有価証券報告書-第30期(2024/04/01-2025/03/31)
(2)戦略
当社のビジネスモデルは、デジタルクリエイター(以下、「DC」という。)による労働集約型のプロフェッショナルサービスを主体としているため、当社の成長ドライバーは人的資本の拡充となります。具体的には、DCを育成・輩出することとその稼働率を最大限に高めることであり、そのために採用者数を増やし、営業体制を強化するとともに、従来のWebサイト運用に加えて、より高度な専門領域を拡大させるべく、強力に投資を実行してまいりました。
しかしながら、2024年3月期においては、当社全体で新卒中途問わず採用先行の売上成長を重視したマネジメントにより、当社全体のDCの稼働率が低下し、収益性が大幅に悪化しました。
◆中期的な成長に向けた戦略
2024年4月より、顧客企業のDXニーズに合わせ、各本部および専門カンパニーを「制作/UIUX」「デジタルマーケティング」「デジタルサービス開発」「データ活用支援」の4つの事業領域に再編しました。各事業領域においては、様々な専門スキルを持ったDCが3名以上で顧客専任チームを編成し、顧客企業のDXプロジェクトの現場を顧客とともに実際に手を動かしながら改善する伴走支援型モデル「Digital Growth Team(以下「DGT」という。)」を提供し、顧客企業一社あたりの取引規模拡大を図っております。
加えて2024年4月より、「中期的な成長に向けた戦略」に基づき事業を推進し、2025年3月期は、2027年3月期までに高収益ならびに高成長率体制を実現するべく、その土台を固めるための初年度と位置付け、事業基盤を再構築してまいりました。
「中期的な成長に向けた戦略」で掲げる当事業年度における主要戦略およびKPIの進捗は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご覧ください。
当社の人的資本戦略は単なるリソース戦略ではなく、経営戦略の根幹であり、CSV経営の実践でもあります。具体的には、「人的資本」と「組織資本」を最大化させることで、真の「クリエイターが最も成長し活躍する会社」となり、事業戦略を遂行し、DX現場支援ナンバー1のポジションを獲得、高成長、高収益の事業を確立します。人的資本を最大化させるべく育成戦略および採用戦略を推進することで、高単価かつ高稼働率を実現する専門職種人材を増やし、クリエイターの価値向上につなげ、結果としてクリエイターの基準年収を引き上げることを目指します。並行して、組織資本を最大化させるべく、一人ひとりが自律した多種多様なクリエイターが集まる組織の価値を高めることで、より集団としてのシナジーを高め、全社としてのエンゲージメントの向上を図ります。そこにクリエイター一人ひとりの価値が加わることで、相乗効果となり企業の人的価値も高めてまいります。
(人的資本への投資について)
デジタルテクノロジーの更なる進化や世界的な脱炭素への取組み、および日本の人口減少の影響等を受け、企業のデジタル投資は一段と加速すると同時にIT/デジタル人材の不足は更に深刻化するものと捉えております。そのような環境において、当社は引き続き専門スキル育成等への人材投資を通じて、顧客企業への価値創造の源泉であるDCのスキルの向上ならびに社員エンゲージメントの向上等、人的資本の拡充に取り組み、顧客企業へのDX現場支援を通じ、顧客企業とともに社会変革をリードすることを目指してまいります。
当社のビジネスモデルは、デジタルクリエイター(以下、「DC」という。)による労働集約型のプロフェッショナルサービスを主体としているため、当社の成長ドライバーは人的資本の拡充となります。具体的には、DCを育成・輩出することとその稼働率を最大限に高めることであり、そのために採用者数を増やし、営業体制を強化するとともに、従来のWebサイト運用に加えて、より高度な専門領域を拡大させるべく、強力に投資を実行してまいりました。
しかしながら、2024年3月期においては、当社全体で新卒中途問わず採用先行の売上成長を重視したマネジメントにより、当社全体のDCの稼働率が低下し、収益性が大幅に悪化しました。
◆中期的な成長に向けた戦略
2024年4月より、顧客企業のDXニーズに合わせ、各本部および専門カンパニーを「制作/UIUX」「デジタルマーケティング」「デジタルサービス開発」「データ活用支援」の4つの事業領域に再編しました。各事業領域においては、様々な専門スキルを持ったDCが3名以上で顧客専任チームを編成し、顧客企業のDXプロジェクトの現場を顧客とともに実際に手を動かしながら改善する伴走支援型モデル「Digital Growth Team(以下「DGT」という。)」を提供し、顧客企業一社あたりの取引規模拡大を図っております。
加えて2024年4月より、「中期的な成長に向けた戦略」に基づき事業を推進し、2025年3月期は、2027年3月期までに高収益ならびに高成長率体制を実現するべく、その土台を固めるための初年度と位置付け、事業基盤を再構築してまいりました。
「中期的な成長に向けた戦略」で掲げる当事業年度における主要戦略およびKPIの進捗は、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご覧ください。
当社の人的資本戦略は単なるリソース戦略ではなく、経営戦略の根幹であり、CSV経営の実践でもあります。具体的には、「人的資本」と「組織資本」を最大化させることで、真の「クリエイターが最も成長し活躍する会社」となり、事業戦略を遂行し、DX現場支援ナンバー1のポジションを獲得、高成長、高収益の事業を確立します。人的資本を最大化させるべく育成戦略および採用戦略を推進することで、高単価かつ高稼働率を実現する専門職種人材を増やし、クリエイターの価値向上につなげ、結果としてクリエイターの基準年収を引き上げることを目指します。並行して、組織資本を最大化させるべく、一人ひとりが自律した多種多様なクリエイターが集まる組織の価値を高めることで、より集団としてのシナジーを高め、全社としてのエンゲージメントの向上を図ります。そこにクリエイター一人ひとりの価値が加わることで、相乗効果となり企業の人的価値も高めてまいります。
(人的資本への投資について)
デジタルテクノロジーの更なる進化や世界的な脱炭素への取組み、および日本の人口減少の影響等を受け、企業のデジタル投資は一段と加速すると同時にIT/デジタル人材の不足は更に深刻化するものと捉えております。そのような環境において、当社は引き続き専門スキル育成等への人材投資を通じて、顧客企業への価値創造の源泉であるDCのスキルの向上ならびに社員エンゲージメントの向上等、人的資本の拡充に取り組み、顧客企業へのDX現場支援を通じ、顧客企業とともに社会変革をリードすることを目指してまいります。
| 人的資本ストーリー | 対応する指標 | |
| 1.人的資本の最大化 | 当社の人的資本とは、当社の社員、人材そのものであり、当社の競争力の源泉であるとともに、経営指針の重要な一項目かつ長期ビジョンの要となっています。当社の社員が、DCとしてスキルを高め、顧客企業に求められ、価値を提供することで、当社の事業が成長、事業体として拡大し、ミッションやビジョンの実現に近づいてまいります。そのためにはDC数、クリエイター一人あたりの単価、顧客企業へ価値を提供するための稼働率を最大化させる必要があります。中期的には育成のための投資は惜しまず実行し、高稼働率を目指します。なお、当社の人的資本の価値として以下の計算式のとおり明示することが可能です。 人的資本額=DC数 × 単価 × 稼働率 | |
| 1-ⅰ.育成方針 ミッション・ビジョンを実現させるためには、自律的かつ協働して業務を遂行し、業務を通じて社会課題の解決を図ろうとするクリエイター志向性の高い人材が必要です。評価制度への組み入れや、全社員が参加するミッション・ビジョン研修への参加を通じて、ミッション・ビジョンの実現をリードできる人材を育成してまいります。 また、事業戦略を遂行するために、DCとしての価値も向上させるべく、クリエイターの専門性の向上、カスタマーサクセスを追求するプロデューサー人材およびPMO(※)人材輩出により、売上単価向上を目指してまいります。 具体的には、UXデザイナーやマーケティングDX人材など顧客企業のDXプロジェクトを伴走支援するDX人材の育成を強化いたします。2027年3月期に全社の90%以上のDCをDX人材として育成することを目指す「SINCA90」プロジェクトを推進し、専門スキル育成の強化だけでなく案件稼働を見据えたプログラムを展開することで、業界一、顧客企業の現場改善に伴走できるDX人材を数多く輩出することを目指します。 また、AI活用を全社規模で本格化させ、業務プロセスの抜本的な効率化と生産性向上を追求するとともに、競争優位性の確立に向けたAIの戦略的な利活用を強力に推進してまいります。これらにより2026年3月期末においてDX人材の比率を65%に引き上げ、新卒1、2年目を除くDCの平均稼働率85%以上を目指してまいります。 当社は引き続き専門スキル育成等への人材投資を通じて、顧客への価値創造の源泉であるDCのスキルの向上ならびに社員エンゲージメントの向上等、人的資本の拡充に取組み、顧客企業へのDX支援を通じ、顧客と共に社会変革をリードすることを目指してまいります。 (※)PMO(Project Management Office)とは、企業や各組織のプロジェクトを円滑に進めるために、部署の枠をこえて横断的にプロジェクトマネジメントを統括する部門や体制を指す。プロジェクトを統括し、様々な意思決定を担う立場であるPM(Project Manager)に対し、PMOはPMが円滑に意思決定できるよう情報収集や関係各所との調整を行い、PMのプロジェクトマネジメントを支援する立場。 | <指標>a.PMO人材数 b.売上単価 c.DX売上比率 d.DX人材比率 e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率 f.売上総利益率 g.ミッション・ビジョン研修受講率 | |
| 人的資本ストーリー | 対応する指標 | |
| 1-ⅱ.採用方針 当社ではコアバリューである「貢献」「挑戦」「誠実」「仲間」があらゆる活動の根幹となっており、ミッションやビジョン、経営指針もそれに則ったものです。従ってこのコアバリューやミッション・ビジョンに対する共感度が最も重要な採用基準となります。加えて、変化の激しい当社が属する業界(以下、当業界という。)において継続的に学び続ける学習意欲や、変化に率先して対応する、もしくは自ら変化を起こしていく変革リーダーシップを重視します。これは新卒・中途どちらの採用においても同様であり、スキル・経験があってもコアバリューがマッチしていなければ、長期の就業は見込めず、結果的には高いパフォーマンスが発揮できないと考えられるためであります。当業界においては、たとえ未経験であっても、継続的な学習意欲を持った人材が長期的に就業することの方が結果的には高いパフォーマンスにつながると考えます。 当社は、デジタル人材が不足する未来を見据え、新卒採用に注力することで採用した人材をDCとして育成し、顧客企業へのご支援のみならず、世の中に不足するデジタル人材を積極的に輩出してまいりました。その結果、総社員数に対する新卒社員の割合が増加したことに伴う収益性の悪化により、短期的に採用を抑制し、既存社員の稼働率の向上に最注力する方針としております。 2025年3月期において、新卒・中途採用の抑制をはじめとするコストコントロール等の利益重視マネジメントに加えて、DX領域への転換による売上単価向上、新卒1、2年目を除くDCの稼働率の引き上げに最注力した結果、先行投資フェーズから収益化フェーズへの転換が当初計画以上に進捗しました。付加価値売上高成長率は、Web運用領域の成長率鈍化に対しDX領域の高成長が継続していることから改善傾向にあり、2027年3月期に高収益・高成長事業を確立するため、2026年3月期は成長率をより一層引き上げるべくDX人材の育成ならびに顧客企業のDX内製化を伴走支援するポジションの確立を推進し、DX領域への転換を一層加速させてまいります。 引き続き、中長期的に社会に有用なデジタル人材を輩出する方針に変更はなく、人材ポートフォリオおよび収益性の改善の後、新卒、中途採用とともに採用・育成モデルを継続しつつ、高収益の基盤を再構築することで、高成長を持続的に維持する方針としております。 また、新卒採用に加えて中途採用においても、コアバリューおよびミッションを強く訴求することで、他社との差別化を図り、これに共感する人材の獲得が可能になると考えております。 | b.売上単価 c.DX売上比率 d.DX人材比率 e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率 i.社員(DC)数 j.離職率 | |
| 1-iii.人的資本の投資 育成と採用によりスキルの高いDCの数を増やすだけでなく、営業への投資も積極的に実行し、案件獲得も並行して強力に推進することで、クリエイター一人あたりの単価や稼働率を向上させます。育成への投資は付加価値売上高の2%と投資枠を設け実行いたします。 当社のミッションおよびビジョンの実現に向けて、脱炭素DXを軸として、関連する複数のサービスを展開し事業基盤を構築することで、顧客企業のサステナブル経営の基盤確立を支援してまいります。そのために、2027年3月期において脱炭素DX人材1,000名の育成・輩出を目指し、GXリテラシーとデジタルスキルを兼ね備えた脱炭素DX人材の育成を推進いたします。 顧客企業のDX現場支援におけるチームマネジメント、およびチームビジョンやDC個人のビジョンを軸にアカウントマネジメントやチーム運営を行う現場中心の全員参加型経営の在り方を確立し、挑戦的な文化と社員の幸せを追求いたします。DCの多様なキャリア形成を支援し報酬の引き上げを目指すとともに、当社が掲げる全員参加型経営を推進することで離職率の改善および社員エンゲージメントの向上を図ります。 これらにより、2026年3月期における社員エンゲージメントスコアを前回比0.1ポイント改善を目指してまいります。 | a.PMO人材数 b.売上単価 e.新卒1、2年目を除くDCの稼働率 k.教育投資額 q.社員エンゲージメントスコア | |
| 人的資本ストーリー | 対応する指標 | |
| 2.組織資本の最大化 | 人的資本の価値を向上させるためには、人的資本の最大化のみならず、人材が置かれる環境、すなわち、組織資本の最大化が必須であると考えております。具体的には、当社は、自律分散協働型の組織であり、かつ、多様なDCが集まるプラットフォームとして組織を強化いたします。自律分散協働型の組織とは、分散して存在する個々人が自律的に行動し、協働的に相互作用しながら一つの組織として成り立つ体制であり、これにより個々人のコミットメントや責任感、主体性や創造性が高まりやすくなるものと捉えています。当社は、一人ひとりの社員が自律的に考え行動しつつ、ともにミッションビジョンの実現を目指す組織の実現を目指します。 また、多様な人材が集まることで、集団としてのシナジーも最大化させ、一人では成しえることができない『DX伴走支援ナンバー1』と『CSVのリーディングカンパニー』を実現させます。 | |
| 2-i.自律分散協働型組織の実現 一人ひとりの社員が自律的に考え行動するための権限委譲を推進し、小さい組織単位での意思決定が可能な組織を目指します。当社は高付加価値な専門領域を拡大するための社内カンパニーの社長を社長公募制度により募ります。設立したカンパニーは一つの会社とみなされ、カンパニー社長は運営に十分な権限を移譲されています。また、当社ミッションに共感する社員が積極的かつ主体的に、自身にできることを考え行動し、経営に参画することを「全員参加型経営」と称し、2023年4月に策定を発表した新行動指針も用いて自律分散協働型の組織力を向上させます。全員参加型経営を体現するべく、当社では社員が当社株式を保有することも推奨しております。 | h.専門特化型カンパニー数 l.従業員持株会加入率 | |
| 2-ii. 多様性の確保 当社は、多様性を確保するべく、社内環境を整備しております。具体的には、男女ともに長く働きやすい働き方として、子育て社員への勤務時間の短縮や有給の看護休暇などの制度を設けています。また、国籍や性別を問わず採用や評価を実施しており、障がい者雇用も積極的に推進しています。働き方も、自律した社員であれば、リモートワークや地方での勤務も可能であり、社員の移住を支援する制度も設けています。 | m.地方勤務社員 n.女性社員比率 o.男性育児休業取得率 p.女性管理職比率 | |
| 2-iii. 組織資本への投資 自律した社員の働きやすさを追求し、社員一人ひとりのキャリアの充実化にむけた社内異動制度やカンパニー社長の公募制度なども整備しており、社員がチャレンジできる環境を整えております。これにより、社員エンゲージメント、離職率、女性管理職比率、男性育児休業取得率、従業員持株会加入率(エンゲージメントを高めるために経営に参画)、といった複数の指標から、組織資本の最大化が十分に進捗しているか確認していきます。これらの指標が改善することで、全社のエンゲージメントが高まり、DCの価値が掛け合わされることで、当社の人的資本価値は向上すると考えています。 また、社員エンゲージメントスコアを活用し、当社の人的資本の拡充のための定点観測を行うことで、中長期的な成長基盤を確立し当社の継続的な成長に繋げてまいります。 | j.離職率 l.従業員持株会加入率 o.男性育児休業取得率 p.女性管理職比率 q.社員エンゲージメントスコア | |
| 3.より高度な全員参加型経営の実践 | 人的資本と組織資本の最大化により、企業価値を向上させると同時に、自律分散協働型の組織風土を作ることで、全員参加型経営をよりバージョンアップさせることを目指します。全員参加型経営とは、ミッションに共鳴する社員が積極的かつ主体的に、自身にできることを考え行動し、経営に参画することであり、まさに自律分散協働型の組織により実現が可能なものです。2023年4月から新たな取組みとして、評価制度の変更、社員のエンゲージメントスコア向上に向けた活動、新行動指針の浸透活動などを通して、社員が受け身姿勢ではなく、自らスキル向上や稼働率向上、顧客企業のビジネス成果の向上やCSV普及に取り組む姿勢を持つ、自律型の個人を育成し、自律分散かつチーム協働型の組織風土を作っていきます。 | |