有価証券報告書-第56期(2025/04/01-2026/03/31)
有報資料
当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
中長期的な経営方針及び対処すべき課題
当社グループは、「知恵」「実行」「貢献」の社是のもと、知恵で地理空間情報のイノベーションを実行し社会資産の豊かな発展に貢献することを経営理念に掲げ、事業活動を行っております。
(1) 当社グループの経営方針
当社グループでは次の社是、経営理念、行動指針を定め、経営を行っております。
・社是
・経営理念
知恵で地理空間情報のイノベーションを実行し社会資本の豊かな発展に貢献する。
・行動指針

(2) 中期的な経営目標
当社グループは、優秀な人財の確保とその人財への教育制度の充実が経営の基礎と考えております。その中で、測量業務のソフトウェアから測量計測機器までのトータルでのソリューションを実現し、且つ、自動車の自動走行に必要とされる高精度三次元地図に「測量」の技術を融合させることのできる国内唯一の企業として、当社が社会に果たすミッションとして次のとおり定めております。

(3) 中期経営計画(2024年4月~2027年3月)
前中期経営計画に実施した投資を収益に転換すべく、2027年3月期において売上高80億円、営業利益8.5億円を目指し、取り組んでまいります。
公共セグメントでは、新規の製品、サービスをリリースし、安定した収益を獲得することを目指します。一方、モビリティ・DXセグメントでは、自動運転の社会実装の事業本格化を目指すとともに、高精度三次元技術を基盤とした新たなDX事業にチャレンジします。コーポレート部門では、上記目標実現には人財投資が必要な状況であり、積極的な採用を継続するなど人的資本経営の推進とともに、資本コストを意識した経営にも取り組んでまいります。
①2030年にありたい姿
1.コア事業である公共セグメントにおいて競争力を高め、持続的成長する収益基盤を構築します。
2.戦略事業であり成長分野であるモビリティ・DXセグメントにおいて自社の強みを活かし、コア事業へ引き上げるとともに、3D DX分野で新たな事業の柱として独立させます。
3 一人ひとりが「活き活き」とその特性を活かし、持てる力を発揮し、それぞれが成長でき、新しいことにチャレンジし、成果をあげることが可能な企業を目指します。

②中期経営計画(2024年4月~2027年3月)の位置づけ
営業利益の推移のイメージ
③中期経営計画(2024年4月~2027年3月)の基本方針及び経営目標
・基本方針
・経営目標
④2027年3月期定量目標
新中期経営計画の最終年度である2027年3月期の売上高は80億円、営業利益8.5億円、売上高営業利益率は10%を目標水準とします。当面は、「Development & Evolution」のスローガンを掲げ、公共セグメントでは、新規の製品、サービスをリリースし、安定した収益を獲得することを目指します。一方、モビリティ・DXセグメントでは、自動運転の社会実装の事業本格化を目指すとともに、高精度三次元技術を基盤とした新たなDX事業にチャレンジします。コーポレート部門では、上記目標実現には人財投資が必要な状況であり、積極的な採用を継続するなど人的資本経営の推進とともに、資本コストを意識した経営にも取り組んでまいります。
(4)サステナビリティへの取り組み
企業におけるサステナビリティの実現は、2015年に国連サミットで採択されたSDGsの取り組みの拡がりと浸透と共にグローバルに注目を集めています。その実現に向けては、CSRを踏まえたESGによる企業活動が欠かせません。以上を受け、当社グループでは、サステナビリティの実現に向けて次の観点から、当社グループの社是の下で、その取り組みに努める所存です。
・サステナビリティ基本方針
当社グループでは、社是、経営理念のもとAisan’s missionで掲げる「未来の社会インフラを創造する」を推進する事業そのもので社会的課題の解決を目指します。その取り組みにあたっては、「環境」「社会」の両面において、多くのステークホルダーの皆様とともに積極的に推進してまいります。
具体的な取り組みに関しては以下に記載の通りです。
①測量で、自動運転で社会インフラ整備
建設、運送業における人手不足の問題、地域公共交通の維持、所有者不明土地・空き家問題、道路や橋梁といった社会インフラの老朽化と数多くの社会的課題があり、それら課題の解決のための事業活動を行っております。
また、地震、豪雨時の災害なども頻繁に発生する環境にあり、その発生時には、お客様の業務を支援するプログラムを用意し、速やかな復興に向けた貢献を行っております。また、震度5強以上の地震発生時には、電子基準点の情報を観測し、その地域の地殻変動量を算出したレポートを公開し、位置情報の正確性にお役立ていただいております。
自動運転の実証実験においては、国、自治体、交通事業者をはじめとするパートナーの皆様と連携し、数多くの実用化に向けた実証実験を行ってまいりました。新たな移動手段を社会に提供し社会課題を解決することを目的として、人材や技術など投資も進め、グループ会社であるA-Drive株式会社とともに事業モデルの構築を加速化させて自動運転の社会実装に向けた取り組みを進めてまいります。なお、自動運転車両の一部はEV車両を用いており、車輛の二酸化炭素排出量を抑制する取り組みも行っております。
②人事制度改定により70歳定年制度へ
少子高齢化の時代が進み、人生100年時代と言われる昨今、経験とノウハウを持つ高年齢者が、意欲と能力のある限り、年齢に関わりなく働くことができる生涯現役社会をサポートする制度を設けることが社員、会社のお互いにメリットがあると考えます。
また、国の社会保障制度としても65歳以上への定年引上げや高年齢者の雇用管理制度の整備、高年齢の有期契約労働者の無期雇用への転換等を求めているのと同時に、年金の受給開始時期の見直しの議論も行われようとしております。このような社会環境に対応すべく、当社グループでは、2020年4月に人事制度を改定し、従来の60歳定年制度を70歳までの年度で社員個々が定年年齢を選択可能な制度を創設し、運用を行っております。
③多様な人財が活躍できる職場を目指し、従業員エンゲージメント向上に向けた取り組みへ
社員各々の価値観が多様化する中、どのように事業の成果を上げるか、そのための働き方の多様化が求められています。また、出産、育児、介護が必要な環境下においても、就業継続可能な環境を用意することが経験を持った優秀な社員の離職を防ぐため重要と考えております。当社グループでは、従来から出産、育児、介護から復帰を可能とする休暇制度とともに、短時間勤務制度、コアタイムなしのスーパーフレックスタイム制度、在宅勤務制度を設けております。
また、現在は全社員を対象にコアタイムなしのスーパーフレックスタイム制度、在宅と出社を併用できるテレワーク制度、副業制度などを運用しております。加えて男性社員の育児休業取得の意識向上にも努めております。また、直接的な雇用ではありませんが、現在、試験的に刑務所における受刑者の軽作業を委託することで勤労精神の養育、職業技能の向上や社会復帰に向けた取り組みを支援することも開始することで、働きがいのある仕事の提供に繋がる取り組みも実施しております。
④改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応を通じたガバナンス体制の強化
「知恵」「実行」「貢献」の社是に基づく企業倫理の浸透とコンプライアンスの徹底を図るとともに、リスクマネジメントの徹底に努めております。
当社グループでは、スタンダード市場として求められる事項に加え、経営方針に沿って有益な事項は積極的に取り組んでおります。具体的には、独立社外取締役の増員など取締役会の機能強化を実施するとともに、投資家との対話の充実を更に進めてまいります。
また、昨今ではグループ会社による不正などのニュースも散見されることから当社グループでもグループ全体のガバナンス強化に着手しております。その取り組みとして、グループ会社の会社機関設計を統一し、全会社にアイサンテクノロジーより取締役、監査役を派遣します。各監査役はアイサンテクノロジーの監査役会、内部監査室とも連携し、決算情報、業務執行の適正性をチェックしておりました。
しかしながら、2026年4月3日に公表しました「当社連結子会社における不適切な取引の疑い及び不正行為の疑いを受けた、 特別調査委員会設置に関するお知らせ」の通り、100%子会社である有限会社秋測において、不適切な取引の疑い及び不正行為の疑いがあることを認識し、その疑いの調査を目的に特別調査委員会の設置に至っております。このことは、上記ガバナンス体制が有効に機能していなかった結果でもあり、より実効性のある再発防止策を2026年6月19日に決議し、その実施に取り組んでまいります。
⑤期末連結従業員数235名(※契約社員等を含む)体制へ
2027年3月期以降の成長のためには、現在の社員の年齢構成を変える必要があるとともに人員数も不足する状況です。そのため、集中的に人財獲得とその育成を目指します。グループ会社含めて、人財要件を明確にし、新卒採用、キャリア採用中心に人財投資を実行することが必要です。
加えて、当社グループに入社した社員の育成プログラムも構築し、安定した活躍の場を設けるとともに、定期的に社員の意識調査を行い、必要に応じ配置転換、リスキリングにも取り組んでいく方針です。
併せて、M&Aを活用することで、上記で不足する部分を補完することも常時検討を行っております。
⑥生産性の向上を目指してDX推進
当社グループでは、ITやクラウドサービスを積極的に活用し業務の効率化を実現することで、社員は、人間にしかできない戦略的な業務に集中することが可能となり、働き甲斐を向上させるよう取り組んでまいりました。
環境面への配慮からは、紙資源の利用を抑制するためにペーパーレス化を推進しております。取締役会では数年前よりペーパーレス化を図り、資料の紙での配布を廃止しております。また、お客様への納品書、請求書も電子化するサービスを導入しております。
加えて契約書類の一部や取引における書面のやり取りは電子署名技術を活用した電子契約サービスを導入し、運用を行っております。これらの取り組みは環境面のみならず、間接業務の生産性向上にも寄与するものと考えております。
これらの取り組みが有益であることを示す、国がその取り組みを認定する制度の「DX認定制度」へもチャレンジしてまいります。

(5)2027年3月期業績見通し
「中期経営計画(2024年度~2026年度) Development & Evolution」の3年目として定量的な目標達成に取り組んでまいります。その中期経営計画の基本方針は、以下の通りです。
① 持続的成長の基礎となる製品・ソリューションの開発力強化
② 持続的成長を支える人財の獲得とその育成・スキルアップを図る
③ 持続的成長を実現する「科学的」営業活動の実践
④ チャレンジ事業に経営資源を集中とともにグループ全体でのシナジーの創出
⑤ 資本コストを意識した経営の実践による企業価値向上を実現する
この基本方針を達成するにあたり、当連結会計年度においては、前連結会計年度に採用した人財の教育・育成を着実に進め、早期の戦力化お及び収益貢献の実現に取り組んでまいりました。その結果、当該人財の事業活動への参画が進展し、前連結会計年度に実施した人財投資について一定の成果創出と回収が図られました。中期経営計画最終年度に向けて、引き続き人財基盤の強化を図るとともに、成長に向けた各種施策を推進してまいります。
一方で、事業活動における次期の市場環境の見通しは、米中対立や中東情勢の緊迫化を背景に、世界は分断と不透明感の中にあります。資源や半導体を巡る経済安保に加え、先端技術の主導権争いや気候変動への対応が急務となる中、国際秩序の再編が加速するとともに、当社が取り扱う測量計測機器、MMSなど納期や価格高騰などにより事業活動への影響も想定しています。
以上より、2027年3月期における連結業績予想は以下の通りであります。なお、次の2点の要因により、第2四半期累計期間までは、営業利益を始め各利益項目は損失計上を計画しております。
1.当社グループにおけるモビリティDXセグメントを中心に、自動運転の社会実装事業等の収益比重が年々高まってきていることに加え、子会社のスリード、三和、A-Driveにおいても請負業務を中心としており、収益計上が年度末に集中する傾向にあることから、第2四半期まで営業損失を計画している点。
2.公共セグメントにおける当社事業は、四半期単位で営業利益を計上する計画ですが、この分野も採用計画の増加や投資によるコストが事業年度の上半期に集中しており、それらの収益貢献が下半期以降であることから、上記1.の営業損失を吸収するまでは至らない計画である点。
アイサンテクノロジーグループの連結実績及び次期の業績予想
(単位:千円)
各セグメントにおける次期の市場環境を含めた見通しは以下の通りです。
a.報告セグメント別の業績見通し
(単位:千円)
b.報告セグメント別の当連結会計年度末における請負契約に係る受注残高(次期に売上計上予定)
c.報告セグメント別の次期の見通し
(公共セグメント)
測量・不動産登記に係る市場においては、既述の通り不透明な経済状況下において、お客様の設備投資意欲の低下や、測量機器などのハードウェア関連の仕入コスト上昇、生産遅延、在庫不足による商談機会を逸するリスクが存在しております。そのような環境下においても、引き続き、三次元データの利活用推進による業界の生産性向上の動きは加速するものと考えられます。また、当連結会計年度に新設した拠点を活用し、積極的な事業活動エリアの拡大を行うとともに、販売パートナーとの関係強化も図り、顧客・販売店との接点増加にも努めてまいります。
・中期経営計画2年目の当連結会計年度と同様に、当社グループの主力製品である「WingneoINFINITY」の定期的なアップデート、サポートサービスに加え、新たな製品・サービスのリリースを行うことで安定した収益の獲得を目指すとともに、効果的な分野、地域への販売コストの集中的な投下により、収益性の改善を図っていきます。
・建設関連業界におけるi-Constructionの流れは次期以降も引き続き顕著であり、三次元データの活用を可能とするソリューションの提供を行い、補助金活用や税制優遇を活用したお客様の生産性向上の提案を推進してまいります。
・次期の第1四半期業績に関しては、すでに契約済みのサポートサービスによる最新バージョンの出荷に伴う売上計上が予想されるとともに、当連結会計年度からの継続案件による収益計上が見込まれます。
以上により、公共セグメントにおける売上高及び利益は、当連結会計年度と比較し、増加となる見込みです。
(モビリティ・DXセグメント)
自動車関連市場においては、2027年度に向け、それまでの投資局面においては、様々な自治体やパートナー企業と連携し、高精度三次元地図の整備、社会実装事業、モビリティ開発、スマートシティやスーパーシティプロジェクトへの参画等を進め、特に労働人口が減少する社会課題の中、地方公共交通の維持を目的とした移動手段の自動運転化の社会実装を目指し、自治体・交通事業者・パートナー企業とともに自動運転の社会実装を目的とした実証実験に参画し、2027年度以降の当社のビジネスモデルを構築してまいります。加えて、これらの事業を通じて培ってきた高精度三次元技術を基盤とし、新たなDX事業に参入すべく、様々な営業・投資活動を前連結会計年度より開始し、3年目の次期はその取り組みを加速化していく計画をしております。そのためにも人財確保と育成及び研究開発を各専門分野で実施し、またパートナー連携の強化、プロジェクトの深化などを進め、将来の収益性の向上を図ります。
一方で、不透明な経済環境は、本モビリティ・DXセグメントに与える影響は自動車産業においては大きく、パートナー企業の投資意欲減退のリスクには今まで以上に注視しなければいけない状況にあります。
・高精度三次元地図関連事業では、安全性を担保する自動運転の実現には地図が必要と考え、引き続きパートナー企業との連携を深め、今後のニーズ拡大が期待される自治体向け高精度三次元地図データの利活用に向け、自動運転用地図の配信基盤の研究開発に取り組むとともに、スマートシティやスーパーシティなどで期待される高精度三次元地図データプラットフォームなどへの取り組みを引き続き進めてまいります。また、本事業の収益性を更に高めるため、自社開発の地図生産ソフトウェアの機能性をさらに高め、地図データ生成における生産性向上と品質強化の取り組みを強力に推進してまいります。
・自動走行に係る車両構築や社会実装事業においても、国の掲げるロードマップに即し、新たな移動手段を社会に提供し社会課題を解決することを目的として、子会社の「A-Drive株式会社」、多くの外部パートナー企業と連携し、全国の自治体との対話を進め、将来の実用化に向けて今後も積極的に推進するとともに、自動運転の社会実装後の事業モデルの構築を目指し、人財や技術などへの投資をより積極的に進めてまいります。
・国土交通省の推進する「インフラ分野のDX」を実現させるべく、当連結会計年度より引き続き三次元データのDXを推進し、新たな収益モデルを確立するための営業活動及び研究開発に取り組んでまいります。その為にも、今まで培ってきたパートナーとの連携に加え、人財採用活動や市場調査を推進し、ビジネスモデルの構築を目指します。
・次期においても、MMSの計測機器販売の受注も進んでおりますが、従前どおり受注から収益計上まで一定期間を要すため、下半期以降にその多くが収益計上する見込みとしております。また、すでに公募が開始されている国土交通省の令和8年度事業「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」を活用し、全国の自治体の応募を支援しますが、採択要件は昨年までと比較し、相当に厳しくなっており、本補助金の活用する事業の採択件数は減少する見通しですが、その他補助金を活用し、今まで以上に、より自動運転の社会実装へアプローチを行うべく、長期的な走行やルールベースでの自動運転からAIを活用したE2E(End-to-End:エンドツーエンド)と呼ばれる自動運転技術の採用といった、より深化した取り組みを行うとともに、人財、資産投資も積極的に実施することで経営計画の達成を目指します。一方これらの事業の収益は年度末に集中することが予想されており、本セグメントにおけるセグメント利益は、次期の第3四半期累計期間までは損失を計上する見込みとしております。
(6) 経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社グループでは、「社是」「経営理念」に基づき中長期的に企業グループとしてあるべき姿を示した「2030年にありたい姿」を定め、その目標を達成すべく「中期経営計画」を策定し、その成長戦略に沿って事業活動を行っております。事業活動を行うに際しては、資本コストや株価を意識した経営をはじめ、上場企業の一員として対応すべき事項、社会変化や技術革新など外部環境の変化に伴う機会と脅威が存在するとともに、事業を継続するうえで普遍的な課題が存在しています。これらに適切に対応することで、持続的な成長に繋がるものと考えますが、対応を誤ると、獲得できる可能性のあった収益を失うことにもなります。測量・不動産登記に係る市場における技術革新への対応やモビリティ分野における自動運転の実用化社会に向けた開発競争が激しくなるなど、目まぐるしく変化する経営環境の中、「知恵・実行・貢献」の社是のもと「未来の社会インフラを創造する」企業として、持続的な成長を目指すべく、「Development & Evolution」のスローガンを掲げた中期経営計画の達成に向け、以下の通り取り組んでまいります。

①地政学リスクへの対処すべき課題
当社グループにおける主たる事業活動の地域は、国内が中心であり、直接海外での事業活動を展開していないことから、地政学リスクの直接的な影響は小さいものと判断しております。しかしながらその影響による国内外の景気や経済活動の動向による間接的な影響を受けることとなります。
具体的には、お客様の投資マインドの低下、生産・入荷の遅延や為替変動による一部仕入商品の価格などへの影響などがあげられます。
当社グループでは、このようなリスクに対応すべく、多方面での事業展開も同時に行うことで、特定の市場環境の影響に偏らないよう、事業活動を行うとともに、将来の取引の見込みより適正な在庫管理を行うなど実施していかなければいけません。
②中期的な対処すべき課題
当社グループでは、前中期経営計画に実施した投資を収益に転換すべく、「中期経営計画(2024年4月~2027
年3月) Development & Evolution」にて掲げる2027年3月期の連結業績目標である売上高80億円、営業利益
8.5億円を目指し、取り組んでまいります。
当社グループの事業活動では幅広い人財が必要となります。そのためには、競争の激しい採用市場で当社の魅力を示し、計画する人財の確保と育成に取り組まなければいけません。また、自社でソリューションするソフトウェアやサービスの研究開発を行い、その成果として利益率の高い製品を継続的にリリースしていかなければいけません。加えて、成長分野である自動運転に係る事業分野においては、補助金の活用に頼らないビジネスモデルの創出に取り組みつつ、2027年の社会実装に向け、幅広い自治体、交通事業者に対し、多くのパートナー企業と連携し、その地位を確立することが企業グループとしての成長には欠かせません。
最後に、高精度三次元解析技術の向上により土木・建設・交通・自動車分野のDXを推進し、新たな市場と収益を獲得すべく新たな事業の柱に育てることが「2030年ありたい姿」のために重要となります。
③各事業分野における対処すべき課題
(コーポレート部門)
・「資本コストや株価を意識した経営」が求められており、その対応が求められております。その取り組みとして2024年5月に具体的な行動目標を策定し、その達成に向け取り組みを推進する。具体的には、売上高営業利益率、ROE、ROA、ROICの改善によりPBRを向上させる取り組みを実施しております。
・名証IRエキスポへの参加、名古屋証券取引所が主催するIRセミナー、当社が主催する会社説明会の開催など株主・投資家への情報発信・対話を強化し企業価値の向上に引き続き努めます。
・人的資本経営として人財の獲得と共に社員の成長を支え一人ひとりが「活き活き」とその特性を活かし、持てる力を発揮できる職場環境を目指します。
・社員のやりがい、満足度の調査を実施し、人事制度の見直し、組織設計に活用するなど従業員エンゲージメントの向上に努めます。また、社員が介護休業を取得できる環境を整えるとともに、男性社員が育児休業を取得できる環境整備と社員の意識向上に努めます。
・ESG経営の実践により、中長期的な持続的成長のため、変化する環境問題への取り組み、社会とのつながり、ガバナンスを強化への取り組みを実施します。なお、2025年3月期における取り組み内容は、「サステナビリティへの取り組み」及び「ESGへの取り組み」に記載のほか、「サステナブルレポート2025」(※1)を開示した通りです。
・DXを推進し、それをお客様へ提供する製品、サービスに活用するとともに業務にも活かすことで生産性の向上を図ることが必要です。加えて情報セキュリティ対策を適切に講じ、セキュリティ事故を未然に防ぐことも企業としての重要な責務となります。当社では、「DX戦略2025」(※2)を定め、生成AIの活用を始め、具体的な取り組みの指針としております。
以上により、持続的に成長する企業として、公正で透明性の高い、社会から信頼を寄せられる経営を進めることがコーポレート部門における対処すべき課題となります。
※1「サステナブルレポート2026」は以下からご覧いただくことが可能です。
https://aisan-corp.com/ir/management/sustainability/
※2「DX戦略2026」は以下からご覧いただくことが可能です。
https://aisan-corp.com/ir/management/dx-strategy/
(公共セグメント部門)
公共セグメントにおいては、何よりも優先すべき事項は、新たな自社ソリューションのリリースを市場に提供し、収益を獲得することが重要な課題となります。具体的な取り組み目標は以下の通りです。
・製品企画・開発の強化を行い製品・サービスのスピーディ且つ継続的な提供を行います。
・顧客体験を重視し、ユーザが安心して製品を利用できる環境を提供します。
・販売店との情報共有を進め、信頼関係を更に強めたパートナー体制を構築します。
・積極的な情報発信を行うと同時に市場情報を収集し将来を見据えた提案をします。
・業界をリードする人財育成、人財投与を積極的に実施します。
以上により、安定した収益の獲得のため、新規の製品・サービスをリリースし、市場占有率を高め、収益性の改善に努めることが本事業分野における対処すべき課題となります。
(モビリティ・DXセグメント部門)
モビリティ・DXセグメントにおいては、2025年度の自動運転社会実装に向けた具体的な取り組み目標は以下の通りです。
・全国自治体・交通事業者との連携で自動運転社会実装領域での収益獲得を目指します。
・自動運転の社会実装に向け、ルールベースでの自動運転とE2Eでの自動運転の両面での取り組みを行うことで安全性の高い自動運転の実現を目指します。
・これまでの長年各地で実施してきている実証実験のノウハウの積み上げからのサポート・パッケージなどストックビジネスモデルを確立します。
・モビリティ領域で、自社ソリューション領域を拡張し、収益性を向上させます。
・高精度三次元地図の生産性向上させ、市場競争力を高めます。
・DX領域で三次元データのDXを推進し、新たなソリューションのリリースによる収益獲得を目指します。
2027年度以降に向けて自動運転の社会実装の事業本格化を目指すとともに、高精度三次元技術を基盤とした新たなDX事業での収益獲得を可能とするビジネスモデルの構築が本事業分野における対処すべき課題となります。
④不適切な取引及び不正行為に関する特別調査委員会による調査結果を踏まえた今後の課題
当社は、2026年4月3日付「当社連結子会社における不適切な取引の疑い及び不正行為の疑いを受けた、特別調査委員会設置に関するお知らせ」にてお知らせしましたとおり、当社の100%子会社である有限会社秋測(以下、「当該子会社」)のマーケティングセンター(長野県上田市)において、不適切な取引の疑い及び不正行為の疑いがあることを認識し、特別調査委員会による調査を行い、その結果、不正が行われていたことが認定されました。
同委員会による原因分析及び再発防止策の提言を真摯に受け止め、取締役会において、再発防止策を定めその実施状況を代表取締役社長が委員長を務めるグループ経営モニタリング委員会を設置し、モニタリングを行ってまいります。
今回の不正は、これまで構築し運用してきた内部統制システムに一部不備があり、グループ会社全体まで徹底できてなかった点に起因しております。当社では、特定の個人に権限が集中しないよう、組織、人員を分離し牽制する体制としておりますが、当該子会社では、少人数であるとともに個人のノウハウを優先した業務フローとなっており、改ざんされた書面等を内部監査等で発見できなかった環境でありました。
このような事実を改善すべく、また、当社ならびに他の連結子会社でも同様の環境がないか再度点検するとともに以下の再発防止策に取り組んでまいります。
(当社グループとしての再発防止策)
①全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し)検討
・各事業における資本コスト及び収益性を鑑み、グループ会社を含め各事業の精査を継続的に実施していく。
・当該子会社については、特定個人への依存度解消や適切な内部統制を構築した上での採算性を厳しく再評価するとともに、マーケティングセンターの事業継続を根本的に検討し、判断する。
・グループ会社全体としての人員体制と事業規模、事業数から適切な事業体制を検討し、必要に応じた改善策を講じる。
②ガバナンスの再構築
・取締役会、監査役会におけるモニタリング機能を強化
取締役会における業務全般の監督機能を強化するとともに、監査役会においては、内部監査、会計監査人、取締役会とのコミュニケーションを密にし、グループ会社含めた業務全般に対する監視を従来以上に強化する。
・全グループ会社に最高コンプライアンスオフィサーの設置
各社におけるコンプライアンスの仕組みを整備し、コンプライアンスの啓蒙・推進のための主導的な役割を担うポジションとして「最高コンプライアンスオフィサー(Chief Compliance Officer、略して「CCO」)を設置する。CCOには代表取締役社長が就任し、コンプライアンス活動を主導する。
・業務分掌、職務分離といった業務手続のグループ共通化の徹底
グループ共通の担当者ごとの業務範囲、責任、決裁などの判断権限を分離し、コントロールが必要な業務については、複数人が担当し、相互牽制がなされるような仕組を整備し、共通化する。グループ会社など人員に限りがある際には当社の関係部門との連携した体制の構築を行う。
・グループ会社を含む事業部門、親会社の管理部門、内部監査部門の3つのディフェンスラインの確立
(1)第1ライン
グループ会社含め、事業部門内において日常業務を通じて自らリスクを取り同時にそれを管理する役割として、業務プロセスにおいてチェック機能を盛り込む。マニュアルの遵守し、実務現場での不正やミスを防止する行動を行う。
(2)第2ライン
当社管理部門において第1ラインの事業部門が適切にリスク管理を行っているかを専門的な視点から指導・支援・監視(モニタリング)する役割を担い、グループ全体のリスク管理ルールを策定、法改正情報の提供、現場へのコンプライアンス研修の実施、異常なデータのモニタリングを行う。
(3)第3ライン
第1ライン・第2ラインから完全に独立した立場から、組織全体のガバナンスやリスク管理が有効に機能しているかを「客観的に評価・保証」する役割を担い、取締役及び執行役員や第2ラインのチェック体制自体に不備がないかを監査し、取締役会や監査役会へ直接報告を行う。
・内部監査部門の体制強化
上記第3ラインとしての機能を果たすべくグループ全体として、従来の当社中心の内部監査からグループ全般の内部監査を可能とする体制を構築し、定期的かつ計画的に監査を実施する。
③コンプライアンス意識の徹底
・グループ全役職員を対象に、定期的にコンプライアンス研修を実施
・役員に対し、定期的に外部の有識者によるガバナンスに関する勉強会を実施
・新任役員に対し、上場企業の役員として必要な知識に関する外部研修の受講を義務化
(参考:当該子会社としての再発防止策)
①事業継続性の検討
特定個人への依存度や適切な内部統制を構築整備までの間、中古測量機の買取、販売に関するマーケティングセンター事業を停止し、以下の②から④に示す内部統制の構築を行う。
②業務分掌と職務分離に関する親会社手続との共通化
発注・仕入・検品・販売・請求・消込の各プロセスについて、当該子会社独自の運用方法からグループ共通の運用方法である職務分離を実施し、担当者を明確に分ける。特に、営業担当者が自ら納品書・請求書を作成して発送することを改めて厳禁とし、システム経由での発行を行うとともに、営業担当者以外の入力担当を別途配置する。
③シリアルナンバーを用いたシステム・棚卸統制
測量機の取り扱いについては、仕入から出荷までの一連とする受払において製造番号(シリアルナンバー)による個別管理を可能とするシステムに変更し、その運用を徹底する。棚卸業務からは営業担当者を排除し、本社管理部門が立ち会う複数人体制とする。外部預け在庫への現地訪問実査も実施。
④組織的な債権管理体制の確立
販売管理システムや会計システムを活用し、親会社の管理部門と連携して自社で債権年齢表の自動作成、売上と入金の違算を即座に把握する。併せて定期的な顧客への残高確認(債権照会)を徹底する。
⑤人事ローテーションの検討
上記②③④の内部統制環境の構築を行い、その上で必要な際には特定顧客との癒着を防ぐべく、定期的な人事ローテーションを検討していく。
中長期的な経営方針及び対処すべき課題
当社グループは、「知恵」「実行」「貢献」の社是のもと、知恵で地理空間情報のイノベーションを実行し社会資産の豊かな発展に貢献することを経営理念に掲げ、事業活動を行っております。
(1) 当社グループの経営方針
当社グループでは次の社是、経営理念、行動指針を定め、経営を行っております。
・社是
・経営理念知恵で地理空間情報のイノベーションを実行し社会資本の豊かな発展に貢献する。
・行動指針

(2) 中期的な経営目標
当社グループは、優秀な人財の確保とその人財への教育制度の充実が経営の基礎と考えております。その中で、測量業務のソフトウェアから測量計測機器までのトータルでのソリューションを実現し、且つ、自動車の自動走行に必要とされる高精度三次元地図に「測量」の技術を融合させることのできる国内唯一の企業として、当社が社会に果たすミッションとして次のとおり定めております。

(3) 中期経営計画(2024年4月~2027年3月)
前中期経営計画に実施した投資を収益に転換すべく、2027年3月期において売上高80億円、営業利益8.5億円を目指し、取り組んでまいります。
公共セグメントでは、新規の製品、サービスをリリースし、安定した収益を獲得することを目指します。一方、モビリティ・DXセグメントでは、自動運転の社会実装の事業本格化を目指すとともに、高精度三次元技術を基盤とした新たなDX事業にチャレンジします。コーポレート部門では、上記目標実現には人財投資が必要な状況であり、積極的な採用を継続するなど人的資本経営の推進とともに、資本コストを意識した経営にも取り組んでまいります。
①2030年にありたい姿
1.コア事業である公共セグメントにおいて競争力を高め、持続的成長する収益基盤を構築します。
2.戦略事業であり成長分野であるモビリティ・DXセグメントにおいて自社の強みを活かし、コア事業へ引き上げるとともに、3D DX分野で新たな事業の柱として独立させます。
3 一人ひとりが「活き活き」とその特性を活かし、持てる力を発揮し、それぞれが成長でき、新しいことにチャレンジし、成果をあげることが可能な企業を目指します。

②中期経営計画(2024年4月~2027年3月)の位置づけ
営業利益の推移のイメージ③中期経営計画(2024年4月~2027年3月)の基本方針及び経営目標
・基本方針
| 基本方針1 | 持続的成長の基礎となる製品・ソリューションの開発力強化 |
| 基本方針2 | 持続的成長を支える人財の獲得とその育成・スキルアップを図る |
| 基本方針3 | 持続的成長を実現する「科学的」営業活動の実践 |
| 基本方針4 | チャレンジ事業に経営資源を集中するとともにグループ全体でのシナジーの創出 |
| 基本方針5 | 資本コストを意識した経営の実践により企業価値向上を実現する |
・経営目標
| 経営目標1 | 2027年3月期において営業利益8.5億円を目指す |
| 経営目標2 | Development(開発と創造)& Evolution(進化)の実践 |
| 経営目標3 | 顧客起点の発想で、体験価値を提供する |
| 経営目標4 | 自動運転に係る技術、ノウハウを収益に変える |
| 経営目標5 | 広報活動の強化とともにCS、ES、IR、SR活動の実践 その結果、企業価値向上へ繋げる |
④2027年3月期定量目標
新中期経営計画の最終年度である2027年3月期の売上高は80億円、営業利益8.5億円、売上高営業利益率は10%を目標水準とします。当面は、「Development & Evolution」のスローガンを掲げ、公共セグメントでは、新規の製品、サービスをリリースし、安定した収益を獲得することを目指します。一方、モビリティ・DXセグメントでは、自動運転の社会実装の事業本格化を目指すとともに、高精度三次元技術を基盤とした新たなDX事業にチャレンジします。コーポレート部門では、上記目標実現には人財投資が必要な状況であり、積極的な採用を継続するなど人的資本経営の推進とともに、資本コストを意識した経営にも取り組んでまいります。
(4)サステナビリティへの取り組み
企業におけるサステナビリティの実現は、2015年に国連サミットで採択されたSDGsの取り組みの拡がりと浸透と共にグローバルに注目を集めています。その実現に向けては、CSRを踏まえたESGによる企業活動が欠かせません。以上を受け、当社グループでは、サステナビリティの実現に向けて次の観点から、当社グループの社是の下で、その取り組みに努める所存です。
・サステナビリティ基本方針当社グループでは、社是、経営理念のもとAisan’s missionで掲げる「未来の社会インフラを創造する」を推進する事業そのもので社会的課題の解決を目指します。その取り組みにあたっては、「環境」「社会」の両面において、多くのステークホルダーの皆様とともに積極的に推進してまいります。
具体的な取り組みに関しては以下に記載の通りです。
①測量で、自動運転で社会インフラ整備
建設、運送業における人手不足の問題、地域公共交通の維持、所有者不明土地・空き家問題、道路や橋梁といった社会インフラの老朽化と数多くの社会的課題があり、それら課題の解決のための事業活動を行っております。
また、地震、豪雨時の災害なども頻繁に発生する環境にあり、その発生時には、お客様の業務を支援するプログラムを用意し、速やかな復興に向けた貢献を行っております。また、震度5強以上の地震発生時には、電子基準点の情報を観測し、その地域の地殻変動量を算出したレポートを公開し、位置情報の正確性にお役立ていただいております。
自動運転の実証実験においては、国、自治体、交通事業者をはじめとするパートナーの皆様と連携し、数多くの実用化に向けた実証実験を行ってまいりました。新たな移動手段を社会に提供し社会課題を解決することを目的として、人材や技術など投資も進め、グループ会社であるA-Drive株式会社とともに事業モデルの構築を加速化させて自動運転の社会実装に向けた取り組みを進めてまいります。なお、自動運転車両の一部はEV車両を用いており、車輛の二酸化炭素排出量を抑制する取り組みも行っております。
②人事制度改定により70歳定年制度へ
少子高齢化の時代が進み、人生100年時代と言われる昨今、経験とノウハウを持つ高年齢者が、意欲と能力のある限り、年齢に関わりなく働くことができる生涯現役社会をサポートする制度を設けることが社員、会社のお互いにメリットがあると考えます。
また、国の社会保障制度としても65歳以上への定年引上げや高年齢者の雇用管理制度の整備、高年齢の有期契約労働者の無期雇用への転換等を求めているのと同時に、年金の受給開始時期の見直しの議論も行われようとしております。このような社会環境に対応すべく、当社グループでは、2020年4月に人事制度を改定し、従来の60歳定年制度を70歳までの年度で社員個々が定年年齢を選択可能な制度を創設し、運用を行っております。
③多様な人財が活躍できる職場を目指し、従業員エンゲージメント向上に向けた取り組みへ
社員各々の価値観が多様化する中、どのように事業の成果を上げるか、そのための働き方の多様化が求められています。また、出産、育児、介護が必要な環境下においても、就業継続可能な環境を用意することが経験を持った優秀な社員の離職を防ぐため重要と考えております。当社グループでは、従来から出産、育児、介護から復帰を可能とする休暇制度とともに、短時間勤務制度、コアタイムなしのスーパーフレックスタイム制度、在宅勤務制度を設けております。
また、現在は全社員を対象にコアタイムなしのスーパーフレックスタイム制度、在宅と出社を併用できるテレワーク制度、副業制度などを運用しております。加えて男性社員の育児休業取得の意識向上にも努めております。また、直接的な雇用ではありませんが、現在、試験的に刑務所における受刑者の軽作業を委託することで勤労精神の養育、職業技能の向上や社会復帰に向けた取り組みを支援することも開始することで、働きがいのある仕事の提供に繋がる取り組みも実施しております。
④改訂コーポレートガバナンス・コードへの対応を通じたガバナンス体制の強化
「知恵」「実行」「貢献」の社是に基づく企業倫理の浸透とコンプライアンスの徹底を図るとともに、リスクマネジメントの徹底に努めております。
当社グループでは、スタンダード市場として求められる事項に加え、経営方針に沿って有益な事項は積極的に取り組んでおります。具体的には、独立社外取締役の増員など取締役会の機能強化を実施するとともに、投資家との対話の充実を更に進めてまいります。
また、昨今ではグループ会社による不正などのニュースも散見されることから当社グループでもグループ全体のガバナンス強化に着手しております。その取り組みとして、グループ会社の会社機関設計を統一し、全会社にアイサンテクノロジーより取締役、監査役を派遣します。各監査役はアイサンテクノロジーの監査役会、内部監査室とも連携し、決算情報、業務執行の適正性をチェックしておりました。
しかしながら、2026年4月3日に公表しました「当社連結子会社における不適切な取引の疑い及び不正行為の疑いを受けた、 特別調査委員会設置に関するお知らせ」の通り、100%子会社である有限会社秋測において、不適切な取引の疑い及び不正行為の疑いがあることを認識し、その疑いの調査を目的に特別調査委員会の設置に至っております。このことは、上記ガバナンス体制が有効に機能していなかった結果でもあり、より実効性のある再発防止策を2026年6月19日に決議し、その実施に取り組んでまいります。
⑤期末連結従業員数235名(※契約社員等を含む)体制へ
2027年3月期以降の成長のためには、現在の社員の年齢構成を変える必要があるとともに人員数も不足する状況です。そのため、集中的に人財獲得とその育成を目指します。グループ会社含めて、人財要件を明確にし、新卒採用、キャリア採用中心に人財投資を実行することが必要です。
加えて、当社グループに入社した社員の育成プログラムも構築し、安定した活躍の場を設けるとともに、定期的に社員の意識調査を行い、必要に応じ配置転換、リスキリングにも取り組んでいく方針です。
併せて、M&Aを活用することで、上記で不足する部分を補完することも常時検討を行っております。
⑥生産性の向上を目指してDX推進
当社グループでは、ITやクラウドサービスを積極的に活用し業務の効率化を実現することで、社員は、人間にしかできない戦略的な業務に集中することが可能となり、働き甲斐を向上させるよう取り組んでまいりました。
環境面への配慮からは、紙資源の利用を抑制するためにペーパーレス化を推進しております。取締役会では数年前よりペーパーレス化を図り、資料の紙での配布を廃止しております。また、お客様への納品書、請求書も電子化するサービスを導入しております。
加えて契約書類の一部や取引における書面のやり取りは電子署名技術を活用した電子契約サービスを導入し、運用を行っております。これらの取り組みは環境面のみならず、間接業務の生産性向上にも寄与するものと考えております。
これらの取り組みが有益であることを示す、国がその取り組みを認定する制度の「DX認定制度」へもチャレンジしてまいります。

(5)2027年3月期業績見通し
「中期経営計画(2024年度~2026年度) Development & Evolution」の3年目として定量的な目標達成に取り組んでまいります。その中期経営計画の基本方針は、以下の通りです。
① 持続的成長の基礎となる製品・ソリューションの開発力強化
② 持続的成長を支える人財の獲得とその育成・スキルアップを図る
③ 持続的成長を実現する「科学的」営業活動の実践
④ チャレンジ事業に経営資源を集中とともにグループ全体でのシナジーの創出
⑤ 資本コストを意識した経営の実践による企業価値向上を実現する
この基本方針を達成するにあたり、当連結会計年度においては、前連結会計年度に採用した人財の教育・育成を着実に進め、早期の戦力化お及び収益貢献の実現に取り組んでまいりました。その結果、当該人財の事業活動への参画が進展し、前連結会計年度に実施した人財投資について一定の成果創出と回収が図られました。中期経営計画最終年度に向けて、引き続き人財基盤の強化を図るとともに、成長に向けた各種施策を推進してまいります。
一方で、事業活動における次期の市場環境の見通しは、米中対立や中東情勢の緊迫化を背景に、世界は分断と不透明感の中にあります。資源や半導体を巡る経済安保に加え、先端技術の主導権争いや気候変動への対応が急務となる中、国際秩序の再編が加速するとともに、当社が取り扱う測量計測機器、MMSなど納期や価格高騰などにより事業活動への影響も想定しています。
以上より、2027年3月期における連結業績予想は以下の通りであります。なお、次の2点の要因により、第2四半期累計期間までは、営業利益を始め各利益項目は損失計上を計画しております。
1.当社グループにおけるモビリティDXセグメントを中心に、自動運転の社会実装事業等の収益比重が年々高まってきていることに加え、子会社のスリード、三和、A-Driveにおいても請負業務を中心としており、収益計上が年度末に集中する傾向にあることから、第2四半期まで営業損失を計画している点。
2.公共セグメントにおける当社事業は、四半期単位で営業利益を計上する計画ですが、この分野も採用計画の増加や投資によるコストが事業年度の上半期に集中しており、それらの収益貢献が下半期以降であることから、上記1.の営業損失を吸収するまでは至らない計画である点。
アイサンテクノロジーグループの連結実績及び次期の業績予想
(単位:千円)
| 2026年3月期 (実績) | 2027年3月期 (計画) | 対前期増減額 | 対前期増減率 | |
| 売上高 | 7,593,146 | 8,000,000 | 406,854 | 5.3% |
| 営業利益 | 760,499 | 850,000 | 89,501 | 11.7% |
| 経常利益 | 761,186 | 830,000 | 68,814 | 9.0% |
| 親会社株主に帰属する当期純利益 | 522,016 | 547,000 | 24,984 | 4.7% |
各セグメントにおける次期の市場環境を含めた見通しは以下の通りです。
a.報告セグメント別の業績見通し
(単位:千円)
| 2026年3月期 (実績) | 2027年3月期 (計画) | ||
| 公共セグメント | 売上高 | 3,250,458 | 3,757,000 |
| セグメント利益 | 588,174 | 655,000 | |
| 営業利益率 | 18.1% | 17.4% | |
| モビリティ・DX セグメント | 売上高 | 4,332,993 | 4,233,000 |
| セグメント利益 | 537,812 | 432,000 | |
| 営業利益率 | 12.4% | 10.2% | |
| その他 | 売上高 | 9,694 | 10,000 |
| セグメント利益 | 5,324 | 4,550 | |
| 営業利益率 | 54.9% | 45.5% |
b.報告セグメント別の当連結会計年度末における請負契約に係る受注残高(次期に売上計上予定)
| 公共セグメント | モビリティ・DX セグメント | 合計 | |
| 計測機器販売及び関連サービス | - | 82,147 | 82,147 |
| 各種請負業務及び関連サービス | 51,008 | 891,342 | 942,350 |
| 合計 | 51,008 | 973,489 | 1,024,498 |
c.報告セグメント別の次期の見通し
(公共セグメント)
測量・不動産登記に係る市場においては、既述の通り不透明な経済状況下において、お客様の設備投資意欲の低下や、測量機器などのハードウェア関連の仕入コスト上昇、生産遅延、在庫不足による商談機会を逸するリスクが存在しております。そのような環境下においても、引き続き、三次元データの利活用推進による業界の生産性向上の動きは加速するものと考えられます。また、当連結会計年度に新設した拠点を活用し、積極的な事業活動エリアの拡大を行うとともに、販売パートナーとの関係強化も図り、顧客・販売店との接点増加にも努めてまいります。
・中期経営計画2年目の当連結会計年度と同様に、当社グループの主力製品である「WingneoINFINITY」の定期的なアップデート、サポートサービスに加え、新たな製品・サービスのリリースを行うことで安定した収益の獲得を目指すとともに、効果的な分野、地域への販売コストの集中的な投下により、収益性の改善を図っていきます。
・建設関連業界におけるi-Constructionの流れは次期以降も引き続き顕著であり、三次元データの活用を可能とするソリューションの提供を行い、補助金活用や税制優遇を活用したお客様の生産性向上の提案を推進してまいります。
・次期の第1四半期業績に関しては、すでに契約済みのサポートサービスによる最新バージョンの出荷に伴う売上計上が予想されるとともに、当連結会計年度からの継続案件による収益計上が見込まれます。
以上により、公共セグメントにおける売上高及び利益は、当連結会計年度と比較し、増加となる見込みです。
(モビリティ・DXセグメント)
自動車関連市場においては、2027年度に向け、それまでの投資局面においては、様々な自治体やパートナー企業と連携し、高精度三次元地図の整備、社会実装事業、モビリティ開発、スマートシティやスーパーシティプロジェクトへの参画等を進め、特に労働人口が減少する社会課題の中、地方公共交通の維持を目的とした移動手段の自動運転化の社会実装を目指し、自治体・交通事業者・パートナー企業とともに自動運転の社会実装を目的とした実証実験に参画し、2027年度以降の当社のビジネスモデルを構築してまいります。加えて、これらの事業を通じて培ってきた高精度三次元技術を基盤とし、新たなDX事業に参入すべく、様々な営業・投資活動を前連結会計年度より開始し、3年目の次期はその取り組みを加速化していく計画をしております。そのためにも人財確保と育成及び研究開発を各専門分野で実施し、またパートナー連携の強化、プロジェクトの深化などを進め、将来の収益性の向上を図ります。
一方で、不透明な経済環境は、本モビリティ・DXセグメントに与える影響は自動車産業においては大きく、パートナー企業の投資意欲減退のリスクには今まで以上に注視しなければいけない状況にあります。
・高精度三次元地図関連事業では、安全性を担保する自動運転の実現には地図が必要と考え、引き続きパートナー企業との連携を深め、今後のニーズ拡大が期待される自治体向け高精度三次元地図データの利活用に向け、自動運転用地図の配信基盤の研究開発に取り組むとともに、スマートシティやスーパーシティなどで期待される高精度三次元地図データプラットフォームなどへの取り組みを引き続き進めてまいります。また、本事業の収益性を更に高めるため、自社開発の地図生産ソフトウェアの機能性をさらに高め、地図データ生成における生産性向上と品質強化の取り組みを強力に推進してまいります。
・自動走行に係る車両構築や社会実装事業においても、国の掲げるロードマップに即し、新たな移動手段を社会に提供し社会課題を解決することを目的として、子会社の「A-Drive株式会社」、多くの外部パートナー企業と連携し、全国の自治体との対話を進め、将来の実用化に向けて今後も積極的に推進するとともに、自動運転の社会実装後の事業モデルの構築を目指し、人財や技術などへの投資をより積極的に進めてまいります。
・国土交通省の推進する「インフラ分野のDX」を実現させるべく、当連結会計年度より引き続き三次元データのDXを推進し、新たな収益モデルを確立するための営業活動及び研究開発に取り組んでまいります。その為にも、今まで培ってきたパートナーとの連携に加え、人財採用活動や市場調査を推進し、ビジネスモデルの構築を目指します。
・次期においても、MMSの計測機器販売の受注も進んでおりますが、従前どおり受注から収益計上まで一定期間を要すため、下半期以降にその多くが収益計上する見込みとしております。また、すでに公募が開始されている国土交通省の令和8年度事業「地域公共交通確保維持改善事業費補助金(自動運転社会実装推進事業)」を活用し、全国の自治体の応募を支援しますが、採択要件は昨年までと比較し、相当に厳しくなっており、本補助金の活用する事業の採択件数は減少する見通しですが、その他補助金を活用し、今まで以上に、より自動運転の社会実装へアプローチを行うべく、長期的な走行やルールベースでの自動運転からAIを活用したE2E(End-to-End:エンドツーエンド)と呼ばれる自動運転技術の採用といった、より深化した取り組みを行うとともに、人財、資産投資も積極的に実施することで経営計画の達成を目指します。一方これらの事業の収益は年度末に集中することが予想されており、本セグメントにおけるセグメント利益は、次期の第3四半期累計期間までは損失を計上する見込みとしております。
(6) 経営環境及び優先的に対処すべき課題
当社グループでは、「社是」「経営理念」に基づき中長期的に企業グループとしてあるべき姿を示した「2030年にありたい姿」を定め、その目標を達成すべく「中期経営計画」を策定し、その成長戦略に沿って事業活動を行っております。事業活動を行うに際しては、資本コストや株価を意識した経営をはじめ、上場企業の一員として対応すべき事項、社会変化や技術革新など外部環境の変化に伴う機会と脅威が存在するとともに、事業を継続するうえで普遍的な課題が存在しています。これらに適切に対応することで、持続的な成長に繋がるものと考えますが、対応を誤ると、獲得できる可能性のあった収益を失うことにもなります。測量・不動産登記に係る市場における技術革新への対応やモビリティ分野における自動運転の実用化社会に向けた開発競争が激しくなるなど、目まぐるしく変化する経営環境の中、「知恵・実行・貢献」の社是のもと「未来の社会インフラを創造する」企業として、持続的な成長を目指すべく、「Development & Evolution」のスローガンを掲げた中期経営計画の達成に向け、以下の通り取り組んでまいります。

①地政学リスクへの対処すべき課題
当社グループにおける主たる事業活動の地域は、国内が中心であり、直接海外での事業活動を展開していないことから、地政学リスクの直接的な影響は小さいものと判断しております。しかしながらその影響による国内外の景気や経済活動の動向による間接的な影響を受けることとなります。
具体的には、お客様の投資マインドの低下、生産・入荷の遅延や為替変動による一部仕入商品の価格などへの影響などがあげられます。
当社グループでは、このようなリスクに対応すべく、多方面での事業展開も同時に行うことで、特定の市場環境の影響に偏らないよう、事業活動を行うとともに、将来の取引の見込みより適正な在庫管理を行うなど実施していかなければいけません。
②中期的な対処すべき課題
当社グループでは、前中期経営計画に実施した投資を収益に転換すべく、「中期経営計画(2024年4月~2027
年3月) Development & Evolution」にて掲げる2027年3月期の連結業績目標である売上高80億円、営業利益
8.5億円を目指し、取り組んでまいります。
当社グループの事業活動では幅広い人財が必要となります。そのためには、競争の激しい採用市場で当社の魅力を示し、計画する人財の確保と育成に取り組まなければいけません。また、自社でソリューションするソフトウェアやサービスの研究開発を行い、その成果として利益率の高い製品を継続的にリリースしていかなければいけません。加えて、成長分野である自動運転に係る事業分野においては、補助金の活用に頼らないビジネスモデルの創出に取り組みつつ、2027年の社会実装に向け、幅広い自治体、交通事業者に対し、多くのパートナー企業と連携し、その地位を確立することが企業グループとしての成長には欠かせません。
最後に、高精度三次元解析技術の向上により土木・建設・交通・自動車分野のDXを推進し、新たな市場と収益を獲得すべく新たな事業の柱に育てることが「2030年ありたい姿」のために重要となります。
③各事業分野における対処すべき課題
(コーポレート部門)
・「資本コストや株価を意識した経営」が求められており、その対応が求められております。その取り組みとして2024年5月に具体的な行動目標を策定し、その達成に向け取り組みを推進する。具体的には、売上高営業利益率、ROE、ROA、ROICの改善によりPBRを向上させる取り組みを実施しております。
・名証IRエキスポへの参加、名古屋証券取引所が主催するIRセミナー、当社が主催する会社説明会の開催など株主・投資家への情報発信・対話を強化し企業価値の向上に引き続き努めます。
・人的資本経営として人財の獲得と共に社員の成長を支え一人ひとりが「活き活き」とその特性を活かし、持てる力を発揮できる職場環境を目指します。
・社員のやりがい、満足度の調査を実施し、人事制度の見直し、組織設計に活用するなど従業員エンゲージメントの向上に努めます。また、社員が介護休業を取得できる環境を整えるとともに、男性社員が育児休業を取得できる環境整備と社員の意識向上に努めます。
・ESG経営の実践により、中長期的な持続的成長のため、変化する環境問題への取り組み、社会とのつながり、ガバナンスを強化への取り組みを実施します。なお、2025年3月期における取り組み内容は、「サステナビリティへの取り組み」及び「ESGへの取り組み」に記載のほか、「サステナブルレポート2025」(※1)を開示した通りです。
・DXを推進し、それをお客様へ提供する製品、サービスに活用するとともに業務にも活かすことで生産性の向上を図ることが必要です。加えて情報セキュリティ対策を適切に講じ、セキュリティ事故を未然に防ぐことも企業としての重要な責務となります。当社では、「DX戦略2025」(※2)を定め、生成AIの活用を始め、具体的な取り組みの指針としております。
以上により、持続的に成長する企業として、公正で透明性の高い、社会から信頼を寄せられる経営を進めることがコーポレート部門における対処すべき課題となります。
※1「サステナブルレポート2026」は以下からご覧いただくことが可能です。
https://aisan-corp.com/ir/management/sustainability/
※2「DX戦略2026」は以下からご覧いただくことが可能です。
https://aisan-corp.com/ir/management/dx-strategy/
(公共セグメント部門)
公共セグメントにおいては、何よりも優先すべき事項は、新たな自社ソリューションのリリースを市場に提供し、収益を獲得することが重要な課題となります。具体的な取り組み目標は以下の通りです。
・製品企画・開発の強化を行い製品・サービスのスピーディ且つ継続的な提供を行います。
・顧客体験を重視し、ユーザが安心して製品を利用できる環境を提供します。
・販売店との情報共有を進め、信頼関係を更に強めたパートナー体制を構築します。
・積極的な情報発信を行うと同時に市場情報を収集し将来を見据えた提案をします。
・業界をリードする人財育成、人財投与を積極的に実施します。
以上により、安定した収益の獲得のため、新規の製品・サービスをリリースし、市場占有率を高め、収益性の改善に努めることが本事業分野における対処すべき課題となります。
(モビリティ・DXセグメント部門)
モビリティ・DXセグメントにおいては、2025年度の自動運転社会実装に向けた具体的な取り組み目標は以下の通りです。
・全国自治体・交通事業者との連携で自動運転社会実装領域での収益獲得を目指します。
・自動運転の社会実装に向け、ルールベースでの自動運転とE2Eでの自動運転の両面での取り組みを行うことで安全性の高い自動運転の実現を目指します。
・これまでの長年各地で実施してきている実証実験のノウハウの積み上げからのサポート・パッケージなどストックビジネスモデルを確立します。
・モビリティ領域で、自社ソリューション領域を拡張し、収益性を向上させます。
・高精度三次元地図の生産性向上させ、市場競争力を高めます。
・DX領域で三次元データのDXを推進し、新たなソリューションのリリースによる収益獲得を目指します。
2027年度以降に向けて自動運転の社会実装の事業本格化を目指すとともに、高精度三次元技術を基盤とした新たなDX事業での収益獲得を可能とするビジネスモデルの構築が本事業分野における対処すべき課題となります。
④不適切な取引及び不正行為に関する特別調査委員会による調査結果を踏まえた今後の課題
当社は、2026年4月3日付「当社連結子会社における不適切な取引の疑い及び不正行為の疑いを受けた、特別調査委員会設置に関するお知らせ」にてお知らせしましたとおり、当社の100%子会社である有限会社秋測(以下、「当該子会社」)のマーケティングセンター(長野県上田市)において、不適切な取引の疑い及び不正行為の疑いがあることを認識し、特別調査委員会による調査を行い、その結果、不正が行われていたことが認定されました。
同委員会による原因分析及び再発防止策の提言を真摯に受け止め、取締役会において、再発防止策を定めその実施状況を代表取締役社長が委員長を務めるグループ経営モニタリング委員会を設置し、モニタリングを行ってまいります。
今回の不正は、これまで構築し運用してきた内部統制システムに一部不備があり、グループ会社全体まで徹底できてなかった点に起因しております。当社では、特定の個人に権限が集中しないよう、組織、人員を分離し牽制する体制としておりますが、当該子会社では、少人数であるとともに個人のノウハウを優先した業務フローとなっており、改ざんされた書面等を内部監査等で発見できなかった環境でありました。
このような事実を改善すべく、また、当社ならびに他の連結子会社でも同様の環境がないか再度点検するとともに以下の再発防止策に取り組んでまいります。
(当社グループとしての再発防止策)
①全社戦略の見直し(事業ポートフォリオの見直し)検討
・各事業における資本コスト及び収益性を鑑み、グループ会社を含め各事業の精査を継続的に実施していく。
・当該子会社については、特定個人への依存度解消や適切な内部統制を構築した上での採算性を厳しく再評価するとともに、マーケティングセンターの事業継続を根本的に検討し、判断する。
・グループ会社全体としての人員体制と事業規模、事業数から適切な事業体制を検討し、必要に応じた改善策を講じる。
②ガバナンスの再構築
・取締役会、監査役会におけるモニタリング機能を強化
取締役会における業務全般の監督機能を強化するとともに、監査役会においては、内部監査、会計監査人、取締役会とのコミュニケーションを密にし、グループ会社含めた業務全般に対する監視を従来以上に強化する。
・全グループ会社に最高コンプライアンスオフィサーの設置
各社におけるコンプライアンスの仕組みを整備し、コンプライアンスの啓蒙・推進のための主導的な役割を担うポジションとして「最高コンプライアンスオフィサー(Chief Compliance Officer、略して「CCO」)を設置する。CCOには代表取締役社長が就任し、コンプライアンス活動を主導する。
・業務分掌、職務分離といった業務手続のグループ共通化の徹底
グループ共通の担当者ごとの業務範囲、責任、決裁などの判断権限を分離し、コントロールが必要な業務については、複数人が担当し、相互牽制がなされるような仕組を整備し、共通化する。グループ会社など人員に限りがある際には当社の関係部門との連携した体制の構築を行う。
・グループ会社を含む事業部門、親会社の管理部門、内部監査部門の3つのディフェンスラインの確立
(1)第1ライン
グループ会社含め、事業部門内において日常業務を通じて自らリスクを取り同時にそれを管理する役割として、業務プロセスにおいてチェック機能を盛り込む。マニュアルの遵守し、実務現場での不正やミスを防止する行動を行う。
(2)第2ライン
当社管理部門において第1ラインの事業部門が適切にリスク管理を行っているかを専門的な視点から指導・支援・監視(モニタリング)する役割を担い、グループ全体のリスク管理ルールを策定、法改正情報の提供、現場へのコンプライアンス研修の実施、異常なデータのモニタリングを行う。
(3)第3ライン
第1ライン・第2ラインから完全に独立した立場から、組織全体のガバナンスやリスク管理が有効に機能しているかを「客観的に評価・保証」する役割を担い、取締役及び執行役員や第2ラインのチェック体制自体に不備がないかを監査し、取締役会や監査役会へ直接報告を行う。
・内部監査部門の体制強化
上記第3ラインとしての機能を果たすべくグループ全体として、従来の当社中心の内部監査からグループ全般の内部監査を可能とする体制を構築し、定期的かつ計画的に監査を実施する。
③コンプライアンス意識の徹底
・グループ全役職員を対象に、定期的にコンプライアンス研修を実施
・役員に対し、定期的に外部の有識者によるガバナンスに関する勉強会を実施
・新任役員に対し、上場企業の役員として必要な知識に関する外部研修の受講を義務化
(参考:当該子会社としての再発防止策)
①事業継続性の検討
特定個人への依存度や適切な内部統制を構築整備までの間、中古測量機の買取、販売に関するマーケティングセンター事業を停止し、以下の②から④に示す内部統制の構築を行う。
②業務分掌と職務分離に関する親会社手続との共通化
発注・仕入・検品・販売・請求・消込の各プロセスについて、当該子会社独自の運用方法からグループ共通の運用方法である職務分離を実施し、担当者を明確に分ける。特に、営業担当者が自ら納品書・請求書を作成して発送することを改めて厳禁とし、システム経由での発行を行うとともに、営業担当者以外の入力担当を別途配置する。
③シリアルナンバーを用いたシステム・棚卸統制
測量機の取り扱いについては、仕入から出荷までの一連とする受払において製造番号(シリアルナンバー)による個別管理を可能とするシステムに変更し、その運用を徹底する。棚卸業務からは営業担当者を排除し、本社管理部門が立ち会う複数人体制とする。外部預け在庫への現地訪問実査も実施。
④組織的な債権管理体制の確立
販売管理システムや会計システムを活用し、親会社の管理部門と連携して自社で債権年齢表の自動作成、売上と入金の違算を即座に把握する。併せて定期的な顧客への残高確認(債権照会)を徹底する。
⑤人事ローテーションの検討
上記②③④の内部統制環境の構築を行い、その上で必要な際には特定顧客との癒着を防ぐべく、定期的な人事ローテーションを検討していく。