訂正有価証券報告書-第21期(平成29年4月1日-平成30年3月31日)
有報資料
(1)経営方針
当社グループは、「中立・客観的立場から豊富で偏りのない金融情報を提供し、投資家の皆様の資産形成に役立つ
こと」を事業目的に、金融を中心とした情報社会に不可欠な企業グループとして成長していきたいと思っております。
そのために、当社グループの信用力・ブランド力の向上を図るとともに、提供情報・商品を発展・拡充して、投資家・
消費者のためにより有用な情報を提供すること、そのための情報提供チャネルを開拓していくことなどにより、中長
期の事業運営をしていく所存であります。
(2)経営環境と中長期的な経営戦略および対処すべき課題
中長期の経営目標を達成するために、具体的には以下の施策に重点を置いて中長期の事業運営を行なってまいりま
す。
なお、将来に関する事項は、当有価証券報告書提出日現在において判断したものです。
① 評価情報の中立性および信頼性の更なる向上
当社グループの営業基盤は、当社グループが行なう各種の評価情報の客観性と中立性にあると考えております。
そのため、ユーザーからの当社グループの信頼性が損なわれないように、評価情報が客観的事実に基づくものか否
かのチェック体制を構築しております。今後も評価情報の客観性を高め、中立性の確保を図り、信頼性を更に向上
させる必要があると考えております。
② ブランディング
当社グループは、「中立・客観的立場から豊富で偏りのない金融情報を提供し、投資家の皆様の資産形成に役立つこと」を目的に事業を行なっております。
この目的のためには、より多くの一般投資家・消費者の皆様に当社グループの比較・評価情報の意義・内容を理解していただく必要があり、当社グループの客観的な比較・評価情報を入手する機会を増加させる必要があります。そのためには、「モーニングスター」「ゴメス」「株式新聞」「サーチナ」のブランドを社会的に確立する努力が不可欠であり、ブランドの確立により、ウェブサイトほかの広告価値や提供データの利用価値を高め、業績の向上を図りたいと考えております。
③ フィデューシャリー・デューティー(金融機関の顧客本位の業務運営)への適応
政府が2016年6月2日に閣議決定した「日本再興戦略2016」のなかに「金融機関に対しては、利益相反の適切な管理や運用高度化等を通じ真に顧客・受益者の利益にかなう業務運営がなされるよう、フィデューシャリー・デューティーの徹底を図ることとし、これにより、国民の安定的な資産形成への貢献を促す」とあります。これは「中立・客観的立場から豊富で偏りのない金融情報を提供し、投資家の皆様の資産形成に役立つこと」とする当社の事業の目的と合致するものであります。
また、その具体策として、金融庁は2016年9月15日に公表した「平成27事務年度金融レポート」のなかで、金融機関に対し、(1) 良質な金融商品の提供と投資信託選定プロセスの透明化、(2) 金融機関と顧客の間にある「情報の非対称性」の解消と顧客本位の業務運営、(3) 顧客の金融リテラシー強化と顧客の「投資への興味促進」を求めています。当社は、これらの具体策のソリューションとなるサービスを金融機関に提供してまいりました。
(1)について、当社は、金融機関に投資信託のラインナップ分析や導入ファンドの選定支援などのファンドレポートを提供しております。(2)について、当社は、投資信託の販売員の方が顧客に適切な投資信託の提案をするツールとしてタブレットアプリを提供しております。(3)について、当社は投資家の皆様に金融情報をWEB上で無料提供し、金融セミナーに無料でご招待しております。
今後も金融機関が進めるフィデューシャリー・デューティーに適合するより良いソリューションを提供し、金融市場の健全化に伴って、当社グループも健全な成長をしていきたいと考えております。
④ 評価情報の拡大および金融情報データベースの拡充
当社は、国内外の投資信託をはじめとする金融情報をデータベースに蓄え、このデータベースを基盤として、順次提情報の質的・量的拡充に努めてまいりました。
その最近の取り組みは、以下のとおりです。
(ETF(上場投資信託)の評価情報)
2017年2月7日に、今後非常に高い成長が見込まれるETF(上場投資信託)の評価情報の提供を開始いたしました。ETFの評価情報の提供は国内初のものであります。
(企業の信用力評価・債券の格付)
わが国の社債市場は、米国ほか主要先進国の社債市場や国内株式市場・投資信託市場と比較した場合、企業の資金調達の市場としても、投資家の投資対象としても、未発達であります。
2017年3月16日に設立した子会社MSクレジットリサーチは、現存の格付企業とは一線を画したオリジナルな分析手法を開発し、幅広い銘柄を対象に中立的かつ客観的な立場から企業の信用力を調査し、債券格付の情報提供を行うことで社債市場の健全な発展に寄与することを目指しております。
(仮想通貨の評価情報)
当社グループは、2017年10月に、仮想通貨のポータルサイトを立ち上げ、仮想通貨の取引価格情報や仮想通貨関連ニュース、国内外のICO(イニシャル・コイン・オファリング:新規仮想通貨公開)の予定表ならびに当社が行うICOの格付情報など、仮想通貨の評価情報の提供を開始いたしました。
仮想通貨は、まだ、信用できる情報ソースも少なく、投資家が正確な投資判断を行なえる状況とは言えない状況です。
当社ではこれまで培ってきた投資信託や債券の格付の評価手法やノウハウを応用し、中立かつ客観的な分析評価に基づいた仮想通貨の格付を国内外の投資家に向け、提供していく予定です。
当社グループは、上記のほか、国内・海外のファンドデータ、株式、企業情報、仮想通貨等のデータをさらに拡充し、他社の追随を許さない総合的金融情報のデータベースを築きたいと考えております。
また、(4)設備投資の状況に記載のとおり、提供サービスの品質向上、情報データベースの拡充のための設備投資を怠りなく実施していきたいと考えております。
⑤ 情報環境の変化に迅速かつ適切に対応できる体制の構築
当社は、スマートフォンやスマートタブレットなどの最新の情報端末による金融情報提供を行ない、最新のコミュニケーションツールを活用するなど、金融市場、インターネット環境の変化に適宜対応する努力をしてまいりました。
11ページに記載のとおり、2011年3月期に開始したタブレットアプリによるファンドデータの提供は、当連結会計年度末には52,656台となり、タブレットアプリによるデータ提供は、当社の収益の柱の大きな1つとなりました。2016年3月期に開始した「ロボ・アドバイザー・ツール」などフィンテック関連の売上も着実に成長しております。
今後も、情報環境の変化に対応できる体制を構築し、常に最新の情報機器、コミュニケーションツールを活用した商品・サービスを提供していきたいと考えております。
⑥ アセットマネジメント事業の強化
当社は、2012年10月12日に、公募株式投資信託を中心とした投資運用業および投資助言業を行なうSBIアセットマネジメントの株式を取得し、子会社といたしました。
子会社化当時、809億円(2012年9月末残高)であったSBIアセットマネジメントの運用するファンドの純資産残高は、当連結会計年度末には3,273億円と約4倍に成長いたしました。これは、お客様の視点に立った革新性ある運用商品を順次提供し、投資家の皆様の支持を得た結果であると思います。
これからも、SBIアセットマネジメントは、当社のグローバルなファンド・ETFの評価情報を活用して、お客様本位の「良質なファンド」を提供し、アセットマネジメント事業を強化していきたいと考えております。