有価証券報告書-第23期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
文中の課題認識及び将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、インターネットを利用した動画や音声の配信を一般的なメディアとして普及させることを目的に1997年5月に設立されました。この目的達成のため、事業開始から今日に至るまで、安定した配信・受信環境を提供するためのネットワークの構築を進めるとともに、コンテンツホルダーである当社顧客の様々な要望に応えながら多様な形式による配信サービスの拡充を図ってまいりました。インターネット環境が拡大し、回線の高速化やデバイスの多様化が進んで様々な利用方法が生まれていく中、この市場における当社の役割はこれまで以上に重要になってくると認識し、事業の拡大を図っていくことが当社の経営の基本方針であります。
当社では、『もっと素敵な伝え方を。』をコーポレートメッセージとし、これを実現するための考え方と行動からなる『JストリームWAY』を社員の活動の指針として事業を推進しております。自社で構築した安定したネットワークを背景に、あらゆる形式の動画、音声(音楽)、画像コンテンツをあらゆる方法であらゆる端末へ配信できるストリーミング、ダウンロードサービス提供能力や、動画の企画から制作・配信・分析までをサポートできるサービスの多様性と、豊富な経験による専門性を有しております。当社は今後も予想される通信インフラの発展、ソフトウェアの技術革新などに対応しながら、最先端の動画ソリューション提供会社であり続けるよう努めてまいります。
顧客の成果に最大限コミットできるよう、自社サービスだけではなく、顧客の求めるソリューションを持つパートナーとの連携も推進し、あらゆる動画ニーズに応えられるエコシステムを創造して事業基盤の拡大に邁進いたします。
(2)経営戦略
経営戦略として、以下の点に注力してまいります。
PCに加え、スマートフォンやタブレット等の端末を日常的に利用する人の増加、5G等高速回線の普及と共に、これらを利用した企業内での情報共有・コミュニケーションにおける動画の利用や、コンテンツ配信ビジネスが拡大していくと思われます。当社グループにおきましては、働き方改革を推進する動きから、社内コミュニケーション、社内教育に要する時間の生産性を高める為に動画利用が拡大する一般企業とインターネット動画の使途として将来的な拡大が見込まれるメディア系の利用、特に放送同時配信関連市場への対応体制を充実、市場開拓を進めつつ、安定した需要と成長が見込めるビジネス用途に向けた動画ソリューションの開発・提供を続け、業容の拡大に努めてまいります。
スマートフォンやタブレット等の端末の普及、テレワークの推進により、企業内での情報共有・コミュニケーションにおける動画の利用や、コンテンツ配信ビジネスが拡大しています。今後期待される5G環境の普及はこうした状況を促進すると同時に新たな利用法、ビジネスの糸口になると考えられます。当社グループにおきましては、今後拡大が見込まれる放送同時配信関連市場や各種の番組を配信する放送局・メディア企業に向けた配信基盤やソリューションの提供と、安定した需要と成長が見込める医薬関連企業へのマーケティングを中心としたサービス提供、その他ビジネス全般における動画コミュニケーション(EVC:Enterprise Video Communication)に向けた動画ソリューションの開発・提供の3つを軸として、業容の拡大に努めてまいります。
放送局・メディア企業関連の市場においては、当社は放送局によるコンテンツのインターネット配信が始まった当初から各局のコンテンツ配信に携わって来た実績と経験・ノウハウを有しております。インターネット番組編成配信を実現するために必要な機能をパッケージ化した「EQ Media Suite」等、放送同時配信をはじめとしたこの領域向けのサービスも既に展開しております。今後の配信量の増加や各種マネタイズ展開等において、放送業界が必要とするサービスに求められる、大規模配信やタイムラグのない超低遅延配信、広告配信、番組編成処理機能等、各種の機能要請に応えるサービス開発を更に進め、実績の積み重ねを通じ顧客との関係を強化し、拡大する市場におけるプレゼンスの向上を図ります。
医薬企業関連の市場においては、当社は既に多数の大手企業とビジネス展開を行っておりますが、医薬のネットプロモーション市場の市場規模、その中での動画を中心としたビジネスの成長余地は依然大きく、当社として実績のあるWeb講演会(医薬情報提供の講演会のライブ配信)領域における現場対応のノウハウを更に蓄積し、ミスのないサービス提供を行い顧客の信頼に応えることを通じて業容の拡大に取り組みます。また、同時に対応できるライブ配信現場数の増強、少人数・小規模開催などのニーズにも柔軟に対応できる体制の整備といった受託体制の強化を進めることにより、競争優位性を更に高めます。また、2020年3月期に子会社化した株式会社ビッグエムズワイを含めた企業グループとしてサービス領域を広げ、プロモーション領域、コンテンツ制作体制を強化すると同時にデジタルマーケティングを総合的に支援できる体制を整えて新たな需要の開拓を図ります。
その他ビジネス全般における動画コミュニケーションについては、新型コロナウイルス感染症対応策も含め、企業の販売・営業、マーケティング、業務プロセス、社内広報、社員教育等すべてのシーンにおいてICT化が進行し、動画の利用される場面が拡大していくことに対応するソリューションを展開します。当社グループではこの領域の黎明期から様々な企業に提案、案件創出を行ってきた実績とノウハウを有しており、顧客の課題解決へ貢献し、業容の拡大に取り組みます。動画配信プラットフォームサービス「J-Stream Equipmedia」がこの領域に向けた主力サービスとなりますが、更に動画配信機能だけでは解決できない顧客課題に対応するために、有力なSaaS(Software as a Service)、各種サービスプラットフォームとの連携を強化して、課題解決の実績を積み重ねると同時に販路の拡大を実現します。
経営管理面におきましては、企業の成長とあわせ、適切なコーポレート・ガバナンスの浸透を図りつつ、グループ経営の統制を強化し、効率化を図ります。また、新型コロナウイルス感染症対応策の一環としても、一人一人の事情に合わせた時間や場所にとらわれない柔軟な働き方としてテレワークを推進し、社員の健康管理・人事労務管理、セキュリティ管理面の向上とともに業務効率化を進め、必要な業務に邁進できる、快適で働きやすい職場環境を実現しつつ、優秀な人材を育成・獲得してまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループにおいては、インターネットを通じた各種コンテンツ配信の市場や、動画を利用したマーケティング活動や情報発信、情報共有は成長基調にあると認識しております。こうした環境下においては、小規模でも動画利用をする顧客層を拡大し、導入顧客の動画利用を促進する知識や情報を提供し、利用実績を積み重ねることで目的達成への効果を実感頂き、取引規模を順次拡大していくことが重要であると判断しております。この方針の達成状況を判断するために重視している指標は、取引先数、既存取引先の維持率、また新規の取引先獲得数であります。また、構築した配信基盤を利用して、こうした顧客に適切なサービスを提供して利益をあげられているかの目安として、営業利益率を重要な指標としております。
(4)経営環境
インターネットを通じた各種コンテンツ配信の市場や動画を利用したマーケティング活動や情報発信、情報共有は成長基調にあり、このような環境下において当社グループの業績が長期的に急激に悪化する可能性は低いと認識しております。こうした市場環境下においては各種の類似サービスが現れますが、当社グループとして健全な成長を遂げるためには、市場において確固たる地位を占め続けることが重要であると認識しております。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社では、以下の点を重要な課題として掲げております。これらの重要課題への対応策を具体的な施策に反映させ、業容拡大や会社の健全な運営、社会貢献に努めてまいります。
<配信能力、サービス提供にかかる課題>・ネットワークキャパシティの増強とトラフィック原価削減、監視体制の充実
・主力となる医薬企業関連のライブ案件数増加に対応するための、子会社を含む外部パートナーとの連携による能力増強、現場対応の効率化
・4K、8K、放送同時配信に対応するCDNや各種の放送連携の為の機能の継続的開発
・主力サービスJ-Stream Equipmedia の有力SaaSとの連携による活用対象用途・販路の拡大
・株主総会などに代表される顧客の動画利用用途に夫々に特化した機能、コンサルテーション等上流の役割と組み合わせたソリューションの提供
・Webサイトの運用やMAツール導入支援のサービス化による収益の安定化
・映像制作クオリティ、提案力の向上
<営業力強化のための課題>・放送局を中心としたメディア事業者向け市場における放送同時配信需要獲得のための関係強化
・一般企業の社内コミュニケーション活性化需要を取り込むためのSEによる営業サポート体制構築
・一般企業向け市場における医薬系、金融系を中心とした顧客開拓推進
<新しい事業領域開拓のための課題>・地方局のマネタイズを支援できるネット広告領域でのサービス展開
・M&Aを含めた新領域の開拓
<経営管理にかかる課題>・グループ統制の更なる強化浸透
・成果を維持しながら労働時間を短縮する手段、人材採用・維持するための多様な働き方、キャリアパスに即した研修等の能力開発等を補助するシステムの導入推進
・テレワーク推進に伴う業務のシステム化
・適切な外注比率、外注費のコントロール
・予算統制の向上