有価証券報告書-第51期(平成30年4月1日-平成31年3月31日)
本項の記載内容のうち、将来に関する事項を記載している場合には、当該事項は当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、不断に変化する事業環境に的確に対応し、ステークホルダーの視点から当社としての企業経営のあり方を明確にするため、次の「経営理念」を掲げております。
・ IT価値を提供することにより、社会・お客さまの発展に貢献する。 (社会・お客さまの信用)
・ 変化に対応できる強靭な企業体質を構築し、企業価値の向上を図る。 (会社の繁栄)
・ 個人価値を自ら向上させ、組織貢献できる社員に活躍の場を提供する。(社員の成長)
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当企業集団は、2017年4月より中期経営計画「S.KCSチャレンジ50“飛躍”~PhaseⅡ 100年企業に向かって飛躍 ~」(2017年4月~2020年3月)に取り組んでおります。
本中期経営計画(以下、「本計画」という。)は、前中期経営計画において「企業体質強化」のために取り組んだ施策の効果を具現化することにより「安定成長を実現する期間(PhaseⅡ)」と位置付けております。
この計画の2年目に創立50周年(2019年3月29日)を迎えることから、本計画終了時点における当社の姿として、次のビジョンを掲げております。
また、各年度の位置付けと何をすべきかを明確化するため、1年目は体質強化を具現化する「萌芽」、2年目は安定成長の持続を具現化する「生長」、3年目は一流の証を具現化する「結実」の年度と定め、本計画で取り組む各種施策の工程管理を行っております。
本計画では、これまで取り組んできた既存事業の活性化と新しい事業領域への参入という「選択と集中」を念頭に置きつつ、主な事業戦略として次の5項目に注力しております。
① ソリューション/サービス提供型ビジネスの比重拡大
決済関連サービス『さくらUTOPIAゲートウェイ』シリーズ及び自治体向け周辺業務パッケージ 『Sossianクラウド』シリーズといった自社ソリューション/サービスの商品力強化・サービスメニュー拡充に取り組み、従来型の個別受託開発ビジネスからソリューション/サービス提供型ビジネスへのシフトを進めます。
② 成果物・サービスの品質向上
不採算案件の一層の抑制及び品質の向上を図るため、「本部の所管部門による第三者検証」や「トラブル事例の分析」といった組織的な対応に加え、「プロジェクト管理ツールの刷新」によるシステム的な対応を行い、不採算化する予兆察知能力及び品質の向上に取り組みます。
③ 一般民需向け直販ビジネスの強化
市場規模の大きい首都圏市場については、ソリューション/サービス提供型ビジネスにより優良顧客の開拓に取り組むとともに、マザーマーケットである兵庫県を中心とした関西圏市場については、既存顧客との関係強化及びITインフラサービスの強化による地域密着型営業を推進します。
④ SMBCグループ向け/富士通をはじめとする大手ベンダー向けビジネスの進化・深化
当社の主要取引先であるSMBCグループや富士通グループ向け取引については、当社が強みを持つ領域においてニーズ対応力の強化によりさらなるシェア拡大に注力するとともに、新たな領域への参入も進めます。
⑤ 戦略ビジネス/ニュービジネスの育成
戦略的に推進する事業を担当する「戦略ビジネス事業部」を2017年4月1日付で新設し、本部からの支援・関与を強化することによる事業の拡大を図ります。また、AI(人工知能)やIoT(*1)といった新技術、今後さらなる普及・拡大が見込まれるクラウドコンピューティングについても取組みを強化します。
(注) 2019年4月1日付で「戦略ビジネス事業部」を再編し、同事業部で推進していたITインフラサービス及びコンサルティング、ヘルスケアの各ビジネスは、他事業部門とのシナジー効果を得る観点より、事業部として推進する体制から各ビジネス独自に成長を図る体制に変更しております。
また、こうした事業戦略を含む本計画の推進並びにビジョン達成を担う従業員が個性・能力を最大限に発揮することを促すため、働き方改革や処遇制度の見直し、人材育成の強化といった人事施策について優先的に取り組んでおります。
(3) 目標とする経営指標
当企業集団では、上記の中期経営計画の推進にあたり、到達点を明確にするため、経営指標及び経営目標を設定しております。
経営指標につきましては、株主価値及び資本効率重視の観点から「ROE(自己資本利益率)」を、また、安定配当を基本方針としつつ、株主還元方針の目安となる「配当性向」も重視しております。そして、これら経営指標の向上のため、事業の収益性を示す「営業利益率」の向上に注力してまいります。
経営目標につきましては、「女性の職場生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づき策定した行動計画目標やお客さま・社員の満足度、社会貢献活動への参加率などの目標を設定し、本計画におけるビジョンの達成を目指してまいります。
*1 「IoT」とは、Internet of Things の略で、パソコンやスマートフォンなどのIT関連機器だけでなく、自動車・家電・ロボット・施設などのさまざまな「モノ」がセンサーと通信機能によりインターネットに接続し、情報通信を行うことであります。
(4) 会社の対処すべき課題
今後のわが国経済の見通しにつきましては、国内では消費税率引上げの影響など、海外ではBrexitや米中貿易摩擦の動向など懸念要因があるものの、引き続き緩やかな回復が続くことが期待されます。
情報サービス産業におきましても、産業分野を中心に情報化投資の増加が引き続き見込まれますが、従来型のシステム構築やアウトソーシングに振り向けられる投資の比重が徐々に低下する傾向にあることから、中期経営計画の事業戦略として掲げるソリューション/サービス提供型ビジネスの比重拡大や戦略ビジネス/ニュービジネスの育成に確実に取り組んでいく必要があります。
このような事業環境の下で、当企業集団は中期経営計画の最終年度を『結実』と位置付け、計画の完遂及び前期比増収増益を達成し、安定成長路線を磐石なものとするとともに、2020年4月からスタートする次期中期経営計画の助走期間として、準備を進めてまいります。
特に対処すべき当面の課題として、次の3項目に注力してまいります。
① システム構築力(ものづくり力)と技術力の強化
システム構築力(ものづくり力)と技術力の強化につきましては、2018年6月に立ち上げたステアリング・コミッティーにおいて、効果的な人材育成策や開発スタイル改革の検討、先端技術の研究・検証などを進めております。
今後は、より具体的な行動に移すフェーズと捉え、お客さまニーズに最適なシステムを構築するためのスキル・開発環境のレベルアップやDevOps(*2)・アジャイル開発(*3)といった開発スタイルの導入・実践、AI・RPA(*4)に関連するビジネスの具体化、選抜・指名研修による高スキル人材の育成などに取り組んでまいります。
そのため、社内において技術戦略を統括している技術統括部を2019年4月に社長直轄の単独部門とし、新しいビジネスやサービス・商品について、その企画からマーケティング、プロモーション、セールス、制作までに対応する部門と位置付け、着実に進めてまいります。
② 事業ポートフォリオの見直し
現中期経営計画では、これまで取り組んできた既存事業の活性化と新しい事業領域への参入という「選択と集中」を念頭に置きつつ5つの事業戦略に注力しており、これまでも個別の業務について定期的な評価と必要な対応を実施しております。
しかしながら、不採算・低採算を余儀なくされている領域が残る一方で、成長が見込まれるものの経営資源の投入が不足している領域もあることから、次期中期経営計画の期間内において事業ポートフォリオ再構築を着実に成し遂げるため、各事業の採算性・成長性の再評価を行ってまいります。
③ 人事制度改革の推進
現在の人事制度は、既に導入から10年以上が経過しており、この間の労働環境や各種制度の変化、運用面における課題の表面化など、会社全体の活性化を目指す上で大きく見直す必要が生じております。
見直しが必要な項目は、制度運用の改善からその根幹の変更に及ぶものまで多岐にわたりますが、プロジェクトチームでの協議を経た上で、順次実施に移しております。
残る課題についても、2020年4月からの次期中期経営計画開始時には全面実施できるよう、着実に進めてまいります。
*2 「DevOps」とは、Development(開発)とOperations(運用)を組み合わせた用語であり、ソフトウェアの開発を迅速に行うために、開発担当者と運用担当者の連携・協力を重視する開発手法のことであります。
*3 「アジャイル開発」とは、開発対象を小さな機能に分割して短期間かつ反復的に開発を行うことにより、お客さまの要望の変化やシステムの仕様変更・機能追加などに臨機応変な対応が可能となる開発手法のことであります。
*4 「RPA」とは、Robotic Process Automation の略で、これまで人間が手作業で行っていた仕事を、ルールエンジンやAI、機械学習等の認知技術を取り入れたロボットに代行してもらうことにより、業務の自動化や効率化を図る取組みのことであります。
(1) 会社の経営の基本方針
当社は、不断に変化する事業環境に的確に対応し、ステークホルダーの視点から当社としての企業経営のあり方を明確にするため、次の「経営理念」を掲げております。
・ IT価値を提供することにより、社会・お客さまの発展に貢献する。 (社会・お客さまの信用)
・ 変化に対応できる強靭な企業体質を構築し、企業価値の向上を図る。 (会社の繁栄)
・ 個人価値を自ら向上させ、組織貢献できる社員に活躍の場を提供する。(社員の成長)
(2) 中長期的な会社の経営戦略
当企業集団は、2017年4月より中期経営計画「S.KCSチャレンジ50“飛躍”~PhaseⅡ 100年企業に向かって飛躍 ~」(2017年4月~2020年3月)に取り組んでおります。
本中期経営計画(以下、「本計画」という。)は、前中期経営計画において「企業体質強化」のために取り組んだ施策の効果を具現化することにより「安定成長を実現する期間(PhaseⅡ)」と位置付けております。
この計画の2年目に創立50周年(2019年3月29日)を迎えることから、本計画終了時点における当社の姿として、次のビジョンを掲げております。
| 社会、お客さま、社員及びその家族、株主の皆さまなど 誰からも信認されることにより一流と評される会社を目指し、 50年企業から100年企業への第一歩を踏み出す |
また、各年度の位置付けと何をすべきかを明確化するため、1年目は体質強化を具現化する「萌芽」、2年目は安定成長の持続を具現化する「生長」、3年目は一流の証を具現化する「結実」の年度と定め、本計画で取り組む各種施策の工程管理を行っております。
本計画では、これまで取り組んできた既存事業の活性化と新しい事業領域への参入という「選択と集中」を念頭に置きつつ、主な事業戦略として次の5項目に注力しております。
① ソリューション/サービス提供型ビジネスの比重拡大
決済関連サービス『さくらUTOPIAゲートウェイ』シリーズ及び自治体向け周辺業務パッケージ 『Sossianクラウド』シリーズといった自社ソリューション/サービスの商品力強化・サービスメニュー拡充に取り組み、従来型の個別受託開発ビジネスからソリューション/サービス提供型ビジネスへのシフトを進めます。
② 成果物・サービスの品質向上
不採算案件の一層の抑制及び品質の向上を図るため、「本部の所管部門による第三者検証」や「トラブル事例の分析」といった組織的な対応に加え、「プロジェクト管理ツールの刷新」によるシステム的な対応を行い、不採算化する予兆察知能力及び品質の向上に取り組みます。
③ 一般民需向け直販ビジネスの強化
市場規模の大きい首都圏市場については、ソリューション/サービス提供型ビジネスにより優良顧客の開拓に取り組むとともに、マザーマーケットである兵庫県を中心とした関西圏市場については、既存顧客との関係強化及びITインフラサービスの強化による地域密着型営業を推進します。
④ SMBCグループ向け/富士通をはじめとする大手ベンダー向けビジネスの進化・深化
当社の主要取引先であるSMBCグループや富士通グループ向け取引については、当社が強みを持つ領域においてニーズ対応力の強化によりさらなるシェア拡大に注力するとともに、新たな領域への参入も進めます。
⑤ 戦略ビジネス/ニュービジネスの育成
戦略的に推進する事業を担当する「戦略ビジネス事業部」を2017年4月1日付で新設し、本部からの支援・関与を強化することによる事業の拡大を図ります。また、AI(人工知能)やIoT(*1)といった新技術、今後さらなる普及・拡大が見込まれるクラウドコンピューティングについても取組みを強化します。
(注) 2019年4月1日付で「戦略ビジネス事業部」を再編し、同事業部で推進していたITインフラサービス及びコンサルティング、ヘルスケアの各ビジネスは、他事業部門とのシナジー効果を得る観点より、事業部として推進する体制から各ビジネス独自に成長を図る体制に変更しております。
また、こうした事業戦略を含む本計画の推進並びにビジョン達成を担う従業員が個性・能力を最大限に発揮することを促すため、働き方改革や処遇制度の見直し、人材育成の強化といった人事施策について優先的に取り組んでおります。
(3) 目標とする経営指標
当企業集団では、上記の中期経営計画の推進にあたり、到達点を明確にするため、経営指標及び経営目標を設定しております。
経営指標につきましては、株主価値及び資本効率重視の観点から「ROE(自己資本利益率)」を、また、安定配当を基本方針としつつ、株主還元方針の目安となる「配当性向」も重視しております。そして、これら経営指標の向上のため、事業の収益性を示す「営業利益率」の向上に注力してまいります。
経営目標につきましては、「女性の職場生活における活躍の推進に関する法律(女性活躍推進法)」に基づき策定した行動計画目標やお客さま・社員の満足度、社会貢献活動への参加率などの目標を設定し、本計画におけるビジョンの達成を目指してまいります。
| 項 目 | 本計画終了時点の 目標 | 備 考 | |
| 経営指標 | ①ROE(自己資本利益率) | 3% | 70%以上の自己資本比率を堅持することにより健全な財務体質を維持しつつ、資本効率の安定的な改善を目指します。 |
| ②配当性向 | 30~40%を 目安とした安定配当 | 安定配当方針を堅持しつつ、市場平均水準を意識してまいります。 | |
| 経営目標 | ①労働者全体の残業時間 | 月平均23時間以内 | 「女性活躍推進法」における行動計画目標として掲げているものであり、「働き方改革」の観点においても重要視しております。 |
| ②有給休暇の取得率 | 70%(14日以上) | ||
| ③係長級の役職者に占める女性割合 | 12%以上 | ||
| ④社員向け職場アンケートにおける 社員満足度向上 | - | 社員満足度の向上により社内活性化を図ってまいります。 | |
| ⑤CSアンケートにおける 顧客満足度向上 | - | お客さま起点の徹底によりお客さまからの信認を得られるよう努めてまいります。 | |
| ⑥社員による 社会貢献活動参加率向上 | - | 社会からの信認を高めるよう努めてまいります。 |
*1 「IoT」とは、Internet of Things の略で、パソコンやスマートフォンなどのIT関連機器だけでなく、自動車・家電・ロボット・施設などのさまざまな「モノ」がセンサーと通信機能によりインターネットに接続し、情報通信を行うことであります。
(4) 会社の対処すべき課題
今後のわが国経済の見通しにつきましては、国内では消費税率引上げの影響など、海外ではBrexitや米中貿易摩擦の動向など懸念要因があるものの、引き続き緩やかな回復が続くことが期待されます。
情報サービス産業におきましても、産業分野を中心に情報化投資の増加が引き続き見込まれますが、従来型のシステム構築やアウトソーシングに振り向けられる投資の比重が徐々に低下する傾向にあることから、中期経営計画の事業戦略として掲げるソリューション/サービス提供型ビジネスの比重拡大や戦略ビジネス/ニュービジネスの育成に確実に取り組んでいく必要があります。
このような事業環境の下で、当企業集団は中期経営計画の最終年度を『結実』と位置付け、計画の完遂及び前期比増収増益を達成し、安定成長路線を磐石なものとするとともに、2020年4月からスタートする次期中期経営計画の助走期間として、準備を進めてまいります。
特に対処すべき当面の課題として、次の3項目に注力してまいります。
① システム構築力(ものづくり力)と技術力の強化
システム構築力(ものづくり力)と技術力の強化につきましては、2018年6月に立ち上げたステアリング・コミッティーにおいて、効果的な人材育成策や開発スタイル改革の検討、先端技術の研究・検証などを進めております。
今後は、より具体的な行動に移すフェーズと捉え、お客さまニーズに最適なシステムを構築するためのスキル・開発環境のレベルアップやDevOps(*2)・アジャイル開発(*3)といった開発スタイルの導入・実践、AI・RPA(*4)に関連するビジネスの具体化、選抜・指名研修による高スキル人材の育成などに取り組んでまいります。
そのため、社内において技術戦略を統括している技術統括部を2019年4月に社長直轄の単独部門とし、新しいビジネスやサービス・商品について、その企画からマーケティング、プロモーション、セールス、制作までに対応する部門と位置付け、着実に進めてまいります。
② 事業ポートフォリオの見直し
現中期経営計画では、これまで取り組んできた既存事業の活性化と新しい事業領域への参入という「選択と集中」を念頭に置きつつ5つの事業戦略に注力しており、これまでも個別の業務について定期的な評価と必要な対応を実施しております。
しかしながら、不採算・低採算を余儀なくされている領域が残る一方で、成長が見込まれるものの経営資源の投入が不足している領域もあることから、次期中期経営計画の期間内において事業ポートフォリオ再構築を着実に成し遂げるため、各事業の採算性・成長性の再評価を行ってまいります。
③ 人事制度改革の推進
現在の人事制度は、既に導入から10年以上が経過しており、この間の労働環境や各種制度の変化、運用面における課題の表面化など、会社全体の活性化を目指す上で大きく見直す必要が生じております。
見直しが必要な項目は、制度運用の改善からその根幹の変更に及ぶものまで多岐にわたりますが、プロジェクトチームでの協議を経た上で、順次実施に移しております。
残る課題についても、2020年4月からの次期中期経営計画開始時には全面実施できるよう、着実に進めてまいります。
*2 「DevOps」とは、Development(開発)とOperations(運用)を組み合わせた用語であり、ソフトウェアの開発を迅速に行うために、開発担当者と運用担当者の連携・協力を重視する開発手法のことであります。
*3 「アジャイル開発」とは、開発対象を小さな機能に分割して短期間かつ反復的に開発を行うことにより、お客さまの要望の変化やシステムの仕様変更・機能追加などに臨機応変な対応が可能となる開発手法のことであります。
*4 「RPA」とは、Robotic Process Automation の略で、これまで人間が手作業で行っていた仕事を、ルールエンジンやAI、機械学習等の認知技術を取り入れたロボットに代行してもらうことにより、業務の自動化や効率化を図る取組みのことであります。