有価証券報告書-第31期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/23 15:43
【資料】
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【項目】
172項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「持続可能な社会に向けた“新しいコンテクスト”をデザインし、テクノロジーで社会実装する」をパーパス(存在意義)に掲げ、「コンテクストカンパニー」として、企業と人、情報を有機的に結びつけることを基本コンセプトとしております。インターネット業界の黎明期からの実績に基づくソリューションノウハウと、最新のネットワーク技術を有効に活用し、複雑な情報を有機的に結びつけることで、企業と人、情報のそれぞれの存在価値を相互に高める機能の開発を業務の目的としてまいりました。常に時代の数歩先に視点を合わせ、コンテクストの対象を冷静かつ的確に選別し、人と環境とデジタル情報化社会が共存できる快適な社会に貢献し得るサービスを構築することを経営の基本方針としております。
(2)経営環境
現在、世界は生成AIが急速に普及し、web3が経済の在り方を変えるなど、変革期にあります。日本国内においても、深刻な労働力不足を背景に、あらゆる産業でDXが加速していることに加え、スマートフォンソフトウェア競争促進法の施行によるアプリ市場の開放など、既存のビジネス慣行を塗り替える構造変化が相次いでおります。
また、2025年12月、経済産業省は「キャッシュレス推進検討会」のとりまとめを公表し、消費実態をより正確に反映する新たなキャッシュレス決済比率の国内指標を設定しました。これにより、国を挙げたキャッシュレス社会への移行が一段と後押しされるものと認識しています。当社グループは、これら「テクノロジーの進化」「法制度の変革」「社会需要の転換」が三位一体となって押し寄せる現状を、収益基盤を抜本的に再定義し、拡大させる不可逆なパラダイムシフトと捉えております。
このような環境下、当社グループは、総合決済プラットフォームを軸とした持続的な事業拡大と収益の多層化を目指しております。具体的には、投資リターンの早期実現を目標として設定するとともに、営業投資有価証券の売却等によるオフバランス化を進めております。それらを原資とし、決済・マーケティング事業における成長投資や、株主還元に充てる「キャッシュフロー・アロケーション」を推進しております。
これら各施策の着実な遂行を通じ、パーパスを具現化することで、企業価値向上を目指してまいります。
(3)経営戦略等並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
[プラットフォームソリューションセグメントを核とした決済基盤の拡充と、ロングタームインキュベーションセグメントによるDXの推進]
日本の決済市場は、従来現金に依存する傾向が強かったものの、近年急速にキャッシュレス化が進展しています。経済産業省が2018年4月に公表した「キャッシュレス・ビジョン」では、2025年にキャッシュレス決済比率を40%とし、将来的には同比率を80%とすることを目標とする方針が打ち出されているところ、2024年時点のキャッシュレス決済比率は42.8%となり、当該目標は前倒しで達成されました(注1、注2)。
なお、経済産業省は2025年12月にキャッシュレス決済比率に関する新指標及び中間目標の設定を行いました。キャッシュレス決済の利用実態に合わせた新指標では、2024年のキャッシュレス決済比率は51.7%となっており、中間目標については、2030年にキャッシュレス決済比率65%を目指すとするなど、さらなるキャッシュレス化を推進する方針を示しています(注2)。
当社グループは、決済を核にグループの多層的な成長を目指す「DG FinTech Shift 2.0」のもと、KDDIグループとの業務提携を通じた次世代決済プラットフォーム「NESTA」の導入加速や、りそなホールディングスとの資本業務提携に基づく新サービスの展開を着実に推進し、社会インフラとしての決済基盤をより強固なものにしております。当社グループの強みは、単なる決済処理に留まらず、「決済・集客・DX化」が一体となった多層的なビジネスモデルにあります。決済を基盤としたPSセグメントの事業と決済に親和性のあるLTIセグメントの不動産DX事業「Musubell」、飲食・小売DX事業「Pangaea Delivery」やアプリ外課金プラットフォーム「アプリペイ」を組み込むことで、事業者のDX化とキャッシュレス化を同時に実現しております。これらの接点を通じて得られる「購買までの消費者行動データ」を分析・活用し、CRM等を通じた「集客支援」へつなげることで、事業者の売上最大化と当社グループの収益の積み上げを推進してまいります。
(注1)経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」2018年4月公表より
(注2)経済産業省「キャッシュレス推進検討会 とりまとめ」2025年12月26日公表より
[投資事業の進化と「実業」への還流]
グローバルな投資環境は、高金利環境の継続や地政学リスクの増大により、スタートアップへの資金流入が選別される転換期にあります。加えて、生成AIやweb3等の先端技術領域では、従来の産業構造を大きく転換させるイノベーションが加速しています。これら次世代技術をいち早く取り込み、社会実装する能力が企業の競争優位性を左右する時代となっています。
当社グループは、創業以来培ってきた北米、日本、アジア、欧州を結ぶ独自のディールソース「グローバルインキュベーションストリーム」のネットワークを活用し、世界中の有望なスタートアップの中から次世代のデファクトスタンダードを担う企業を厳格に選別し、戦略的な投資を継続しております。一方で、中期経営計画における重要目標として、保有する営業投資有価証券の売却等によるオフバランス化を推進しております。具体的には、中期経営計画の5カ年合計で投資事業収入300億円以上という定量目標を掲げており、その達成に向けて大手グローバルファンド等との連携による売却・流動化を着実に遂行してまいります。
また、投資事業においては、単なる財務的リターンの追求にとどまらず、当社グループ内の各事業との連携・協業等によるスタートアップ企業の育成を通じて、当社グループ及び投資先の企業価値最大化に注力しております。同時に、北米を中心とする最先端スタートアップへの投資を通じて得られる知見や技術を、当社グループの事業に直接還流させております。このように「投資」と「事業」が相互に進化し続ける当社グループ独自のサイクルをさらに加速させてまいります。


(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2024年3月期を初年度とする中期経営計画では、基礎事業における税引前利益の成長率及び2028年3月期における決済取扱高の目標を経営指標として設定しております。投資・インキュベーション領域では、現在保有する営業投資有価証券のポートフォリオの見直し及び組み替えを進めることにより、5年間で一定のキャッシュフロー創出を目指しております。
また、当社グループでは、株主の皆様に対する還元を重要な経営課題の一つとして位置づけており、キャッシュフローを軸とした株主還元方針を掲げるとともに、中期経営計画の目標として5年間の配当総額を設定することで、安定した配当政策を実施してまいります。具体的な目標は以下のとおりであります。
中期経営計画の定量目標(2024年3月期~2028年3月期)
項目目標値
事業目標
税引前利益 ※15ヵ年平均成長率20%以上
決済取扱高2028年3月期15兆円以上
投資事業収入 ※25ヵ年合計300億円以上
株主還元
普通配当における基本方針各年度累進配当
配当総額5ヵ年合計100億円以上
基礎事業キャッシュフローに対する配当性向 ※3目安となる水準30%

※1 グローバル投資インキュベーション・セグメント及び㈱カカクコムの持分法投資利益を除く
※2 売却収入およびファンドからの分配金等の合計額
※3 経常的に利益創出する事業セグメントの税引前利益を基に、減価償却費、一過性の損益、関係会社配当金を調整し本社費用を控除した、当社グループの経常的なキャッシュフローを基準とした配当性向

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