有価証券報告書-第28期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/28 13:00
【資料】
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【項目】
139項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日(2021年6月28日)現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針等
① 経営理念
当社グループは、インターネットにおけるコミュニティ関連サービスの提供を通じて、世界の人々の交流を促進し、新たな経済価値創造による社会の発展、国際交流促進による世界の平和に貢献することを経営理念としております。そのため、地球規模での人と人との交流を大切にしたいと考えております。
② 経営方針
当社グループは、「世界No.1のグローバル・オンライン・コミュニティ・カンパニー」を目指し、継続的な収益の拡大を実現するため、オンラインゲーム事業及びスマートフォンアプリ事業を中心にグローバルなビジネス展開を推進し、世界規模のビジネスネットワークの構築に向けて取り組んでおります。
(2)経営戦略等
当社グループは、ゲーム事業ではオンラインゲーム事業からスマートフォンアプリ事業を主力事業に移行すべく、スマートフォンアプリの開発とそのビジネスの推進を行ってまいりました。
スマートフォンアプリの開発においては、当社グループが開発したMMORPG(*)の2大タイトルであるPCオンラインゲーム「Flyff Online(フリフオンライン)」及び「Rappelz Online(ラペルズオンライン)」を題材としたスマートフォンアプリの開発に注力し、2014年12月にスマートフォンアプリ「Flyff All Stars(フリフオールスターズ)」のダウンロード配信を開始し、2017年1月にスマートフォンアプリ「Flyff Legacy(フリフレガシー)」のダウンロード配信を開始いたしました。また、2020年3月にはスマートフォンアプリ「Rappelz M(ラペルズモバイル)」の東南アジアでのダウンロード配信を開始し、欧米を中心とするグローバル地域での配信について2022年3月期のリリースに向けて準備を進めております。
当社グループは、スマートフォンアプリ事業の売上高拡大を図るため、良質なゲームタイトルに経営資源を集中することにより、スマートフォンアプリ事業の収益化に向けて注力してまいります。具体的には、「Rappelz M(ラペルズモバイル)」の今後サービス提供予定の欧米等のグローバル地域において、オンラインゲーム事業で培われた当社グループの強みであるグローバルなネットワークを活かした多言語展開を行い、スマートフォンアプリの事業展開に注力してまいります。
また、新たな収益獲得基盤を確立すべく、クラウド関連事業及びVR事業を進めてまいります。
*:Massively Multiplayer Online Role Playing Game:大規模多人数参加型ロールプレイングゲームのことであり、インターネットを利用し、数千人規模のユーザーが同時に参加して遊べるロールプレイングゲームであります。
事業別には以下の事業展開を計画しております。
① オンラインゲーム事業
当社グループは開発元として、既存タイトルのアップデートやイベント開催を継続し、パブリッシャーからの安定的な収益獲得を目指します。また、ブロックチェーンコインでのプレイが可能なブロックチェーンプラットフォーム等の新たなプラットフォームでのサービス展開や他社プラットフォームでプレイが可能となるチャネリング展開を進め、多くのファンに楽しんでもらえるようにサービス提供先を増やしてまいります。また、「Flyff Online(フリフオンライン)」をベースに、ダウンロード不要でPC及びスマートフォンでのプレイが可能なHTML5ゲームである「Flyff HTML5」の早期開発を目指します。これらにより、ゲームの提供先を増やし、オンラインゲーム事業の安定的な収益化に向けて注力してまいります。
② スマートフォンアプリ事業
現在サービス提供中のスマートフォンアプリ「winwalk(ウィンウォーク)」、「wingift(ウィンギフト)」及び「winQuiz(ウィンクイズ)」については、当社グループの強みであるグローバルなネットワークを活かした多言語展開による配信を進めております。
また、当社グループの2大タイトルの一つである「Rappelz M(ラペルズモバイル)」について、2020年3月に配信開始した東南アジアでのリリースに続き、「Rappelz M(ラペルズモバイル)」の主要エリアである欧米を中心とするグローバル地域での配信について2022年3月期のリリースに向けて準備を進めており、本格的なサービス展開に向けた各種プロモーション等のマーケティング活動を予定しております。なお、「Flyff Legacy(フリフレガシー)」については、2021年1月にライセンス及び運営権を他社に譲渡しており、運営サポートを継続してまいります。
③ クラウド関連事業
当社グループは、業務提携先であるMegazone Co.,Ltd.グループ(以下、Megazone社グループ)が行う日本でのアマゾン ウェブ サービス(AWS)等のクラウド事業について、当社グループがMegazone社グループをサポートし、クラウド関連事業を進めてまいります。
また、当社のクラウド関連事業を主体的に行うための収益基盤を確保するため、クラウド関連事業におけるM&Aを含む資本・業務提携を進めてまいります。
④ VR事業
当社グループは、業務提携先であるGPM Co.,Ltd.が行う「Monster VR」事業の日本での代理店としてプラットフォーム事業、販売代理店事業、テーマパーク事業を進めてまいります。
なお、新型コロナウイルス感染拡大について今後の収束時期の見通しがたっていない状況が続いているなかで、VR テーマパークの事業展開については現時点では優先度が低いと判断し、営業活動を見合わせております。VR テーマパークの事業展開については、今後の状況を慎重に検討した上で進めてまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、営業利益の業績回復を最も重要な経営目標としております。
当社グループは、売上高の拡大による企業の成長及び収益基盤の確立を最重要課題と認識しており、利益確保体制の確立を目標としております。
(4)経営環境
① 事業を行う市場の状況
当社グループのオンラインゲーム事業及びスマートフォンアプリ事業における、市場の動向は以下のとおりとなっております。
グローバルゲーム市場における2021年度のオンラインゲーム市場は、前年度比1.7%減の359億ドルに対して、スマートフォンゲーム市場は、前年度比4.4%増の907億ドルになると予想されております(newzoo「2021 Global Games Market Report 」より)。
当社は、グローバルのオンラインゲーム市場及びスマートフォンゲーム市場について、以下のように分析しております。
オンラインゲーム市場において、2020年度は、新型コロナウイルスの世界的な感染拡大による、海外におけるロックダウンや外出自粛に伴う、いわゆる「巣ごもり消費」が生じたことから市場全体が拡大したものの、2021年度は、新型コロナウイルスによる影響が落ち着いていくものと分析しております。一方でスマートフォンゲーム市場においては、2021年度も継続して市場の成長が見込まれているものと分析しております。但し、ゲームの収益性は個別タイトルの人気に左右される要素が大きく、また、市場で新しくリリースされるタイトルも多いことから競争が激しい市場であると認識しております。
② 競合他社との競争優位性
当社グループの競争優位性として以下を認識しております。
a.当社グループが開発したMMORPGの2大タイトルである「Flyff」及び「Rappelz」の顧客基盤
PCオンラインゲーム「Flyff Online(フリフオンライン)」及び「Rappelz Online(ラペルズオンライン)」の世界5,000万ダウンロード実績
b.世界各国への配信ネットワーク
北米・欧州・アジア・オセアニア・中東等、世界20ヶ国以上に展開
c.多言語対応の開発力・サポート力
英語版、韓国語版、中国語版、ドイツ語版、フランス語版、スペイン語版、アラビア語版、ロシア語版等の多言語展開による開発・サポート体制
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは「グローバル・オンライン・コミュニティ・カンパニー」として、オンライン・コミュニティ関連事業をビジネスの中核に捉えて早期の収益基盤確立を目指し、数々の施策に取り組んでおりますが、以下の課題を認識しており、次期以降につきましても積極的に対処していく所存であります。
① スマートフォンアプリ事業の早期収益化
当社グループは、スマートフォンアプリ事業の早期収益化を目指しております。当社グループが開発し2014年12月にダウンロード配信を開始し、2016年10月にサービス提供を終了したスマートフォンアプリ「Flyff All Stars(フリフオールスターズ)」や、ライセンスを獲得し2016年9月にダウンロード配信を開始したスマートフォンアプリ「Arcane(アーケイン)」は、いずれも累計100万人以上のダウンロード者数を獲得いたしましたが、オンラインゲーム事業の減益を補うまでの収益貢献には至っておらず、更なるスマートフォンアプリ事業の売上高拡大を図る必要があります。オンラインゲーム事業で培われた当社グループの強みであるグローバルなネットワークを活かした多言語展開により、日本国内だけではなく、海外市場でも活かせる新たな収益源とすべくスマートフォンアプリ事業の展開に注力してまいります。
② 新たな収益基盤の確立
当社は、主力事業であるオンラインゲーム事業、スマートフォンアプリ事業による売上高の拡大による企業成長及び収益基盤の確立並びに利益確保のための体制確立を目標としております。しかしながら、主力事業であるゲーム事業は市場変化が激しく、ユーザーニーズの移り変わりが早いため、収益基盤は不安定であり、ゲーム事業以外の収益源を確保するとともに安定的な収益基盤を確立することが重要な経営課題であると認識しております。
当社グループは、新たな収益獲得基盤を確立すべく、クラウド関連事業及びVR事業を進めてまいります。
③ 資金調達
当社グループは、スマートフォンアプリ事業及び新規事業を推進する上で、ライセンス取得、開発及びプロモーション等の資金が必要であります。次期以降も資金調達について引き続き検討してまいります。
なお、当社は2020年5月25日付取締役会において、第三者割当による新株式の発行及び第6回新株予約権の発行を決議し、2020年6月10日に払込手続が完了しております。
④ オンラインゲーム事業の安定的な収益化
当社グループは、連結子会社Gala Lab Corp.が開発したオンラインゲーム「Flyff Online(フリフオンライン)」及び「Rappelz Online(ラペルズオンライン)」を世界各国のパブリッシングパートナーを通じてグローバルに展開しております。今後、既存タイトルのバージョンアップの強化、他社プラットフォームでプレイが可能となるチャネリング展開を進めてまいります。また、「Flyff Online(フリフオンライン)」をベースに、ダウンロード不要でPC及びスマートフォンでのプレイが可能なHTML5ゲームである「Flyff HTML5」の早期開発を目指します。これらにより、ゲームの提供先を増やし、オンラインゲーム事業の安定的な収益化に向けて注力してまいります。
⑤ 内部統制システムの適正維持
当社グループは、内部統制システムの適正な維持を重要な対処すべき課題と認識しております。
引き続き、財務情報の精度並びに正確性確保を目的に、在外連結子会社を含めた経理体制の整備、適切な業務プロセスの構築を継続的に取り組んでいく所存であります。