有価証券報告書-第28期(2024/01/01-2024/12/31)
2. 重要性がある会計方針
当社グループは会計方針を連結財務諸表に表示されている全ての期間に首尾一貫して適用しています。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業(組成された事業体を含む)をいいます。当社グループが企業への関与による変動リターンにさらされている、又は変動リターンに対する権利を有している場合で、その企業に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合には、当社グループはその企業を支配しています。当社グループがパワーを有しているか否かは、現時点で行使可能な潜在的議決権を考慮して決定しています。
当社グループの子会社に対する所有持分が変動した場合で、かつ、当社グループの当該子会社に対する支配が継続する場合は、資本取引として非支配持分の修正額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額を資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属させています。
当社グループ企業間の取引並びにこれに関連する資産及び負債は、連結手続において相殺消去しています。未実現損益は全額、これを消去しています。
② 関連会社の取決め
関連会社とは、当社グループがその経営及び財務の方針に関する経営管理上の意思決定に対して、重要な影響力を有するが、支配的持分は有しない企業をいいます。一般的に、当社グループが議決権の20%から50%を保有する場合には、重要な影響力があると推定されています。当社グループが重要な影響力を有しているか否かの評価にあたり考慮されるその他の要因には、取締役会への役員の派遣等があります。これらの要因が存在する場合には、当該企業に対する当社グループの投資が議決権株式の20%未満であったとしても、当社グループが重要な影響力を有することがあります。
関連会社に対する持分の投資は、持分法により会計処理しています。関連会社の経営成績に対する当社グループの持分は、当社グループの会計方針と整合するように修正され、連結損益計算書において持分法による投資損益として認識しています。取引に係る未実現損益は、投資先に対する当社グループの持分の範囲で消去されています。持分法による会計処理では、関連会社に対する当社グループの投資は、当初、取得原価で計上された後、取得後の純利益(又は損失)に対する当社グループの持分及び当該関連会社の資本(又は純資産)に直接反映されたその他の変動に対する当社グループの持分を反映して、増額(又は減額)されます。
関連会社の持分取得に伴い生じたのれんは、当該投資の帳簿価額に含められており、持分法で会計処理されている投資全体に関して減損テストを行っています。当社グループは、各期末日現在において、関連会社企業に対する投資が減損しているということを示す客観的な証拠があるか否かを評価しています。投資が減損していることを示す客観的証拠がある場合、投資の回収可能価額(使用価値と処分費用控除後の公正価値のいずれか高い方)と帳簿価額を比較することにより、減損テストを行っています。過去の期間に認識された減損損失は、過去の減損損失計上後、投資の回収可能価額の決定に使用された見積りの変更があった場合にのみ、戻入れています。その場合、投資の帳簿価額は、減損損失の戻入れにより、回収可能価額まで増額しています。
(2) 企業結合
当社グループは、企業結合に対して取得法を適用しています。企業結合において移転した対価には、当社グループから被取得企業の従前の所有者に対して移転した資産、発生した負債及び当社グループが発行した持分の公正価値が含まれています。また、移転した対価には、条件付対価の公正価値が含まれています。仲介手数料、弁護士費用、デューデリジェンス費用及びその他の専門家報酬、コンサルティング料等の、企業結合に関連して当社グループに発生する取引費用は、発生時に費用処理しています。
また、当社グループは、被取得企業に対する非支配持分のうち、現在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な取り分を保有者に与えているものについて、企業結合取引ごとに、公正価値もしくは識別可能な被取得企業の純資産に対する非支配持分の持分割合相当額のいずれかで測定しています。
移転した対価、被取得企業の非支配持分の金額及び以前に保有していた被取得企業の持分の取得日における公正価値の合計が、取得した識別可能な純資産の公正価値を超過する場合、当該超過額をのれんとして計上しています。一方、移転した対価、被取得企業の非支配持分の金額及び以前に保有していた被取得企業の持分の取得日における公正価値の合計が、取得した識別可能な純資産の公正価値を下回る場合、割安購入として差額を純損益に直接認識しています。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した連結会計年度末までに完了していない場合には、完了していない項目を暫定的な金額で報告しています。取得日時点に存在していた事実と状況を取得日当初に把握していたとしたら、認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下「測定期間」)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しています。この新たに得た情報が、資産と負債の新たな認識をもたらす場合には、追加の資産と負債を認識しています。測定期間は、最長で1年間です。
IFRS移行日より前の取得に係るのれんは、従前の会計基準に基づき認識した金額を基礎として報告しています。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における直物為替レートを適用することにより、機能通貨に換算しています。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しています。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に再換算しています。
これら取引の決済から生じる外国為替差額並びに外貨建貨幣性資産及び負債を期末日の為替レートで換算することによって生じる為替差額は、純損益で認識しています。ただし、非貨幣性項目に係る利益又は損失がその他の包括利益に計上される場合は、為替差額もその他の包括利益に計上しています。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については期中の平均為替レートを用いて日本円に換算しています。
在外営業活動体の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益で認識しています。
当該差額は「在外営業活動体の換算差額」として、その他の資本の構成要素に含めています。なお、在外営業活動体の持分全体の処分及び支配、重要な影響力の喪失を伴う持分の一部処分といった事実が発生した場合、当該換算差額を、処分損益の一部として純損益に振替えています。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資です。短期投資については、銀行事業に関するものを含みません。
(5) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
当社グループは、売上債権を、これらの発生日に当初認識しています。売上債権以外の金融資産は全て、当社グループが当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しています。
金融資産の分類及び測定モデルの概要は、以下のとおりです。
償却原価で測定する金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合に償却原価で事後測定する金融資産に分類しています。
・当社グループの事業モデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合
・契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローを生じさせる場合
償却原価で測定する金融資産は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しています。当初認識後、償却原価で測定する金融資産の帳簿価額については、実効金利法に基づき事後測定しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で事後測定する負債性金融商品に分類しています。
・当社グループの事業モデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的として保有している場合
・契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローを生じさせる場合
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累計額を損益に振替えています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融商品
資本性金融商品に対する投資を除く金融資産で上記の償却原価で測定する区分及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する区分の要件を満たさないものは、公正価値で測定し、その変動を純損益で認識しています。当該資産には、売買目的で保有する金融資産が含まれています。
資本性金融商品に対する投資は公正価値で測定し、その変動を純損益で認識しています。ただし、当社グループが当初認識時に公正価値の変動をその他の包括利益に計上するという選択(取消不能)を行う場合は、この限りではありません。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値で認識し、取引費用は発生時に純損益で認識しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
当社グループは当初認識時に、資本性金融商品に対する投資における公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(取消不能)を行う場合があります。当該選択は、売買目的以外で保有する資本性金融商品に対する投資に対してのみ認められています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しています。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の変動」として、その他の資本の構成要素に含めています。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品からの配当金については、「売上収益」又は「金融収益」として純損益で認識しています。
償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品については、期末日時点で金融商品にかかる信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、期末日後12ヶ月以内に生じうる債務不履行から生じる予想信用損失(12ヶ月の予想信用損失)により貸倒引当金の額を算定しています。この場合、過去の貸倒実績率、その他合理的に利用可能な将来予測情報等をもとに将来12ヶ月の予想信用損失を見積って当該金融商品にかかる貸倒引当金の額を算定しています。一方で、期末日時点で金融商品にかかる信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品の予想存続期間にわたる全ての生じうる債務不履行から生じる予想信用損失(全期間の予想信用損失)により貸倒引当金を算定しています。この場合、過去の貸倒実績率、将来の回収可能価額、その他合理的に利用可能な将来予測情報等をもとに当該金融商品の回収にかかる全期間の予想信用損失を見積って当該金融商品にかかる貸倒引当金の額を算定しています。
ただし、重大な金融要素を含んでいない売上債権等の営業債権及び契約資産(以下「営業債権等」)については、上記に関わらず、常に全期間の予想信用損失により貸倒引当金の額を算定しています。原則として、取引先の属性に応じて営業債権等をグルーピングした上で、過去の貸倒実績率、その他合理的に利用可能な将来予測情報等を考慮して集合的に予想信用損失を測定しています。一定の日数が経過した延滞した金融資産のうち債務者の重大な財政的困難等により金融資産の回収可能性が特に懸念されるものであると判断された場合には、信用減損が発生しているものと判定しています。
当社グループは、信用減損した金融資産について、将来の回収が見込めない場合は直接償却を行っています。
直接償却を行った場合でも履行に向けて回収活動を継続し、回収が行われた場合は純損益に回収額を計上します。
金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、又は当該金融資産の所有にかかるリスク及び便益を実質的に全て移転する取引において、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、当該金融資産の認識を中止しています。移転した金融資産に関して当社グループが創出した、又は当社グループが引き続き保有する権利については、別個の資産・負債として認識しています。
② 非デリバティブ金融負債
当社グループは、当社グループが発行した負債証券を、その発行日に当初認識しています。負債証券以外の金融負債は全て、当社グループが当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しています。
当社グループは、非デリバティブ金融負債として、仕入債務、銀行事業の預金、証券事業の金融負債、社債及び借入金、証券事業の借入金、カード事業の社債及び借入金、銀行事業の借入金並びにその他の金融負債を有しており、公正価値で当初認識し、実効金利法に基づき償却原価で事後測定しています。
当社グループは、金融負債が消滅した場合、つまり、契約上の義務が免責、取消又は失効となった場合に、金融負債の認識を中止しています。
③ デリバティブ
ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブ
当社グループは、公正価値変動リスク、金利変動リスク及び為替変動リスクをヘッジするため、デリバティブを利用しています。これらに用いられるデリバティブは、主に金利スワップ、先渡、オプション、為替予約及び通貨スワップです。
当初のヘッジ指定時点において、当社グループは、ヘッジ手段とヘッジ対象及びその関係、リスク管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略、ヘッジされるリスクの性質、ヘッジ関係の有効性の評価方法、並びにヘッジ非有効部分の測定方法を文書化しています。
当社グループは、ヘッジ手段がヘッジ対象期間において関連するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動に対して高度に相殺効果を有すると予想することが可能であるか否かについて、ヘッジ指定時点で評価するとともに、その後も毎期継続的に評価しています。
ヘッジ手段であるデリバティブは公正価値で当初認識し、関連する取引費用は発生時に純損益として認識しています。当初認識後は、デリバティブは公正価値で測定し、その変動は以下のように会計処理しています。
・公正価値ヘッジ
ヘッジ手段であるデリバティブを公正価値で事後測定することによる利得又は損失は、純損益で認識しています。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象に係る利得又は損失は、純損益で認識するとともにヘッジ対象の帳簿価額を修正しています。ただし、ヘッジ対象が、公正価値の変動をその他の包括利益で測定する資本性金融商品である場合は、ヘッジ手段であるデリバティブを公正価値で事後測定することによる利得又は損失は、その他の包括利益で認識しています。公正価値ヘッジがヘッジ会計の要件を満たさない場合、又はヘッジ手段が失効、売却、終了若しくは行使された場合はヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しています。
・キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債に関連する特定のリスクに起因し、かつ、純損益に影響する可能性があるキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、「キャッシュ・フロー・ヘッジ」として、その他の資本の構成要素に含めています。キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが純損益に影響を及ぼす期間と同一期間に、連結包括利益計算書においてその他の包括利益から控除し、ヘッジ対象と同一の項目で純損益に振替えています。デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ非有効部分は、即時に純損益で認識しています。しかしながら、ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。
なお、キャッシュ・フロー・ヘッジがヘッジ会計の要件を満たさない場合、又はヘッジ手段が失効、売却、終了若しくは行使された場合はヘッジ会計の適用を将来に向けて中止し、その他の包括利益として認識した金額をその他の資本の構成要素から純損益に振替えています。
ヘッジ会計の要件を満たさないデリバティブ
当社グループには、ヘッジ目的で保有しているデリバティブのうちヘッジ会計の要件を満たしていないものがあります。また当社グループは、デリバティブをヘッジ目的以外のトレーディング目的でも保有しています。これらのデリバティブの公正価値の変動は全て即時に純損益で認識しています。
組込デリバティブ
金融商品及びその他の契約の中に、デリバティブ及び非デリバティブ金融商品の双方が結合されていることがあります。そのような契約に含まれるデリバティブの部分は、組込デリバティブと呼ばれ、非デリバティブの部分が主契約となります。主契約が金融負債である場合、組込デリバティブの経済的特徴とリスクが主契約と密接に関連せず、組込デリバティブと同一条件の独立の金融商品がデリバティブの定義に該当し、複合契約自体が純損益を通じて公正価値で測定する金融負債として分類されない場合には、組込デリバティブは主契約から分離され、デリバティブとして会計処理しています。主契約の金融負債は、非デリバティブ金融負債に適用される会計方針により会計処理しています。
④ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループがそれらの残高を相殺する法的権利を有し、純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しています。
⑤ 金融保証契約
金融保証契約とは、負債性金融商品の当初又は変更後の条件に従った期日が到来しても、特定の債務者が支払を行わないために保証契約保有者に発生する損失を契約発行者がその保有者に対し補填することを要求する契約です。
これら金融保証契約は当初契約時点において、公正価値により測定しています。当初認識後は、公正価値で測定されるものを除き、貸倒引当金の額と当初認識額から認識した収益の累計額を控除した額のうち、いずれか高い方で測定しています。
(6) 有形固定資産
有形固定資産は、当初認識後の測定モデルとして原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しています。
取得原価には資産の取得に直接関連する費用、資産の解体及び除去費用、並びに原状回復費用の当初見積額が含まれています。また、意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産に関して、その資産の取得、建設又は製造に直接起因する借入コストは、当該資産取得の一部として資産化しています。なお、その他の借入コストは全て、発生した期に費用として認識しています。
土地及び建設仮勘定以外の減価償却費は、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、主に定額法に基づいています。
主要な有形固定資産の前連結会計年度及び当連結会計年度における見積耐用年数は、以下のとおりです。
・建物及び建物附属設備 2-50年
・工具、器具及び備品 2-20年
・機械設備 2-50年
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、期末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(7) 無形資産
① のれん
当初認識
子会社の取得により生じたのれんは、無形資産に計上しています。当初認識時におけるのれんの測定については、(2) 企業結合をご参照ください。
当初認識後の測定
のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除して測定しています。
② ソフトウエアに係る支出の資産化
当社グループは、主として内部利用目的のソフトウエアを購入又は開発するための特定のコストを支出しています。
新しい科学的又は技術的知識の獲得のために行われる研究活動に対する支出は、発生時に費用計上しています。開発活動による支出については、信頼性をもって測定可能であり、技術的に実現可能であり、将来の経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみ、ソフトウエアとして資産計上しています。
資産計上したソフトウエアは、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。
③ 企業結合により取得した無形資産
企業結合により取得し、のれんとは区分して認識した商標権等の無形資産は取得日の公正価値で計上しています。
その後は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。
④ 償却
償却費は、資産の取得原価から残存価額を差し引いた額に基づいています。耐用年数が確定できる無形資産は、定額法により償却しています。
主要な耐用年数が確定できる無形資産の前連結会計年度及び当連結会計年度における見積耐用年数は、以下のとおりです。
・ソフトウエア 主として5年
償却方法、耐用年数及び残存価額は、期末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(8) リース取引
リース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として測定を行っています。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整した金額で当初測定を行っています。当初認識後は、リース契約の終了までに当社グループが所有権を獲得することが合理的に確実な場合を除き、リース期間又は経済的耐用年数のいずれか短い期間にわたって、主に定額法によって減価償却しています。なお、リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金利費用とリース負債残高の返済部分とに配分しています。
(9) 投資不動産
その他の資産に含まれる投資不動産の測定においては、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した後の金額で表示しています。投資不動産は、主に3~60年の範囲で見積耐用年数に基づき、定額法にて償却を行っています。
(10) 非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、四半期ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っています。のれん及び耐用年数を確定できない、又はまだ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を各連結会計年度における一定時期に見積っています。
資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としています。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値に割り引いています。資金生成単位については、継続的に使用することにより他の資産又は資産グループのキャッシュ・イン・フローから、概ね独立したキャッシュ・イン・フローを生み出す最小単位の資産グループとしています。
資金生成単位については、原則として各社を資金生成単位としています。のれんは、内部報告目的で管理される単位に基づき、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しています。
全社資産は独立したキャッシュ・イン・フローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を算定して判断しています。
減損損失は、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に、純損益で認識しています。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しています。
のれんに関連する減損損失については、戻入れていません。過去に認識したその他の資産の減損損失については、四半期ごとに、損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を判断しています。減損の戻入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れています。減損損失については、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として、戻入れています。
(11) 引当金
当社グループが、過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有しており、当該義務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該義務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しています。
引当金は、現時点の貨幣の時間的価値の市場評価と当該義務に特有なリスクを反映した税引前の割引率を用いて、義務の決済に必要とされると見込まれる支出の現在価値として測定しています。
(12) 保険契約
当社グループは、保険者が自ら発行した保険契約及び保険者が保有する再保険契約に対してIFRS第17号「保険契約」(以下「IFRS第17号」)を適用しています。
1) 保険契約の分類及び集約
当社グループにおいて、重要な保険リスクを引き受ける契約を保険契約として分類しています。保険契約は測定の目的上、保険契約グループとして集計し、保険契約グループは保険契約のポートフォリオを識別することによって決定しています。各ポートフォリオは、類似したリスクに晒されており一括して管理されている複数の契約で構成され、契約の収益性に基づき3つのグループに分割しています。
– 当初認識時に不利である契約のグループ
– 当初認識時において、その後に不利となる可能性が大きくない契約のグループ
– ポートフォリオの中の残りの契約
2) 保険契約の認識及び測定
当社グループが発行した保険契約は、次のうち最も早い時点から認識しています。
– カバー期間(保険契約の境界線内の保険料に関して、当社グループがサービスを提供する期間)の開始時
– 保険契約者からの初回支払期限が到来した時、又は契約上の支払期限がない場合は、保険契約者から初回支払を受領した時
– 事実及び状況が、契約が不利であることを示唆している時
i) 保険料配分アプローチ(Premium Allocation Approach、以下「PAA」)を適用せずに測定している保険契約の当初測定
PAAを適用せずに測定している保険契約は、一般測定モデルを適用しており、以下の項目から構成されています。
(a) 履行キャッシュ・フロー
保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、見積将来キャッシュ・フロー(貨幣の時間価値及び関連する金融リスクを反映するように調整)及び非金融リスクに係るリスク調整で構成されます。保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、当社グループの不履行リスクを反映していません。保険契約グループの非金融リスクに係るリスク調整は、他の見積りとは別に決定されるものであり、キャッシュ・フローの金額及び時期に関する非金融リスクから生じる不確実性の負担に対して要求する対価です。
(b) 契約上のサービス・マージン(以下「CSM」)
保険契約グループのCSMは、当社グループがその契約に基づきサービスを提供するにつれて認識することとなる未稼得利益を表しています。
保険契約グループの当初認識時に、(a)履行キャッシュ・フロー、(b)その日に生じたキャッシュ・フロー及び当該グループに係るキャッシュ・フローに対して以前認識した資産又は負債の認識の中止から生じた金額(保険獲得キャッシュ・フローに対する資産を含む)の合計が、正味のインフローである場合、当該グループは不利な契約ではありません。この場合、CSMはその正味のインフローと同額で正負が逆の金額として測定します。その結果、当初認識時に発生する損益はありません。
ⅱ) PAAを適用せずに測定している保険契約の事後測定
各報告日現在の保険契約グループの帳簿価額は、残存カバーに係る負債と発生保険金に係る負債の合計です。
発生保険金に係る負債は既発生未報告の保険金を含む、未払の発生保険金及び費用に係る履行キャッシュ・フローで構成されています。
残存カバーに係る負債は、以下の項目から構成されています。
(a) 履行キャッシュ・フロー
保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、報告日時点で、将来キャッシュ・フローに関する現在の見積り、現在の割引率及び非金融リスクに係るリスク調整に関する現在の見積りを用いて測定されます。
(b) CSM
CSMは、報告日時点で、報告期間の期首残高に以下の項目を加減して算定されます。
a) 当連結会計年度に保険グループに加えられた新契約のCSM
b) 当連結会計年度にCSMの帳簿価額に対し発生した利息(基礎となる項目に対するリターンに基づいて変動しない名目キャッシュ・フローに対して、当初認識時に決定した割引率を適用して測定)
c) 将来のサービスに係る履行キャッシュ・フローの変動
1. 将来のサービスに関して当連結会計年度に受け取った保険料及び関連するキャッシュ・フローから生じた実績調整(当初認識時に決定した割引率を適用して測定)
2. 残存カバーに係る負債の将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りの変更(当初認識時に決定した割引率を適用して測定。ただし、貨幣の時間価値、金融リスク及びそれらの変動に伴う影響を除く)
3. 当連結会計年度に支払が見込まれる投資要素と当期に支払が確定した実際の投資要素との差異
4. 将来のサービスに関連する、非金融リスクに係るリスク調整の変動
なお、履行キャッシュ・フローの変動のうち、以下の場合を除きます。
・履行キャッシュ・フローの増加がCSMの帳簿価額を上回る場合。この場合、超過額は損失として純損益で認識し、損失要素が発生します。
・履行キャッシュ・フローの減少が損失要素に配分される場合。これにより、過去に純損益で認識した損失の戻入れが発生します。
d) 当連結会計年度にサービスを提供したことにより、保険収益として認識した金額
当社グループは、その後の期中財務諸表及び年度財務諸表を作成する際、それまでの期中財務諸表作成時のIFRS第17号に関する会計上の見積りはなかったものとして、改めて実績調整若しくは将来のサービスに関する履行キャッシュ・フローの変動なのかを判断しています。
3) 契約の境界線
保険契約者が保険料の支払義務を負う報告期間中、又は当社グループがサービス(保険カバー及び投資サービスを含む)を提供する実質的な義務を有している報告期間中に存在する実質的な権利及び義務から生じるキャッシュ・フローは、契約の境界線内にあります。
保険契約の境界線内のキャッシュ・フローは、契約の履行に直接関連するキャッシュ・フロー(当社グループが金額又は時期に対する裁量を有しているキャッシュ・フローを含む)です。これには、保険契約者に対する(又は保険契約者のための)支払、保険獲得キャッシュ・フロー、保険契約を履行する際に発生するその他のコストが含まれます。
保険獲得キャッシュ・フローは、保険契約グループの販売、引受け及び開始の活動により生じるキャッシュ・フローのうち、当該グループが属する保険契約ポートフォリオに直接起因するものです。保険契約を履行する際に発生するその他のコストには保険金請求処理、維持及び管理のコストが含まれます。
保険獲得キャッシュ・フロー及び保険契約を履行する際に発生するその他のコストは、直接費と固定間接費及び変動間接費の配分額で構成されています。キャッシュ・フローは、保険獲得活動、他の履行活動及びその他の活動に起因するものに分類しています。保険獲得活動及び他の履行活動に起因するキャッシュ・フローは、規則的かつ合理的で、類似の特徴を有する全てのコストに首尾一貫して適用される方法を用いて保険契約グループに配分しています。その他のコストは発生時に純損益に認識しています。
4) PAAの適用
当初認識時に保険契約グループ内の各契約のカバー期間が1年以内である場合、又はPAAを適用して単純化された残存カバーに係る負債の測定が、一般測定モデルを適用した場合の測定と重要性がある差異がないと合理的に予想している場合、PAAを適用して測定しています。
当初認識時の残存カバーに係る負債の帳簿価額は、受取保険料からその他の関連する金額を控除して測定しており、貨幣の時間価値及び金融リスクの影響を反映するような調整はしていません。
当社グループは、保険契約グループ内の各契約のカバー期間が1年以内である場合、保険獲得キャッシュ・フローを発生時に費用処理しています。
カバー期間中のいずれかの時点で、保険契約グループが不利であることを示唆する事実及び状況が生じた場合、残存カバーに係る履行キャッシュ・フローの現在の見積りが残存カバーに係る負債の帳簿価額を上回る範囲で損失を純損益で認識し、残存カバーに係る負債を増額しています。
当社グループは、保険契約グループの発生保険金に係る負債について、発生保険金に関連する履行キャッシュ・フローの金額で認識しています。当該将来キャッシュ・フローは、保険金請求の発生日から1年以内に支払われる見込みがない場合、(現在の割引率で)割引計算をしています。
5) 表示
i) 保険収益
(a) PAAを適用せずに測定している契約
当社グループは、投資要素を除く保険収益を、履行義務が充足するにつれて(すなわち、保険契約に基づいてサービスを提供するにつれて)、認識しています。
各期間において提供したサービスに係る保険収益は、当社グループが対価を受け取ることを見込むサービスに関連する残存カバーに係る負債の変動の合計を表し、以下の項目で構成されています。なお、保険料のうち保険獲得キャッシュ・フローの回収に関連する部分を、時の経過に基づいて規則的な方法で各期間に配分しています。
– 提供したカバー単位を基に測定したCSMの解放
– 現在のサービスに関連する、非金融リスクに係るリスク調整の変動
– 当連結会計年度に生じた保険金請求及びその他の保険サービス費用(当期首に見込んでいた金額で測定)
– 保険グループに対する現在又は過去のサービスについて受け取った保険料の実績調整
(b) PAAを適用して測定する契約
PAAを適用して測定する契約の場合、各期間の保険収益は、当該期間におけるサービス提供の対価として受領することが見込まれる保険料の金額です。当社グループは、主に時間の経過に基づき、予想保険料受取額を各期間に配分しています。
ⅱ) 保険サービス費用
保険契約から生じる保険サービス費用は、通常、発生時に純損益に認識しています。これらの費用は投資要素の返済を除外し、以下の項目から構成されています。
– 発生保険金及びその他の保険サービス費用
– 保険獲得キャッシュ・フローの償却(上記の保険収益の中で反映された保険獲得キャッシュ・フローの回収と同等の金額が保険サービス費用にも反映されます。)
– 発生保険金に係る調整
– 不利な契約に係る損失及び損失の戻入れ
ⅲ) 損失要素
当社グループは、不利な保険契約グループの残存カバーに係る負債の損失要素を設定しています。履行キャッシュ・フローの事後的な変動は、この損失要素と、損失要素を除く残存カバーに係る負債とに規則的な方法で配分され、損失要素に配分された変動は、保険サービス費用のマイナスとして純損益に表示され、保険収益から除外されます。
ⅳ) 保険金融収益又は費用
保険金融収益又は費用は、貨幣の時間価値及び金融リスク並びにこれらの変動の影響から生じた、保険契約グループの帳簿価額の変動で構成されています。当社グループは保険金融収益及び費用を純損益とその他の包括利益とに分解することを選択しています。純損益に含める金額は、見込まれる保険金融収益又は費用の合計額を保険契約グループの存続期間にわたり規則的に配分することによって算定しています。この規則的な配分により、保険契約グループの存続期間にわたりその他の包括利益に認識される合計金額はゼロとなります。なお、いずれの時点においてもその他の包括利益に認識される累計金額は、保険契約グループの帳簿価額と規則的配分により測定された当該グループの金額との差額です。
(13) 資本
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しています。
(14) 株式報酬
当社グループは、取締役及び従業員に対するインセンティブ制度としてストック・オプション制度を導入しています。株式報酬の付与日における公正価値は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり、人件費として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しています。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデル等を用いて算定しています。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しています。
(15) 収益
当社グループでは、IFRS第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号」)に基づく利息や配当収益等、IFRS第16号「リース」に基づくリース収益及びIFRS第17号に基づく保険料収入を除き、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。
当社グループは、インターネットサービス、フィンテック及びモバイルを有するグローバル イノベーション カンパニーであり、EC事業を中心に複数のビジネスを行っています。これらのビジネスから生じる収益は顧客との契約に従い計上しており、変動対価等を含む売上収益の額に重要性はありません。また、約束した対価の金額に重要な金融要素は含まれていません。
(インターネットサービス)
インターネットサービスセグメントにおいては、『楽天市場』、『楽天トラベル』、『Rakuten Rewards』、『楽天24』、『楽天ブックス』等のサービスを提供し、主な収益を下記のとおり認識しています。
楽天市場及び楽天トラベル
マーケットプレイス型ECサービスである『楽天市場』や、旅行予約サービスである『楽天トラベル』等においては、取引の場を顧客に提供することをその基本的な性格としています。当社グループは、これらのサービスの運営にあたり、出店者・旅行関連事業者への出店サービス及びシステム利用に関するサービス、当社グループを通じた販売拡大のための広告関連サービス、出店者・旅行関連事業者と消費者の決済に関する決済代行サービス等を提供しています。また、これらのサービスは諸規約に基づき、サービス内容や当事者間の権利と義務が定められており、サービスの内容の区分可能性や顧客への移転パターンに基づき、主な履行義務を下記のとおりに識別して、収益を認識しています。
『楽天市場』への出店サービスについて、当社グループは規約に基づき出店者に対し契約期間に渡り、当社グループのマーケットプレイス型ECウェブサイトへの出店サービス及び出店コンサルティングサービス等を提供する義務を負っています。当該履行義務は、契約期間に渡り時の経過につれて充足されるものであり、収益は当該履行義務が充足される契約期間において、出店形態別に定められた金額に基づき、各月の収益として計上しています。なお、取引の対価は3ヶ月、半年又は1年分を履行義務の充足前である契約時に前受けする形で受領しています。
システム利用に関するサービスについて、当社グループは規約に基づき、出店者・旅行関連事業者に対して出店者・旅行関連事業者と主として楽天会員との間での個々の取引の成立に関するサービスの提供を行う義務を負っています。当該履行義務は、出店者・旅行関連事業者と主として楽天会員との個々の取引の成立時点で充足されるものであり、当該履行義務の充足時点で、流通総額(出店者・旅行関連事業者の月間売上高)にサービス別・プラン別・流通総額の規模別に定められている料率を乗じた金額にて収益を計上しています。当該金額は、履行義務の充足時点である取引成立時点から概ね3ヶ月以内に支払を受けています。
広告関連サービスについて、当社グループは広告規約に基づき、出店者・旅行関連事業者に対し期間保証型等の広告関連サービスを提供しており、契約で定められた期間に渡り、広告を掲示する義務を負っています。当該履行義務は時の経過につれて充足されるため、当該契約期間に応じて期間均等額で収益を計上しています。広告料金の支払は、原則として広告掲載開始日が属する月の翌々月末までに行われます。
決済代行サービスについて、当社グループと出店者・旅行関連事業者間における、決済代行規約に基づき、決済代行サービスを提供しています。当社グループは、クレジットカード等による取引代金をカード会社等から受領し、出店者・旅行関連事業者への決済代金を支払う義務を負っています。当該サービスについては、主に決済対象となった取引が成立した時点で履行義務が充足されると判断しており、同時点で手数料収益を計上しています。当該手数料の支払は、履行義務の充足後、支払区分に基づいた請求締切日から1ヶ月半以内に受領しています。
Rakuten Rewards
『Rakuten Rewards』においては、Rakuten Rewards会員に対するキャッシュバックを通じ、Rakuten Rewards会員による小売業者(顧客)のウェブサイトでの購入を促進するサービス(以下「キャッシュバック・サービス」)、ウェブサイトにおける広告掲示、個人向けターゲティングメールサービス等を提供しています。主なサービスであるキャッシュバック・サービスに関しては、契約に基づきRakuten Rewards会員による小売業者のウェブサイトでの購入を促進するために、Rakuten Rewards会員へのキャッシュバックを行う義務を負っており、当該履行義務はRakuten Rewards会員による購入時点が履行義務の充足時点となると判断しています。Rakuten Rewards会員の購入を確認した時点で購入金額に一定の料率を乗じた金額を手数料として収益計上しており、同時にRakuten Rewards会員に対するキャッシュバック費用を原価として計上しています。当該サービスの提供により生じる収益及び費用は、『Rakuten Rewards』が顧客及びRakuten Rewards会員とのそれぞれに対して価格設定を含む取引の裁量権を有していることから総額にて計上しており、手数料は履行義務の充足時点である注文確定月の月末から概ね3ヶ月以内に支払を受けています。
楽天24、楽天ブックス
インターネットサービスのうち、当社グループが主に楽天会員に対して商品を提供するインターネット通販サイト『楽天24』、『楽天ブックス』等のサービスにおいては、当社グループが売買契約の当事者となります。これらの直販型の取引においては顧客に商品が到着した時点で収益を計上しています。また、履行義務の充足時期である商品到着後、概ね2ヶ月以内に支払を受けています。なお、楽天ブックスのうち、国内における書籍(和書)販売については、再販売価格維持制度を考慮すると代理人取引としての性質が強いと判断されるため、収益を関連する原価と相殺の上、純額にて計上しています。
(フィンテック)
フィンテックセグメントにおいては、『楽天カード』、『楽天証券』、『楽天銀行』等の金融サービスを提供し、主な収益を下記のとおり認識しています。
楽天カード
『楽天カード』においては、主としてクレジットカード関連サービスを提供しています。主にクレジットカード利用者と加盟店間の資金決済を通じて得られる加盟店手数料、クレジットカード利用者から得られるリボルビング払い手数料、分割払い手数料及びキャッシング手数料を得ています。加盟店手数料に関しては、カード会員のショッピング取引後、加盟店から楽天カード株式会社へ売上データが送信されたタイミングにおいて、決済サービスの提供という履行義務が充足されるため、同時点でクレジットカードの決済金額に一定の料率を乗じた手数料収益を計上しています。また、カード決済金額の1%分の通常ポイントをカード会員に付与しており、これらのポイント費用は加盟店手数料から控除しています。楽天カード株式会社はカード会員から基本的に1ヶ月に1回所定の日にカード利用代金の回収を行うため、履行義務充足後、概ね2ヶ月以内に実質的に支払を受けることとなります。リボルビング払い手数料、分割払い手数料及びキャッシング手数料に関しては、各残高に対してそれぞれ分割支払回数等に応じた一定の料率を乗じた利息収益を、IFRS第9号に従いその利息の属する期間に認識しています。
楽天証券
『楽天証券』においては、金融商品取引業務とその他の付随業務を提供し、これら取引に付随して発生する手数料やトレーディング損益、利息等を収益の源泉としています。金融商品取引業務には、国内株式取引に加え、外国株式取引、投資信託の販売等、様々な取引が存在し、それぞれの手数料体系は異なっています。現物株式に関する委託取引、信用取引及び投資信託の販売取引等に関連して発生する手数料に関しては、約定日等の取引成立時において履行義務が充足されるため、同時点において手数料収益を計上しています。現物株式取引から生じる手数料については、原則として履行義務の充足後2営業日以内に、信用取引及び先物取引から生じる手数料は建玉の決済が行われる半年から概ね1年以内に受領しています。また、IFRS第9号に従い、外国為替証拠金取引については、公正価値で測定された利得及び損失が純額で売上収益に計上され、国内株式信用取引の建玉に対する金利収益については、その利息の属する期間に収益を認識しています。
楽天銀行
『楽天銀行』においては、インターネットを通じた銀行業務(預金、貸出、為替)及びその他様々なサービスを提供しています。貸出については、個人向けローンである「楽天銀行スーパーローン」及び住宅ローンである「楽天銀行住宅ローン(金利選択型)」等を取り扱っており、貸出金利息収入を得ています。また、資金運用から生じる有価証券利息等の利息収入も得ています。貸出金利息や有価証券利息等の資金運用収益は、IFRS第9号に従い、その利息の属する期間に収益を認識しています。為替手数料等については、取引が行われた時点で履行義務が充足されるため、同時点において手数料収益を認識しています。なお、為替手数料等に関する支払は主として同日に受領しています。
(モバイル)
モバイルセグメントにおいては、『楽天モバイル』、『楽天シンフォニー』、『楽天エナジー』等のサービスを提供し、主な収益を下記のとおり認識しています。
楽天モバイル
『楽天モバイル』は、移動体通信事業者(MNO)及び仮想移動体通信事業者(MVNO)として、主に音声通話・データ通信サービス(以下「通話・通信サービス」)の提供と、携帯端末の販売を行っています。通話・通信サービスについては、契約に基づき、契約者に常時利用可能な通話・通信サービス回線を提供し、当該回線を利用した通話・通信サービスを提供することを履行義務として識別しています。また、携帯端末の販売については、携帯端末を引き渡すことを履行義務として識別しています。なお、複数のサービスをセットで提供する場合には、契約者から受領する対価をそれぞれの履行義務に対して独立販売価格で案分しています。常時利用可能な回線を維持する履行義務については時の経過に基づき、通話・通信サービスの提供の履行義務については回線の利用に応じて充足されると判断しており、したがって、回線の提供については契約期間に渡って収益を計上し、通話・通信サービスの提供については回線の利用状況に応じた回線使用料を各月の収益として計上しています。携帯端末の販売については契約者に端末を引き渡した時点で履行義務が充足されると判断しており、当該時点にて関連する収益を計上しています。いずれの履行義務に対する支払も、請求日から概ね2ヶ月以内に受領しています。
Rakuten Symphony Singapore
Rakuten Symphony Singapore Pte. Ltd.は、Open RANベースの通信インフラプラットフォームの販売及び関連サービスの提供を行っています。当サービスでは、契約に基づき、顧客に機器及びグループ会社が開発したソフトウエアの販売を行うこと並びに当該ソフトウエアの保守・運用サービスを提供することを履行義務として認識しています。機器及びソフトウエアの販売については、顧客の検収をもって履行義務が充足されるため、検収完了時に収益を計上しています。ソフトウエアの保守・運用サービスには、日常的なサービスと特定のサポートサービスが含まれます。日常的なサービスは、時の経過に応じて履行義務が充足されるため、役務提供期間にわたり収益を認識しています。特定のサポートサービスは、契約に基づき顧客への役務提供が完了した時点で収益を認識しています。いずれの履行義務に対する支払も、請求日から概ね1ヶ月以内に受領しています。
楽天エナジー
『楽天エナジー』においては、電気事業法に基づく小売電気事業者として、「楽天でんき」の運営を行っており、契約に基づき、顧客である契約者に電気を販売する履行義務を負っています。当該履行義務は調達した電気を一般送配電事業者等を介し顧客へ供給した時点で充足されると判断しており、したがって、顧客の電力の利用状況に応じた電力使用料を各月の収益として計上しています。主に使用電力量にプランごとに設定されている地域別の単価を乗じた金額を、月ごとに契約者に請求しており、当該支払は請求日から概ね2ヶ月以内に受領しています。なお、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づき顧客から徴収し費用負担調整機関へ納付する再生可能エネルギー発電促進賦課金については、売上、売上原価の双方から除外しています。
なお、日本政府によるコロナ禍における「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」に基づく施策である「電気・ガス価格激変緩和対策事業」(2023年1月より発動)により受領する補助金について、IAS第20号「政府補助金の会計処理及び政府援助の開示」(以下「IAS第20号」)に基づき会計処理を行い、売上収益に含めて表示しています。また、受領する当該補助金は、事業の趣旨に従い、適切に全額小売価格に反映させています。
(16) 契約コスト
当社グループは、顧客との契約獲得のための増分コスト及び契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産(以下「契約コストから認識した資産」)として認識しており、連結財政状態計算書上は「その他の資産」に計上しています。契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。
当社グループにおける契約コストから認識した資産は、主に『楽天カード』と『楽天モバイル』において計上されており、計上時及び四半期ごとに回収可能性の検討を行っています。
回収可能性の検討に用いる見積り及び仮定は、前提とした状況が変化すれば、契約コストから認識した資産に関する減損損失を損益に認識することにより、契約コストから認識した資産の金額に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しています。
楽天カード
資産計上されている契約獲得のための増分コストは、主に顧客を獲得するために発生した入会関連費用です。また、契約に直接関連する履行コストは、主にカードの作成に関する費用です。資産計上された当該入会関連費用は新規入会者に付与した楽天ポイントに関するコストであり、契約を獲得しなければ発生しなかった増分コストです。なお、当該費用を資産計上する際には、カードの有効稼働会員割合等を加味した上で、回収が見込まれる金額のみを資産として認識しています。
当該資産については、会員のカード利用による決済サービスの提供という履行義務が充足されるカード会員の見積契約期間に応じた5年間から10年間の均等償却を行っています。
回収可能性の検討に当たっては、当該資産の帳簿価額が、カード会員との契約が継続すると見込まれる期間に渡り関連するクレジットカード関連サービスと交換に当社グループが受け取ると見込んでいる対価の残りの金額から、当該サービスの提供に直接関連し、まだ費用として認識されていないコストを差し引いた金額を超過しているかどうかの判断を行っています。
楽天モバイル
資産計上されている契約獲得のための増分コストは、主に代理店手数料及びアフィリエイトプログラムに関する費用です。また、契約に直接関連する履行コストは、主に端末・SIMの発送に関する費用及びインターネット回線のセットアップ費用です。資産計上された代理店手数料及びアフィリエイトプログラムに関する費用は、顧客の獲得に応じて支払う手数料であり、契約を獲得しなければ発生しなかった増分コストです。
通話・通信サービスに係る当該資産においては、通信サービスの提供という履行義務が充足されるユーザーの継続利用期間を見積って36ヶ月から100ヶ月で均等償却を行っています。通話・通信サービス及び携帯端末の販売をセットで提供する場合には、契約獲得のための増分コストは、それぞれの履行義務の独立販売価格の比率に基づき配分した上で、携帯端末の販売に係る当該資産については、契約者に端末を引き渡した時点で一時に償却しています。
回収可能性の検討に当たっては、当該資産の帳簿価額が、ユーザーとの契約が継続すると見込まれる期間に渡り関連する通話・通信と交換に当社グループが受け取ると見込んでいる対価の残りの金額から、当該サービスの提供に直接関連し、まだ費用として認識されていないコストを差し引いた金額を超過しているかどうかの判断を行っています。
(17) 金融収益及び金融費用
金融収益は、主として受取利息、受取配当金及び純損益を通じて公正価値で測定する金融商品の公正価値の変動等から構成されています。受取利息は、実効金利法により発生時に認識しています。受取配当金は、当社グループの受領権が確定した日に認識しています。
一方、金融費用は、主として支払利息等から構成されています。支払利息は、実効金利法により発生時に認識しています。
なお、当社グループにおける金融事業を営む子会社から生じた金融収益及び金融費用は、「売上収益」及び「営業費用」に含められています。
(18) 従業員給付
① 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しています。賞与については、それらを支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつ、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しています。
② 退職後給付
当社グループは、退職給付制度として、主に確定給付制度を採用しています。
確定給付制度
確定給付負債(資産)の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値(必要な場合には、確定給付資産の上限、最低積立要件への調整を含む)を控除したものであり、退職給付に係る資産又は負債として連結財政状態計算書で認識しています。確定給付制度債務は、予測単位積増方式に基づいて算定され、その現在価値は、将来の予想支払額に割引率を適用して算定しています。割引率は、給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の利回りを参照して決定しています。
勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は純損益として認識しています。数理計算上の差異、純利息費用に含まれる部分を除く制度資産に係る収益の変動については、それらが生じた期間において確定給付制度に係る再測定としてその他の包括利益に認識しています。また、過去勤務費用は、制度改訂又は縮小が発生した時、あるいは関連するリストラクチャリング費用又は解雇給付を認識した時の、いずれか早い方の期において純損益として認識しています。
(19) 法人所得税
法人所得税費用は、当期税金及び繰延税金から構成されています。これらは、企業結合から生じた項目、その他の包括利益で認識される項目及び資本に直接認識される項目に関連する税金を除き、純損益で認識しています。
当期税金は、期末日において施行され、又は実質的に施行されている法定税率(及び税法)を使用して、税務当局に納付(又は税務当局から還付)される予想額で算定しています。
当社グループは、資産及び負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務上の基準額との間に生じる一時差異、将来の課税所得と相殺可能な繰越欠損金及び将来の税額から控除可能な税額控除に対して、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しています。当該繰延税金資産及び繰延税金負債の算定には、期末日において施行され、又は実質的に施行されている法令に基づき、関連する繰延税金資産が実現する時、又は繰延税金負債が決済される時において適用されると予想される税率を使用しています。繰延税金資産は、将来の課税所得を稼得する可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異及び全ての未使用の繰越欠損金並びに税額控除について認識しています。
子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に係る一時差異について、繰延税金資産又は繰延税金負債を認識しています。ただし、繰延税金負債については、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ、予測可能な期間内での一時差異の解消が期待できない可能性が高い場合には認識していません。また、繰延税金資産については、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な期間内で一時差異の解消される可能性が高いと認められる範囲内で認識しています。
繰延税金資産及び繰延税金負債の相殺が行われるのは、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、繰延税金資産及び繰延税金負債が単一の納税事業体又は純額ベースでの決済を行うことを意図している異なる納税事業体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものに対してです。
当社及び一部子会社は、グループ通算制度又は連結納税制度を適用しています。
当社グループは、「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」(IAS第12号「法人所得税」の改訂)を適用しています。本改訂は、OECDによるBEPSの第2の柱GloBE(グローバル・ミニマム課税)ルールを導入するために制定された又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税にIAS第12号が適用されることを明確化しました。しかし、企業に対し、グローバル・ミニマム課税ルールから生じる法人所得税に関する繰延税金資産及び負債を認識及び開示しないことを要求する一時的な例外措置を定めています。当社グループは、IAS第12号で定められる例外措置を適用し、グローバル・ミニマム課税ルールから生じる法人所得税に関する繰延税金資産及び負債について認識及び開示を行っていません。
第2の柱モデルルールは、当社グループが営業活動を行っている一定の法域にて制定されています。本法律は、2024年1月1日以降に開始する当社グループの連結会計年度に適用されます。当社グループは、第2の柱モデルルールが制定された又は実質的に制定されている法律の範囲内にあるため、第2の柱の法人所得税に対する潜在的影響を評価しました。
当該評価は、当社グループの構成企業の直近の税務申告や国別報告に基づいています。当該評価では、当社グループが営業活動を行っている法域のほとんどで第2の柱の実効税率は15%を上回っており、15%を下回っている法域についても税率及び所得見込額に基づいて判断した結果、法人所得税への重要性のある影響は想定していません。
(20) 1株当たり利益
基本的1株当たり利益又は損失は、親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。希薄化後1株当たり利益又は損失は、全ての希薄化効果のある潜在的普通株式による影響について、親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失及び自己株式を調整した発行済株式の加重平均株式数を調整することにより算定しています。当社グループの潜在的普通株式は、ストック・オプション制度に係るものです。
(21) セグメント情報
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位です。全ての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ、各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、当社グループの最高経営意思決定者である取締役会において定期的にレビューしています。
[会計方針の変更]
当社グループは、当連結会計年度より以下の基準を適用しています。なお、この適用に伴う当連結会計年度の連結財務諸表への重要な影響はありません。
当社グループは会計方針を連結財務諸表に表示されている全ての期間に首尾一貫して適用しています。
(1) 連結の基礎
① 子会社
子会社とは、当社グループにより支配されている企業(組成された事業体を含む)をいいます。当社グループが企業への関与による変動リターンにさらされている、又は変動リターンに対する権利を有している場合で、その企業に対するパワーを通じてこれらの変動リターンに影響を与えることができる場合には、当社グループはその企業を支配しています。当社グループがパワーを有しているか否かは、現時点で行使可能な潜在的議決権を考慮して決定しています。
当社グループの子会社に対する所有持分が変動した場合で、かつ、当社グループの当該子会社に対する支配が継続する場合は、資本取引として非支配持分の修正額と支払対価又は受取対価の公正価値との差額を資本に直接認識し、親会社の所有者に帰属させています。
当社グループ企業間の取引並びにこれに関連する資産及び負債は、連結手続において相殺消去しています。未実現損益は全額、これを消去しています。
② 関連会社の取決め
関連会社とは、当社グループがその経営及び財務の方針に関する経営管理上の意思決定に対して、重要な影響力を有するが、支配的持分は有しない企業をいいます。一般的に、当社グループが議決権の20%から50%を保有する場合には、重要な影響力があると推定されています。当社グループが重要な影響力を有しているか否かの評価にあたり考慮されるその他の要因には、取締役会への役員の派遣等があります。これらの要因が存在する場合には、当該企業に対する当社グループの投資が議決権株式の20%未満であったとしても、当社グループが重要な影響力を有することがあります。
関連会社に対する持分の投資は、持分法により会計処理しています。関連会社の経営成績に対する当社グループの持分は、当社グループの会計方針と整合するように修正され、連結損益計算書において持分法による投資損益として認識しています。取引に係る未実現損益は、投資先に対する当社グループの持分の範囲で消去されています。持分法による会計処理では、関連会社に対する当社グループの投資は、当初、取得原価で計上された後、取得後の純利益(又は損失)に対する当社グループの持分及び当該関連会社の資本(又は純資産)に直接反映されたその他の変動に対する当社グループの持分を反映して、増額(又は減額)されます。
関連会社の持分取得に伴い生じたのれんは、当該投資の帳簿価額に含められており、持分法で会計処理されている投資全体に関して減損テストを行っています。当社グループは、各期末日現在において、関連会社企業に対する投資が減損しているということを示す客観的な証拠があるか否かを評価しています。投資が減損していることを示す客観的証拠がある場合、投資の回収可能価額(使用価値と処分費用控除後の公正価値のいずれか高い方)と帳簿価額を比較することにより、減損テストを行っています。過去の期間に認識された減損損失は、過去の減損損失計上後、投資の回収可能価額の決定に使用された見積りの変更があった場合にのみ、戻入れています。その場合、投資の帳簿価額は、減損損失の戻入れにより、回収可能価額まで増額しています。
(2) 企業結合
当社グループは、企業結合に対して取得法を適用しています。企業結合において移転した対価には、当社グループから被取得企業の従前の所有者に対して移転した資産、発生した負債及び当社グループが発行した持分の公正価値が含まれています。また、移転した対価には、条件付対価の公正価値が含まれています。仲介手数料、弁護士費用、デューデリジェンス費用及びその他の専門家報酬、コンサルティング料等の、企業結合に関連して当社グループに発生する取引費用は、発生時に費用処理しています。
また、当社グループは、被取得企業に対する非支配持分のうち、現在の所有持分であり、清算時に企業の純資産に対する比例的な取り分を保有者に与えているものについて、企業結合取引ごとに、公正価値もしくは識別可能な被取得企業の純資産に対する非支配持分の持分割合相当額のいずれかで測定しています。
移転した対価、被取得企業の非支配持分の金額及び以前に保有していた被取得企業の持分の取得日における公正価値の合計が、取得した識別可能な純資産の公正価値を超過する場合、当該超過額をのれんとして計上しています。一方、移転した対価、被取得企業の非支配持分の金額及び以前に保有していた被取得企業の持分の取得日における公正価値の合計が、取得した識別可能な純資産の公正価値を下回る場合、割安購入として差額を純損益に直接認識しています。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した連結会計年度末までに完了していない場合には、完了していない項目を暫定的な金額で報告しています。取得日時点に存在していた事実と状況を取得日当初に把握していたとしたら、認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下「測定期間」)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しています。この新たに得た情報が、資産と負債の新たな認識をもたらす場合には、追加の資産と負債を認識しています。測定期間は、最長で1年間です。
IFRS移行日より前の取得に係るのれんは、従前の会計基準に基づき認識した金額を基礎として報告しています。
(3) 外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日における直物為替レートを適用することにより、機能通貨に換算しています。期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に再換算しています。公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に再換算しています。
これら取引の決済から生じる外国為替差額並びに外貨建貨幣性資産及び負債を期末日の為替レートで換算することによって生じる為替差額は、純損益で認識しています。ただし、非貨幣性項目に係る利益又は損失がその他の包括利益に計上される場合は、為替差額もその他の包括利益に計上しています。
② 在外営業活動体
在外営業活動体の資産及び負債(取得により発生したのれん及び公正価値の調整を含む)については期末日の為替レート、収益及び費用については期中の平均為替レートを用いて日本円に換算しています。
在外営業活動体の換算から生じる為替換算差額は、その他の包括利益で認識しています。
当該差額は「在外営業活動体の換算差額」として、その他の資本の構成要素に含めています。なお、在外営業活動体の持分全体の処分及び支配、重要な影響力の喪失を伴う持分の一部処分といった事実が発生した場合、当該換算差額を、処分損益の一部として純損益に振替えています。
(4) 現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3ヶ月以内に償還期限の到来する短期投資です。短期投資については、銀行事業に関するものを含みません。
(5) 金融商品
① 非デリバティブ金融資産
当社グループは、売上債権を、これらの発生日に当初認識しています。売上債権以外の金融資産は全て、当社グループが当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しています。
金融資産の分類及び測定モデルの概要は、以下のとおりです。
償却原価で測定する金融資産
金融資産は、以下の要件を満たす場合に償却原価で事後測定する金融資産に分類しています。
・当社グループの事業モデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローを回収することを目的として保有している場合
・契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローを生じさせる場合
償却原価で測定する金融資産は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しています。当初認識後、償却原価で測定する金融資産の帳簿価額については、実効金利法に基づき事後測定しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合にその他の包括利益を通じて公正価値で事後測定する負債性金融商品に分類しています。
・当社グループの事業モデルにおいて、当該金融資産の契約上のキャッシュ・フローの回収と売却の両方を目的として保有している場合
・契約条件により、特定の日に元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローを生じさせる場合
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しています。また、当初認識後は公正価値で測定し、その事後的な変動をその他の包括利益として認識しています。その他の包括利益として認識した金額は、認識を中止した場合、その累計額を損益に振替えています。
純損益を通じて公正価値で測定する金融商品
資本性金融商品に対する投資を除く金融資産で上記の償却原価で測定する区分及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する区分の要件を満たさないものは、公正価値で測定し、その変動を純損益で認識しています。当該資産には、売買目的で保有する金融資産が含まれています。
資本性金融商品に対する投資は公正価値で測定し、その変動を純損益で認識しています。ただし、当社グループが当初認識時に公正価値の変動をその他の包括利益に計上するという選択(取消不能)を行う場合は、この限りではありません。
純損益を通じて公正価値で測定する金融資産は、当初認識時に公正価値で認識し、取引費用は発生時に純損益で認識しています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品
当社グループは当初認識時に、資本性金融商品に対する投資における公正価値の変動をその他の包括利益で認識するという選択(取消不能)を行う場合があります。当該選択は、売買目的以外で保有する資本性金融商品に対する投資に対してのみ認められています。
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品は、公正価値に、取得に直接起因する取引費用を加算した金額で当初認識しています。当初認識後は公正価値で測定し、公正価値の変動は「その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品の変動」として、その他の資本の構成要素に含めています。
なお、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融商品からの配当金については、「売上収益」又は「金融収益」として純損益で認識しています。
償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品の減損
当社グループは、償却原価で測定する金融資産及びその他の包括利益を通じて公正価値で測定する負債性金融商品については、期末日時点で金融商品にかかる信用リスクが当初認識以降に著しく増大していない場合には、期末日後12ヶ月以内に生じうる債務不履行から生じる予想信用損失(12ヶ月の予想信用損失)により貸倒引当金の額を算定しています。この場合、過去の貸倒実績率、その他合理的に利用可能な将来予測情報等をもとに将来12ヶ月の予想信用損失を見積って当該金融商品にかかる貸倒引当金の額を算定しています。一方で、期末日時点で金融商品にかかる信用リスクが当初認識以降に著しく増大している場合には、当該金融商品の予想存続期間にわたる全ての生じうる債務不履行から生じる予想信用損失(全期間の予想信用損失)により貸倒引当金を算定しています。この場合、過去の貸倒実績率、将来の回収可能価額、その他合理的に利用可能な将来予測情報等をもとに当該金融商品の回収にかかる全期間の予想信用損失を見積って当該金融商品にかかる貸倒引当金の額を算定しています。
ただし、重大な金融要素を含んでいない売上債権等の営業債権及び契約資産(以下「営業債権等」)については、上記に関わらず、常に全期間の予想信用損失により貸倒引当金の額を算定しています。原則として、取引先の属性に応じて営業債権等をグルーピングした上で、過去の貸倒実績率、その他合理的に利用可能な将来予測情報等を考慮して集合的に予想信用損失を測定しています。一定の日数が経過した延滞した金融資産のうち債務者の重大な財政的困難等により金融資産の回収可能性が特に懸念されるものであると判断された場合には、信用減損が発生しているものと判定しています。
当社グループは、信用減損した金融資産について、将来の回収が見込めない場合は直接償却を行っています。
直接償却を行った場合でも履行に向けて回収活動を継続し、回収が行われた場合は純損益に回収額を計上します。
金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産から生じるキャッシュ・フローに対する契約上の権利が失効した場合、又は当該金融資産の所有にかかるリスク及び便益を実質的に全て移転する取引において、金融資産から生じるキャッシュ・フローを受け取る契約上の権利を移転する場合に、当該金融資産の認識を中止しています。移転した金融資産に関して当社グループが創出した、又は当社グループが引き続き保有する権利については、別個の資産・負債として認識しています。
② 非デリバティブ金融負債
当社グループは、当社グループが発行した負債証券を、その発行日に当初認識しています。負債証券以外の金融負債は全て、当社グループが当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しています。
当社グループは、非デリバティブ金融負債として、仕入債務、銀行事業の預金、証券事業の金融負債、社債及び借入金、証券事業の借入金、カード事業の社債及び借入金、銀行事業の借入金並びにその他の金融負債を有しており、公正価値で当初認識し、実効金利法に基づき償却原価で事後測定しています。
当社グループは、金融負債が消滅した場合、つまり、契約上の義務が免責、取消又は失効となった場合に、金融負債の認識を中止しています。
③ デリバティブ
ヘッジ会計の要件を満たすデリバティブ
当社グループは、公正価値変動リスク、金利変動リスク及び為替変動リスクをヘッジするため、デリバティブを利用しています。これらに用いられるデリバティブは、主に金利スワップ、先渡、オプション、為替予約及び通貨スワップです。
当初のヘッジ指定時点において、当社グループは、ヘッジ手段とヘッジ対象及びその関係、リスク管理目的、ヘッジ取引を実行する際の戦略、ヘッジされるリスクの性質、ヘッジ関係の有効性の評価方法、並びにヘッジ非有効部分の測定方法を文書化しています。
当社グループは、ヘッジ手段がヘッジ対象期間において関連するヘッジ対象の公正価値又はキャッシュ・フローの変動に対して高度に相殺効果を有すると予想することが可能であるか否かについて、ヘッジ指定時点で評価するとともに、その後も毎期継続的に評価しています。
ヘッジ手段であるデリバティブは公正価値で当初認識し、関連する取引費用は発生時に純損益として認識しています。当初認識後は、デリバティブは公正価値で測定し、その変動は以下のように会計処理しています。
・公正価値ヘッジ
ヘッジ手段であるデリバティブを公正価値で事後測定することによる利得又は損失は、純損益で認識しています。ヘッジされたリスクに起因するヘッジ対象に係る利得又は損失は、純損益で認識するとともにヘッジ対象の帳簿価額を修正しています。ただし、ヘッジ対象が、公正価値の変動をその他の包括利益で測定する資本性金融商品である場合は、ヘッジ手段であるデリバティブを公正価値で事後測定することによる利得又は損失は、その他の包括利益で認識しています。公正価値ヘッジがヘッジ会計の要件を満たさない場合、又はヘッジ手段が失効、売却、終了若しくは行使された場合はヘッジ会計の適用を将来に向けて中止しています。
・キャッシュ・フロー・ヘッジ
デリバティブを、認識済み資産・負債に関連する特定のリスクに起因し、かつ、純損益に影響する可能性があるキャッシュ・フローの変動をヘッジするためのヘッジ手段として指定した場合、デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ有効部分は、「キャッシュ・フロー・ヘッジ」として、その他の資本の構成要素に含めています。キャッシュ・フロー・ヘッジの残高は、ヘッジ対象のキャッシュ・フローが純損益に影響を及ぼす期間と同一期間に、連結包括利益計算書においてその他の包括利益から控除し、ヘッジ対象と同一の項目で純損益に振替えています。デリバティブの公正価値の変動のうちヘッジ非有効部分は、即時に純損益で認識しています。しかしながら、ヘッジ対象が非金融資産又は非金融負債の認識を生じさせるものである場合には、その他の包括利益として認識されている金額は、非金融資産又は非金融負債の当初の帳簿価額の修正として処理しています。
なお、キャッシュ・フロー・ヘッジがヘッジ会計の要件を満たさない場合、又はヘッジ手段が失効、売却、終了若しくは行使された場合はヘッジ会計の適用を将来に向けて中止し、その他の包括利益として認識した金額をその他の資本の構成要素から純損益に振替えています。
ヘッジ会計の要件を満たさないデリバティブ
当社グループには、ヘッジ目的で保有しているデリバティブのうちヘッジ会計の要件を満たしていないものがあります。また当社グループは、デリバティブをヘッジ目的以外のトレーディング目的でも保有しています。これらのデリバティブの公正価値の変動は全て即時に純損益で認識しています。
組込デリバティブ
金融商品及びその他の契約の中に、デリバティブ及び非デリバティブ金融商品の双方が結合されていることがあります。そのような契約に含まれるデリバティブの部分は、組込デリバティブと呼ばれ、非デリバティブの部分が主契約となります。主契約が金融負債である場合、組込デリバティブの経済的特徴とリスクが主契約と密接に関連せず、組込デリバティブと同一条件の独立の金融商品がデリバティブの定義に該当し、複合契約自体が純損益を通じて公正価値で測定する金融負債として分類されない場合には、組込デリバティブは主契約から分離され、デリバティブとして会計処理しています。主契約の金融負債は、非デリバティブ金融負債に適用される会計方針により会計処理しています。
④ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループがそれらの残高を相殺する法的権利を有し、純額で決済するか、又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しています。
⑤ 金融保証契約
金融保証契約とは、負債性金融商品の当初又は変更後の条件に従った期日が到来しても、特定の債務者が支払を行わないために保証契約保有者に発生する損失を契約発行者がその保有者に対し補填することを要求する契約です。
これら金融保証契約は当初契約時点において、公正価値により測定しています。当初認識後は、公正価値で測定されるものを除き、貸倒引当金の額と当初認識額から認識した収益の累計額を控除した額のうち、いずれか高い方で測定しています。
(6) 有形固定資産
有形固定資産は、当初認識後の測定モデルとして原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上しています。
取得原価には資産の取得に直接関連する費用、資産の解体及び除去費用、並びに原状回復費用の当初見積額が含まれています。また、意図した使用又は販売が可能となるまでに相当の期間を必要とするような資産に関して、その資産の取得、建設又は製造に直接起因する借入コストは、当該資産取得の一部として資産化しています。なお、その他の借入コストは全て、発生した期に費用として認識しています。
土地及び建設仮勘定以外の減価償却費は、有形固定資産の各構成要素の見積耐用年数にわたり、主に定額法に基づいています。
主要な有形固定資産の前連結会計年度及び当連結会計年度における見積耐用年数は、以下のとおりです。
・建物及び建物附属設備 2-50年
・工具、器具及び備品 2-20年
・機械設備 2-50年
減価償却方法、耐用年数及び残存価額は、期末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(7) 無形資産
① のれん
当初認識
子会社の取得により生じたのれんは、無形資産に計上しています。当初認識時におけるのれんの測定については、(2) 企業結合をご参照ください。
当初認識後の測定
のれんは、取得原価から減損損失累計額を控除して測定しています。
② ソフトウエアに係る支出の資産化
当社グループは、主として内部利用目的のソフトウエアを購入又は開発するための特定のコストを支出しています。
新しい科学的又は技術的知識の獲得のために行われる研究活動に対する支出は、発生時に費用計上しています。開発活動による支出については、信頼性をもって測定可能であり、技術的に実現可能であり、将来の経済的便益を得られる可能性が高く、当社グループが開発を完成させ、当該資産を使用又は販売する意図及びそのための十分な資源を有している場合にのみ、ソフトウエアとして資産計上しています。
資産計上したソフトウエアは、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。
③ 企業結合により取得した無形資産
企業結合により取得し、のれんとは区分して認識した商標権等の無形資産は取得日の公正価値で計上しています。
その後は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除して測定しています。
④ 償却
償却費は、資産の取得原価から残存価額を差し引いた額に基づいています。耐用年数が確定できる無形資産は、定額法により償却しています。
主要な耐用年数が確定できる無形資産の前連結会計年度及び当連結会計年度における見積耐用年数は、以下のとおりです。
・ソフトウエア 主として5年
償却方法、耐用年数及び残存価額は、期末日に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しています。
(8) リース取引
リース負債は、リース開始日におけるリース料総額の未決済分の割引現在価値として測定を行っています。使用権資産については、リース負債の当初測定額に当初直接コスト、前払リース料等を調整した金額で当初測定を行っています。当初認識後は、リース契約の終了までに当社グループが所有権を獲得することが合理的に確実な場合を除き、リース期間又は経済的耐用年数のいずれか短い期間にわたって、主に定額法によって減価償却しています。なお、リース料は、リース負債残高に対して一定の利子率となるように、金利費用とリース負債残高の返済部分とに配分しています。
(9) 投資不動産
その他の資産に含まれる投資不動産の測定においては、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した後の金額で表示しています。投資不動産は、主に3~60年の範囲で見積耐用年数に基づき、定額法にて償却を行っています。
(10) 非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、四半期ごとに減損の兆候の有無を判断しています。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っています。のれん及び耐用年数を確定できない、又はまだ使用可能ではない無形資産については、回収可能価額を各連結会計年度における一定時期に見積っています。
資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの回収可能価額は、使用価値と処分費用控除後の公正価値のうち、いずれか高い金額としています。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産の固有のリスクを反映した税引前の割引率を用いて、現在価値に割り引いています。資金生成単位については、継続的に使用することにより他の資産又は資産グループのキャッシュ・イン・フローから、概ね独立したキャッシュ・イン・フローを生み出す最小単位の資産グループとしています。
資金生成単位については、原則として各社を資金生成単位としています。のれんは、内部報告目的で管理される単位に基づき、資金生成単位又は資金生成単位グループに配分しています。
全社資産は独立したキャッシュ・イン・フローを生み出していないため、全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を算定して判断しています。
減損損失は、資産、資金生成単位又は資金生成単位グループの帳簿価額が回収可能価額を超過する場合に、純損益で認識しています。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額するように配分しています。
のれんに関連する減損損失については、戻入れていません。過去に認識したその他の資産の減損損失については、四半期ごとに、損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を判断しています。減損の戻入れの兆候があり、回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れています。減損損失については、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費又は償却費を控除した後の帳簿価額を超えない金額を上限として、戻入れています。
(11) 引当金
当社グループが、過去の事象の結果として現在の法的又は推定的債務を有しており、当該義務を決済するために経済的便益を有する資源の流出が必要となる可能性が高く、当該義務の金額について信頼性のある見積りができる場合に、引当金を認識しています。
引当金は、現時点の貨幣の時間的価値の市場評価と当該義務に特有なリスクを反映した税引前の割引率を用いて、義務の決済に必要とされると見込まれる支出の現在価値として測定しています。
(12) 保険契約
当社グループは、保険者が自ら発行した保険契約及び保険者が保有する再保険契約に対してIFRS第17号「保険契約」(以下「IFRS第17号」)を適用しています。
1) 保険契約の分類及び集約
当社グループにおいて、重要な保険リスクを引き受ける契約を保険契約として分類しています。保険契約は測定の目的上、保険契約グループとして集計し、保険契約グループは保険契約のポートフォリオを識別することによって決定しています。各ポートフォリオは、類似したリスクに晒されており一括して管理されている複数の契約で構成され、契約の収益性に基づき3つのグループに分割しています。
– 当初認識時に不利である契約のグループ
– 当初認識時において、その後に不利となる可能性が大きくない契約のグループ
– ポートフォリオの中の残りの契約
2) 保険契約の認識及び測定
当社グループが発行した保険契約は、次のうち最も早い時点から認識しています。
– カバー期間(保険契約の境界線内の保険料に関して、当社グループがサービスを提供する期間)の開始時
– 保険契約者からの初回支払期限が到来した時、又は契約上の支払期限がない場合は、保険契約者から初回支払を受領した時
– 事実及び状況が、契約が不利であることを示唆している時
i) 保険料配分アプローチ(Premium Allocation Approach、以下「PAA」)を適用せずに測定している保険契約の当初測定
PAAを適用せずに測定している保険契約は、一般測定モデルを適用しており、以下の項目から構成されています。
(a) 履行キャッシュ・フロー
保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、見積将来キャッシュ・フロー(貨幣の時間価値及び関連する金融リスクを反映するように調整)及び非金融リスクに係るリスク調整で構成されます。保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、当社グループの不履行リスクを反映していません。保険契約グループの非金融リスクに係るリスク調整は、他の見積りとは別に決定されるものであり、キャッシュ・フローの金額及び時期に関する非金融リスクから生じる不確実性の負担に対して要求する対価です。
(b) 契約上のサービス・マージン(以下「CSM」)
保険契約グループのCSMは、当社グループがその契約に基づきサービスを提供するにつれて認識することとなる未稼得利益を表しています。
保険契約グループの当初認識時に、(a)履行キャッシュ・フロー、(b)その日に生じたキャッシュ・フロー及び当該グループに係るキャッシュ・フローに対して以前認識した資産又は負債の認識の中止から生じた金額(保険獲得キャッシュ・フローに対する資産を含む)の合計が、正味のインフローである場合、当該グループは不利な契約ではありません。この場合、CSMはその正味のインフローと同額で正負が逆の金額として測定します。その結果、当初認識時に発生する損益はありません。
ⅱ) PAAを適用せずに測定している保険契約の事後測定
各報告日現在の保険契約グループの帳簿価額は、残存カバーに係る負債と発生保険金に係る負債の合計です。
発生保険金に係る負債は既発生未報告の保険金を含む、未払の発生保険金及び費用に係る履行キャッシュ・フローで構成されています。
残存カバーに係る負債は、以下の項目から構成されています。
(a) 履行キャッシュ・フロー
保険契約グループの履行キャッシュ・フローは、報告日時点で、将来キャッシュ・フローに関する現在の見積り、現在の割引率及び非金融リスクに係るリスク調整に関する現在の見積りを用いて測定されます。
(b) CSM
CSMは、報告日時点で、報告期間の期首残高に以下の項目を加減して算定されます。
a) 当連結会計年度に保険グループに加えられた新契約のCSM
b) 当連結会計年度にCSMの帳簿価額に対し発生した利息(基礎となる項目に対するリターンに基づいて変動しない名目キャッシュ・フローに対して、当初認識時に決定した割引率を適用して測定)
c) 将来のサービスに係る履行キャッシュ・フローの変動
1. 将来のサービスに関して当連結会計年度に受け取った保険料及び関連するキャッシュ・フローから生じた実績調整(当初認識時に決定した割引率を適用して測定)
2. 残存カバーに係る負債の将来キャッシュ・フローの現在価値の見積りの変更(当初認識時に決定した割引率を適用して測定。ただし、貨幣の時間価値、金融リスク及びそれらの変動に伴う影響を除く)
3. 当連結会計年度に支払が見込まれる投資要素と当期に支払が確定した実際の投資要素との差異
4. 将来のサービスに関連する、非金融リスクに係るリスク調整の変動
なお、履行キャッシュ・フローの変動のうち、以下の場合を除きます。
・履行キャッシュ・フローの増加がCSMの帳簿価額を上回る場合。この場合、超過額は損失として純損益で認識し、損失要素が発生します。
・履行キャッシュ・フローの減少が損失要素に配分される場合。これにより、過去に純損益で認識した損失の戻入れが発生します。
d) 当連結会計年度にサービスを提供したことにより、保険収益として認識した金額
当社グループは、その後の期中財務諸表及び年度財務諸表を作成する際、それまでの期中財務諸表作成時のIFRS第17号に関する会計上の見積りはなかったものとして、改めて実績調整若しくは将来のサービスに関する履行キャッシュ・フローの変動なのかを判断しています。
3) 契約の境界線
保険契約者が保険料の支払義務を負う報告期間中、又は当社グループがサービス(保険カバー及び投資サービスを含む)を提供する実質的な義務を有している報告期間中に存在する実質的な権利及び義務から生じるキャッシュ・フローは、契約の境界線内にあります。
保険契約の境界線内のキャッシュ・フローは、契約の履行に直接関連するキャッシュ・フロー(当社グループが金額又は時期に対する裁量を有しているキャッシュ・フローを含む)です。これには、保険契約者に対する(又は保険契約者のための)支払、保険獲得キャッシュ・フロー、保険契約を履行する際に発生するその他のコストが含まれます。
保険獲得キャッシュ・フローは、保険契約グループの販売、引受け及び開始の活動により生じるキャッシュ・フローのうち、当該グループが属する保険契約ポートフォリオに直接起因するものです。保険契約を履行する際に発生するその他のコストには保険金請求処理、維持及び管理のコストが含まれます。
保険獲得キャッシュ・フロー及び保険契約を履行する際に発生するその他のコストは、直接費と固定間接費及び変動間接費の配分額で構成されています。キャッシュ・フローは、保険獲得活動、他の履行活動及びその他の活動に起因するものに分類しています。保険獲得活動及び他の履行活動に起因するキャッシュ・フローは、規則的かつ合理的で、類似の特徴を有する全てのコストに首尾一貫して適用される方法を用いて保険契約グループに配分しています。その他のコストは発生時に純損益に認識しています。
4) PAAの適用
当初認識時に保険契約グループ内の各契約のカバー期間が1年以内である場合、又はPAAを適用して単純化された残存カバーに係る負債の測定が、一般測定モデルを適用した場合の測定と重要性がある差異がないと合理的に予想している場合、PAAを適用して測定しています。
当初認識時の残存カバーに係る負債の帳簿価額は、受取保険料からその他の関連する金額を控除して測定しており、貨幣の時間価値及び金融リスクの影響を反映するような調整はしていません。
当社グループは、保険契約グループ内の各契約のカバー期間が1年以内である場合、保険獲得キャッシュ・フローを発生時に費用処理しています。
カバー期間中のいずれかの時点で、保険契約グループが不利であることを示唆する事実及び状況が生じた場合、残存カバーに係る履行キャッシュ・フローの現在の見積りが残存カバーに係る負債の帳簿価額を上回る範囲で損失を純損益で認識し、残存カバーに係る負債を増額しています。
当社グループは、保険契約グループの発生保険金に係る負債について、発生保険金に関連する履行キャッシュ・フローの金額で認識しています。当該将来キャッシュ・フローは、保険金請求の発生日から1年以内に支払われる見込みがない場合、(現在の割引率で)割引計算をしています。
5) 表示
i) 保険収益
(a) PAAを適用せずに測定している契約
当社グループは、投資要素を除く保険収益を、履行義務が充足するにつれて(すなわち、保険契約に基づいてサービスを提供するにつれて)、認識しています。
各期間において提供したサービスに係る保険収益は、当社グループが対価を受け取ることを見込むサービスに関連する残存カバーに係る負債の変動の合計を表し、以下の項目で構成されています。なお、保険料のうち保険獲得キャッシュ・フローの回収に関連する部分を、時の経過に基づいて規則的な方法で各期間に配分しています。
– 提供したカバー単位を基に測定したCSMの解放
– 現在のサービスに関連する、非金融リスクに係るリスク調整の変動
– 当連結会計年度に生じた保険金請求及びその他の保険サービス費用(当期首に見込んでいた金額で測定)
– 保険グループに対する現在又は過去のサービスについて受け取った保険料の実績調整
(b) PAAを適用して測定する契約
PAAを適用して測定する契約の場合、各期間の保険収益は、当該期間におけるサービス提供の対価として受領することが見込まれる保険料の金額です。当社グループは、主に時間の経過に基づき、予想保険料受取額を各期間に配分しています。
ⅱ) 保険サービス費用
保険契約から生じる保険サービス費用は、通常、発生時に純損益に認識しています。これらの費用は投資要素の返済を除外し、以下の項目から構成されています。
– 発生保険金及びその他の保険サービス費用
– 保険獲得キャッシュ・フローの償却(上記の保険収益の中で反映された保険獲得キャッシュ・フローの回収と同等の金額が保険サービス費用にも反映されます。)
– 発生保険金に係る調整
– 不利な契約に係る損失及び損失の戻入れ
ⅲ) 損失要素
当社グループは、不利な保険契約グループの残存カバーに係る負債の損失要素を設定しています。履行キャッシュ・フローの事後的な変動は、この損失要素と、損失要素を除く残存カバーに係る負債とに規則的な方法で配分され、損失要素に配分された変動は、保険サービス費用のマイナスとして純損益に表示され、保険収益から除外されます。
ⅳ) 保険金融収益又は費用
保険金融収益又は費用は、貨幣の時間価値及び金融リスク並びにこれらの変動の影響から生じた、保険契約グループの帳簿価額の変動で構成されています。当社グループは保険金融収益及び費用を純損益とその他の包括利益とに分解することを選択しています。純損益に含める金額は、見込まれる保険金融収益又は費用の合計額を保険契約グループの存続期間にわたり規則的に配分することによって算定しています。この規則的な配分により、保険契約グループの存続期間にわたりその他の包括利益に認識される合計金額はゼロとなります。なお、いずれの時点においてもその他の包括利益に認識される累計金額は、保険契約グループの帳簿価額と規則的配分により測定された当該グループの金額との差額です。
(13) 資本
当社が発行した資本性金融商品は、発行価額を資本金及び資本剰余金に計上し、直接発行費用(税効果考慮後)は資本剰余金から控除しています。
(14) 株式報酬
当社グループは、取締役及び従業員に対するインセンティブ制度としてストック・オプション制度を導入しています。株式報酬の付与日における公正価値は、付与日から権利が確定するまでの期間にわたり、人件費として認識し、同額を資本剰余金の増加として認識しています。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、ブラック・ショールズ・モデル等を用いて算定しています。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しています。
(15) 収益
当社グループでは、IFRS第9号「金融商品」(以下「IFRS第9号」)に基づく利息や配当収益等、IFRS第16号「リース」に基づくリース収益及びIFRS第17号に基づく保険料収入を除き、以下の5ステップアプローチに基づき、顧客への財やサービスの移転との交換により、その権利を得ると見込む対価を反映した金額で収益を認識しています。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における別個の履行義務へ配分する。
ステップ5:履行義務を充足した時点で(又は充足するにつれて)収益を認識する。
当社グループは、インターネットサービス、フィンテック及びモバイルを有するグローバル イノベーション カンパニーであり、EC事業を中心に複数のビジネスを行っています。これらのビジネスから生じる収益は顧客との契約に従い計上しており、変動対価等を含む売上収益の額に重要性はありません。また、約束した対価の金額に重要な金融要素は含まれていません。
(インターネットサービス)
インターネットサービスセグメントにおいては、『楽天市場』、『楽天トラベル』、『Rakuten Rewards』、『楽天24』、『楽天ブックス』等のサービスを提供し、主な収益を下記のとおり認識しています。
楽天市場及び楽天トラベル
マーケットプレイス型ECサービスである『楽天市場』や、旅行予約サービスである『楽天トラベル』等においては、取引の場を顧客に提供することをその基本的な性格としています。当社グループは、これらのサービスの運営にあたり、出店者・旅行関連事業者への出店サービス及びシステム利用に関するサービス、当社グループを通じた販売拡大のための広告関連サービス、出店者・旅行関連事業者と消費者の決済に関する決済代行サービス等を提供しています。また、これらのサービスは諸規約に基づき、サービス内容や当事者間の権利と義務が定められており、サービスの内容の区分可能性や顧客への移転パターンに基づき、主な履行義務を下記のとおりに識別して、収益を認識しています。
『楽天市場』への出店サービスについて、当社グループは規約に基づき出店者に対し契約期間に渡り、当社グループのマーケットプレイス型ECウェブサイトへの出店サービス及び出店コンサルティングサービス等を提供する義務を負っています。当該履行義務は、契約期間に渡り時の経過につれて充足されるものであり、収益は当該履行義務が充足される契約期間において、出店形態別に定められた金額に基づき、各月の収益として計上しています。なお、取引の対価は3ヶ月、半年又は1年分を履行義務の充足前である契約時に前受けする形で受領しています。
システム利用に関するサービスについて、当社グループは規約に基づき、出店者・旅行関連事業者に対して出店者・旅行関連事業者と主として楽天会員との間での個々の取引の成立に関するサービスの提供を行う義務を負っています。当該履行義務は、出店者・旅行関連事業者と主として楽天会員との個々の取引の成立時点で充足されるものであり、当該履行義務の充足時点で、流通総額(出店者・旅行関連事業者の月間売上高)にサービス別・プラン別・流通総額の規模別に定められている料率を乗じた金額にて収益を計上しています。当該金額は、履行義務の充足時点である取引成立時点から概ね3ヶ月以内に支払を受けています。
広告関連サービスについて、当社グループは広告規約に基づき、出店者・旅行関連事業者に対し期間保証型等の広告関連サービスを提供しており、契約で定められた期間に渡り、広告を掲示する義務を負っています。当該履行義務は時の経過につれて充足されるため、当該契約期間に応じて期間均等額で収益を計上しています。広告料金の支払は、原則として広告掲載開始日が属する月の翌々月末までに行われます。
決済代行サービスについて、当社グループと出店者・旅行関連事業者間における、決済代行規約に基づき、決済代行サービスを提供しています。当社グループは、クレジットカード等による取引代金をカード会社等から受領し、出店者・旅行関連事業者への決済代金を支払う義務を負っています。当該サービスについては、主に決済対象となった取引が成立した時点で履行義務が充足されると判断しており、同時点で手数料収益を計上しています。当該手数料の支払は、履行義務の充足後、支払区分に基づいた請求締切日から1ヶ月半以内に受領しています。
Rakuten Rewards
『Rakuten Rewards』においては、Rakuten Rewards会員に対するキャッシュバックを通じ、Rakuten Rewards会員による小売業者(顧客)のウェブサイトでの購入を促進するサービス(以下「キャッシュバック・サービス」)、ウェブサイトにおける広告掲示、個人向けターゲティングメールサービス等を提供しています。主なサービスであるキャッシュバック・サービスに関しては、契約に基づきRakuten Rewards会員による小売業者のウェブサイトでの購入を促進するために、Rakuten Rewards会員へのキャッシュバックを行う義務を負っており、当該履行義務はRakuten Rewards会員による購入時点が履行義務の充足時点となると判断しています。Rakuten Rewards会員の購入を確認した時点で購入金額に一定の料率を乗じた金額を手数料として収益計上しており、同時にRakuten Rewards会員に対するキャッシュバック費用を原価として計上しています。当該サービスの提供により生じる収益及び費用は、『Rakuten Rewards』が顧客及びRakuten Rewards会員とのそれぞれに対して価格設定を含む取引の裁量権を有していることから総額にて計上しており、手数料は履行義務の充足時点である注文確定月の月末から概ね3ヶ月以内に支払を受けています。
楽天24、楽天ブックス
インターネットサービスのうち、当社グループが主に楽天会員に対して商品を提供するインターネット通販サイト『楽天24』、『楽天ブックス』等のサービスにおいては、当社グループが売買契約の当事者となります。これらの直販型の取引においては顧客に商品が到着した時点で収益を計上しています。また、履行義務の充足時期である商品到着後、概ね2ヶ月以内に支払を受けています。なお、楽天ブックスのうち、国内における書籍(和書)販売については、再販売価格維持制度を考慮すると代理人取引としての性質が強いと判断されるため、収益を関連する原価と相殺の上、純額にて計上しています。
(フィンテック)
フィンテックセグメントにおいては、『楽天カード』、『楽天証券』、『楽天銀行』等の金融サービスを提供し、主な収益を下記のとおり認識しています。
楽天カード
『楽天カード』においては、主としてクレジットカード関連サービスを提供しています。主にクレジットカード利用者と加盟店間の資金決済を通じて得られる加盟店手数料、クレジットカード利用者から得られるリボルビング払い手数料、分割払い手数料及びキャッシング手数料を得ています。加盟店手数料に関しては、カード会員のショッピング取引後、加盟店から楽天カード株式会社へ売上データが送信されたタイミングにおいて、決済サービスの提供という履行義務が充足されるため、同時点でクレジットカードの決済金額に一定の料率を乗じた手数料収益を計上しています。また、カード決済金額の1%分の通常ポイントをカード会員に付与しており、これらのポイント費用は加盟店手数料から控除しています。楽天カード株式会社はカード会員から基本的に1ヶ月に1回所定の日にカード利用代金の回収を行うため、履行義務充足後、概ね2ヶ月以内に実質的に支払を受けることとなります。リボルビング払い手数料、分割払い手数料及びキャッシング手数料に関しては、各残高に対してそれぞれ分割支払回数等に応じた一定の料率を乗じた利息収益を、IFRS第9号に従いその利息の属する期間に認識しています。
楽天証券
『楽天証券』においては、金融商品取引業務とその他の付随業務を提供し、これら取引に付随して発生する手数料やトレーディング損益、利息等を収益の源泉としています。金融商品取引業務には、国内株式取引に加え、外国株式取引、投資信託の販売等、様々な取引が存在し、それぞれの手数料体系は異なっています。現物株式に関する委託取引、信用取引及び投資信託の販売取引等に関連して発生する手数料に関しては、約定日等の取引成立時において履行義務が充足されるため、同時点において手数料収益を計上しています。現物株式取引から生じる手数料については、原則として履行義務の充足後2営業日以内に、信用取引及び先物取引から生じる手数料は建玉の決済が行われる半年から概ね1年以内に受領しています。また、IFRS第9号に従い、外国為替証拠金取引については、公正価値で測定された利得及び損失が純額で売上収益に計上され、国内株式信用取引の建玉に対する金利収益については、その利息の属する期間に収益を認識しています。
楽天銀行
『楽天銀行』においては、インターネットを通じた銀行業務(預金、貸出、為替)及びその他様々なサービスを提供しています。貸出については、個人向けローンである「楽天銀行スーパーローン」及び住宅ローンである「楽天銀行住宅ローン(金利選択型)」等を取り扱っており、貸出金利息収入を得ています。また、資金運用から生じる有価証券利息等の利息収入も得ています。貸出金利息や有価証券利息等の資金運用収益は、IFRS第9号に従い、その利息の属する期間に収益を認識しています。為替手数料等については、取引が行われた時点で履行義務が充足されるため、同時点において手数料収益を認識しています。なお、為替手数料等に関する支払は主として同日に受領しています。
(モバイル)
モバイルセグメントにおいては、『楽天モバイル』、『楽天シンフォニー』、『楽天エナジー』等のサービスを提供し、主な収益を下記のとおり認識しています。
楽天モバイル
『楽天モバイル』は、移動体通信事業者(MNO)及び仮想移動体通信事業者(MVNO)として、主に音声通話・データ通信サービス(以下「通話・通信サービス」)の提供と、携帯端末の販売を行っています。通話・通信サービスについては、契約に基づき、契約者に常時利用可能な通話・通信サービス回線を提供し、当該回線を利用した通話・通信サービスを提供することを履行義務として識別しています。また、携帯端末の販売については、携帯端末を引き渡すことを履行義務として識別しています。なお、複数のサービスをセットで提供する場合には、契約者から受領する対価をそれぞれの履行義務に対して独立販売価格で案分しています。常時利用可能な回線を維持する履行義務については時の経過に基づき、通話・通信サービスの提供の履行義務については回線の利用に応じて充足されると判断しており、したがって、回線の提供については契約期間に渡って収益を計上し、通話・通信サービスの提供については回線の利用状況に応じた回線使用料を各月の収益として計上しています。携帯端末の販売については契約者に端末を引き渡した時点で履行義務が充足されると判断しており、当該時点にて関連する収益を計上しています。いずれの履行義務に対する支払も、請求日から概ね2ヶ月以内に受領しています。
Rakuten Symphony Singapore
Rakuten Symphony Singapore Pte. Ltd.は、Open RANベースの通信インフラプラットフォームの販売及び関連サービスの提供を行っています。当サービスでは、契約に基づき、顧客に機器及びグループ会社が開発したソフトウエアの販売を行うこと並びに当該ソフトウエアの保守・運用サービスを提供することを履行義務として認識しています。機器及びソフトウエアの販売については、顧客の検収をもって履行義務が充足されるため、検収完了時に収益を計上しています。ソフトウエアの保守・運用サービスには、日常的なサービスと特定のサポートサービスが含まれます。日常的なサービスは、時の経過に応じて履行義務が充足されるため、役務提供期間にわたり収益を認識しています。特定のサポートサービスは、契約に基づき顧客への役務提供が完了した時点で収益を認識しています。いずれの履行義務に対する支払も、請求日から概ね1ヶ月以内に受領しています。
楽天エナジー
『楽天エナジー』においては、電気事業法に基づく小売電気事業者として、「楽天でんき」の運営を行っており、契約に基づき、顧客である契約者に電気を販売する履行義務を負っています。当該履行義務は調達した電気を一般送配電事業者等を介し顧客へ供給した時点で充足されると判断しており、したがって、顧客の電力の利用状況に応じた電力使用料を各月の収益として計上しています。主に使用電力量にプランごとに設定されている地域別の単価を乗じた金額を、月ごとに契約者に請求しており、当該支払は請求日から概ね2ヶ月以内に受領しています。なお、再生可能エネルギーの固定価格買取制度に基づき顧客から徴収し費用負担調整機関へ納付する再生可能エネルギー発電促進賦課金については、売上、売上原価の双方から除外しています。
なお、日本政府によるコロナ禍における「物価高克服・経済再生実現のための総合経済対策」に基づく施策である「電気・ガス価格激変緩和対策事業」(2023年1月より発動)により受領する補助金について、IAS第20号「政府補助金の会計処理及び政府援助の開示」(以下「IAS第20号」)に基づき会計処理を行い、売上収益に含めて表示しています。また、受領する当該補助金は、事業の趣旨に従い、適切に全額小売価格に反映させています。
(16) 契約コスト
当社グループは、顧客との契約獲得のための増分コスト及び契約に直接関連する履行コストのうち、回収可能であると見込まれる部分について資産(以下「契約コストから認識した資産」)として認識しており、連結財政状態計算書上は「その他の資産」に計上しています。契約獲得のための増分コストとは、顧客との契約を獲得するために発生したコストで、当該契約を獲得しなければ発生しなかったであろうものです。
当社グループにおける契約コストから認識した資産は、主に『楽天カード』と『楽天モバイル』において計上されており、計上時及び四半期ごとに回収可能性の検討を行っています。
回収可能性の検討に用いる見積り及び仮定は、前提とした状況が変化すれば、契約コストから認識した資産に関する減損損失を損益に認識することにより、契約コストから認識した資産の金額に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しています。
楽天カード
資産計上されている契約獲得のための増分コストは、主に顧客を獲得するために発生した入会関連費用です。また、契約に直接関連する履行コストは、主にカードの作成に関する費用です。資産計上された当該入会関連費用は新規入会者に付与した楽天ポイントに関するコストであり、契約を獲得しなければ発生しなかった増分コストです。なお、当該費用を資産計上する際には、カードの有効稼働会員割合等を加味した上で、回収が見込まれる金額のみを資産として認識しています。
当該資産については、会員のカード利用による決済サービスの提供という履行義務が充足されるカード会員の見積契約期間に応じた5年間から10年間の均等償却を行っています。
回収可能性の検討に当たっては、当該資産の帳簿価額が、カード会員との契約が継続すると見込まれる期間に渡り関連するクレジットカード関連サービスと交換に当社グループが受け取ると見込んでいる対価の残りの金額から、当該サービスの提供に直接関連し、まだ費用として認識されていないコストを差し引いた金額を超過しているかどうかの判断を行っています。
楽天モバイル
資産計上されている契約獲得のための増分コストは、主に代理店手数料及びアフィリエイトプログラムに関する費用です。また、契約に直接関連する履行コストは、主に端末・SIMの発送に関する費用及びインターネット回線のセットアップ費用です。資産計上された代理店手数料及びアフィリエイトプログラムに関する費用は、顧客の獲得に応じて支払う手数料であり、契約を獲得しなければ発生しなかった増分コストです。
通話・通信サービスに係る当該資産においては、通信サービスの提供という履行義務が充足されるユーザーの継続利用期間を見積って36ヶ月から100ヶ月で均等償却を行っています。通話・通信サービス及び携帯端末の販売をセットで提供する場合には、契約獲得のための増分コストは、それぞれの履行義務の独立販売価格の比率に基づき配分した上で、携帯端末の販売に係る当該資産については、契約者に端末を引き渡した時点で一時に償却しています。
回収可能性の検討に当たっては、当該資産の帳簿価額が、ユーザーとの契約が継続すると見込まれる期間に渡り関連する通話・通信と交換に当社グループが受け取ると見込んでいる対価の残りの金額から、当該サービスの提供に直接関連し、まだ費用として認識されていないコストを差し引いた金額を超過しているかどうかの判断を行っています。
(17) 金融収益及び金融費用
金融収益は、主として受取利息、受取配当金及び純損益を通じて公正価値で測定する金融商品の公正価値の変動等から構成されています。受取利息は、実効金利法により発生時に認識しています。受取配当金は、当社グループの受領権が確定した日に認識しています。
一方、金融費用は、主として支払利息等から構成されています。支払利息は、実効金利法により発生時に認識しています。
なお、当社グループにおける金融事業を営む子会社から生じた金融収益及び金融費用は、「売上収益」及び「営業費用」に含められています。
(18) 従業員給付
① 短期従業員給付
短期従業員給付については、割引計算は行わず、関連するサービスが提供された時点で費用として計上しています。賞与については、それらを支払うべき現在の法的又は推定的債務を負っており、かつ、その金額を信頼性をもって見積ることができる場合に、それらの制度に基づいて支払われると見積られる額を負債として認識しています。
② 退職後給付
当社グループは、退職給付制度として、主に確定給付制度を採用しています。
確定給付制度
確定給付負債(資産)の純額は、確定給付制度債務の現在価値から、制度資産の公正価値(必要な場合には、確定給付資産の上限、最低積立要件への調整を含む)を控除したものであり、退職給付に係る資産又は負債として連結財政状態計算書で認識しています。確定給付制度債務は、予測単位積増方式に基づいて算定され、その現在価値は、将来の予想支払額に割引率を適用して算定しています。割引率は、給付が見込まれる期間に近似した満期を有する優良社債の利回りを参照して決定しています。
勤務費用及び確定給付負債(資産)の純額に係る利息純額は純損益として認識しています。数理計算上の差異、純利息費用に含まれる部分を除く制度資産に係る収益の変動については、それらが生じた期間において確定給付制度に係る再測定としてその他の包括利益に認識しています。また、過去勤務費用は、制度改訂又は縮小が発生した時、あるいは関連するリストラクチャリング費用又は解雇給付を認識した時の、いずれか早い方の期において純損益として認識しています。
(19) 法人所得税
法人所得税費用は、当期税金及び繰延税金から構成されています。これらは、企業結合から生じた項目、その他の包括利益で認識される項目及び資本に直接認識される項目に関連する税金を除き、純損益で認識しています。
当期税金は、期末日において施行され、又は実質的に施行されている法定税率(及び税法)を使用して、税務当局に納付(又は税務当局から還付)される予想額で算定しています。
当社グループは、資産及び負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務上の基準額との間に生じる一時差異、将来の課税所得と相殺可能な繰越欠損金及び将来の税額から控除可能な税額控除に対して、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しています。当該繰延税金資産及び繰延税金負債の算定には、期末日において施行され、又は実質的に施行されている法令に基づき、関連する繰延税金資産が実現する時、又は繰延税金負債が決済される時において適用されると予想される税率を使用しています。繰延税金資産は、将来の課税所得を稼得する可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異及び全ての未使用の繰越欠損金並びに税額控除について認識しています。
子会社、関連会社及び共同支配企業に対する投資に係る一時差異について、繰延税金資産又は繰延税金負債を認識しています。ただし、繰延税金負債については、一時差異の解消時期をコントロールでき、かつ、予測可能な期間内での一時差異の解消が期待できない可能性が高い場合には認識していません。また、繰延税金資産については、一時差異からの便益を利用するのに十分な課税所得があり、予測可能な期間内で一時差異の解消される可能性が高いと認められる範囲内で認識しています。
繰延税金資産及び繰延税金負債の相殺が行われるのは、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法的に強制力のある権利を有しており、かつ、繰延税金資産及び繰延税金負債が単一の納税事業体又は純額ベースでの決済を行うことを意図している異なる納税事業体に対して、同一の税務当局によって課されている法人所得税に関連するものに対してです。
当社及び一部子会社は、グループ通算制度又は連結納税制度を適用しています。
当社グループは、「国際的な税制改革-第2の柱モデルルール」(IAS第12号「法人所得税」の改訂)を適用しています。本改訂は、OECDによるBEPSの第2の柱GloBE(グローバル・ミニマム課税)ルールを導入するために制定された又は実質的に制定された税法から生じる法人所得税にIAS第12号が適用されることを明確化しました。しかし、企業に対し、グローバル・ミニマム課税ルールから生じる法人所得税に関する繰延税金資産及び負債を認識及び開示しないことを要求する一時的な例外措置を定めています。当社グループは、IAS第12号で定められる例外措置を適用し、グローバル・ミニマム課税ルールから生じる法人所得税に関する繰延税金資産及び負債について認識及び開示を行っていません。
第2の柱モデルルールは、当社グループが営業活動を行っている一定の法域にて制定されています。本法律は、2024年1月1日以降に開始する当社グループの連結会計年度に適用されます。当社グループは、第2の柱モデルルールが制定された又は実質的に制定されている法律の範囲内にあるため、第2の柱の法人所得税に対する潜在的影響を評価しました。
当該評価は、当社グループの構成企業の直近の税務申告や国別報告に基づいています。当該評価では、当社グループが営業活動を行っている法域のほとんどで第2の柱の実効税率は15%を上回っており、15%を下回っている法域についても税率及び所得見込額に基づいて判断した結果、法人所得税への重要性のある影響は想定していません。
(20) 1株当たり利益
基本的1株当たり利益又は損失は、親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して算定しています。希薄化後1株当たり利益又は損失は、全ての希薄化効果のある潜在的普通株式による影響について、親会社の所有者に帰属する当期利益又は損失及び自己株式を調整した発行済株式の加重平均株式数を調整することにより算定しています。当社グループの潜在的普通株式は、ストック・オプション制度に係るものです。
(21) セグメント情報
事業セグメントとは、他の事業セグメントとの取引を含む、収益を稼得し費用を発生させる事業活動の構成単位です。全ての事業セグメントの事業の成果は、個別にその財務情報が入手可能なものであり、かつ、各セグメントへの経営資源の配分及び業績の評価を行うために、当社グループの最高経営意思決定者である取締役会において定期的にレビューしています。
[会計方針の変更]
当社グループは、当連結会計年度より以下の基準を適用しています。なお、この適用に伴う当連結会計年度の連結財務諸表への重要な影響はありません。
IFRS | 新設・改訂内容 | |
IAS 第1号 | 財務諸表の表示 | 債務及び他の負債を流動又は非流動にどのように分類するのかを明確化 |
IAS 第1号 | 財務諸表の表示 | 特約条項付の長期債務に関して企業が提供する情報を改善するためのもの |