減 | |||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 訪販グループ | 29,998 | 54.9 | 30,741 | 55.1 | 743 | 2.5 |
| フードグループ | 20,588 | 37.7 | 21,129 | 37.8 | 540 | 2.6 |
| その他 | 4,066 | 7.4 | 3,961 | 7.1 | △104 | △2.6 |
| 合計 | 54,654 | 100.0 | 55,833 | 100.0 | 1,179 | 2.2 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.訪販グループでは生産を行っており、主なものは下記のとおりであります。
(訪販グループにおける生産実績)
| 区分 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減 | |||
| 回数 (ワッシャー) | 構成比 (%) | 回数 (ワッシャー) | 構成比 (%) | 回数 (ワッシャー) | 増減率 (%) | |
| マット | 1,253,251 | 85.0 | 1,252,691 | 85.4 | △560 | △0.0 |
| モップ | 175,467 | 11.9 | 170,485 | 11.6 | △4,982 | △2.8 |
| ロールタオル | 17,843 | 1.2 | 16,788 | 1.1 | △1,055 | △5.9 |
| ウエス | 27,327 | 1.9 | 26,751 | 1.9 | △576 | △2.1 |
| 合計 | 1,473,888 | 100.0 | 1,466,715 | 100.0 | △7,173 | △0.5 |
ロ.受注実績
該当事項はありません。
ハ.販売実績
| セグメントの名称 | 前連結会計年度 (自 2018年4月1日 至 2019年3月31日) | 当連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) | 増減 | |||
| 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 金額 (百万円) | 構成比 (%) | 金額 (百万円) | 増減率 (%) | |
| 訪販グループ | 110,712 | 69.8 | 110,379 | 69.4 | △332 | △0.3 |
| フードグループ | 35,416 | 22.3 | 36,247 | 22.8 | 831 | 2.3 |
| その他 | 12,570 | 7.9 | 12,475 | 7.8 | △95 | △0.8 |
| 合計 | 158,699 | 100.0 | 159,102 | 100.0 | 403 | 0.3 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.セグメント間の取引につきましては、相殺消去しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
イ.経営成績の分析
(イ)全国チェーン店お客様売上高
フランチャイズ方式を中心に事業展開する当社は、国内外の直営店・子会社等及び加盟店推定売上高の合計値である「全国チェーン店お客様売上高(以下「お客様売上」という。)」の状況・推移を最も重要視しております。
当連結会計年度(以下「当期」という。)は、フードグループの主力であるミスタードーナツのお客様売上増加を主因に、お客様売上は12期振りに増加(前期比0.9%増)しました。
当期のミスタードーナツは、「タピオカドリンク」をはじめ、発売した商品が期を通して高い評価を受けて好調に推移し、また、定番ドーナツのブラッシュアップや他社とのタイアップキャンペーン等も大変支持されました。他方、お客様売上の70%強を占める訪販グループは、家庭向けダストコントロール商品売上の減少を主因に減少いたしました。しかしながら、事業所向けダストコントロール商品の売上は増加に転じ、ケアサービス事業(役務提供サービス)、レントオール事業、ヘルスレント事業は引き続き好調を維持しました。
なお、第4四半期に入り世界的に拡大した新型コロナウイルス感染症は、フードグループの各事業における来店お客様数の減少、レントオール事業における各種イベントの中止や延期等、当社お客様売上にも大きな影響を及ぼしております。現段階で終息時期、次期業績への影響を見通すことは困難でありますが、相当の影響があるものとして今後も注視してまいります。
<全国チェーン店お客様売上高推移>(単位:百万円)
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 訪販グループ | 274,005 | 272,633 | 272,577 | 271,811 | 271,189 |
| フードグループ | 95,549 | 86,058 | 81,148 | 76,741 | 79,714 |
| その他 | 25,295 | 25,855 | 28,378 | 28,440 | 29,521 |
| 合計 | 394,850 | 384,547 | 382,104 | 376,994 | 380,425 |
(注)全国チェーン店お客様売上高には、一部、推定値が含まれております。
(ロ)収益性
当社が収益性の指標として重要視しているROEの推移は以下のとおりであります。新型コロナウイルス感染症拡大の影響を大きく受ける2021年3月期の親会社株主に帰属する当期純利益は損失を計上する予想で、ROEも一時的にマイナスとなる見込みですが、当面の目標を5%に置き、早期の達成を目指してまいります。
| 2016年3月期 | 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| ROE(%) | 2.0 | 3.0 | 3.7 | 4.0 | 3.8 |
| 純利益(百万円) | 2,983 | 4,318 | 5,324 | 5,984 | 5,591 |
| 自己資本(百万円) | 142,727 | 141,724 | 147,415 | 149,627 | 141,739 |
(注)純利益:親会社株主に帰属する当期純利益
当社は、前期まで基本方針としてきた、毎期安定した配当を継続するという考え方を堅持した上で、財務健全性を維持しつつ業績に応じて適切に利益還元を行うために、当期より配当方針を変更し(2019年2月12日付適時開示)、現在は、連結配当性向50%を目途としつつ、安定的な現金配当を継続することを配当の基本方針としております。当期はその基本方針に基づき、1株当たり中間配当24円、同期末配当32円、配当年間総額56円(前期対比6円増額)の配当を実施しております。加えて当期は、年間で2,679,200株(前期末発行済株式総数比5.08%)の自己株式の買い付けも実行いたしました。
しかしながら当期は、消費増税に対応するためのシステム改修や販売促進活動におよそ9億円を投じたことや前期9月に持分法適用関連会社となった株式会社ナックの上期損失を当期初めて取り込んだこと等、当期特有の要因が重なり、親会社株主に帰属する当期純利益が前期から393百万円(6.6%)減少したことで、ROEは前期から0.19ポイント悪化いたしました。
ロ.財政状態の分析
(イ)流動資産
当連結会計年度末における流動資産残高は621億95百万円となりました。前連結会計年度末と比較して17億53百万円減少しております。その要因は、有価証券が131億12百万円減少したことに対し、現金及び預金が78億47百万円増加したこと等であります。
(ロ)固定資産
当連結会計年度末における固定資産残高は1,229億63百万円となりました。前連結会計年度末と比較して73億11百万円減少しております。その要因は、投資有価証券が112億15百万円減少したことに対し、有形固定資産が17億56百万円、繰延税金資産が14億82百万円増加したこと等であります。
(ハ)流動負債
当連結会計年度末における流動負債残高は343億92百万円となりました。前連結会計年度末と比較して61百万円増加しております。その要因は、未払金が3億38百万円減少したことに対し、未払法人税等が2億45百万円増加したこと等であります。
(ニ)固定負債
当連結会計年度末における固定負債残高は87億35百万円となりました。前連結会計年度末と比較して12億73百万円減少しております。その要因は、退職給付に係る負債が9億48百万円減少したこと等であります。
(ホ)純資産
当連結会計年度末における純資産残高は1,420億31百万円となりました。前連結会計年度末と比較して78億53百万円減少しております。その要因は、その他有価証券評価差額金が39億55百万円、自己株式の取得及び消却の差引により30億50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益55億91百万円と剰余金の配当22億65百万円及び自己株式の消却47億28百万円の差引等により利益剰余金が14億21百万円減少したこと等であります。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
当社グループの主な資金需要は、各事業の営業活動に必要な原材料・製商品の仕入、販売促進活動等の営業活動費用並びに工場設備の維持更新投資、店舗の出店・改装投資及び成長が見込まれる分野への投資等であります。これらの必要資金については、主として自己資金で賄っておりますが、機動性及び長期安定性の確保のため、金融機関からの調達も想定に含めております。
また、災害等のリスク発生時には、当社グループの事業継続のための資金需要が見込まれます。このような不測の資金需要に対して資金調達の機動性を高めるため、主要取引金融機関と借入枠150億円のコミットメントライン契約を締結しております。しかしながら、この度の新型コロナウイルス感染症拡大の影響については未曽有の事態長期化も想定しております。この現状に対して当社は長期的な資金調達に備え、新たにコミットメントタームローン契約を締結いたしました。手元流動性を手厚くすることで強固な経営基盤維持し、事業継続に注力してまいります。
<キャッシュ・フロー指標のトレンド>
| 2017年3月期 | 2018年3月期 | 2019年3月期 | 2020年3月期 | |
| 自己資本比率(%) | 74.5 | 75.2 | 77.0 | 76.6 |
| 時価ベースの 自己資本比率(%) | 68.3 | 73.5 | 70.6 | 75.7 |
| キャッシュ・フロー 対有利子負債比率(年) | 0.0 | 0.0 | 0.0 | 0.0 |
| インタレスト・カバレッジ ・レシオ(倍) | 15,141.2 | 1,759.6 | 4,141.8 | 65,046.2 |
(注)1.各指標は、いずれも連結ベースの財務数値により、それぞれ下記の算式により算出しております。
自己資本比率 :(純資産-新株予約権-非支配株主持分)÷総資産
時価ベースの自己資本比率 :株式時価総額÷総資産
キャッシュ・フロー対有利子負債比率 :有利子負債÷営業キャッシュ・フロー
インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業キャッシュ・フロー÷利払い
2.株式時価総額は自己株式を除く発行済株式数をベースに計算しております。
3.営業キャッシュ・フローは、連結キャッシュ・フロー計算書の営業活動によるキャッシュ・フローを使用しております。
4.有利子負債は、連結貸借対照表に計上されている負債のうち、利子を支払っているすべての負債を対象としております。
5.利払いは、連結キャッシュ・フロー計算書の利息の支払額を使用しております。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)、(追加情報)」に記載しておりますが、特に重要なものは以下のとおりです。
イ.固定資産の減損
当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、主として事業所を基本単位として資産のグルーピングを行い、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上することとしております。
回収可能価額の評価の前提条件には、投資期間を通じた将来の収益性の評価や資本コスト等が含まれますが、これらの前提条件は長期的な見積りに基づくものです。そのため、将来の当該資産グループを取り巻く経営環境の変化や市況の変動等、回収可能性を著しく低下させる変化が見込まれた場合、減損損失の計上が必要となる場合があります。
ロ.繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産について、将来の回収可能性が低下した場合に評価性引当額を計上することとしております。評価性引当額計上の必要性を評価するにあたっては、将来の課税所得及び慎重且つ実現性の高い継続的な税務計画を検討しますが、繰延税金資産の一部又は全部を将来回収できないと判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産を取り崩し、その調整額を費用として計上します。同様に、計上金額の純額を上回る繰延税金資産を今後実現できると判断した場合は、当該判断を行った期間に繰延税金資産を計上し、その調整額を収益として計上します。
ハ.退職給付債務
当社グループは、退職給付債務について、数理計算上の前提条件に基づいて算定しております。これらの前提条件には割引率、長期期待運用収益率、予想昇給率、一時金選択率等が含まれております。これらの前提条件と実際の結果との差額は累計され、将来の会計期間において償却するため、原則として将来の会計期間に費用化され、債務認識されますが、実績との差異又は前提条件の変化により、当社グループの退職給付費用及び債務に影響を与える場合があります。