有価証券報告書-第29期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/23 15:40
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166項目

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1)経営方針
当社は、インターネットを利用した動画や音声の配信を一般的なメディアとして普及させることを目的に1997年5月に設立されました。この目的達成のため、事業開始から今日に至るまで、安定した配信・受信環境を提供するためのネットワークの構築を進めるとともに、コンテンツホルダーである当社顧客の様々な要望に応えながら多様な形式による配信サービスの拡充を図ってまいりました。インターネット環境が拡大し、回線の高速化やデバイスの多様化が進んだことから、インターネット動画はコモディティ化しました。また、新型コロナウイルス感染症の流行は、DXを推進し、利用者が動画を活用することに慣れる機会ともなりました。これに伴い、動画のビジネス利用も拡大、用途が多様化していく中、この市場における当社の役割はこれまで以上に重要になってくると認識しております。こうした変化を先んじて捉え、『最先端の動画ソリューションを提供し、企業活動の支援を通じて社会の発展に貢献する』ことが当社の経営の基本方針であります。
当社では、『もっと素敵な伝え方を。』をコーポレートメッセージとし、これを実現するための考え方と行動からなる『JストリームWAY』を社員の活動の指針として事業を推進しております。自社で構築した安定したネットワークを背景に、あらゆる形式の動画、音声(音楽)、画像コンテンツをあらゆる方法であらゆる端末へ配信できるストリーミング、ダウンロードサービス提供能力や、動画企画から制作・配信・分析までをカバーし、動画で達成したいあらゆるコミュニケーション上の課題に応えるソリューションの開発能力や、豊富な経験による専門性を有しております。当社は今後も予想される通信インフラの発展、ソフトウエアの技術革新などに対応しながら、最先端の動画ソリューション提供会社であり続けるよう努めてまいります。
顧客の成果に最大限コミットできるよう、自社サービスだけではなく、顧客の求めるソリューションを持つパートナーとの連携も推進し、あらゆる動画ニーズに応えられるエコシステムを創造して事業基盤の拡大に邁進いたします。
(2)経営戦略
当社グループでは、動画活用を通じて企業活動の高度化を支援する「The Streaming AX Company」を目指してまいります。AI活用については、サービス提供面および社内業務の合理化の両面から取り組みを進め、各市場に向けて、業務変革(AX)の目的達成に資する最適化されたソリューションの提供、リアル施策との融合によるユーザー体験の高度化、ならびにセキュリティ強化等を通じて、安定的に成果創出につながる事業基盤の構築に努めてまいります。
グループ内連携を一層強化し、販売面ではAXに寄与するサービスのグループ横断的な展開を進めるとともに、管理部門では業務集約および合理化を図り、売上拡大とコスト効率の改善を両立させることで、収益力の持続的な向上を目指してまいります。EVC領域(医薬)におけるWeb講演会ライブ配信については、中長期的には一定の成長余地があるものと認識しておりますが、当社グループとしては、当該領域への依存度低減を意識し、動画AXの実現を通じた事業ポートフォリオの多様化を推進してまいります。
事業戦略の方向性は下記のとおりです。
・グループシナジーを最大化し、売上伸長と利益創出を図る
・『動画×AIエージェント』でコミュニケーションを革新し、顧客と共に企業のあらゆる課題解決を加速させる
・卓越した動画インフラの知見で、収益の最適化を図り、かつ最高品質のサービスを提供する
・自社サービスを有機的に連携させ、課題解決力・市場競争力を高める
・インキュベーションとM&A、サービスの海外展開による事業拡大に取り組む
当社グループにおきましては、以下の3つを軸として市場認識をし、戦略を設定、サービスを構成しております。
・EVC領域(医薬):医薬関連企業のマーケティング支援を中心としたサービス提供
・EVC領域(医薬以外):医薬以外の事業会社等のビジネス全般における動画コミュニケーション(EVC:Enterprise
Video Communication)を目的とした動画を中心とするソリューション・サービスの開発・提供
・OTT領域:OTTサービス(Over-the-Top media service:インターネット経由のメディアサービス)を提供する
放送局やコンテンツ事業者等に向けた配信基盤やソリューションの提供
これら3つの市場各々に向けて、目的達成に最適化されたソリューションや、リアルと合わせたユーザー体験の高レベル化、セキュリティ強化等、安定して成果を挙げることにつながるソリューションを提供し、業容の拡大に努めてまいります。
EVC領域(医薬):医薬関連企業向けには、グループ連携を強化し、デジタルソリューションを軸に医療DXパートナーとしての提供価値向上を図ります。売上比率の高いWeb講演会関連市場においては、デジタルマーケティング、広告、運営サポート等、当社グループが比較優位を有する分野を中心に総合的な提案を行い、既存大手顧客との取引維持を図るとともに、中堅規模顧客との取引拡大、ならびに未取引大手企業への新規参入を進めてまいります。デジタルマーケティング領域では、「WebinarAnalytics」におけるデータ連携強化や、AIを活用した視聴データ分析精度の向上、視聴者のリアクション獲得に資するサービスの拡販を進めると同時に、集客を目的としたメディア連携を強化することで、顧客企業のマーケティング施策全体の高度化に貢献してまいります。製薬マーケティング以外の分野については、医師の働き方改革等を背景とした医療現場の課題に着目し、医師から患者への説明補助や疾患啓発等における動画活用の可能性を探索してまいります。
EVC領域(医薬以外):医薬以外の事業会社向け動画コミュニケーション分野においては、動画活用に取り組む企業や担当者にとっての最適なソリューションパートナーとなることを目指します。「J-Stream Equipmedia」を中心としたSaaSサービスについては、新規顧客開拓に特化した専任組織を設置し、売上基盤となる顧客層の裾野拡大を図ります。販促セミナーや株主総会等の用途に加え、社内情報共有や教育・トレーニング用途については、AI動画生成クラウドサービス「EQ Presentation Cloud(EQPC)」を提供し、動画制作負荷の軽減を通じて利用促進を図りま
す。また、利用用途に応じて選択可能な「Webinar Stream」「J-Streamミテシル」等のラインアップ拡充を進めるとともに、「VideoStep」のグループ展開を強化し、成長が見込まれるデスクレスワーカー向け教育・研修領域でのシェア拡大を目指します。加えて、「EQポータル」の機能を活用し、顧客企業に蓄積された動画資産の有効活用を促進するとともに、SaaSサービスとしての活用範囲拡大に取り組んでまいります。
OTT領域:インターネット動画サービスの普及拡大を背景に、会員獲得やサービス高度化に取り組む放送局およびコンテンツ事業者を主要なターゲットとし、技術面・ビジネス面の両面から顧客の期待に応える提案と役務提供を進めてまいります。大規模配信やサイト運用を総合的に担う放送局等に対しては、新技術を活用したサービス提案、マルチCDNによる配信品質向上、安定的な運用体制の提供を行います。また、メディアアセット管理システム「Stream MAM」により動画ファイルおよびメタデータの一元管理を実現し、配信業務の効率化を支援します。BS/CS局、スポーツ、各種公営競技等のコンテンツ事業者において高まるセキュリティニーズに対しては、対応するソリューション提案を通じて新規取引拡大を図ります。さらに、動画配信向けオーダーメイド型CMS「Stream BIZ」、OVP「Stream CORE」、キャンペーン展開ツール「マストバイシステム」等の提供に加え、海外SaaSとの機能連携を進めることで、多様化・高度化する顧客ニーズへの対応力強化を図ります。また、セキュリティ対策ソリューションや、動画配信 QoE(Quality of Experience)とQoS(Quality of Service)、リアルイベントでの動画活用など、今後需要拡大が見込まれるサービスの開発を進めます。
これら3市場については、コロナ環境下で急伸した医薬企業関連の市場が大きな比率を占める状況が続きましたが、中長期的には他2領域のニーズを的確に捉えて成長を実現することを通じ、医薬市場だけに依存しないポートフォリオの構成を目指します。
経営管理面におきましては、企業の成長と合わせ、適切なコーポレート・ガバナンスの浸透を図りつつ、グループ経営の統制を強化し、効率化を図ります。コロナ環境下で定着したテレワークについての適切な運用を推進し、一人一人の事情に合わせた時間や場所にとらわれない柔軟な働き方を実現すると同時に、社員の健康管理・人事労務管理、セキュリティ管理面の向上と業務効率化を進め、必要な業務に邁進できる、快適で働きやすい職場環境を実現します。優秀な人材を育成・獲得するために、評価制度や社内研修制度を継続的に改善し、社員の能力向上を支援すると同時に、魅力ある就職先としての情報発信も継続してまいります。
投資および支出面においては、将来の市場ニーズを見据え、より迅速な対応を行うとともに、需要の多様化・高度化に対応するための案件対応力や開発力等、事業遂行体制の継続的な強化が重要な課題であると認識しております。こうした分野への投資を効率的に行うと同時に、動画マニュアル、コンテンツ配信、動画生成等、当社の中核事業領域およびこれに隣接する分野において事業展開を行うスタートアップ企業を主な対象として、M&Aを通じた動画AX SaaSの機能拡充および事業規模の拡大を進めてまいります。
(3)経営環境
インターネットを通じた各種コンテンツ配信の市場や動画を利用したマーケティング活動や情報発信、情報共有は成長基調にありますが、利用される領域が非常に広範であり、どの領域の活動においても、紙媒体や相対による手段から、ウェブ化、さらに動画の利用が進むことが想定できる状況にあります。近年の生成AIの急速な発展も、動画の生成等を通じて様々な変化を加速し、同時に状況を複雑化しています。こうした市場環境下においては、様々な代替となるソリューションや類似のサービスが現れますが、当社グループとして健全な成長を遂げるためには、顧客の動画利用用途に適合し、顧客が意図する成果を挙げることに貢献できるソリューションを常に提供し、市場において確固たる地位を占め続けることが重要であると認識しております。
医薬企業関連の市場においては、コロナ環境下でデジタルシフトが急速に進行したマーケティングが、政府の薬価政策、為替等の影響等を考慮しつつ、今後の展開を検討する状況にあります。当社グループとしては、顧客の活動動向を注視しつつ、マーケティングのより上流のプロセスに参加、提案を行い、変容の兆しを早期に捉える営業活動・情報収集を行います。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループにおいては、インターネットを通じた各種コンテンツ配信の市場や、動画を利用したマーケティング活動や情報発信、情報共有は成長基調にあると認識しております。こうした環境下においては、導入顧客の動画利用を促進する知識や情報を提供し、利用実績を積み重ねることで目的達成への効果を実感頂き、取引規模を順次拡大していくことが重要であると判断しております。この方針の達成状況を判断するために重視している指標は、特に継続的売上と利益が期待できる配信系のプラットフォーム売上高や取引先数(サービスによっては同一企業に複数アカウントを発行する場合もあるため、アカウント数)、既存取引先の維持率、また新規の取引先獲得数であります。また、構築した配信基盤を利用して、こうした顧客に適切なサービスを提供して利益を上げられているかの目安として、営業利益率を重要な指標としております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社では、以下の点を重要な課題として掲げております。これらの重要課題への対応策を具体的な施策に反映させ、業容拡大や会社の健全な運営、社会貢献に努めてまいります。
<配信能力、サービス提供にかかる課題>・医薬企業関連のウェブ講演会のオプションメニューの充実や、データ分析等のデジタルマーケティング・プロモーション領域における専門組織やサービス、ソリューションの確立
・主力サービスJ-Stream Equipmediaの配信基本機能向上と、株主総会、販売促進セミナー、学会などに代表される顧客の動画利用用途夫々に特化した機能開発、動画内製支援機能の強化や有力SaaSとの連携による活用対象用途・販路の拡大
・企業自身による動画利用をサポートする、AIを活用した動画生成サービスの機能拡張
・ライブ案件に関連する制作の合理化・共通化による効率向上と費用削減
・コンテンツ配信向け開発運用についてのキャパシティ増強や、双方向配信、超低遅延配信、管理制作機能、エンタメ向け販促支援ソリューション等の、メディアのニーズに対する対応
・ネットワークキャパシティの増強とトラフィック原価削減、監視体制、耐障害性の充実
・通信量の増加へ対応するネットワーク制御技術開発
・映像制作表現やクオリティの向上、提案力の向上
・AIの利用を通じた、サービス全体の機能向上
<営業力強化のための課題>・医薬企業における新しいチャネルの構築やメディア開拓を通じた販路の拡大
・一般企業のDX推進、特にイベント配信や社内コミュニケーション活性化、教育の充実といった目標達成を支援するためのプロデュース力の強化と、カスタマーサクセスに寄与する活動の強化
・一般企業向け市場における、代理店ほか各種ベンダー向けを含めた情報発信、共同提案体制の強化、導入支援等を通じた顧客開拓力の強化
・放送局を中心としたメディア事業者向け市場におけるコンテンツ配信需要や、番組供給事業者、公営競技等個別のコンテンツプロバイダの事業展開を支援し、収益機会とするための関係強化
<新しい事業領域開拓のための課題>・M&Aを通じた新領域の開拓、海外市場向けの展開
<経営管理・財務にかかる課題>・事業展開、M&A等を通じたROEの改善
・顧客需要動向の把握の精度向上
・適切な外注比率、外注費のコントロール
・グループ統制の更なる強化浸透
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