訂正有価証券報告書-第25期(令和3年1月1日-令和3年12月31日)

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2022/05/13 16:00
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2. 重要な会計方針
当社グループは会計方針を連結財務諸表に表示されている全ての期間に首尾一貫して適用しています。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業(組成された事業体を含む)をいいます。当社グループが企業への関与による変動リターンにさらされている、又は変動リターンに対する権利を有している場合で、その企業に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合には、当社グループはその企業を支配しています。当社グループがパワーを有しているか否かは、現時点で行使可能な潜在的議決権を考慮して決定しています。子会社の財務諸表は、支配開始日から支配終了日までの間、当社グループの連結財務諸表に含まれています。
当社グループの子会社に対する所有持分が変動した場合で、かつ、当社グループの当該子会社に対する支配が継続する場合は、資本取引として非支配持分の修正額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額を資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属させています。
当社グループ企業間の取引並びにこれに関連する資産及び負債は、連結手続において相殺消去しています。未実現損益は全額、これを消去しています。また、当社グループの会計方針と整合するよう、必要に応じて子会社の財務諸表を修正しています。
② 関連会社及び共同支配の取決め
関連会社とは、当社グループがその経営及び財務の方針に関する経営管理上の意思決定に対して、重要な影響力を有するが、支配的持分は有しない企業をいいます。一般的に、当社グループが議決権の20%から50%を保有する場合には、重要な影響力があると推定されています。当社グループが重要な影響力を有しているか否かの評価にあたり考慮されるその他の要因には、取締役会への役員の派遣等があります。これらの要因が存在する場合には、当該企業に対する当社グループの投資が議決権株式の20%未満であったとしても、当社グループが重要な影響力を有することがあります。
共同支配とは、取決めに対する契約上合意された支配の共有であり、取決めの変動リターンに重要な影響を及ぼす活動に関する意思決定に、支配を共有している当事者の全員一致の合意を必要とする場合にのみ存在します。共同支配の取決めへの投資は、各投資家が有する契約上の権利及び義務に基づいて、共同支配事業か共同支配企業のいずれかに分類されます。共同支配事業とは、取決めに対する共同支配を有する当事者が、当該取決めに関する資産に対する権利及び負債に対する義務を有している場合の共同支配の取決めであり、共同支配企業とは、取決めに対する共同支配を有する当事者が、当該取決めの純資産に対する権利を有している場合の共同支配の取決めをいいます。
関連会社及び共同支配企業に対する持分の投資は、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って会計処理される、売却目的で保有する資産等に分類される場合等を除いて、持分法により会計処理しています。関連会社及び共同支配企業の経営成績に対する当社グループの持分は、当社グループの会計方針と整合するように修正され、連結損益計算書において持分法による投資損益として認識しています。取引に係る未実現損益は、投資先に対する当社グループの持分の範囲で消去されています。持分法による会計処理では、関連会社及び共同支配企業に対する当社グループの投資は、当初、取得原価で計上された後、取得後の純利益(又は損失)に対する当社グループの持分及び当該関連会社又は共同支配企業の資本(又は純資産)に直接反映されたその他の変動に対する当社グループの持分を反映して、増額(又は減額)されます。
関連会社又は共同支配企業の持分取得に伴い生じたのれんは、当該投資の帳簿価額に含められており、持分法で会計処理されている投資全体に関して減損テストを行っています。当社グループは、各期末日現在において、関連会社又は共同支配企業に対する投資が減損しているということを示す客観的な証拠があるか否かを評価しています。投資が減損していることを示す客観的証拠がある場合、投資の回収可能価額(使用価値と処分費用控除後の公正価値のいずれか高い方)と帳簿価額を比較することにより、減損テストを行っています。過去の期間に認識された減損損失は、過去の減損損失計上後、投資の回収可能価額の決定に使用された見積りの変更があった場合にのみ、戻入れています。その場合、投資の帳簿価額は、減損損失の戻入れにより、回収可能価額まで増額しています。
共同支配事業への投資は、各共同支配事業の収益、費用、資産及び負債の持分をそれぞれの類似する科目に合算しています。
なお、一部の関連会社への投資について、IAS第28号「関連会社及び共同支配企業に対する投資」におけるベンチャー・キャピタル企業等に適用される規定に従って純損益を通じて公正価値で測定しています。
(2) 企業結合
当社グループは、企業結合に対して取得法を適用しています。企業結合において移転した対価には、当社グループから被取得企業の従前の所有者に対して移転した資産、発生した負債及び当社グループが発行した持分の公正価値が含まれています。また、移転した対価には、条件付対価の公正価値が含まれています。仲介手数料、弁護士費用、デューデリジェンス費用及びその他の専門家報酬、コンサルティング料等の、企業結合に関連して当社グループに発生する取引費用は、発生時に費用処理しています。
また、当社グループは、被取得企業に対する非支配持分のうち、現在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な取り分を保有者に与えているものについて、企業結合取引ごとに、公正価値もしくは識別可能な被取得企業の純資産に対する非支配持分の持分割合相当額のいずれかで測定しています。
IFRS第3号「企業結合」に基づく認識の要件を満たす被取得企業の識別可能な資産、負債及び偶発負債は、以下を除いて、取得日の公正価値で測定しています。なお、取得日とは、支配が取得企業に移転した日をいいます。取得日及び支配がある当事者から他の当事者に移転したか否かを決定するためには、判断が必要な場合があります。
・繰延税金資産及び繰延税金負債はIAS第12号「法人所得税」に、従業員給付契約に係る負債(又は資産)はIAS第19号「従業員給付」に、また、株式報酬に係る負債はIFRS第2号「株式に基づく報酬」に準拠して、それぞれ認識及び測定しています。
・売却目的として分類される非流動資産又は事業は、IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に準拠して測定しています。
移転した対価、被取得企業の非支配持分の金額及び以前に保有していた被取得企業の持分の取得日における公正価値の合計が、取得した識別可能な純資産の公正価値を超過する場合、その超過額をのれんとして計上しています。一方、移転した対価、被取得企業の非支配持分の金額及び以前に保有していた被取得企業の持分の取得日における公正価値の合計が、取得した識別可能な純資産の公正価値を下回る場合、割安購入として差額を純損益に直接認識しています。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した連結会計年度末までに完了していない場合には、完了していない項目を暫定的な金額で報告しています。取得日時点に存在していた事実と状況を取得日当初に把握していたとしたら、認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下「測定期間」)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しています。この新たに得た情報が、資産と負債の新たな認識をもたらす場合には、追加の資産と負債を認識しています。測定期間は、最長で1年間です。
IFRS移行日より前の取得に係るのれんは、従前の会計基準に基づき認識した金額を基礎として報告しています。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における直物為替レートを適用することにより、機能通貨に換算しています。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しています。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に再換算しています。
これら取引の決済から生じる外国為替差額並びに外貨建貨幣性資産及び負債を期末日の為替レートで換算することによって生じる為替差額は、純損益で認識しています。ただし、非貨幣性項目に係る利益又は損失がその他の包括利益に計上される場合は、為替差額もその他の包括利益に計上しています。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については期中の平均為替レートを用いて日本円に換算しています。
在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益で認識しています。
当該差額は「在外営業活動体の換算差額」として、その他の資本の構成要素に含めています。なお、在外営業活動体の持分全体の処分及び支配、重要な影響力又は共同支配の喪失を伴う持分の一部処分といった事実が発生した場合、当該換算差額を、処分損益の一部として純損益に振り替えています。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資です。短期投資については、銀行事業に関するものを含みません。
(5) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
当社グループは、売上債権を、これらの発生日に当初認識しています。その他の金融資産は全て、当社グループが当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しています。
金融資産の分類及び測定モデルの概要は、以下のとおりです。
償却原価で測定する金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合に償却原価で事後測定する金融資産に分類しています。
・当社グループの事業モデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合
・契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローを生じさせる場合
償却原価で測定する金融資産は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しています。当初認識後、償却原価で測定する金融資産の帳簿価額については、実効金利法に基づき事後測定しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で事後測定する負債性金融商品に分類しています。
・当社グループの事業モデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的として保有している場合
・契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローを生じさせる場合
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累計額を損益に振り替えています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融商品
資本性金融商品に対する投資を除く金融資産で上記の償却原価で測定する区分及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する区分の要件を満たさないものは、公正価値で測定し、その変動を純損益で認識しています。当該資産には、売買目的で保有する金融資産が含まれています。
資本性金融商品に対する投資は公正価値で測定し、その変動を純損益で認識しています。ただし、当社グループが当初認識時に公正価値の変動をその他の包括利益に計上するという選択(取消不能)を行う場合は、この限りではありません。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値で認識し、取引費用は発生時に純損益で認識しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
当社グループは当初認識時に、資本性金融商品に対する投資における公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(取消不能)を行う場合があります。当該選択は、売買目的以外で保有する資本性金融商品に対する投資に対してのみ認められています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しています。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の利得及び損失」として、その他の資本の構成要素に含めています。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品からの配当金については、「売上収益」又は「金融収益」として純損益で認識しています。
償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて測定する負債性金融商品の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品については、期末日時点で金融商品にかかる信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、期末日後12ヶ月以内の生じうる債務不履行から生じる予想信用損失(12ヶ月の予想信用損失)により貸倒引当金の額を算定しています。この場合、過去の貸倒実績率、公表されているデフォルト率、その他合理的に利用可能な将来予測情報等をもとに将来12ヶ月の予想信用損失を集合的に見積って当該金融商品にかかる貸倒引当金の額を算定しています。一方で、期末日時点で金融商品にかかる信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品の予想存続期間にわたる全ての生じうる債務不履行から生じる予想信用損失(全期間の予想信用損失)により貸倒引当金を算定しています。この場合、過去の貸倒実績率、将来の回収可能価額、公表されているデフォルト率、その他合理的に利用可能な将来予測情報等をもとに当該金融商品の回収にかかる全期間の予想信用損失を個別に見積って当該金融商品にかかる貸倒引当金の額を算定しています。
ただし、重大な金融要素を含んでいない売上債権等の営業債権及び契約資産(以下「営業債権等」)については、上記に関わらず、常に全期間の予想信用損失により貸倒引当金の額を算定しています。原則として、取引先の属性に応じて営業債権等をグルーピングした上で、過去の貸倒実績率、その他合理的に利用可能な将来予測情報等を考慮して集合的に予想信用損失を測定しています。一定の日数が経過した延滞した金融資産のうち債務者の重大な財政的困難等により金融資産の回収可能性が特に懸念されるものであると判断された場合には、信用減損が発生しているものと判定しています。
当社グループは、信用減損した金融資産について、将来の回収が見込めない場合は直接償却を行っています。
直接償却を行った場合でも履行に向けて回収活動を継続し、回収が行われた場合は純損益に回収額を計上します。
金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、又は、当該金融資産の所有にかかるリスク及び便益を実質的に全て移転する取引において、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、当該金融資産の認識を中止しています。移転した金融資産に関して当社グループが創出した、又は当社グループが引き続き保有する権利については、別個の資産・負債として認識しています。
② 非デリバティブ金融負債
当社グループは、当社グループが発行した負債証券を、その発行日に当初認識しています。その他の金融負債は全て、当社グループが当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しています。
当社グループは、金融負債が消滅した場合、つまり、契約上の義務が免責、取消又は失効となった場合に、金融負債の認識を中止しています。
当社グループは、非デリバティブ金融負債として、仕入債務、銀行事業の預金、証券事業の金融負債、社債及び借入金、並びにその他の金融負債を有しており、公正価値で当初認識し、実効金利法に基づき償却原価で事後測定しています。
なお、一部の銀行事業の預金については、資産若しくは負債の測定又は利得若しくは損失の認識を異なったベースで行うことから生じるであろう測定上又は認識上の不整合を大幅に削減するために、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債として指定しています。当該金融負債の公正価値の変動金額のうち、当該負債の信用リスクの変動に起因するものは、その他の資本の構成要素に含まれます。
③ デリバティブ
ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブ
当社グループは、公正価値変動リスク、金利変動リスク及び為替変動リスクをヘッジするため、デリバティブを利用しています。これらに用いられるデリバティブは、主に金利スワップ、先渡、オプション、為替予約及び通貨スワップです。
当初のヘッジ指定時点において、当社グループは、ヘッジ手段とヘッジ対象及びその関係、リスク管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略、ヘッジされるリスクの性質、ヘッジ関係の有効性の評価方法、並びにヘッジ非有効部分の測定方法を文書化しています。
当社グループは、ヘッジ手段がヘッジ対象期間において関連するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動に対して高度に相殺効果を有すると予想することが可能であるか否かについて、ヘッジ指定時点で評価するとともに、その後も毎期継続的に評価しています。
ヘッジ手段であるデリバティブは公正価値で当初認識し、関連する取引費用は発生時に純損益として認識しています。当初認識後は、デリバティブは公正価値で測定し、その変動は以下のように会計処理しています。
・公正価値ヘッジ
ヘッジ手段であるデリバティブを公正価値で事後測定することによる利得又は損失は、純損益で認識しています。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象に係る利得又は損失は、純損益で認識するとともにヘッジ対象の帳簿価額を修正しています。ただし、ヘッジ対象が、公正価値の変動をその他の包括利益で測定する資本性金融商品である場合は、ヘッジ手段であるデリバティブを公正価値で事後測定することによる利得又は損失は、その他の包括利益で認識しています。公正価値ヘッジがヘッジ会計の要件を満たさない場合、又はヘッジ手段が失効、売却、終了若しくは行使された場合はヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しています。
・キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債に関連する特定のリスクに起因し、かつ、純損益に影響する可能性があるキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、「キャッシュ・フロー・ヘッジにおいてその他の包括利益に認識された金額」として、その他の資本の構成要素に含めています。キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが純損益に影響を及ぼす期間と同一期間に、連結包括利益計算書においてその他の包括利益から控除し、ヘッジ対象と同一の項目で純損益に振り替えています。デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ非有効部分は、即時に純損益で認識しています。しかしながら、ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。
なお、キャッシュ・フロー・ヘッジがヘッジ会計の要件を満たさない場合、又はヘッジ手段が失効、売却、終了若しくは行使された場合はヘッジ会計の適用を将来に向けて中止し、その他の包括利益として認識した金額をその他の資本の構成要素から純損益に振り替えています。
ヘッジ会計の要件を満たさないデリバティブ
当社グループには、ヘッジ目的で保有しているデリバティブのうちヘッジ会計の要件を満たしていないものがあります。また当社グループは、デリバティブをヘッジ目的以外のトレーディング目的でも保有しています。これらのデリバティブの公正価値の変動は全て即時に純損益で認識しています。
組込デリバティブ
金融商品及びその他の契約の中に、デリバティブ及び非デリバティブ金融商品の双方が結合されていることがあります。そのような契約に含まれるデリバティブの部分は、組込デリバティブと呼ばれ、非デリバティブの部分が主契約となります。主契約が金融負債である場合、組込デリバティブの経済的特徴とリスクが主契約と密接に関連せず、組込デリバティブと同一条件の独立の金融商品がデリバティブの定義に該当し、複合契約自体が純損益を通じて公正価値で測定する金融負債として分類されない場合には、組込デリバティブは主契約から分離され、デリバティブとして会計処理しています。主契約の金融負債は、非デリバティブ金融負債に適用される会計方針により会計処理しています。
④ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループがそれらの残高を相殺する法的権利を有し、純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しています。
⑤ 金融保証契約
金融保証契約とは、負債性金融商品の当初又は変更後の条件に従った期日が到来しても、特定の債務者が支払を行わないために保証契約保有者に発生する損失を契約発行者がその保有者に対し補填することを要求する契約です。
これら金融保証契約は当初契約時点において、公正価値により測定しています。当初認識後は、公正価値で測定されるものを除き、貸倒引当金の額と当初認識額から認識した収益の累計額を控除した額のうち、いずれか高い方で測定しています。
(6) 有形固定資産
全ての有形固定資産は、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しています。
取得原価には資産の取得に直接関連する費用、資産の解体及び除去費用、並びに原状回復費用の当初見積額が含まれています。当初認識後の測定モデルとして原価モデルを採用しています。
減価償却費は、償却可能価額をもとに算定しています。償却可能価額は、資産の取得原価から残存価額を差し引いて算出しています。
減価償却については、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、主に定額法に基づいています。使用権資産については、リース契約の終了までに当社グループが所有権を獲得することが合理的に確実な場合を除き、リース期間又は経済的耐用年数のいずれか短い期間で償却しています。なお、土地は償却していません。
主要な有形固定資産の前連結会計年度及び当連結会計年度における見積耐用年数は、以下のとおりです。
・建物及び建物附属設備 2-50年
・工具、器具及び備品 2-20年
・機械設備 4-42年
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、期末日に見直しを行い、必要に応じ改定しています。
(7) 無形資産
① のれん
当初認識
子会社の取得により生じたのれんは、無形資産に計上しています。当初認識時におけるのれんの測定については、(2) 企業結合に記載しています。
当初認識後の測定
のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除して測定しています。
② ソフトウエアに係る支出の資産化
当社グループは、主として内部利用目的のソフトウエアを購入又は開発するための特定のコストを支出しています。
新しい科学的又は技術的知識の獲得のために行われる研究活動に対する支出は、発生時に費用計上しています。開発活動による支出については、信頼性をもって測定可能であり、技術的に実現可能であり、将来の経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみ、ソフトウエアとして資産計上しています。
資産計上したソフトウエアは、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。
③ 企業結合により取得した無形資産
企業結合により取得し、のれんとは区分して認識した商標権等の無形資産は取得日の公正価値で計上しています。
その後は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。
④ その他の無形資産
当社グループが取得したその他の無形資産で、耐用年数が確定できる無形資産については、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。
⑤ 償却
償却費は、資産の取得原価から残存価額を差し引いた額に基づいています。耐用年数が確定できる無形資産のうち、企業結合により取得した保険契約及び保険事業の顧客関連資産については、保険料収入が見込める期間にわたる保険料収入の発生割合に基づく方法により、それ以外の無形資産については、定額法により償却しています。これらの償却方法を採用している理由は、無形資産によって生み出される将来の経済的便益の消費の想定パターンに最も近似していると考えられるためです。
主要な耐用年数が確定できる無形資産の前連結会計年度及び当連結会計年度における見積耐用年数は、以下のとおりです。
・ソフトウエア 主として5年
・保険契約及び保険事業の顧客関連資産 30年
償却方法、耐用年数及び残存価額は、期末日に見直しを行い、必要に応じ改定しています。
(8) リース取引(借手)
リース取引におけるリース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として測定を行っています。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整し、リース契約に基づき要求される原状回復義務等のコストを加えた額で当初の測定を行っています。
なお、リース料総額の未決済分の割引現在価値を算定する場合に使用すべき割引率は、実務上可能な場合にはリースの計算利子率とし、実務上不可能な場合には、借手の追加借入利子率を用いています。
リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金利費用とリース負債残高の返済部分とに配分しています。金融費用は、連結損益計算書上、使用権資産に係る減価償却費と区分して表示しています。
契約がリースであるか否か、又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形態を取らないものであっても、契約の実質に基づき判断しています。
(9) 販売用不動産
その他の資産に含まれる販売用不動産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しています。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額です。取得原価は、購入原価、加工費並びに現在の場所及び状態に至るまでに要した全ての費用を含んでいます。
販売用不動産は、個別法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法)により算定しています。
(10) 非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、四半期ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っています。のれん及び耐用年数を確定できない、又はまだ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を各連結会計年度における一定時期に見積っています。
資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としています。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値に割り引いています。資金生成単位については、継続的に使用することにより他の資産又は資産グループのキャッシュ・イン・フローから、概ね独立したキャッシュ・イン・フローを生み出す最小単位の資産グループとしています。
資金生成単位については、原則として各社を資金生成単位としています。のれんは、内部報告目的で管理される単位に基づき、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しています。
全社資産は独立したキャッシュ・イン・フローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を算定して判断しています。
減損損失は、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に、純損益で認識しています。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しています。
のれんに関連する減損損失については、戻入れていません。過去に認識したその他の資産の減損損失については、四半期ごとに、損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を判断しています。減損の戻入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れています。減損損失については、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として、戻入れています。
(11) 引当金
当社グループが、過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しています。
引当金は、現時点の貨幣の時間的価値の市場評価と当該債務に特有なリスクを反映した税引前の割引率を用いて、債務の決済に必要とされると見込まれる支出の現在価値として測定しています。
(12) 保険会計
保険会計一般
保険者が自ら発行した保険契約及び保険者が保有する再保険契約に関しては、IFRS第4号「保険契約」に準拠し、従来から日本において適用されている保険業法及び保険業法施行規則に基づいた会計処理を適用しています。
保険事業の保険契約準備金
当社グループは、市場金利に基づいた割引率により保険負債を測定し、貨幣の時間価値を反映するために、当報告期間中に保険負債の帳簿価額に対して発生した利息を純損益に、それ以外の割引率の変動に伴う保険負債の変動額をその他の包括利益に認識しています。
負債の十分性テストに関しては、関連する保険料、資産運用収益等のキャッシュ・イン・フロー及び保険給付、事業費等のキャッシュ・アウト・フローの見積り現在価値を考慮し実施しています。負債が十分でないことが判明した場合には、不足額の全額を費用として認識しています。
(13) 資本
普通株式
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しています。
自己株式
自己株式を取得した場合は、直接取引費用(税効果考慮後)を含む支払対価を、資本の控除項目として認識しています。自己株式を売却した場合、受取対価を資本の増加として認識しています。
(14) 株式報酬
当社グループは、取締役及び従業員に対するインセンティブ制度としてストック・オプション制度を導入しています。株式報酬の付与日における公正価値は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり、人件費として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しています。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデル等を用いて算定しています。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しています。
(15) 収益の認識
当社グループでは、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息や配当収益等、IFRS第4号「保険契約」に基づく保険料収入及びIFRS第16号「リース」に基づくリース収益を除き、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。
また、顧客との契約獲得のための増分コスト及び契約に直接関連する履行コストの内、回収可能であると見込まれる部分について資産(以下「契約コストから認識した資産」)として認識しています。契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。契約コストから認識した資産については、顧客の見積契約期間に応じて2年間から11年間の均等償却を行っています。
(16) 金融収益及び金融費用
金融収益は、主として受取利息、受取配当金及び純損益を通じて公正価値で測定する金融商品の公正価値の変動等から構成されています。受取利息は、実効金利法により発生時に認識しています。受取配当金は、当社グループの受領権が確定した日に認識しています。
一方、金融費用は、主として支払利息等から構成されています。支払利息は、実効金利法により発生時に認識しています。
なお、当社グループにおける金融事業を営む子会社から生じた金融収益及び金融費用は、「売上収益」及び「営業費用」に含められています。
(17) 政府補助金
政府補助金は、補助交付のための付帯条件を満たし、補助金が受領されることについて合理的な保証が得られた時に認識しています。収益に関する政府補助金は、補助金により補償される費用が認識される期間にわたって、純損益として認識しています。資産に関する政府補助金は、繰延収益として認識し、関連する資産の耐用年数にわたって規則的に純損益に認識しています。純損益として認識された補助金については、関連する費用から控除する方法を採用しています。
(18) 従業員給付
① 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しています。賞与については、それらを支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつ、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しています。
② 退職給付
当社グループは、退職給付制度として、主に確定給付制度を採用しています。
確定給付制度
確定給付負債(資産)の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値(必要な場合には、確定給付資産の上限、最低積立要件への調整を含む)を控除したものであり、退職給付に係る資産又は負債として連結財政状態計算書で認識しています。確定給付制度債務は、予測単位積増方式に基づいて算定され、その現在価値は、将来の予想支払額に割引率を適用して算定しています。割引率は、給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の利回りを参照して決定しています。 勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は純損益として認識しています。数理計算上の差異、純利息費用に含まれる部分を除く制度資産に係る収益の変動については、それらが生じた期間において確定給付制度に係る再測定としてその他の包括利益に認識しています。また、過去勤務費用は、制度改訂又は縮小が発生した時、あるいは関連するリストラクチャリング費用又は解雇給付を認識した時の、いずれか早い方の期において純損益として認識しています。
(19) 法人所得税
法人所得税費用は、当期税金及び繰延税金から構成されています。これらは、企業結合から生じた項目、その他の包括利益で認識される項目及び資本に直接認識される項目に関連する税金を除き、純損益で認識しています。
当期税金は、期末日において施行され、又は実質的に施行されている法定税率(及び税法)を使用して、税務当局に納付(又は税務当局から還付)される予想額で算定しています。
繰延税金資産あるいは繰延税金負債は、ある資産又は負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務上の基準額との間に生じる一時差異に対して、認識しています。ただし、一時差異が、企業結合以外の取引で、取引日に会計上の純損益にも課税所得(欠損金)にも影響しない取引における、資産又は負債の当初認識から生じる場合は、繰延税金資産及び繰延税金負債を認識していません。
繰延税金資産あるいは繰延税金負債の算定には、期末日において施行され、又は実質的に施行されている法令に基づき、関連する繰延税金資産が実現する時、又は繰延税金負債が決済される時において適用されると予想される税率を使用しています。
繰延税金資産は、それらが利用される将来の課税所得を稼得する可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異及び全ての未使用の繰越欠損金及び税額控除について認識しています。
子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に係る一時差異について、繰延税金資産又は繰延税金負債を認識しています。ただし、繰延税金負債については、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ、予測可能な期間内での一時差異の解消が期待できない可能性が高い場合には認識していません。また、繰延税金資産については、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な期間内で一時差異の解消される可能性が高いと認められる範囲内で認識しています。
繰延税金資産及び繰延税金負債の相殺が行われるのは、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、繰延税金資産及び繰延税金負債が単一の納税事業体又は純額ベースでの決済を行うことを意図している異なる納税事業体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものに対してです。
当社及び一部の子会社は、連結納税制度を適用しています。
(20) 1株当たり利益
当社グループは、普通株式に係る基本的及び希薄化後1株当たり利益又は損失(親会社の所有者に帰属)を開示しています。基本的1株当たり利益又は損失は、当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。希薄化後1株当たり利益又は損失は、全ての希薄化効果のある潜在的普通株式による影響について、当期利益又は損失(親会社の所有者に帰属)及び自己株式を調整した発行済株式の加重平均株式数を調整することにより算定しています。当社グループの潜在的普通株式は、ストック・オプション制度に係るものです。
(21) セグメント情報
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位です。全ての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ、各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、当社グループの最高経営意思決定者である取締役会において定期的にレビューしています。
[表示方法の変更]
(連結キャッシュ・フロー計算書関係)
前連結会計年度において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に含めていた「デリバティブ資産及びデリバティブ負債の増減額」は、金額的重要性が増したため、当連結会計年度より独立掲記しています。この表示方法の変更を反映させるため、前連結会計年度の連結財務諸表の組替を行っています。
この結果、前連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書において、「営業活動によるキャッシュ・フロー」の「その他」に表示していた81,588百万円は、「デリバティブ資産及びデリバティブ負債の増減額」63,067百万円、「その他」18,521百万円として組み替えています。