有価証券報告書-第39期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/28 10:25
【資料】
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【項目】
112項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業収益や雇用情勢に緩やかな回復基調が見られるものの、中国・新興国経済の減速、米国の新政権移行や英国のEU離脱通知等による海外政治情勢への懸念などから、依然として先行き不透明な状況が続いております。
こうした経済環境の中、当社グループの主要顧客である自動車販売業界におきましては、軽自動車の燃費不正問題等の影響があったものの、新車販売台数、中古車登録台数ともにほぼ前年並みの水準となりました。
このような状況の中、当社グループにおきましては、ユーザー視点に立ったプライベートブランド商品・サービスの開発・提供を強化するとともに、積極的な事業投資により、自動車関連情報分野におけるNo.1ポジションの確立に取り組んでまいりました。また、有力サイトとのアライアンス強化を通じてユーザー接点の拡大を図るとともに、新車領域の強化を推し進めてまいりました。
以上のことから、当連結会計年度の売上高は、56,717,929千円(対前年同期比4.5%増)となりました。営業利益につきましては、事業拡大による人件費の増加、「グーネット」、「ID車両(Goo鑑定車+メーカー認定中古車)」等に係るプロモーション強化を図ったことなどから、2,795,786千円(対前年同期比31.3%減)となり、経常利益につきましては、2,883,126千円(対前年同期比31.2%減)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、1,506,675千円(前年同期実績は390,405千円の親会社株主に帰属する当期純損失)となりました。
なお、事業のセグメント別の業績につきましては、次のとおりであります。
(2) 報告セグメント別の概況
①自動車関連情報
当社グループを取り巻く外部環境が厳しい状況で推移する中、中古車販売店の総合的な経営支援を事業方針に掲げ、取引社数の拡大ならびに顧客当たりの取引単価の維持・拡大に努めるとともに、カーライフにおけるユーザーニーズを網羅したサービスの強化に取り組んでまいりました。
当連結会計年度におきましては、引き続き、「グーネット」のバックグラウンドシステムである「MOTOR GATE」の提供を通じて、中古車販売店の総合的な経営支援を推し進めてまいりました。
クルマ情報誌「Goo」につきましては、平成28年9月より「Goo首都圏版」、「Goo東海版」、「Goo関西版」において刊行サイクルの変更を実施し、コスト構造の抜本的な見直しを進めるとともに、情報誌とウェブサイトの役割の最適化を図ってまいりました。
中古車の車両状態情報の開示サービスにつきましては、平成28年8月にリリースした「ID車両」のスタンダード化を推進することで、中古車選びの不安を軽減したいというユーザーニーズへの対応を強化するとともに、競合との差別化を図ってまいりました。
整備市場におけるサービスにつきましては、大手ECサイトにおいて「GooPit」掲載工場でのタイヤ取付サービスチケットの提供を始めるとともに、「Goo車検」と有力サイトとのアライアンス強化を通じて、整備工場への集客支援を進めてまいりました。
タイヤ・ホイール等の販売につきましては、主要取扱ブランドの販売強化ならびにタイヤ・ホイールのセット販売の強化に取り組むとともに、当社の「グーネット」、「GooPit」、「MOTOR GATEショッピング」等とのシナジーを追求することで販売機会の拡大に努めてまいりました。
一方、自動車関連情報分野のグローバル展開においては、マレーシア、台湾における中古車市場の停滞及び競合環境の激化等により、引き続き、厳しい状況で推移しております。以上のことから、売上高は51,025,558千円(対前年同期比3.1%増)となりました。営業利益につきましては、「グーネット」、「ID車両」等に係るプロモーションの強化を図ったことなどから、3,939,136千円(対前年同期比25.4%減)となりました。
②生活関連情報
株式会社プロトメディカルケアが手掛ける医療・介護・福祉関連事業につきましては、同社の子会社である株式会社丸冨士及び株式会社シルバーはあとの事業効率の改善を図るとともに、積極的なM&A及びエリア展開により、コンテンツ・サービスの拡充、事業領域内でのシナジーの追求に取り組んでまいりました。
当社が手掛けるカルチャー情報事業及びリユース情報事業につきましては、組織体制の見直しによる収益性の改善に取り組むとともに、リユース情報事業において、リユースショップ向けの経営支援システム「ReuseGATE」をリリースすることで、総合的な経営支援サービスの提供を推し進めてまいりました。
また、株式会社プロトソリューションが手掛ける不動産情報誌「GooHome」につきましては、引き続き、取引社数の拡大及び掲載物件の拡充を図ってまいりました。
以上のことから、売上高は4,236,350千円(対前年同期比22.2%増)となりました。増収となった主な要因は、株式会社丸冨士、株式会社シルバーはあとの福祉用具のレンタルサービス事業が寄与したことなどによるものであります。営業利益につきましては、医療・介護・福祉関連事業が増益に寄与したこと、カルチャー情報事業、リユース情報事業、GooHome事業における収益性の改善などから、478,664千円(対前年同期比55.9%増)となりました。
③不動産
当社及び株式会社プロトリオスが自社物件の賃貸管理を中心に行い、売上高は187,384千円(対前年同期比15.5%増)、営業利益は147,238千円(対前年同期比34.8%増)となりました。
④その他
株式会社プロトソリューションのBPO事業、ソフトウエア開発・販売事業が寄与したことから、売上高は1,268,635千円(対前年同期比7.3%増)となりました。営業利益につきましては、136,016千円の営業損失(前年同期実績は66,904千円の営業損失)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物につきましては、前連結会計年度末と比較して1,096,075千円増加し、12,383,075千円となりました。現金及び現金同等物が増加した主な要因につきましては、次のとおりであります。
①営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動によるキャッシュ・フローは、法人税等の支払が1,479,311千円、たな卸資産の増加が532,852千円発生した一方、税金等調整前当期純利益2,785,779千円、支出を伴わない減価償却費、のれん償却額及び減損損失の合計が1,785,899千円、未払費用の増加が336,405千円となったことなどから、3,179,799千円の収入となりました。
②投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動によるキャッシュ・フローは、長期預金の払戻による収入が600,000千円発生した一方、固定資産の取得による支出が1,221,790千円、投資有価証券の取得による支出が499,999千円発生したことなどから、1,197,443千円の支出となりました。
③財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動によるキャッシュ・フローは、セール・アンド・リースバックによる収入が176,580千円発生した一方、当社において配当金の支払が905,517千円、自己株式の取得による支出が198,593千円発生したことなどから、886,134千円の支出となりました。